▼作品詳細検索▼  →クリエイター検索


『Sweet Dream【護り星】 』
密原・帝(ha2398)


 甘くむせ返るようなお菓子の匂い。
 チョコレートの、ほろ苦くて優しい匂い。
 そして、それらのような、甘く、ほろ苦く、優しいひととき。
 そのなかで微睡むのは、密原帝(ha2398)――。


 濃紺で、両端に黒炎柄の入ったマフラー
 そのマフラーは、バレンタインにララちゃんが僕にくれたものだ。
 ララちゃん。ララ・トランヴァース(hz0031)。
 彼女が編んでくれた、大切なマフラー。
 僕は朝からずっと、そのマフラーを前に考え込んでいた。
 ――彼女に何をお返ししたら喜んでもらえるだろう。
 彼女のことだからきっと、何を受け取っても笑顔を見せてくれるに違いない。だからこそ、その笑顔がとびっきりのものになるような、そんなお返しを。
 僕は、そう思う。
 彼女の好きなもの、喜びそうなもの。心当たりは沢山あるけれど、一番大切なのはそこに込める僕の気持ち。彼女と初めて逢った日から一年と少し。色んなことがあった。それらを乗り越えて、今の僕がいて、僕達がいる。
 中途半端なものは、絶対に渡したくないから。


 初めて逢ったのは、彼女がお母さんの裁縫箱と同じものを欲しがっていたとき。裁縫箱に貼る布を作っている集落に一緒に行った。
 あのときは確か、僕は引率者みたいな感じというか……なんというか。ララちゃんの印象ももっと幼くて、面倒見なきゃって感じだったな。そういえば、お礼として外套をもらったっけ。
 次は遠い集落での合同結婚式。あのときは彼女の父親のギルド長オールヴィル・トランヴァース(hz0008)を牧師長に仕立て上げたっけ。彼女は可愛らしいドレスに身を包んでて、僕の後ろにかくれてて。ひょっこりと顔を出した彼女を見て、ギルド長は卒倒しかけたんだったなあ。
 その楽しかった思い出のあとは……絶対に忘れてはならない、記憶。
 彼女を護りきれずに、その首に傷を残してしまった。
 あのときのことは忘れない。忘れられるはずがない。僕の腕の中で震えていた彼女。あのとき、彼女が抱いた恐怖はどれほどだったのだろう。絶対に忘れてはならない、自分への戒め。
 あのときから僕は――強さを求めた。
 何があっても彼女を護り抜こうと決めた。
 ヘイタロスでの花祭りのとき、僕はレッドチェアが所有するペガサスに乗って空から花を舞わせた。僕の腕の中にはララちゃん。一緒に空から地上を見下ろしていた。彼女の手には、僕が渡したエンゼルランプ。彼女を必ず護るという、誓いの花。
 式典のときに大きな戦いがあった。僕はもちろん最前線へ。要塞都市アレハンドロに向かうときに、僕は彼女に告げた。必ず皆で無事に戻るから、と――。
 必ず戻る。有事の度に彼女に向けてその言葉を言ってきた。いつも彼女は不安と安堵のない交ぜになった表情を浮かべる。だけれど、僕が必ず戻ると信じてくれているのだろう、いつも彼女は「いってらっしゃい」と見送ってくれた。
 ジューンブライドには、ブリーダーギルドで結婚式が行われた。そこで使う花を調達しに行ったとき、花冠を作ったっけ。ララちゃん、とても楽しそうだった。結婚式では……彼女にブーケを渡した。僕がこっそり用意した、ブルースターのブーケ。
 結婚式や花嫁さんに憧れているララちゃん。ブーケを受け取った瞬間の彼女の笑顔は、今でも忘れられない。
 ……いつか……。
 ……。
 ……何をプレゼントするのか、少しだけ固まってきた気がする。
 エピドシスに関する有事では、彼女は父親に初めて反抗した。芯の強さを見せて、真正面から父親にぶつかっていった彼女。前に進むために、剣を握った彼女。僕はそんな姿を近くで見続けてきた。
「ララ」という名をもつ二人の子供にも出会った。彼女が小さな未来の架け橋になったのは僕もとても嬉しくて。そしてその瞬間に立ち会えたことも、忘れることができない想い出だ。
 ハロウィンではパーティーで一緒に踊ったし、変な夢も見た。ララちゃんが巨大化して世界征服するという夢。その夢の中で彼女は、最後に僕の言葉を聞いてくれた。元の姿に、戻ってくれた。
 クリスマスには、皆を笑顔にしたいと言ってララちゃんは張り切ってた。サンタの格好をした彼女を追いかけて……ええと、その、うん。……僕、とんでもないこと口走ったよね。今考えると恥ずかしくて恥ずかしくて。そういえば、その直前にララちゃんは僕の腕の中に飛び込んできた。そして何かを言おうとして――ギルド長に邪魔された。
 あのとき、君は何を言おうとしていたんだろう?
 カウントダウンのパーティーでは、可愛い振袖姿も見たなあ。僕のプレゼントも喜んで受け取ってくれたし、双六ではギルド長の逆鱗に触れちゃったし。でも……そういえば、クリスマスくらいからララちゃんの様子がちょっとおかしいような?
 よくショートするようになったよね。僕の……前で。
 ……僕の、ことで。

