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『脱衣戦闘部の日常 』
焔・楓ja7214

「強くなりたければ脱衣戦闘部に入るのだ!」
 ビジネススーツを身に纏う紳士が言った。

「強くなれるのだ?」
 健康的に日焼けをした小さな焔・楓(ja7214)は紳士を興味深げに促す。

「そうだ! 我が部活に入れば新しいタイプの戦法『脱衣戦闘』を伝授しよう!」
 紳士は自信満々に厚い胸板を叩く。

「なんだか店長さんはとても強そうなのだ♪ 入るのだ!」
 二つ返事で入部を了承する楓。その瞳はとても純真無垢な輝きを放っている。

「よし! では、これからは私のことは部長と呼ぶのだ! びしばし鍛えていくぞ!」
 部長は楓の背中を叩いて豪快に笑った。
 楓がいつものように、戦闘でボロボロになった洋服を古着屋で売却していた日のことだ。部長はその古着屋のオーナーでもある。
 その日以来、楓は部長とともに脱衣戦闘という戦法を極めようと訓練を怠らない。

「部長、今日も鍛錬よろしくなのだ♪」
 脱衣戦闘部の部室にて。体操着姿の楓は部長に挨拶をする。

「うむ、今日も脱衣を極めていこう!」
 部長は今日もスーツ姿がきまっている。
「では、模擬戦闘といこう!」

 部長は、服を脱げば脱ぐほど身軽になり回避力が増すという彼の主張どおり、戦闘になると、
「クロスアウッ!」
 ビジネススーツを千切り飛ばし、ピチピチのブーメランパンツ一丁になった。
 ぴかぴかの筋肉があらわになる。

「部長さん、また強くなったのだ……! 負けないのだ!」
 楓は体操着姿のままで相対する。
 そして部長に拳を突き出す。

「本来は全裸になるのが正しいが、模擬戦闘だからな!」
 部長はそれを華麗に回避しつつ、攻撃の代わりにカメラのシャッターボタンを押す。

「くっ負けないのだ!」
 更にステップを踏みながらパンチを繰り出す。

「焔君! 今日も最高だよ!」
 しかし、それも流れるように回避し、フラッシュが焚かれる。

「どんどんいくのだ!」
 跳躍をし、部長を蹴り落とそうとするが、またも避けられカメラに収められる。

「うーん! 素晴らしい!」
 部長は満足げにカメラの液晶画面で写真を眺めている。そして、部長はブーメランパンツも脱ぎ捨てた。

「部長が本気なのだ!」
 楓は嬉しそうに拳を繰り出そうとするが。

「これ以上はNGです。排除いたします」
 警告音とともにやってきた学園の制服を着た何者かに部長は股間を隠され、連行されていく。
「おお!? 焔君! 鍛錬はおこたるのではないぞー!」
 部長はなおもシャッターを切りながら、そのまま退場する。

「さすが部長は強いのだ……だけど検閲の力には勝てなかったのだ……あたしも練習してもっと強くなるのだ♪」
 部長が焔は今度は一人で訓練を始める。

「クロスアウッ♪」
 体操着を脱ぎ捨て、下着姿になる。小麦色の肌に、真っ白な下着がよく映える。

「やっぱり脱衣すると強くなってるのだ♪」
 身体が軽く感じられる。風向きを全身で感じ風に乗るように蹴りを繰り出す。
 相手を想定して空を斬る。
 見えない相手は追いかけてくる。走ってみる。

「走る早さも段違いなのだ!」
 余計な重さが無い。風の方向を全身で読んで、風に乗って走る。
 想定上の敵の背中に回って拳を繰り出す。
 クリーンヒット。彼は飛ばされていく。

「まだまだなのだー♪」
 さらに彼を追いかけ跳躍。上から彼の背中に全体重を乗せて着地する。
 けして重くはない楓の体重によるアタックも、風と跳躍の勢いで結構な衝撃になったはずだ。
 これなら敵も伸せるはず。

「やったのだ〜♪」
 仮想敵の上でガッツポーズ。
 楓が脱衣戦闘の訓練結果に満足していると、購買の方から騒ぎ声が聞こえてくる。

「あや?何か近くで騒ぎが?」
 奇人変人の多い久遠ヶ原学園ではそれも日常茶飯事と言えるが、誰かがその場を納めなければいけない。
 この場合の誰か、はまさしく自分だろう。
 楓は騒ぎの方向へ駆け出した。

