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ダイナソア・ワールド! |
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担当:姫野里美 募集:30 |
募集開始時間:12月30日 18:00 |
これから紡がれるは、熱き開拓の物語。
未開の土地を切り開き、強大なる恐竜を退け、未知なる存在を探索し、新たなる世界を作り出す物語。
その発端は、北の王国‥‥ロシアより始まっていた。
「では、これより定例報告会を始めます」
王宮の一室。国王ウラジミールを交え、定期的に開かれる各地からの報告会。そこには、月道からの報告書があった。羊皮紙につづられたそのタイトルには、『オーストラリア概要書』とある。記した者の欄には、『第二次調査隊:ヒノミ・メノッサ』とあった。
「これによると、オーストラリアと言うのは、恐ろしいモンスターが徘徊する大陸のようだな」
「第一次調査隊の折にも、同じ報告が来ている。いかに伝説の主人公とは言え、間違いないだろう」
本当にヒノミ・メノッサが書いたかどうか定かではないが、報告書の内容は、信じる事にしたようだ。それには、こう綴られている。
『私、ヒノミ・メノッサは、第二次オーストラリア調査隊に同行し、この広大な大地にあるものを、つぶさに観察し、記録にとどめる事になった。王国に住む者達にとっては、にわかには信じられぬ事象ばかりだが、この報告書に書かれていることに、嘘偽りはない。神と精霊に誓って』
初めに書かれていたのは、第一次調査隊が、多大な犠牲を払い、判明させた事‥‥月道の繋がった場所が、遺跡である事。その遺跡に、古代に滅んだはずの神聖王国ムゥの紋章が記されていた事に触れている。
それでは、偉大なるヒノミ・メノッサの記述に基づき、オーストラリアへと足を踏み入れてみよう。
『ようこそ、アリススプリングスへ』
そう記された遺跡へ着くとそこは、真夏の気温だった。いや、ロシアの夏よりも、ジャパンの夏よりも、さらに気温が高い。遠くには、薄く煙を噴き上げる山まで見える。遺跡の周囲は、多少開かれてはいたが、それこそ急遽立てられた小屋らしきものが数十軒ほど軒を連ねている程度で、村と言うよりは、ただの集落に近かった。
ぎしゃぁぁぁぁぁ!
不意に、遠くから獣のような泣き声が聞こえた。見上げれば、巨大なシダに覆われた森の向こうを、頭が細く長いトサカのような骨質の飾りをつけた大きな翼と、くちばしを持ったモンスターが、群れをなして飛んでいく。隣の奴に聞いたところ、プテラノドンと言う恐竜らしい。
このような危険で野蛮な場所に、何故人々は集うのだろう。尋ねると、調査隊の1人は、はるか遠くにうっすらと見える白銀の岩山をさしてこう言った。
「あれが見えるか? あれは、ブランの山だ。今は、恐竜がいて近づけないが、掘り出す事が出来れば、一生遊んで暮らせる富が手に入る」
ブランと言うのは、通常岩の中に消し炭のようにぶつぶつと紛れ込んだ状態で見つかる。それがうずたかく積まれているとは、途方もないもののようだ。
「なるほど。確かに、第三次調査隊を送るべき価値のある大陸だと言う事はわかった」
報告書をそこまで読んだロシア王国国王ウラジミールはそう言った。調査隊からは、ブランの他、豊富な希少金属の存在をうかがわせる。それに何より、報告書にはこうあったのだ。
『この遺跡の他にも、あちこちから神聖王国ムゥの噂が聞かれる。ここは昔、ムゥの一部‥‥いや、都だったのかもしれない』
ムゥとは、はるか昔、先史2大文明のうちの一つで、神々の住む国であったと言われている古代高度文明・宗教王国。魔法王国アトランティスとの戦いによって、その大地ごと天空へと吹き飛ばされたと伝えられている。ジーザス教を国教とするロシア王国にとって、それは探索に値する文明だ。
その遺跡の一つであるアリススプリングス。月道の開く場所でもあるそこでは、調査隊の生き残りや、入り込んだ商人達によって、集落が形成されていた。
「えぇと、今日の当番は‥‥」
マクドネル山脈のふもと。周囲を湿地に覆われ、遺跡に身を寄せるように立てられた小屋では、住民‥‥ほとんどは調査隊の生き残りだ‥‥が、交代で恐竜達の襲撃を見張っていた。
