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『さざ波の中で一晩中〜リィムナ編 』
リィムナ・ピサレット(ib5201)


 夏の太陽のきらめいた。
 ざざんと波が白く長く弓形の砂浜に寄せた。
 潮風に揺らめく椰子の木の葉。地面の影もゆらりゆらり。
 ここは南国、尖月島。
 華やかな水着の女性たちが瑞々しい肌をさらしてきゃいきゃいはしゃぐ。
 たくましく日焼けした男性たちが銛と魚篭を手にして砂浜を走る。
 あるいはビーチに寝そべって、木陰でのんびり楽器を爪弾いたり。
 それぞれの休日、それぞれのバカンス。
 遠浅の砂浜は満潮時には三日月形となり、干潮時には半月形となる。
 点在するのは、高床式のコテージ。
 ここは南国、尖月島。
 日常をひととき忘れて、また日常に帰る場所――。


 そんなビーチで、短く横結いにした髪が揺れた。
「んんーっ。気持ち良い〜!」
 紫色の髪を右側だけで結った女の子が、沖に向かってぐーんと両腕を横におっきく広げていた。
 短めの髪から覗く小さな両肩。
 そった背筋、くるりと胸周りを包むチューブトップの真っ白な水着。
 まだ腰のくびれははっきりしないながらも、幼い微妙なカーブを描く体つき。しかも‥‥。
 おっと。
 その姿が元気良く、くるっと振り返った。
「ほらね。やっぱり来て良かったでしょ? リンスちゃん♪」
 にぱっ、とまぶしい笑顔は、リィムナ・ピサレット(ib5201) 。背後に来ていたリンスガルト・ギーベリ(ib5184)に気付いて、ちょっと浮かない顔の親友――いや、それ以上の存在にはしゃいでみせる。ちなみにリンスは、世界が世界であればスクール水着と呼ばれる白いワンピース水着。細身であるが、若干リィムナよりふくよかな感じ。龍の獣人らしく、黒い小さな羽が背中にある。
「まあ、の。尖月島なる所、なかなか良い‥‥ん?」
 ここでリンス、ぴたと言葉を止めた。
 リィムナが真顔でじろじろリンスを見ていたのだ。それはもう上から下まで。というか、特に水着に包まれた部分を。
「どうしたのじゃ、一体? しかし、そのような肌も露な水着を‥‥」
「これ?」
 何かおかしいところでも? と回転してみせるリィムナ。
 微妙な胸の膨らみは、妙に幅の細い純白のチューブトップがかろうじて隠している。
 しかし下は‥‥。
 なんと、後ろがTの字。布部分はお尻の双丘を隠すことなく食い込んでいる。
「気持ち良いよ?」
 にまっ、と悪戯っぽい笑み。
「こうして並ぶとおそろいみたいだよね」
 続けてリィムナがそう言ったのは、彼女の肌にはスクール水着の日焼け跡が真っ白に残っているため。白いマイクロビキニを着ているのか白いスクール水着を着ているのか、素っ裸であるのか遠目だとまったく見分けがつかない。
「そ、それはそうじゃが」
 口ごもったリンスは、確かに白いスクール水着。しかも肌が透けそうなほど薄い。というか、ところどころ肌色が透けている。彼女としてはリィムナと一緒にして欲しくない。
「じゃあ、もっとおそろいに!」
「わわっ!」
 何とリィムナ。リンスの手を取り一気に波打ち際まで走り、ザブーンとダイブ。さらに水の中でリンスの体中を悪戯っぽく撫で撫で擦り擦りとお触りする。
「こ、こらっ」
「わあっ。リンスちゃんすっごい☆」
 ぷはっ、と立ち上がった二人。リィムナが改めてリンスを見ると、思ったとおりさらに透け透けになっている。そりゃもう、おへそとか鳩尾のくぼんだ部分とか、腰骨のでっぱりとか、もっと恥かしいところの近くとか。
「別に妾はどうとも思わぬが‥‥」
「ふうん、そうなんだ?」
 リンスの言葉に、ちょっと物足りないリィムナ。くるっと回って走り出した。
「こ、こら。どこへ行くのじゃ!」
 背中にリンスの言葉と追う足音を聞いて、満足そうな笑顔で走る。