「それは僕が購買で買ったマツタケだよ! 返して! これのためにずっと久遠を貯めていたんだ!」
「返してほしかったら力づくで奪い返してみな!」
「俺達に勝てるならな!」
「腕がなるぜ〜!」
 少年に相対するのは三人の不良。手に燦然と輝くマツタケを持っている。
 あれはたしか購買で10,000久遠もする高級な食材だ。

「脱衣戦闘部の力を見せるいい機会なのだ♪」
 ちょうどいい力試しにもなる。楓は戦闘態勢をとった。

「な、なんだあ!?」
 突然下着姿で現れた楓に不良たちが唖然とする。
 その隙を突いて、一人の不良の顔面に蹴りを入れる。
 高く上げられた足によってパンチラどころかパンモロになるが、そのまま蹴りあがって不良を飛び越え後ろから更に蹴飛ばす。

「ぐあっ」
 不良が一人倒れると、さすがに二人の不良も我に返る。
「こいつ! やっちまえ!」
「おう!」
 二人がかりで前と後ろから殴りかかられる。
 得意の軽装で華麗に避ける。拳を突き出そうとするが、相手は連携して攻撃してきて楓にその隙を与えない。

「むむ、中々やるのだ!でもあたしの力はこんなものじゃないのだ!」
 楓は下着を脱ぎ捨てる。

「なんだと……!?」
「は!?」
 不良たちはあらわになった楓を見て固まる。
 楓はその隙を突く。

「脱衣戦闘の極意なのだ! これでパワーアップなのだー!!」
 両手でパンチを繰り出し、左右にいる不良二人に同時にヒットさせる。
「ぐおっ」
「えぐっ」
 不良が左右にの仰け反ると、さらに両足で左右に回転蹴りを入れる。
 不良たちは楓に目線を釘付けにされながら、胃の辺りに打撃を受け、うめき声を上げながら地面に叩きつけられる。

「トドメなのだー!」
 さらに跳躍。両足で左右に踵落とし。上空からの落下の勢いでまたも胃に衝撃を受けた不良は、悲鳴を上げて気を失った。
 ころりとマツタケが不良の手から転がり出た。

「はい! マツタケなのだ♪」
 楓はそれを拾うと少年に手渡す。
「……あ……ありがとうございます……!」
 少年は我に返って礼を言い、恥ずかしそうに去って行った。

「さて、部室に戻るのだ♪」
 楓は脱ぎ捨てた下着を拾い、部室へと歩を進める。

「脱衣戦闘部の力を存分に示すことができたのだ♪」
 楓はとても満足げである。まわりの人間も部の力に圧倒されたのか、道を空けてくれる。
 おそらく脱衣戦闘の強力さを目の当たりにしたのだろう、羨望の視線を感じる。
 これで新入部員も増えるかもしれない。

「焔君! 素晴らしい勇姿だった!」
 そしてその中には、カメラを構えた部長の姿もあった。

「部長♪ 部活の成果しっかり記録してくれたのだ?」
「もちろんだ!」
 退場後ビジネススーツ姿に戻った部長はずっと写真を撮ってくれていたらしい。
 楓が模擬戦闘で仮想敵を叩きのめす姿から、先ほどの不良との戦いまで、余すところなく画像に収められていた。

「やはり脱衣戦闘は最高だ! 自然のままの姿こそが最強なのだ!」
 写真を愉悦の表情で眺める部長。そして更にカメラを楓に向ける。
「最強なのだー♪」
 楓は会心の笑みでカメラに向かって決めポーズ。
「いいぞ焔君! その調子だ!」
 部長はカメラを楓に向け、ひたすら連写するのだった。



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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ja7214/焔・楓/女/10(小等部6年)/ルインズブレイド

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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焔・楓様

はじめまして、今回執筆させていただきました櫻井律夏と申します。
このたびは、思い出の依頼のエピソードをお預けくださり、たいへんありがとうございました!

もうすぐエンディングを迎えるエリュシオンでしたが、本当に愉快な依頼もあったものですね。
彼らの謎の勢いを楽しげに書けておりましたら、幸いです。

また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。
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エリュシオン
2017年04月06日

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