▼作品詳細検索▼  →クリエイター検索


『〜伝説の儀の下で〜 』
岩宿 太郎(ib0852)

 始まりがあれば終わりがあるように、出会いがあれば別れもある
 何? 出会いがない者はどうすればいいのか?
 ‥‥哀れなる旅人よ、
 富・名声・女、この世の全てを手にした男の死に際に放った一言を聞くがいい。

「素敵な出会いが欲しいか? 欲しけりゃくれてやる。
 探せ! ときめきの全てをそこに置いてきた!」


 愛しているとか許せないとか
 一緒になろうとか離さないとか
 起源はいつの出来事か
 疾風のように駆け抜ける我らの記憶(メモリアル)

 幾日鏡の前髪を梳かし己が唇を桜色に化粧する乙女
 香を焚き来たる日まで恋心を躍らせる
 囁き 煌き 土器怒気 大好き
 想うは一人 ただそのためだけに
(Terranetz)仕上げは上々
(OrderMade)準備は完了
 極上の期待を春風に乗せ
(WebTalk)青い星の欠片
(StarCoin)集め直したら
 今日こそ言える気がする
 HappyWedding


 上に記すは魔女の碑文。
 その謎を読み解けた者には永遠の伴侶が得られるという――。

●桃色の旋風
「悪い、ウチのがメシ作って待ってんだよ」
「危険依頼か‥‥これは遠慮しておくわ。ガキが生まれるんでな、傍にいてやりてえんだよ」
「あ、ごめんなさい。結婚式の二次会で今晩ここ使うんです。あ、良かったら岩宿さんもどうです? ギルド仲間ですよね?」

 三十路も半ば、周囲が身を固めている中、岩宿太郎は自分だけが独り身であることを知るッ!
 そして太郎は――。
 
「吐き気をもよおす『邪悪』とはッ
 命を懸ける男が孤独でいる事だ‥‥!
 出会いもなく孤独でいる事だ‥‥。
 世間のピンク色の風に晒されつつ!! てめーだけ独りでッ!」

 だが世間をゆるさねえところで彼女が出来る訳ではないことを知っている哀しい3×歳。
 必要なのは暗闇の荒野に進むべき道を切り開く『覚悟』。

「――そうだな。
『開拓は続行する』
『彼女も作る』
『両方』やらなくちゃあならないってのが『開拓者』のつらいところだな。
 覚悟はいいか? オレはできてる」

 誰に言ってんだお前。

●漢達の挽歌
 そして男達は集まった。
 己の夢のため、愛する者を勝ち取るために。
「月道の先にこんな国があったとはな‥‥世界は広いぜ‥‥」
 金髪を風に靡かせ、ラシュディアは感嘆の溜息を漏らす。
 魔獣でも魔法でもない力で空を飛び。
「よろしくッス、ラシュディアさん! 独身男同士仲良くしましょう!」
 だがそこに異を唱えるのは岩宿太郎。
「甘い! 甘いぜ、信悟くん! エルディンさんの週一のフルーツチョコパルフェより甘い!
 君はなんでここにいるんだ!?」
「え、い、いや‥‥理想の女性を見つけるための‥‥」
「早いッ! 十年早いッ! そう、十年だ!
 俺やエルディンさんを見ろッ! 君より一回りも年上だッ! その癖、女ッ気のカケラもないんだぞッ!」
「太郎殿ッ!?」
「君はまだ十代だ! 可能性の宝庫だッ! 俺らを見ろ! 手遅れだッ! 今更出会いなどあるかッ! 奇跡を待たなければ朽ち果てるのみッ!
 伝説の儀を求めるというのはそういうことなんだッッ!!!」
(「ぐはぁッ!! た、太郎殿‥‥そんな身を切るようなコト‥‥!」)
「そ‥‥そうだったんスか‥‥! すみません、俺が間違ってましたッ!
 俺は‥‥俺にも素敵な恋人が欲しいと‥‥

 世の中には十数年苦しみ続けた恵まれない人達もいたんスねッッ!!!」

「わかってくれたか、信悟くん!」
「わかりました! 三十路男性の辛さが!」
(「ぐっはああぁぁぁッッ!!」)
 もうやめて。エルディンの(精神的)ライフはとっくにゼロよ!