 ざっと想い出を辿ってみたけど、他にも沢山のことがあったな。彼女の笑顔も、泣き顔も、怒った顔も喜んだ顔も、苦しんでいる顔も。全部見てきた。近くで、隣で、いつも、いつも。
 護りたい、その一心でここまできて。
 手を離したくない、今ではそう思う。
 そしてそれは、これからもずっと続くのだろう。
 いつから彼女の存在がこんなに大きくなったのだろう。でも、「いつから」なんて関係ない。今の僕は彼女のことが大切で、護りたいのだから。
 ――とても、大切な存在なのだから。
 プレゼントするものは、決まった。
 これしかないと、思う。
 ――指輪。
 ……べ、別に、その、うん。腕輪や首飾りだと武器振り回すには邪魔だし。うん。
 と、とにかく指輪っ。彼女に似合う指輪を、贈るんだ。
 僕があげたブーケを受け取った瞬間のあの笑顔。きっと、あれ以上の笑顔を見せてくれるに違いない。
 僕の気持ちと、彼女の気持ちが同じで……見えない糸で繋がっているのなら。


 そうと決まれば、早速腕のいい職人捜しだ。ララちゃんにバレないように聞いて回らないとね。渡す前にバレてしまったら、意味がない……というか、もったいない。色々と。

「腕のいい職人? 指輪作るの?」
 ちょっと素っ頓狂な声を出したのは、ギルド近くで飲食店を経営するエリザベス(hz0050)さんだ。
 体は男性だけど心は女性の彼女は、いつも色々なアクセサリーを身につけている。きっといい職人を知っているに違いない。かなり期待できそうだった。
「……知ってるけど……タダじゃ教えてあげなーい」
 ぷいっ。エリザベスさんはそっぽを向いた。
「え、え、じゃあどうしたら教えてくれるんですかっ?」
「体で払ってもらいましょうか」
「……か……っ!?」
「そう。なかなかいい素材だから一度化粧してみたかったのよね〜。今日、うちのお店に立たない?」
「お断りします」
 きっぱり。
 僕は迷うことなく断って、エリザベスさんから脱兎の如く逃げ出した。
 だって、万が一ララちゃんに見られたら恥ずかしい……し。うん。

 次はマグさん。レッドチェアのマグノリア・シン(hz0037)。
 はるばるヘイタロスまで来ちゃったよ。彼女ならいい職人を知っていると思うんだ。なんたってヘイタロスには色んな職人や商人がいるのだから。
「職人? 知ってるけど……その代わり」
 マグさんは僕の体を上から下までじっくりと眺めた。嫌な予感がする。
「……アンタ、この一年で随分逞しくなったし……ね、うちの実験に協力しないっ!?」
「お断りします」
 きっぱり。
 僕は迷うことなく断って、マグさんから脱兎の如く逃げ出した。
 だって、万が一何日間も拘束されたら間に合わなくなってしまう……し。うん。