「西の湿地には、マイアサウラが巣を作りやがったからなぁ‥‥」
「あれ? 東で子連れのムッタブラ見たぜ?」
「マジか? 俺、こないだそこでステゴケラスに追いかけられてさぁ。大変だった‥‥」
王国の者達には、聞きなれない名前が並ぶ。彼らが口にしているのは、全てアリススプリングスの周囲に住む恐竜達。比較的温厚で、デビューしたばかりの冒険者でも、数人揃えば何とかできるレベルの恐竜だが、それでも出来るなら手を出したくない者達だ。
「北には何かあったっけ?」
「アルケオ三連星が陣取ってる」
アリススプリングスの周囲にいるのは、比較的大人しい恐竜ばかりではない。小型とは言え肉食の恐竜もいる。しかも‥‥3匹。いかに小型とは言え、肉食性。よく昆虫や小動物を追っているが、パラやシフールなら、食料にされかねない。
そうして、入植者と言う名の住人が、その日を生き延びる為の相談をまとめていた時だった。
「大変だ! 南の湿原に、アロサウルスがうろうろしてる!」
「「「なにーーー!」」」
ざわめく人々。それもそのはず、アロサウルスと言うのは、全長10m以上はあると言う、巨大な肉食恐竜だ。
「なんでそんなのが‥‥」
「おおかた、死肉の匂いでもかぎつけてきたんじゃないのか? こないだ、ステゴサウルスが死んでたし‥‥」
「と、とにかくバリケード固めないと!」
「俺らだって物資は決して豊かじゃないのに」
ぶつぶつと言いながら、南の防御を固める住民達。月道が開くまで、この遺跡を恐竜達に踏み荒らされるわけには行かない。
「ムゥの精霊様。どうかご加護を」
「戦争に負けた王国に祈っても、加護は少ないと思うけどな」
遺跡に輝く、まるでジーザス教のシンボルに酷似した浮き彫りに祈る彼ら。たとえ、既に力などなくとも、今はわらにもすがりたい気持ちに違いない。
救援者、求む!!
報告書はそこで途切れていた。おそらく、ヒノミ・メノッサも騒動に巻き込まれているんだろう。
「月道管理局からは、この危険な恐竜を密輸しようとした者達が後を絶たないと報告されております。ここはやはり、月道を閉鎖した方が‥‥」
「バカを言え。向こうで調査を続けている第二次隊はどうなる。今までどおり、厳重な管理下においておけばよかろう」
会議に参加している者達は、賛成反対様々だ。
「陛下、いかがいたしましょう」
王国顧問ラスプーチンが、ここでも口を挟む。しばらく考えていたウラジミールだったが、やおら‥‥こう言った。
「調査を、冒険者に頼んでみてはどうだろうか」
ざわめく会議。国家の一大事を、彼らに頼んでもいいのか‥‥と言うのが、大半の感想だ。
「第一次調査隊は、15人しか戻ってこなかった。第二次調査隊は、いまだ消息のわからない状態だ。ブランの鉱脈は、我が王国にとって潤いとなるが、これ以上犠牲を出すわけにはいかない。つまり、ここに書かれている恐竜達と、対等以上に渡り合える存在でなければならない!」
確かに、冒険者達の中には、ドラゴンと一対一の勝負が出来ると誉れのある者もいる。恐竜とはすなわち、恐ろしき竜と書く。竜退治の物語に、目を輝かせたのは、何も冒険者ばかりではないだろう‥‥。
こうして、王室から正式にお触れが出された。冒険者ギルドばかりではない。各種貴族や商人等を通じ、王国全土に大々的に募集がかけられたのである。
さて、その頃。
「だ、そうですわ〜」
「ふぅん、恐竜ねぇ‥‥」
ゲルマン語の講義帰りらしいお琴ちゃんに、侍女同士の間で噂になっていた、15人の勇者話と、ヒノミ・メノッサが実在するかもしれない話を聞かされたパープル女史はこう語る。
「でも、あの禁断の書を書いたヒノミ・メノッサが、こんな‥‥巨大モンスターしかいないような場所に、入り込むと思う?」
「言われて見れば、そうですわねぇ‥‥」
はたと気付く彼女。そして、ある事を思い出す」
「そう言えば、先輩に聞きましたけど、オーストラリアにはすごく綺麗なサンゴ礁と言う海があって、そこに、まるで南方のお魚のような、ステキなマーメイドさんが、いらっしゃったとか‥‥」
お琴の話では、その先輩は、南方の海に楽園があると話していたそうだ。嘘か真か知らないが、マーメイドの美少年を夢見て、ヒノミ・メノッサが調査隊に加わっている事は、想像に難くない。
「おぉい、王室から通達だ! 第三次調査隊が、大々的に公募されるようだぞ!」