「ま‥‥まあ‥‥いいではないですか‥‥ならばこそ今の内に素敵な出会いを導くのも私の本来の役目です‥‥。
 元々この宝珠もその為に眠っていたのですから‥‥」
「てめーがのっぴきならない崖っぷちでなお他人の心配とは流石だぜ、エルディンさん!」
「俺、感動したッス! まさに自分を食べて貰うために火中に飛び込んだウサギッスね!!」
(「ぎゃあああああぁぁぁ!!!」)
 なにこの公開処刑。
 神父を哀れに思いながらも、こうして玩具にされる状況に何故か我が事のように身震いするラシュディアだった。


 ぶつかり合いながらも男達はわかり合い――。
「魔女の碑文か‥‥どういう意味が込められてるのか‥‥途中意味のわからん単語も含まれてるな。
 エルディンさん、ラシュディアさん、わかるか?」
 魔術師二人に知恵を求める太郎。だが、
「難しいですね‥‥そもそもこれ、場所について何にも触れてなくないですか?」
「一部にイギリスの言葉が含まれているようだけど‥‥。でも、全然わからない‥‥」
 知恵袋あえなく玉砕。
「無理に解こうとしなくていいんじゃないッスか? 地図ついてるし」
 根が単純な信悟の言う事だが今回は的を射てる。
「確かに。そっちの方が確実ですね」
「すっげえ適当な地図だけどな。空を飛べる文化ってのは地図まで大雑把になるのか?」
「それは誤解です。目印のない空を渡るには地上以上に正確な測量が必要なんですよ?
 これは先人の遺した地図がいい加減だっただけです」
 えっへんと自分の持ってきた地図の欠陥を威張るエルディン。
「なんにせよ、この地図を参考に探すしかないな。俺達の仕事から考えれば地図があるだけマシってもんさ。
 ラシュディアさんは空は初めてかい?」
 太郎に月道を渡ってきた魔術師は笑い返し、
「――まさか、俺を誰だと思ってる? 自由に空を飛べる世界に感動してたところさ。
 ゴーレムシップに乗るのは初めてだがね」
 飛空船に夢を乗せ、漢達は今、飛び立つ。

●信悟ママのお料理教室
 船ではそれぞれが役割を分担する。
 エルディンは船長、太郎は船大工、ラシュディアは操舵手、そして――、
「料理人がいてくれて助かったよ、信悟くん」
「任しといてくださいッス! 腕によりをかけるッスよ!」
 そんな若者を頼もしく思いながら厨房を任せる。

「いや、本当助かったよ。飯は食うものだったからな」
「肉に塩振って焼くくらいなら俺にも出来るけどな」
「却下です。ただでさえ男旅なのにこれ以上わびしくしてどうするんですか」
 全くだと明るく笑う三人。
 そして厨房では――、

「あんなに喜んで貰えるなんて、やっぱり料理作った事ほとんどないけど志願してよかったッス!
 ――さて、料理も修業も同じッスね。ひたすら積み重ねるのが大事ッス」
 ちょっといいこと言ったか信悟。
「美味い物に美味い物を混ぜ、そこに更に美味い物を足すッス!
 前に食べた肉じゃがは美味しかったッス‥‥よし!蒲鉾とコンニャクを入れればさらに美味くなるッス!
 あ、エルディン船長甘いものが好きだって言ってましたね。
 貯蔵庫に生クリームとフルーツがあるッス。太郎さんが言ってたのはこれッスね。
 食べる人の事を考えてこその料理人ッス!」
 みんなーーーー逃げてーーーーー。

●むう‥‥あれは‥‥
 雲の上を行く飛空船に雨風の心配はそんなにいらない。
 だがトラブルのない船旅など存在しない。
 雲の代わりに船に影を落とす『それ』は、あるいは嵐よりもタチの悪いもの。
「モンスターが出たぞッ!!」
 初めに気付いたのは舵を取っていたラシュディア。
 それを聞き、エルディンと太郎は戦闘体制をとる。
「いくぜ、ほかみ!」
 相棒の甲の背に乗り、鍛え上げた槍に炎の練力を灯す。
「男の野望、邪魔する奴らは無事じゃ済まないって思いな!!」
「そのとおり、私達の恋路の邪魔をする者は私に蹴られて死ぬでしょう、アーメン!」
 エルディンのホーリーアローが太郎の槍から逃れたアヤカシ達を撃ち落としていく。
「やるじゃないか、二人とも!」
 頼もしい仲間達の実力に口笛を吹くラシュディアだった。