 やっぱりあのひと達が適任かな。
 ギルド長補佐ヴィスター・シアレント(hz0020)と、その弟子のエステル・アイヴォリー(hz0021)。
 ヴィスターさんとエステルさんなら絶対にいい職人を知っているだろうし、交換条件を出したりはしないだろう。
「職人さんですか?」
 エステルさんが首を傾げる。
「指輪を……作るのですか」
 ヴィスターさんが思案する。
 あれ? なんだろう、この反応。二人とも考え込んでしまった。僕は何かまずいことでも言ってしまったんだろうか。
 やがて二人は顔を見合わせ、僕に聞こえないように二言三言かわすと、「それなら」と同時に頷いた。
「私達に訊くより……」
「ヴィルに訊いたほうがいいですよ。……大切な指輪ならば、尚更」
「ギルド長……に?」
 思いがけない返答に、僕は次の言葉が出てこない。ただ、彼等が敢えて「ギルド長に訊け」と言うからには、何か意味があるのだろう。それに、僕はギルド長に対してこそこそするつもりもないし、したこともない。
 大切なお嬢さんに贈る指輪なのだから、そういう意味でも……ギルド長に訊くのもいいかもしれない。
「わかりました、ギルド長に訊いてみますっ!」
 僕は二人に頭を下げ、少し緊張しながらギルド長室へと向かった。

「……ふぅん? 指輪職人……ね」
 ギルド長は真っ直ぐに僕を見据えてくる。その表情は硬く、思考は読み取れない。もしかして怒っているのだろうか。
 でも、怒られたって僕は彼女に指輪を贈る。
 この決意は、たとえギルド長であろうと変えられやしない。
「できれば、ララちゃんに知られないようにしたいんです」
 僕も真っ直ぐにギルド長を見つめ返す。自分の決意が揺らぎないものであることを示すように。
 ギルド長は僕から目を逸らさず、しかし右手の指先はとんとんと執務机を叩き続けている。恐らく、彼の中であらゆる想いが渦巻いているのだろう。もしかしたら、あの手で殴られる可能性だってある。
 僕を殴ろうか、怒鳴ろうか、蹴散らそうか、そんなことを考えていたっておかしくはない。彼がどれほどララちゃんを大切にしているのかは、僕もよく知っている。
 しかし、長い沈黙を破って彼が発した言葉は、予想外のものだった。
「……俺が女房に贈った指輪……。それを作ってくれた職人を紹介しよう」


「ギルド長からの紹介……って、え、本当かい?」
 教えられた職人は年老いたエルフで、ギルド長からの紹介状を渡すと何度も僕の顔と紹介状を見比べた。
「……そうか、君が」
 そして嬉しそうに目を細め、僕を作業場の奥にある休憩スペースへと誘った。
「昔、まだギルド長が十八の頃か。あの頃はまだギルド長じゃなくて……一介のブリーダーで。俺は一見の客は断っているんだが、彼はどうしても作って欲しいって土下座してきてな。それでも断っていたら、じゃあ作ってくれるまで毎日来るって言って……雨だろうが嵐だろうがなんだろうが、本当に毎日来て土下座していくんだ」
 職人はコーヒーを淹れながら、懐かしげに語る。
「それで俺も、コイツはただ事じゃねぇなって思って……まあ、作ってやったわけよ。指輪。……で、完成した指輪を渡したとき、なんで俺に作ってもらいたかったんだって訊いたら、なんて言ったと思う?」
「なんて言ったんですか?」
「……自分の父親が、母親に贈った指輪が俺の作品だったから、だとさ。俺はもう、たまげたね。だったら父親から紹介状でも書いてもらうなり、母親の指輪を持ってくるなりすれば話は早いだろ。でもあの頃にはもう両親は他界してたらしくてな。……それで、まあ、あんな行動に出たそうだ。馬鹿だよなぁ、父親の名前を出すだけでもよかったのに」
「ギルド長は……どうしてそれをされなかったんですか?」
「思いつかなかったんだとよ。俺があとで『親父さんの名前を出してくれれば一発だったのに』って言ったら、『……あっ!!』って頭抱えやがった」
 けらけらと笑い、彼は僕にコーヒーを差し出す。湯気が、揺れる。
「ギルド長らしいですね」
 思わず僕は笑みを零した。こんなこと本人が聞いたらきっと怒るんだろうな。
「だろう? そのあと……あいつはギルド長になって、嫁さんが亡くなったとき、俺のところに来たんだ。……いつか、娘が選んだ男を紹介するって」
「……え?」
「娘にも俺が作った指輪を持たせたいらしいんだな。でも贈るのはギルド長じゃない。……娘が選んだ男じゃなきゃ駄目だって言うんだ」
「……選んだ、男」
「……あんただよ」
「……僕」
「……この紹介状には、はっきりとそう書いてある。『娘が選んだ帝という男に、指輪を作ってやってくれ』ってな」
 ――ギルド長……。
 そうか、だからヴィスターさんやエステルさんは、ギルド長に訊けと言ったんだ。ギルド長の想いを知っていたから。もし僕がララちゃんの選んだ男じゃなかったら、きっと彼等が職人を紹介してくれていたのだろう。全く違う、職人を――。
 ララちゃんが僕を選んでくれた。
 いつも僕がララちゃんに近付くと威嚇してきたギルド長が、本当は認めてくれていた。
 ……色んな想いが、ぐるぐると回る。
「さ、コーヒー飲んだら教えてくれや。どんな指輪を希望するかをな! 最高の指輪を作ってやるぜ……!」
 職人は僕の肩を軽く叩いて、満面の笑みを浮かべた。


