『ＷＳ〜三歩進んで二歩下がる〜 』

奉丈・遮那（ga0352）

　誕生日祝いを理由にお誘い
　やっぱり恋人としてお付合いをしたい訳ですが
　今は妹さんが一番で、卒業か終戦までお預けかな？
　
〜今日という日を楽しみに〜
「綺麗なクリスマスツリーですね。お誘いしてよかったです」
「ええ、私もこんなものが見れるなんて思って見なかったわ」
　奉丈・遮那はリネーア・ベリィルンドより一歩離れた距離を保ちながらツリーを見上げている。
　高さは１０ｍはあろうかというツリーには白い雲やぬいぐるみ、電飾などが派手に飾られていた。
　釣り下がっているものにはメッセージカードもあり、日本の七夕のような雰囲気でもある。
　豪華客船のクリスマスパーティのチケットが手に入ったのは何よりだった。
「今日は妹にも振られちゃったから家で一人で飲もうと思っていたのよ。今日は誘ってくれてありがとう」
　オペレーターとして凛々しいときもあるリネーアだが今は一人の女性として楽しんでいる。
　妹のことを心配する姉でもなく、素のリネーアなのかも知れない。
「いえ、誕生日祝いなのにこんなに伸びてしまってすみません」
「気にしなくていいのよ。ほら、折角のパーティなんだから『友達』同士楽しみましょ？」
「友達‥‥ですか‥‥」
「ええ、友達でしょう？」
　露出の少ないドレス姿でリネーアは微笑んだ。
　遮那はそんなリネーアに苦笑を返すしかできない‥‥。
　
〜ディナーの肴〜
「食後のワインって何でこんなに美味しいのかしらね？」
　食後であるにもかかわらず、ボトルをいくつか開けたリネーアは高級ワインの味と香りを心行くまで楽しんでいた。
　楽しみながらこれほど飲む人はなかなかいない。
「あはは‥‥でも、ほどほどにしませんとウェイターさんの目が気になります」
　リネーアの酒豪っぷりに『そろそろやめて』と懇願するようなウェイターの目に気づいた遮那はリネーアを制した。
「少し休憩しようかしら？　次のワインのおつまみにチーズを追加でお願いしたいし」
「本当にすごいですね‥‥もう、なんにもいえません」
　遮那もワインを飲み終え、空のグラスをテーブルに置くと一息つく。
「他の人が見たらどうみえるんでしょうね？」
「何かしら？」
「僕とリネーアさんですよ‥‥友達でしょうか？」
　遮那の心にある素朴な思いを口にした。
　口数が少なく、受身であることの多い遮那は酒の勢いもあって直接的に思いをぶつける。
　その先にある希望を心に秘めて‥‥。
「私はそうだけど‥‥他の人からはどう見えるかなんて余り考えていなかったわ。もちろん、仕事のときは皆平等に見えるように努めてはいるけど‥‥」
　リネーアは考えても見なかったことに悩んだ。
　俯き、遠くを見るような視線で空のグラスを眺める。
「そんなに悩ませるつもりはなかったのですが‥‥」
「でも、私は妹のために仕事をしていたから‥‥こうして友達と飲むことも最近増えてきてはいたけど、どう見えるか考えていなかったのは失礼よね？」
「僕としては誘いに乗ってくれるだけで嬉しいですよ。失礼なんてことは無いです！」
　控えめになっていくリネーアを遮那は身を乗り出しながら否定した。
「ありがとう‥‥そういってもらえると私も気分が楽になるわ。遮那さんは本当にいい人ね」
　暗くなっていたリネーアの顔に花が咲く。
　遮那はそんなリネーアの顔を見るとやっぱり素敵だと思った。
「じゃあ、もう１杯驕ってもらおうかしら？　すみません、このワインにスモークチーズと何か適当にオススメのおつまみをください」
「まだ飲みますか‥‥１杯だけですよ？」
　遮那はリネーアの脈の無い反応に少し残念に思いながら席に座り直しグラスに注がれるワインを見る。
「もし‥‥ね、他の人が私達を恋人に見ているとしたら遮那さんにすごく悪いなって思うわ。私にはそのつもりないもの」
「ええっと、その話はここまでで‥‥今はお友達として今日を楽しみましょう」
　遮那は精一杯の笑顔を作り、リネーアと乾杯をした。

〜プレゼントを渡して〜
　遮那とリネーアは再び甲板に戻り雪の降る夜空を見上げている。
「雪ね‥‥」
「ええ、ホワイトクリスマスで素敵ですよね」
　二人の距離は少し離れていた。
　先ほどの話から意識をしたのかもしれない。
　でも、ツリーを見たときと同じような気もするが、心の距離は遮那には計りきれなかった。
「ええっと‥‥クリスマスプレゼントです。」
「私に？　ええっと‥‥もらってもいいのかしら？」
　控えめに差し出されたプレゼントをこれまた控えめに受け取るリネーア。
「カラフルストールです。誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントを合わせたものですから‥‥どうぞ」
「ありがとう、メリークリスマス。来年はお返しをするわね？」
　プレゼントを受け取ったリネーアは遮那を見上げてそっと笑った。
　

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号　／　ＰＣ名　／　性別　／　年齢　／　クラス　】
　ga0352　　／奉丈・遮那／　　男　／　３１　／スナイパー

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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どうも、毎度毎度ギリギリの橘真斗です。
このたびも発注ありがとうございました。

雰囲気のいいディナーとプレゼントをお互いの気持ちをあわせて描いてみましたがいかがでしょうか？
意識の変化をどう捉えるかは遮那さん次第です。

これからも仲良くしていただければと思います。

ＷＳ・クリスマスドリームノベル

橘真斗

CATCH THE SKY 地球SOS

2010年01月15日