「ふう、腹減ったぜ」
「ええ、ぺこぺこですね」
「戦闘あったんですって? お疲れッス! さあ、食事の準備できてますよ、召し上がれ!」
 アヤカシを退けた三人を出迎える信悟の料理。
「ほう、美味そうじゃないか」
「ええ、カラフルで素敵ですね!」
 戦闘でハイになっているのだろうか、香ばしい肉の匂いがするのにデザートのようにカラフルなまさに色とりどりの皿に悪寒を覚えたのは何故かラシュディアのみだったようで。
「それじゃ、いただきまーす」
 一口食べて気付ければよかったのだろう。
 だが、快勝とはいえ戦闘は命のやり取り、精神力を多大に消費し、腹は空き、味を確かめる間もなく料理をかき込む。
 あるいは幸せだったのかもしれない。
 じっくりと味を堪能せずに済んだ事は――。


「ぐおおおおおおおおお!!」
 太郎は苦行のような悲鳴をトイレの扉から響かせる。
『入ってくるな。俺がこの扉を開けるときは生きて帰るか死んだ時だ』と叫んでいるかのようだ。
「大丈夫でしょうかね‥‥うっぷ‥‥」
「おまえこそ大丈夫か、エルディン? ほら、故郷で調合した丸薬だ。気をしっかり持てよ」
 当然ながらダメージの少ないのはラシュディアだが、食べた量の差か、桁違いのダメージを受けたのは――。
「まさか――アレを全部食べるとは‥‥」
「つーか普通途中で気付かないか?」
 肉体労働系とそうでない者の差か。いや、魔術は多大な体力、精神力を消耗する。
 これは単純に個人の性格の差だろう。
「悪いことしてしまいました‥‥」
 うなだれる信悟。流石にこの事故の原因は自分にあると気付いてる。
 とても反省してるようだ。
「腕によりをかけた結果、お腹壊すまで食べ過ぎてしまうなんて――過ぎたるは及ばざるが如しってヤツッスね‥‥。
 俺は料理人としてこの切れ過ぎる刃を封印しなければならないッス‥‥!」
 いつ料理人になったんだ。突っ込む元気のある者はこの場にはいない。


 破損のない船は大工がいなくてもなんとか航空を続け、
 食事はエルディンのサポートの下、つつがなく進み、
「切れ過ぎる刃には鞘が必要ッスよね、エルディンさん、よろしくお願いします」
 突っ込まないエルディンの優しさは流石神に仕える者だけはあるのかもしれない。
 そして、三日が過ぎ――もはや聞き慣れていた太郎の悲鳴が消えた。
「太郎?」
 ラシュディアがノックする。返事はない。
「開けるぞ――――太郎!?」

 扉の奥、そこには――かつて太郎であったはずのもの。
 髪は白く、肉は削げ、その腕は槍を持つ事も叶わぬであろう乾き切った姿があった。

「太郎ぉぉぉーーーーーーー!!!」
 その叫びに駆けつけてきた二人も『それ』を見る。
「こ、これは‥‥泰国名物『塞神武津』(そくしんぶつ)‥‥!!」
「知っているんスか、エルディンさん!?」


『塞神武津』
 これを語るには天儀発祥の歴史を遡らねばなるまい。
 かつて儀がこの世界に生まれた時、空中に浮かぶ不可思議な島は今のような安定がなかったと言われている。
 中でも不安定だったのは『塞』と呼ばれる儀であり、このままではそこに住む大勢の人々と共に墜落するのは時間の問題だとされていた。
 その危機を救ったのが黄鷹法師(こうおうほうし)である。
 彼は儀の中心に祭った社に籠もると「三年間この扉を開けてはならない」と告げる。
 そしてその三年間の内、儀は今までの活動が嘘であったかのような安定を見せ、人々の暮らしやすい儀へと変貌を遂げた。
 誰もが法師の存在を忘れかけていた頃だったが、彼の弟子が師にこの平和を伝えたく思い、その扉を開けたところ、
 社には乾涸びた法師の遺骸があったという。

 これが今の秦国である。
 塞から秦へとその国名を変えた経緯には様々な説があるが、その中で最も有力なのが法師の姓である『泰』を取ったものであるという事は学識深い泰の文人達の間でも周知の事実であろう。
 また、その『泰 黄鷹』の名は『太公望』と名を変え、人々に語り継がれ、昨今では天儀本島で大幅なアレンジと共に赤本(漫画)として出版された。
 そしてこの黄鷹であるが、若い頃は性格も荒々しく『荒鷹』と仇されていた。
 空を仰ぐ彼の祈りの姿が『荒鷹陣』(アラブルタカノポーズ!)として後世に遺されているところからも、彼がどれほど今の泰国に欠かせない存在だったかが読み取れると言えよう。