 完成した指輪は、僕が望んだとおりの仕上がりだった。
 サイズは大人の女性の平均的なサイズ。
 透明な宝石がリングを囲み、中央にたったひとつだけ赤い宝石。その両脇を青い宝石が挟む――エタニティリング。
 ……待て。
 ちょっと待て自分。
 指輪が完成したのはいいけれど、よく考えたら相手は十二歳じゃないか……!
 作るまでの勢いはよかった。作ったことに後悔はない。
 だけど、まだ十二歳の……思春期に入ったばかりの多感な彼女に、本当にこれを渡していいのだろうか。
 いきなりエタニティリングなんて渡されたら、困ったりしないだろうか。
 ――でも。
 渡さなかったら、きっと後悔する。
 ギルド長が職人を紹介してくれたのも、渡すことに間違いはないと言ってくれているようなものだ。
「……よし」
 渡そう。
 彼女のために強くなりたくてここまで来たのだから。必ず護ると、誓ったのだから。
 ――その想いは、これからも変わることはないのだから。


「帝さん、その荷物なあに?」
「ないしょ。花畑についたら教えてあげる」
 そんな会話を交わしながら、僕等は花畑へ向かう。バレンタインのお返しがしたいから、と彼女を呼び出した。
 ララちゃんは髪を下ろして、ワンピースに身を包んでいる。いつもの活発な印象とは違って、少し不思議な感じだ。僕が抱える荷物を不思議そうに眺め、でもそれがプレゼントだとわかっているから、ちょっとそわそわ嬉しそうに彼女は歩く。
「あっ、見えてきた! 帝さん、早く、早く!」
 見えてきた花畑に、彼女は歓声を上げる。頬を紅潮させて笑顔を浮かべて、僕の手を握って――駆けだした。
 小さな手。
 僕の掌にすっぽりと収まってしまう。
 いつもこの手で剣を握って、戦っているんだなぁ。
 小さな手。
 僕の手をしっかりと握る、温かい手。
「うわぁ……っ! 綺麗……っ!」
 そして広がる花畑は、無数の色に溢れかえって彼女を包み込む。
 その中に赤い髪が揺れる。
 僕達の他に誰もいない花畑は甘い香りでむせ返り、異世界に迷い込んだような目眩さえ覚えた。
「花冠、作ろうか。前に一緒に作ったときみたいに」
 僕は彼女の腕を引いて、花の絨毯の中に腰を下ろす。僕達に驚いた蝶達が舞い上がった。
「頑張って作っちゃうんだから!」
 ララちゃんは花を選び始めた。僕も一緒に選んで、ひとつずつ丁寧に手折ってゆく。
「……ね、帝さん。……早いね、初めて逢ってからもう一年すぎちゃったんだ。そして、あの日からも……一年」
 彼女はそっと自分の首に触れた。
「……いつも、いつも……あたしを見てくれてる」
 花冠と作る彼女の手が止まる。
「……いっぱい、危険な目に遭わせてしまってる気がする」
 その手は膝の上で握られ、小さく震える。
「……いつも、護ってくれてる」
 僕に背を向けて俯き、髪で顔を隠す。肩も小さく震え出した。
「……ごめんね、帝さん。……それから、ありがとう」
 そして震える声でそう言いながら、双眸に涙を溜めて彼女が振り返った――そのとき。
 僕は、彼女の頭に花冠を乗せた。
「……え?」
「……似合うよ」
 僕は心からの笑顔を彼女に贈る。驚く彼女は目をぱちぱちさせる度に、溜まった雫が弾けていく。
「似合う」
 もう一度僕が言えば、彼女は見る間に笑顔になり――。
「ありがとう……っ!」
 僕に、抱きついた。
「ラ、ララちゃん……っ!?」
「……あっ、ご、ごめんなさいっ!!」
 ララちゃんは真っ赤な顔をして、慌てて僕から手を離す。頭上の花冠がぱさりと落ちた。
「いいよ、大丈夫。ほら……落ちちゃったよ」
 くすりと笑い、僕はその花冠をもう一度彼女の頭に乗せた。抱きつかれたのは驚いたけれど、でも、嫌じゃない。
 ララちゃんはにこにこと笑いながら、頭上の花冠にそっと触れる。僕はそれを見届けると、持ってきた包みを開けて見せた。
「うわぁ、くまさん……!」
 歓声を上げて、包みから顔を出した熊のぬいぐるみに頬をすり寄せる。そして、「あれ?」と目を丸くした。
「くまさん……何か持ってる?」
 ぬいぐるみが持つ小さな箱に気付いた彼女は、不思議そうにそれを見つめている。僕はぬいぐるみの手からそれを取ると、ララちゃんの掌にそっと載せた。
「バレンタインのお返しだよ」
「……これ……。……開けて、いいの?」
 中に何が入っているのか気付いたのだろう、彼女は目を見開き、瞬きさえ忘れて僕を見つめる。
「……僕が開けて良いって言う日まで、開けちゃだめだよ?」
 僕が悪戯っぽく微笑んで見せると、ララちゃんはちょっと口を尖らせて「残念」と笑った。
「でも……」
「……ん?」
「……あたし、早くこの箱を開けたいな。……急いで大人になるから……待っててくれる?」
 上目遣いに僕を見る彼女は、とても不安そうな顔をしている。
「急がなくて良いよ。何も……心配しなくていい。大丈夫だよ」
 大丈夫。何も心配はいらないから。
 僕はちゃんと待っていられるし、これからも傍にいて君のことを護っていくから。
「だから、そんな顔はしなくていいんだよ」
 僕が笑いながら自分の額を彼女の額にこつんと当てると、彼女はパッと顔を輝かせ――。
「ありがとう……!」
 幸せそうに、笑った。
 それは僕が今まで見てきた笑顔の中で、一番幸せそうな笑顔だった。
 何よりも大切な、この笑顔。僕はこの笑顔を護りたい。
 そして僕等は、手を繋いで歩いていくんだ。
 いつかこの箱を開ける日が来ても、ずっと――。



