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●「ロングミッドナイト 一夜の夢」は
イベント会場で参加受付、相談、プレイング提出を行うライブシナリオです。
東イベ参加者は1PC目無料!(2PC以降500円)ですので、是非ご参加ください。




■シナリオタイトル:Cinderella Master
■マスター名:菊池五郎
■募集人数 :1〜8人


●オープニング
 時は西暦2003年。
 突如、世界に『神帝軍』が降臨した。神々しさと、通常兵器を受け付けない絶対的な武力『神機巨兵《ネフィリム》』の前に人々はひれ伏し、神帝軍の支配を享受した。
 だが、神の眷属に敢然と立ち向かう、魔に属する者達――『魔皇《まおう》』と魂の絆《スピリットリンク》で結ばれたパートナーである『逢魔《おうま》』――の存在があった。
 彼達は、彼女達は、『殲騎《せんき》』と呼ばれる巨大人型兵器で、神帝軍の先兵たる『聖鍵騎士《グレゴール》』とその守護天使『導天使《ファンタズマ》』に立ち向かい、その侵略を次々と打ち破っていった。
 そして西暦2004年3月15日。神帝軍の支配の牙城たる『東京ギガ・テンプルム』が魔皇達の総攻撃によって遂に陥落したのだった。

 日本の各県に、神帝軍の支配を象徴するように、テンプルムが存在する。
 徳島県徳島市の県庁の上に浮かぶ『徳島ノーマルテンプルム』(以下、徳島テンプルム)も、徳島県を担当するその1つである。
 東京ギガテンプルムが陥落した後、徳島テンプルムは独自の路線――魔に属する者達と徳島県民との共存政策――を貫く方針を決めていた。
 というのも、徳島テンプルムを管理するアークエンジェル《コマンダー》・アールマティを筆頭に、その指揮下にあるグレゴール達は、神帝軍による人々の支配より自分の趣味にご執心だからだ。
 その趣味とは、制服“萌え”である。
 アールマティは動物コスプレとブルマ(体操着)、グレゴールの1人、プロフェッサー・ビックディッパーはバニースーツと看護士《ナース》服といったビジネス制服系、グレゴール美少女四人組“クルセイド☆フォース”の覇王・摩瑠子(はおう・まるこ)はロリータ系(メイド服内包)、奈瑚・千弥(なこ・ちひろ)は巫女装束といった和装系、真鏡名・桃香(まじきな・ももか)はボンテージやランジェリー系、服部・舞(はっとり・まい)はファミレスの制服全般(メイド服系制服内包)、と、それぞれの制服萌えは千差万別で、時折、徳島市民を巻き込んで『どちらの制服が萌えられる(=支持を集められる)か』を競う、市民からすれば傍迷惑な市民投票を行うが、それ以外は至って平和な県であった。

 そして時は200X年、今また、萌え市民投票が行われようとしていた――。

『徳島県の萌えアイドル、“ミスとくしま”をみなさんにプロデュースしてもらいます』
 コマンダー・アールマティは、一堂に会したグレゴール達を見渡しながら告げた。
 徳島市の治安を担当するクルセイド☆フォースは、徳島県庁の隣に建つ徳島プリンスホテルを接収し、ここを拠点としていた。その最上階にあるダイニングルームに、アールマティの命令でクルセイド☆フォースのメンバーとプロフェッサー・ビックディッパーが集められていた。
「つまり、ミス・コンテストを開催するという事ですね?」
『その通りです。皆さんには1ヶ月間、“ミスとくしま”候補を育成してもらい、1ヶ月後、ミスコンを開きます。そこで徳島県民の投票によって“ミスとくしま”を決定します』
 パフスリーブのブラウスにワインレッドの膝丈キュロットを着、白地に赤と黒のピンストライプのエプロンを付けた不○家レストランの制服を着た服部舞が、アールマティの言葉の意図を読む。流石はクルセイド☆フォースのリーダーである。
 普段はバニースーツといったコスプレをしているアールマティだが、今回はシリアス一辺倒、上半身はコマンダーの正装たる白銀の鎧を身を包み、下半身はアークエンジェルである事を表すかのように馬の胴――所謂ケンタウロス――だ。
 アールマティの正装姿は、メイド服を着た覇王摩瑠子も、巫女装束を纏った奈瑚千弥も、キャミソールを付けた真鏡名桃香も、久しぶりに見た気がする。それだけ、今回の“ミスとくしま”に力を入れている表れだろう。 「とはいえ、吾等達に教えられる事は限られるのですな」
『自分1人で教えるだけではなく、他のグレゴールへレッスンに出しても構いません。オールマイティな魅力を身に付けさせるか、魅力を特化させるかは、“ミスとくしま”候補に任せます』
 こちらも珍しく背広の上に白衣を纏い、教授らしい服装をしているプロフェッサー・ビックディッパーの質問に、アールマティはプロデュースの方向性を示した。