 ※泰天書房刊『どうしてこうなった〜みんな暑さが悪いんや〜』より


「太郎殿は犠牲になったのです‥‥私達の希望の船旅‥‥その犠牲にね‥‥」
「太郎ェ‥‥」

●だてきゅあ
「舟歌を歌いましょう」
「いきなりだな、エルディン」
「昔から歌には魂を鎮める力があるとされています。太郎殿が迷わぬよう、そして私達の船旅が成功するよう」
「お、俺はもう嫌ッス!!」
 信悟の目には涙が浮かんでいた。
「みんなで、みんなで幸せになる為にここまで来たんです! なのに‥‥太郎さんを犠牲にしてまで幸せになんてなりたくはなかったッス!!」
「信悟!」
「――それは違いますよ、信悟殿」
 神父は優しく少年の涙を拭う。
「私達がここで諦めたら――太郎殿は何の為にあんな姿になったというのです?」
 信悟の料理の為である。
「私達は――散っていった者達の為にも進まなければならない――幸せにならなければいけないのです」
「エ、エルディンさん‥‥俺‥‥!」
 もう少年の目から涙は出てはいない。
「さあ、歌いましょう。踊ってくれますね?」
「はいっ!」
「そして、これを着てくれますね?」
「はいっ!」
「え? おい‥‥」
 ラシュディアのツッコミも届かない。
 そのフリルのついた素敵な衣装に猛烈にトラウマを刺激される魔術師だった。


「主を褒めよ我が心〜、主を褒め讃え〜〜♪ はーどっこい♪♪」
 舟歌かそれ?
 魂を鎮めるという目的ならばあるいはいいのかもしれない。
 敵も現れない安全な空の下、神に祈るように歌い踊る三人。
 おっさん臭い舟歌と裏腹に過剰なまでに華やかな衣装の三人。
 ラシュディアは苦悩していた。
(「俺は魔法少女ではない‥‥その結論を胸に旅に出た筈だ‥‥それなのに‥‥」)
 どうしてこうなった。
 理由は彼にもわからない。
 強いて言えばそうなる星の下だったのだろう。
 衣装を用意した神父は何故かそっちの方面にだけは異常な才能を見せ付けていた。まさに才能の無駄遣い。
 高らかな声で舟歌を歌いながらきらびやかで可愛らしい装飾に身を包み踊る二人のおっさん。
 少年はスイッチが入ったように荒ぶるダンスを踊っている。服は他の二人と同じケーキのようなふわふわの衣装で。
 ――その振る舞いに天が怒ったのはある意味当然の結果といえよう。

●忌まわしき記憶が蘇る刻
「――また来やがったぜ!」
「こないだよりも多いッス!」
「太郎さんの眠るこの船を墜とさせはしません! 守りますよ!」
 気合を入れる少女服三人組。

 先手はラシュディアの魔法から。
「空中戦で俺と当たったことを恨むんだな!」
 元いた世界では最強クラスの風の術師。
 そして、空では風こそが全てを支配する。
「らじかる☆とるねーどっ!」
 おいおまえノリノリじゃねーか。

「進々、俺らも行くッス!」
 相棒の駿龍に乗り信悟も翔ける。
「信悟パーンチ!」
 フリルから伸びた白い腕が空のアヤカシを撃ち落とす。
「信悟キーック!」
 スカートから覗く優美な太ももが絶対領域を守りつつアヤカシの意識を刈り取る。
「信悟流空中荒鷹陣ッスゥゥゥ!!!」」
 背後に流れる星のエフェクトが見えた気がしたのは見たものの心象風景か何かであろう。

「くっ、数が多い‥‥!」
 ホーリーアローでアヤカシを落としながらも敵の多さに劣勢を感じ得ないエルディン。
 こちらは三人なのだ。
「船が危ない‥‥皆さん、ここは任せました! 舵を取ってきます!」
「お願いッス!」
「頼んだわよっ!」
 ‥‥‥‥え?