━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
【ha2398 / 密原帝 / 男性 / 19歳 / ウォーリアー】
【hz0031 / ララ・トランヴァース / 女性 / 12歳 / ウォーリアー】
【hz0008 / オールヴィル・トランヴァース / 男性 / 32歳 / ウォーリアー】
【hz0020 / ヴィスター・シアレント / 男性 / 34歳(実年齢102歳) / ウォーリアー】
【hz0021 / エステル・アイヴォリー / 女性 / 20歳 / ウォーリアー】
【hz0037 / マグノリア・シン / 女性 / 32歳 / ウォーリアー】
【hz0050 / エリザベス / 女性(♂) / 20歳(実年齢60歳) / 一般人】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
■密原帝様
いつもお世話になっております、佐伯ますみです。
「甘恋物語・スイートドリームノベル」、お届けいたします。
一人称三人称お任せとのことでしたので、今回も一人称にさせていただきました。
今回、過去にララと関わっていただいた依頼を少し振り返ってみました。過去のリプレイを読み返しながら「こんなこともあったなぁ」と感慨深くなった次第です。
NPCも総動員で、しかも初めて熊がシリアスだったりします(笑
お気に召すものに仕上がっているといいのですが。少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
そして、ララをどうぞよろしくお願いいたします(ぺこり

この度はご注文下さり、誠にありがとうございました。
お届けが遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。
とても楽しく書かせていただきました。少しでも楽しんでいただければ幸いです。
寒暖の差が激しいですので、お体くれぐれもご自愛くださいませ。
2010年 4月某日 佐伯ますみ
甘恋物語・スイートドリームノベル -
佐伯ますみ クリエイターズルームへ
The Soul Partner 〜next asura fantasy online〜
2010年04月07日

投票はログイン後にできます。

ログインはこちら












©Frontier Works Inc. All Rights Reserved.