 ――というやり取りの末、今月末に徳島テンプルムによる『“ミスとくしま”コンテスト』が開催される事になった。
 “ミスとくしま”候補達はグレゴールの1人をプロデューサーとして選び、1ヶ月間、1週間ごとに、各グレゴールの元でレッスンを受ける。
 各グレゴールの担当できる人数は最大3人までで、“ミスとくしま”はソロでもペアでもユニットでも参加が可能だ。
 また、摩瑠子:ビジュアル、千弥:ダンス、桃香:セクシー、舞:ボーカル、ビックディッパー:ヲタク系萌え、と、それぞれ得意な分野が異なるので、どのイメージを上げるかは“ミスとくしま”候補が決められる。尚、プロデュースしてもらうグレゴールの得意分野が最初は最も高い。
 そして、最終日に“ミスとくしま”のミス・コンテストが開かれ、ステージ上で歌や踊りを披露し、県民投票が行われて“ミスとくしま”が決定する。オリジナルの歌詞も必要になってくるだろう。

●リプレイ
●それぞれの立ち位置
 JR徳島駅の構内。直結している駅ビル・クレメントプラザや、バスターミナルを挟んで連立する徳島そごうと徳島名店街ビルがあるここは、昼下がりともなると多くの人出で賑わう。
「早速、話題になっているな」
「薫兄ィとデュオが組めるなんて嬉しいよ」
 文月 薫は駅の構内に張っている『“ミスとくしま”コンテスト』の告知ポスターを見ながら、後ろで一括りにしている暗い茶色のボサボサ髪を掻いた。悪戯が見付かったら間違いなく主犯格をやっているような、活発そうな青年だ。
 薫に寄り添っているのは、秋月 蒼。身長155cmの小柄で体付きは抱き締めれば折れそうなくらい華奢、短めに切られた髪をブロンドに染め、一見、少女にしか見えない。だが、れっきとした男の子だった。
 2人は“D.b”というデュオを組んでミスとくしまコンテストに参加する。2人とも男性だが、告知ポスターをよく見ると、性別制限が記載されていないのだ。“ミスとくしま”というフレーズに、先入観からつい「参加資格は女性のみ」と決めつけてしまうが、実は男性もOKだったりする。
「玲花様は、千弥様のプロデュースを受けるのですよね? 私もご一緒なのですが、どのような目的で参加を希望されたのでしょうか?」
「わ、私ですか‥‥? 舞台度胸をもっと付けたいと思いまして‥‥で、でも、どうしてそのような事を?」
「いえ‥‥失礼ながら、あまり乗り気のように見えなかったので」
 フランネル(fa3365)に話を振られた楊・玲花(fa0642)は、精彩に満ち、凛とした顔立ちに微苦笑を浮かべる。黒い瞳に白い肌、チャームポイントであり本人も自慢の腰まで届く艶やかな漆黒の髪、チャイナドレスの上からも分かる豊満なバストと均整の取れたプロポーションといった美人だけに、こういった表情も絵になるのが、フランネルにはちょっぴり悔しいかも。
 フランネルの質問は玲花にとって図星だった。演劇に真摯に打ち込んでいる彼女は、もっと高みを目指す為に今回のミスコンを受ける事を決めたのだ。
 ちなみに、フランネルも胸だけなら負けてはいない。むしろ勝っていると言っても過言ではない。
「千弥さんのレッスンはぁ、かなり厳しいのではないでしょうかぁ?」
「そうだね、千弥は“クルセイド☆フォース”の中でも妥協しない人だからね」