「へぇ‥‥。なんだか面白そうね」
その文面には、こう書いてあった。
【第三次オーストラリア探索隊募集! 腕に覚えのある者は、恐ろしき竜の徘徊する未開の大陸にて、調査護衛に同行せよ!】
むろん。出自も性別も種族も、そしてそれまでの経緯も、まったく問われはしない‥‥と。
【以上を募集すると共に、海千山千の猛者を率い、厳しい監視の目を盗んで紛れ込む恐竜密輸の商人を取り締まる団長も、立候補していただきたい。ただし、それ相応の力を持つ者を!】
興味を示した女史が、実際応募したかは定かではない。
だが、恐竜の闊歩する遺跡の山に、麗しき美少年の伝説が加われば、彼女でなくとも、魅力溢れる未知の大陸に違いない。
挑戦者、求む
●解説
いらせられませ、オーストラリア! 今と違って、恐竜達が闊歩し、そこかしこに遺跡が転がる、ステキなロストワールドでございます。
今回、目の前に転がっているのは、牙を剥く恐竜達でございますが、はるか彼方にはブランの鉱脈、そして神聖王国ムゥの遺跡。さらにヒノミ・メノッサが興味を示したと言う、幻の美少年達(?)と、盛りだくさんの内容でございます。
当然、担当が姫野さんでございますから、それだけでは終わりません。広い大陸を、縦横無尽に駆けずり回ってくれるような、元気な冒険者さんを、是非是非募集いたしております。
オーストラリア:ラテン語で「知られざる南の大陸」という意味の「テラ・アウストラリス」を語源として、オーストラリアと命名。しかし、一般には、地獄の地などと呼ばれている。現在では、エジプトよりも南・・・・つまり暗黒大陸の奥地にあるものと考えられているが、定かではない。
アリススプリングス:かつて『神聖王国ムゥ』の神殿が建っていた。中心に環状列石が据えられており、ロシアからの月道が開く場所。周囲は湿地帯になっており、遺跡のほとんどは水没している。例に漏れず大型の恐竜が多数棲息している危険な場所でもある。
周囲の湿地:普段目にするのは、湿地に生えている草を食んでいる草食恐竜達。ただ、少し離れた平原には、体長1〜2mながら群れを成して狩りをする肉食恐竜が生息しており、さらに草食恐竜といえども、巣に近づけば、凶悪な制裁を食らう事必須。どっちにしろ、お外に出るには、身を守る手段が居る場所である。
恐竜:でっけぇトカゲの王様。今回遺跡の周囲に現れたのは、体長10mオーバーのアロサウルスを除いては、せいぜい7〜8mの大人しい草食恐竜だが、20m以上あるものも珍しくない。そこから繰り出される一撃は、やわい人間なら吹っ飛ばされてしまうだろう。
※追加※追加参加者向けオープニング
●夜は明かりと報告書
アリススプリングスに、夜の帳が下りる頃、後方支援と言う名の頭脳労働担当者は、本国ロシアへ送る報告書を、自らの知識探求をかねて、書き上げていた。
「おし。植物サンプルはこれでいいな」
ファルが、集めてきた植物や実、種と行ったものを、羊皮紙に貼り付けている。そして、その一つ一つに、自分の名前と日付を書き込み、種類ごとにまとめ、サインを入れた紐で束ね、簡単な本にしている。いわゆる和本の技法だ。結構手間がかかる作業だが、密輸商人を取り締まる為でもある。
「おーい。明日の月道に際して、送る書類はこれだけでいいのか?」
そこへ、東雲が自分が書いた分と合わせて、書き終わった書類を取りに来た。どうやら、あちこちで書かれたものを回収して回っているらしい。その刹那「戻りました〜」と明るい声がして、満面の笑みを浮かべたイディアが戻ってくる。
「ディニーの様子はどうだ?」
「いい子で寝てる。マイアもトリケラも、休んでいる時は、子供だな☆」
彼女の報告によると、彼らは、日が落ちると軒並み大人しくなり、安全な場所‥‥この場合、干した草である‥‥に潜って寝てしまうそうだ。このあたりは、一般的な蜥蜴と変わらないのかもしれない。
「草食竜は、今のところ大人しい奴ばかりだな。恐竜が皆こうだと、調査も楽なんだが」
そのイディアが渡した報告書‥‥と言うより、観察日記を見せてもらったファンは、そう言って苦笑してみせる。
「そう言うわけにもいかんだろう。ロシアと違って、弱肉強食の世界なんだしな」
「まぁ、俺ももう少し恐竜の生態が見てみたいしな。報告書、読ませてもらってもいいか?」