●復活! 復活! 大復活!!
「‥‥この船は太郎さんの形見‥‥墜とさせる訳には‥‥!」
(「‥‥いや、チャーターだし。宝珠もあんたのだし‥‥」)
「!?」
 その声は扉の向こうから聞こえてきた。
 彼を探していた訳じゃない。
 あの後ずっと眠らせていた右舷側トイレ。
 操舵室に行くのにたまたま近かったのがその廊下だっただけ。
「まさか‥‥そんな‥‥」
 エルディンは震える。恐怖に、ではない。
「お‥‥」
「『お』?」
 これは、
「お湯‥‥を‥‥」
 フラグだ!


「らじかる☆さんだーぼるとっ!」
 ラシュディア――いや、らしゅの魔法は異世界においても無敵の強さを誇っていた。
 だが魔法は強力な前衛と組んでこそ威力を最大限に発揮できるもの。
 信悟がその手数とスピードで補うものの、この数を一人で相手するのには不足が過ぎる。
「せめてあと一人‥‥!」
 ほんの僅かな気の緩み。
 生まれた死角をアヤカシが襲う。
 白い服を引き裂き、信悟貞操の危機――!

「いやいや、違うだろうっ!!」

 危機一髪、空中のアヤカシを叩き落したのは甲龍の背から伸びた炎の槍。
「太郎さんっ!」
 ヒロイン達のピンチを救ったのは茶色の髪をワカメみたいに濡らした長身の男。
「3分待たせたなっ! 復活したぜ!」
「便利な身体だなおいッ!?」

 しかし一人が二人に増えただけ。
 それがどうしたと取り囲むアヤカシ共の一角を、
「ライトニングサンダーボルトッ!!」
 雄々しい呪文の叫びが突き崩す。
「ラシュディアさん!」
「雑魚は任せておけ、思い出したんだ‥‥俺は男だったってな!!」
 そんなもんいちいち思い出さなきゃいけないのかよ。

●伝説の儀の下で
 復活を果たした四人の前に下級アヤカシ風情など敵ではない。

 再び開けた青い空。
 雲に包まれた中、四人は見つけた。

「み、みんな、あれを!!」
 信悟が指差した先には確かにあった。

「夢じゃ‥‥ないよな‥‥」
 笑いが漏れる。
 この感動は冒険者を始めてから一度も薄れた事はない。きっとこれからもそうだろう。
 月道を渡って、本当に良かったと思える。
 そしてやれやれ、

「何を見てるのかわからねーと思うが、おれも何を言ってるのかわからねー。
 夢オチだとかバッタもんだとかそんなチャチなものじゃあ断じてねえ
 もっと感動的なものの片鱗を今味わってるぜ‥‥」
 混乱してるのか誰にともなく呟く太郎。
 エルディンも例外ではなく――、

「凄いや‥‥伝説の儀は本当にあったんだ‥‥!」



 さて、ここでおさらいをしよう。
 エルディンの実家に眠っていた伝説の儀を記した古文書。
 確かにその儀は存在していた。
 だが、儀があるからといってそこに人がいる訳ではない。
 儀を見つけてきた男が目にしてから数百年、音沙汰のなかった儀。
 そこで彼らは誰と出会うつもりなのだろう。

 ――それを今の彼らが知る事はあまりにも酷である。
 今はまだ、この美酒に酔わせてあげておこう。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
【ib0066/エルディン・バウアー/男性/28歳/魔術師】
【ib0812/日入 信悟/男性/17歳/泰拳士】
【ib0852/岩宿 太郎/男性/30歳/志士】
【ea4107/ラシュディア・バルトン/男性/26歳/ウィザード】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
 お待たせしてしまって本当に申し訳ありませんでした。
 ちょこっと拠点を覗いてみると「遅れても面白ければいいや」
 嬉しいけどここ喜ぶところじゃねえぞ俺ぇぇぇぇぇぇ!!
 ホントもうすみません、気をつけます。
 今度あったらもう一人の方も間に合うといいですね。

 追伸。
 このノベルはどうせ幻想に決まってます。
 WT中の世界観・設定・PCと関係あるはずもありません。
 特に泰国は本気にしないでね?

 あとおめーら三十路過ぎの独身は別に哀しくねーぞ(泣)
 三十路をおっさんおばさん呼ぶの禁止ぃぃぃぃぃ!!!
HappyWedding・ドリームノベル -
冬斗 クリエイターズルームへ
舵天照 -DTS-
2010年08月17日

投票はログイン後にできます。

ログインはこちら












©Frontier Works Inc. All Rights Reserved.