 逢魔・湖の妖精・リフィーナ(w3i495)と逢魔・リアレス(w3c865)は、奈瑚・千弥や覇王・摩瑠子達と面識がある。というより、リフィーナは以前、摩瑠子の元でアイドルグループ“Les Sounere de Noir(ラ・スールド・ノワール)”に所属していたし、リアレスは魔に属する者達が神帝軍に対抗する為に結成した悪の秘密結社“ハングドクロス”の一員として、実際に摩瑠子達と刃を交えた事がある。念の為、片柳・理亜という偽名を使っているが、徳島テンプルムのグレゴールの面々には正体はモロバレである。
 とはいえ、徳島テンプルムは神帝軍と魔に属する者達と徳島県民との共存政策を進めているので特に仲が悪いという訳ではないし、魔皇や逢魔が大っぴらに往来を歩いていても誰も気に留める者はいない。
「うー、あたしはプロデューサーの人選ミスかなぁ。あの人に習うのはいろんな意味で不安だよぉ」
「‥‥そ、それを言ったらぁ、わたしなんかぁ、桃香さんですよぉ〜‥‥」
「っていうか、牛美、その格好でそういう事言っても、ぜんっ然説得力無いよ?」
 逢魔・ヒカル(w3a705)はプロフェッサー・ビックディッパーをプロデューサーに選んだ事に、早くも微妙に不安を感じ始めていた。ヒカルの姿を見掛けた何人かが指を差してゆく。彼女は高校に通いながらアイドルグループ“まじかる♪シスターズ”として活動しているのだ。もっとも、まじかる♪シスターズの活動範囲は徳島ローカルテレビ内と超限定的だが。
 逢魔・牛美(w3h374)の言葉に、リアレスが突っ込むのも無理はない。彼女が永遠のツッコミ役という事もあるが、一般人の往来があるにも関わらず、牛美は魔皇の命令で100cm(Hカップ)の胸の大半が露わになり、下腹部も必要最低限の面積しか覆われていない牛美専用ボンテージを着ていたからだ。真鏡名・桃香から貰ったボンテージだが、既に身体の一部になりつつある。
 ちなみに、牧野・牛美という偽名でミスコンに応募したのも牛美の魔皇で、「面白そうなイベントがあるから行ってこい」と強制参加だ。牛美もリアレス同様、コマンダー・アールマティ達に正体を知られているし、アールマティとは面識もあるので偽名はあまり意味を成さないが。

 全員が誰のプロデュースを受けるか確認すると、ここで別れた。
 レッスンを除き、全員が次に会うのは1ヶ月後、 ミスとくしまコンテストの会場でだ。

●レッスンも楽じゃない!?
 プロダクションといっても、芸能プロダクションではない。便宜上、そう呼んでいるだけだ。

 覇王摩瑠子のプロダクションは、国道438号線から1本路地を入ったところにあるメイド喫茶だった。
「摩瑠子さんはビジュアル面のレッスンをしてくれるんだよね。具体的には何をするの?」
「これに着替えてもらえるかしら?」
 リアレスがレッスンの内容について聞くと、摩瑠子は彼女にメイド服を、リフィーナにロリータ系の服を渡した。  リアレスに渡されたメイド服は、美少女ゲームに登場するようなメイド服ではなく、パフスリーブで膝下10cmのロングスカートという、紺のクラシックなメイド服とフリルで彩られたエプロン、レースのカチューシャだった。
 また、リフィーナに渡されたのは、純白のヘッドドレスにレースがふんだんに付いたオーバーブラウスにスカート、ソックスにブーツ、背中にあしらった純白の天使の翼と、所謂白ロリと呼ばれているロリータファッションだ。清純可憐なリフィーナにぴったりである。
「私が教えるのは、カメラ写りの良い、人から見られて見栄えのする角度ね。要するに、少しでも人から良く見られる方法よ。これを無意識の内に出来るようになれば、ステージ映えするわよ」
 リアレスとリフィーナは、メイド服やロリータファッションの写真モデルとして、ビジュアルを磨いてゆく。