 そして岩場まで逃げたリィムナ。
 ここで周囲にかすかに漂うイケナイ雰囲気を感じ取った!
「待つのじゃ。ほら、つかまえ‥‥」
「しっ。‥‥リンスちゃん、こっち」
 リィムナは追ってきたリンスを岩場で何やらもぞもぞごそごそする影が見える場所まで連れて行った。
 瞬間、リンスの白い顔が真っ赤になり、リィムナの青い瞳が宝物を見つけたかのように歓喜で丸くなった。
「ん‥‥」
 何とそこには、水着のまま寝そべり抱き合ってキスする男女の姿があった。
「ふぅん。キスって、ああやってするんだね〜」
 思わずつぶやく。隣でリンスがあわあわ何か言ってるが、興味津々のリィムナの耳には入らない。それどころか、立ち去りそうなリンスのウエストのくびれに手を回してぎゅって抱いて引き止める。
――長い、長いキス。
「わぁ〜」
 息を潜め気付かれないように。
 リンスに回した手から、彼女のドキドキが伝わってくる。
 瞬きすら忘れ目を見開いて注視する先では、髪をなでたり頬を撫であったり上下を入れ替わったりと、いろいろイケナイ感じにキスしてる二人。
 ごくり、と生唾を飲み込んだ音は自分かリンスか気付かない。それよりキスしている二人が本当にお互いを大切に思っている様子に憧れを抱いた。
「ふぅ‥‥」
「ほ、ほら。行くぞ、リィムナ。せっかく海に来たのじゃ。共に遊ぶぞ」
 キスしてた二人が去ってからも、しばらくぼうっとしていたリィムナ。リンスに導かれるまま言われるがまま、日光浴などを楽しむのだった。

 やがて、夜。
 尖月島には、海岸沿いに高床式の別荘がある。満潮になれば床下から波の音が聞こえる。
 そして、テラスにはお風呂もある。露天で、必要に応じて植木を動かして隠したりあらわにしたり。
「妾は洗髪用の帽子がないと髪が洗えぬ故‥‥」
「じゃ、洗いっこだね〜」
 恥かしそうに洗髪用帽子を被るリンスに、後から抱き付きわしゃわしゃ体を撫で回すリィムナ。すでに自分の体が泡だらけだったのでそのまま抱きついて洗えるのである。
「こ、こら。洗髪からではないのか?」
「いいのいいの、体から〜」
 もうその場のノリで泡だらけの二人。泡の下で何をやってるのか、リンスは真っ赤でリィムナは幸せそうに頬を上気させてたリ。
 そんな二人の姿に恥じらうに焼けていた空には、やがて夜の闇と静けさが訪れてひそやかに星が瞬くのだった。