・開始時点での流行→ビジュアル:2/ダンス:2/セクシー:1/ボーカル:2/萌え:1

 奈瑚千弥のプロダクションは、徳島市の郊外にある神社だった。
「え、えっと、楊・玲花です、よろしくお願いします‥‥」
「フランネルです、レッスンよろしくお願いします」
「はい、よろしく。時間がもったいないから、これに着替えちゃってね」
 挨拶もそこそこ、玲花とフランネルに千弥が渡したのは、白衣に緋袴――巫女装束――である。
 ミスコンに申し込む際、コンセプトを書かなければならないので、各プロデューサーにミスとくしま候補達は何をプロデュースして欲しいのか知らされている。
「私が教えるのは神楽だから、結果的にダンスが上手くなるでしょうけど‥‥時間があれば御神楽を教えたいけど、今回は里神楽で我慢してね。でも言っとくけど、里神楽も難しいから、指の先、足の先まで神経を行き届かせるように」
 巫女装束に着替えた玲花とフランネルは、千弥から里神楽のレッスンを受ける。だが、早くも千弥の言った言葉の意味を痛感する。神楽は現在のダンスのように激しい動きはないが、その分、動作の1つ1つを綺麗に行わなければならない。
 千弥の注意と手ほどきを受けながらダンスの技術を身に付けてゆく。

・1週目の流行→ビジュアル:2/ダンス:4/セクシー:1/ボーカル:7/萌え:2

 真鏡名桃香のプロダクションは、両国橋近くにあるランジェリーショップだった。
「も‥‥桃香さん〜、セクシーって一体〜‥‥」
「‥‥脱いで‥‥」
「は、はい〜?」
 ボンテージでレッスンをすると思いビクビクしていた牛美だが、桃香は更にその斜め右45度上に行き、彼女に全裸になるよう告げる。
(「こ‥‥これって羞恥プレイ‥‥?」)
 生まれたままの姿になった牛美の周りを回る桃香。牛美は恥ずかしさのあまり、涙目を強く瞑って俯いている。  すると今度は桃香の手が牛美の身体を蹂躙し始める。蠢く手は牛美から羞恥を拭い去り、代わりに快楽を与えてゆく。
「わ‥‥わたしぃ‥‥はぁはぁ‥‥このままだとぉ、くふぅ! ‥‥は、弾けちゃいますぅ〜!」
「‥‥良いスタイルと感度ね‥‥常に見られている事を意識するのよ‥‥女は見られる事で美しくなるのだから‥‥」
 息が荒くなり、太股の付け根をこすり始める。
 もう1人の牛美である黒い牛美が出てくる寸前で、桃香の愛撫が止まる。牛美の中には快楽の火種が燻るが、桃香はそれを再燃させようとはしない。
 「見られる事」を意識する為に、牛美はランジェリーショップのランジェリーのモデルをし、街中ではボンテージで歩くよう言いつけられた。

・2週目の流行→ビジュアル:3/ダンス:6/セクシー:3/ボーカル:9/萌え:3

 服部・舞のプロダクションは、国道192号線沿いにあるファミレスだった。
「ウエイターのアルバイト!? 俺達が!?」
「そう、今日から1週間、このファミレスでウエイターのアルバイトをしてもらいます。あなたはウエイトレスでもいいけど」
「じゃぁウエイトレスをやりたいな」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺達はボーカルのレッスンを受けにきたんだ。バイトをしに来た訳じゃない」
「まぁ、騙されたと思ってやってみなさいな。結果は1週間後、分かります」
 薫はウエイターの制服を、蒼はウエイトレスの制服を渡され、接客のバイトをする事に。
「いらっしゃいませ!」
「わあ!? も、申し訳ありません〜」
 薫は元気良く来客を迎え、ドジッ子天然気質の蒼はしょっちゅう料理をひっくり返して謝る。
 するとどうだろう。1週間後、以前より声量が付いているではないか!
「1週間、ずっと声を出し続けたのですもの、声量は付きますよ」
 アルバイトの狙いはこれだったのである。