 そして、おねむの時間。
 高床式別荘の中で。
「こらっ。裸はいかんのじゃ!」
「暑いし二人きりだし。‥‥それに、子供ぱんつはいてるし」
 ぱんつ一枚のリィムナが本を胸に抱いたままくるっと振り向くと、リンスが薄いねぐりじぇ一枚の姿で呆れていた。子供ぱんつ姿なのが透けている。
「しかしの‥‥」
「じゃあ、これでいいよねっ」
「むわっ!」
 何とリィムナ、薄い掛け布をマントのように羽織ると、そのままリンスにダイブ。どっし〜んと抱き合ったまま床に倒れこんだ。
 リンスは、リィムナの姉がメイドとして世話してるお嬢様で、二人が開拓者になる前からの友達である。
 いや、リィムナの心に抱くリンスの存在は果たして、友達どまりか。
「リンスちゃん?」
 リィムナ、床に組み敷いたリンスをじっと見る。
 豊かにキラキラと波打つ長い金髪に、真っ白な肌。
「お人形みたいに綺麗で、すっごい可愛くて‥‥」
 その言葉は喉の奥に消えた。
 代わりに、目でキスをねだる。
「う。それは‥‥」
 真っ赤になって横を向くリンス。言葉にいつものキレがない。
 これを見て、リィムナはぱあっと明るくなった。
 口にしなくても、通じる思い。
 それがうれしい。
 もっとも、キスはまだ恥かしがっているみたいではあるが。
「じゃ、リンスちゃん。ベッドで本を読もう?」
「き、興味はなくはないし、リィムナが相手なら‥‥はっ。そ、そうじゃの」
 動揺してぱくぱく口を動かしていたリンスは、はたと気付いて健全な展開に我を取り戻す。そういうことならと喜んでベッドに移るが‥‥。
「こここここ、これは人情本っ! しかも百合っ!」
「そうだよ? 参考資料〜♪」
 薄い掛け布団を引っ被り、二人肩を寄せて魔法の光の下開いた本を見てリンスがぐるぐる目を回している。
「ほらほら、『小鳥のついばみのような優しいキスで私の唇を、顎を、頬を愛してくれるお姉様。私、女の子に生まれて幸せだなって思ったら今度は激しく唇に。やがてそこから‥‥』だって」
「う‥‥。く、口にせずとも良い」
 リィムナが横を見ると、リンスが大きくギンギンに目を開けて真っ赤になっていた。
「可愛い。‥‥リンスちゃん、『女の子同士は夢見るような幸福感に包まれる』んだよ?」
 ごそ、とリィムナが上になる。リンスはもう、魔法にかかったように改めて仰向けになり覆い被されるままだ。きゅん、とリィムナは胸にときめきを覚える。
――ん‥‥。
 どちらの、小さな悲鳴だろう。
 いや、歓喜の鼻声であったか。響きが甘い。
 ちゅっ、ちゅっと音がする。小鳥のさえずりのようだ。
 やがて、強く、深く。
「んんんっ!」
 閉じていたリンスの目が開かれる。ごそっ、ごそっと身もよじる。
(‥‥一緒、だよ?)
 この様子にリィムナは手を伸ばし、リンスの掌と重ねた。
 掌の二つのふくらみが重なりを変えるようにもじもじと動き、やがて指を絡める。それでも掌をすりつけお互いのふくらみを確かめ合うように手首をよじらせ続ける。そして、体も――。
 長い、長いキス。
 その中で、リィムナがゆっくりとリンスに体重を預けはじめた。
 素肌に感じる、リンスの鼓動。
 この日のために、夢の中で何度も何度も繰り返した深く愛情たっぷりのキス。ちょっとやそっとじゃ終わらない。
「んっ!」
 やがて、リンスが瞳を見開いて体を海老反りにした。
「って大丈夫、リンスちゃん!?」
 心配したが、横を向き「はふ〜」と深く息をついているリンスの表情は気だるさの中にも充実感があった。
「ふにゅう‥‥」
「熱い? 今度は優しくするよ」
 もぞ、とリンスのねぐりじぇを脱がし、今度は優しく身を重ねる。
 ふっ、と魔法の光が消えた。
 窓から差し込む星明りが闇を際立たせる。そんな中、もぞりと二人の影が抱き合う。
 優しくリズムを刻む細波の音が床下から響く。
 時折、衣擦れの音。
 たまに、キスの音と甘い吐息が聞こえる。
 朝起きて、お互いどんな顔をするのか。
 そんなことは、思いもしないで――。
(大好き、大好き‥‥)
 細波の伴奏に乗せた、リィムナの歌。
 それは歌声ではない。
 寄せる体。ぎゅっと握り直す掌。
 そして、ちゅっちゅっと繰り返す接吻‥‥。
「あ」
 気付けば、リンスはぐったりしていた。
 幸せそうな寝息がかすかに聞こえる。
「やりすぎちゃったかな‥‥?」
 ぺろっと舌を出すが、すぐに「おやすみなさい」と声を掛けてリンスの横に収まる。
 短い南国の夜は、大切な思い出を二人に残してようやく静かになるのだった。
 ここは南国、尖月島。
 日常をひととき忘れ、そして日常に帰っていく場所――。


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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ib5201 / リィムナ・ピサレット / 女性 / 10歳 / 魔術師
ib5184 / リンスガルト・ギーベリ / 女性 / 10歳 / 騎士


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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リィムナ様

 いつもお世話様になっております。
 大変お待たせしました。リンスさんとのラブでおしゃれなバカンスノベルです。ちっちゃなお二人の、ちっちゃな秘密。でも二人にとっては大きな大きな思い出。章分けした文字量の偏重ぶりに我ながら赤面しちゃいます。リィムナさんの積極的な部分を大切に描かせていただきました。

 いつも元気なリィムナさん、また今度、一緒に冒険しましょうね。
 では、何かありましたらリテイクをお願いします。

 この度はありがとうございました。
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2011年09月20日

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