・3週目の流行→ビジュアル:5/ダンス:7/セクシー:5/ボーカル:12/萌え:3

 プロフェッサー・ビックディッパーのプロダクションは、JR徳島駅近くにあるネットカフェだった。
「取り敢えず頑張る‥‥って、何でコスプレなの!? ちょ、ちょっと恥ずかしいんだけど」
 来て早々、ヒカルはアニメキャラのコスプレをさせられる。
「では、これからヲタクの萌え心を鷲掴みにしたアニメをマラソンで観るのですな」
「マラソンって‥‥」
「1日あれば、30分アニメを48話観られるのですな。何が受けて、何が受けなかったか、自分の目で確かめ、そして萌えを開花させるのですな」
 ヒカルは多くの名台詞を生み出したロボットアニメの最新作に始まり、2人の女子中学生が変身して戦うアニメや月からやってきたお姫様と恋に落ちるアニメなどを、1週間の半分を掛けてマラソンする。
「次にアニメキャラになりきるのですな。コスプレが受ける秘訣はそのキャラになりきる事。これはドラマの役作りにも役立つはずですな」
「むー‥‥騙されてる気もするけど‥‥ア@ドルマスターになる為に、何でもやってやる―――――!!」
 開き直ったヒカルは、残りの1週の半分をコスプレで費やした。

・4週目の流行→ビジュアル:6/ダンス:9/セクシー:7/ボーカル:14/萌え:4


●ミスとくしまの栄冠は誰の手に!?
 徳島県文化の森総合公園内に設置された特設ステージ前には、“ミスとくしま”候補達のステージを見ようと、多くの徳島県民が詰め掛け、満員札止め状態だ。
 このステージは徳島ローカルテレビで徳島県全域に中継され、即日、県民投票が行われる。

 最初を飾るのはリフィーナだ。
 ステージに現れた彼女は、黒地を基調に、袖口とスカートの裾に白いレースレインの入った黒ロリドレスに身を包んでいる。

♪空を飛び交う小鳥達も つがいになっていく様に
 私はあなたに出会って 共に道を歩んで行く

 どんな障害があっても 決してくじけはしない
 それは心に確かな物があるから

 そっと手が触れ合い
 想いが重なり
 そして気付く
 かけがえのない宝物

 そっと心が触れ合い
 時間を重ねて
 確かに気付く
 あなたという宝物♪

 『かけがえのない宝物』はブルース調だ。
 激しいダンスを敢えて捨てて、好きな歌に絞っていた。


 続いて巫女装束姿に扇子を持ったフランネルがステージに立つ。

♪舞い上がれ♪

 最初は優雅な舞いから、徐々に激しいものへと移行。

♪川辺彩る浴衣達 夏も最後の大祭
 屋台の灯り笑い声 無数の喜び行き交う世界
 1つの合図に全てが止まり 皆が1つを待ち受ける♪

 両手に持った扇子を空中へ飛ばし、受け取ったりと激しいアクションを見せる。

♪3、2、1、0!!
 舞い上がれ 大花火 皆の想いを天に持ち上げ
 華開け 大花火 空を無限の幸せに 染め上げろ!♪

 激しい動きの所為で帯が緩み、白衣が乱れるも、フランネルは集中していて気付かない。
 最後には緋袴の裾を踏んづけて足を滑らせて豪快に転け、半分以上が露出した胸の谷間に扇子が挟まり、ようやく自分の艶姿に気付いたものの、既に徳島県中に放送されており手遅れだった。


 続く玲花は『麗しき白拍子』をコンセプトに、1本に束ねた黒髪に烏帽子を被り、水干を纏った緋袴の姿。
 緋の単の上に白衣を着て、そのコントラストから色気を醸し出す。
 朗々と謡を唄いながら、しずしずと、時には激しく舞い踊る。
 手に持った扇が上下左右、縦横無尽に優雅に舞い、まるで蝶のよう。
 時折翻る袴から覗く脚線美。
 徐々に着崩れて行く水干や単。
 それらから見える玲花の白い肌は妙に艶めかしく。
 大人の女性の色香を感じさせる。
 終いには長襦袢姿となり、肩をはだけさせていた。


「“D.b”です。蒼の歌声に酔って下さい」
 薫のマイクパフォーマンスに、にっこり微笑んで応える蒼。
 薫は黒を基調とした動きやすさ重視のパンク系ルック。蒼はチャイナ系のパンクロリータで決めている。

♪時のシズク 闇のラセン
 めぐりめぐる bloody moon♪

 蒼の斜め後ろに背中を向けて立つ薫。
 歌が始まると同時に、蒼にモーションを掛けるようにダンスを始める。

♪あなたの腕の中 私は囚われ‥‥♪

 蒼が歌うのはヴァンパイアに囚われた女の子がテーマだ。
 薫は蒼の肩を抱き、マイクに顔を寄せてハモるのも忘れない。
 蒼の持つマイクに薫の手が添えられ、思わず取り落としてしまう蒼。
 それを拾おうとして今度は転け、涙を溜めた目で薫を見上げる。
 薫は転けた蒼をお姫様抱っこして持ち上げる。
 立たせて指で涙を拭い、軽く頭を撫でて、最後は一緒に客席へ一礼する。


 トリを務めるのは、ヒカルとリアレス、牛美の逢魔3人ユニットだ。
 ライトに立つヒカルは、白を基調とし、沢山のフリルの付いた魔法少女風の衣装。
 センターに立つリアレスは、白と黒の色合いを半々に、フリルは控えめ、シックな可愛さを前面に出したメイド服。
 レフトに立つ牛美は、黒を基調としたボディスーツにフィンガーレスロンググラブ、ロングブーツといったランジェリー系の衣装。
 ヒカルからリアレスを経て牛美へ、少女が女性へ変わり行く姿を服装で表現しているかのようだ。

♪あの空を流れる 星のように
 あなたに届け 三つの想い♪

 出だしは3人同時に。

♪日射し照る下で 一緒にいたい
 両手繋いで ずっと一緒に
 「大好き♪」♪

 先ずリアレスのソロが入る。

♪月明かりの中 一つになりたい
 純白の液体(ミルク)を 私に飲ませて
 「大好き♪」♪

 続いて牛美のソロ。
(「わ‥‥わたしぃ、だ‥‥ダメ! 今はコンテスト中‥‥ああん!!」)
 桃香によってすっかり開発されてしまった見られる快感に酔いしれ、目が潤み、頬が紅潮してくる。

♪お兄ちゃんのこと 大好きだよ
 僕のこともっと 女として見て欲しいな
 「「「大好き♪」」」♪

 ヒカルのソロ。
 でも台詞は全員で。
♪あの空を流れる 星のように
 あなたに届け 三つの想い
 全部受け止めて 答えてくれたら
 心も身体も あなたにあげるわ♪

「わ、わたしぃ‥‥もう‥‥!」
「きゃふ!? 牛美、落ち着いてよ!」
 全員が歌い、残るは伴奏のみ、というところで牛美の我慢が限界を超え、ヒカルを押し倒してしまう。  慌ててリアレスが止めに入り、幕が下ろされるが‥‥その後、牛美の暴走は桃香達グレゴール達が介入するまで続いたという。
 余談だが、牛美とヒカル、リアレスの組んず解れつ姿はばっちり放送されており、リアレスは相方の魔皇に弄られる事となるのだが‥‥それはまた別のお話という事で。


 尚、県民投票の結果、ミスとくしまには“D.b”の薫と蒼が選ばれた。玲花とリフィーナは惜しくも同位次点だった。
 フランネルとヒカル・リアレス・牛美の逢魔3人ユニットは、男性票を奪い合う混戦状態だったという。
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