イディアもそのあたりの事は理解しているのだろう。ファンの申し出に、日誌を手渡してくれる。それには、ディニーの成長記録と、植物に関する記録が、別々の記載になっていた。
「ふむ。こう見ると、ディニーはシダが好物みたいだなー」
同じ植物を研究する身としては、やはりその植物に関する記述が気になるらしいファン。可愛がっているディニーの事を言われ、イディアは『そうでしょう』と言わんばかりに、こんな台詞を口にする。
「特に、この間の巨大ぜんまいとか、巨大スギナとかが気に入ったみたいだ」
またとって来てやらんとな‥‥と思うイディア。もっとも、最初に見つけた森は、外壁を作る関係で、かなり消費されてしまい。日陰に育ちやすいスギナが生えてくる保障はない。もう少し山の方か、湖の周辺、遺跡のあたりまで出向かなければならないだろう。
「そう言えば、ゼルスの報告書も、明日送るんだったな。見せてもらっていいか?」
「本人に聞いてこよう」
ファンの申し出に、イディアは自分の報告書を片手に、別の小屋で書き物をしているゼルスを尋ねる事にした。
「ああ、ちょうどいい所に。先月見つけた遺跡の資料なんだが、何に見えます?」
干し肉にした余りの恐竜油を利用した蝋燭の元、ゼルスは拾ってきた土器の欠片や、壁画の写しなどを、彼らに見せる。
それは、バラバラになった恐竜の土偶のようだった。一方の壷の欠片には、向かい合って何かの作業をしているらしき人物も見える。別の皿には、湖に浮かぶ船等が書かれていた。今は退色してしまっているが、元々は色鮮やかな食器だった事がうかがえた。
「これが、古代人の姿なのだろうか‥‥」
そう呟くイディア。人物像は、特徴的に細く、まるでエルフのようである。
「この辺りに生えている木と、同じ植物が書いてある。どうやら、料理をしている図を描いているようです。これと同じだし」
植物が気になるファンは、別の事に目をつけたようだったが。
「なるほど。湖の方にあった遺跡は、古代の人々が、港にしていたのかもしれませんね」
その意見を、報告書にまとめるゼルス。確かに、川を使った方が、海には早く出られそうだ。
「もう少し実地調査が必要だな‥‥」
出来上がったそれを見て、イディアはそう呟く。
「で、出来上がったのか?」
「ええ。これがそうですよ」
回収に来た東雲の問いに、彼はそう言って、いくつかの羊皮紙を見せた。ファンやイディアを含め、分担して書いたらしいそれには、こう書かれていた。
【恐竜の生態】
アリススプリングスの周囲にいるのは、概ね草食竜だ。だが、アロサウルスを撃退してしまったがゆえに、ヴェロキラプトルやトロエドンと言った、草原性の肉食恐竜が現れており、生態系のバランスが崩れたとの心配がある。
また、その影響で、何匹か子供の恐竜を保護しており、現在何人かの冒険者が、育成しているそうである。保護されているのは、いずれも草食竜。
【未知との遭遇】
アリススプリングスから、2日ほど行った遺跡に、冒険者ではない人間達がいたらしい。既に、何人かの冒険者達が接触しているが、ゲルマン語を話す他は、アリススプリングスの者達に、好意を抱いていないと言う事が上げられる。原因は、どうやら冒険者達が現れる事で、自分達の生活が脅かされるのではないかと言う懸念があるそうだ。
また、彼らの村には遺跡があり、それが何らかの影響を及ぼしているとの見方もある。
【遺跡各種】
アリススプリングスの周囲には、遺跡が数多く発見されている。まず、日帰りでいける小さな湖に、半ば沈んだような遺跡。反対側の森に、なにやら広場のような洞窟遺跡、さらに一週間くらい歩いた山岳地域の入り口に砦のような遺跡、そして原住民の村、さらに、川を下った場所にある大きな湖の底に、街のような遺跡が眠っているらしい。すでに、何点かの遺跡からは、出土物等々も発見されており、研究が進んでいるようだ。
【周辺地理】
アリススプリングスの周囲は、湿地帯でもあるゆえか、沼や池が多い。また、川と湖に挟まれており、水には事欠かない。その湖には、アノマロカリスと三葉虫が多数生息しているようだ。また、川を一週間ほど下ると、アリススプリングスよりも大きな湖があり、首長竜の目撃例がある。そこをさらに下ると、海に繋がるようで、一部冒険者達は、シェルドラゴンの背に乗り、地図作りにせいをだしているようだ。
【これからの課題】
アリススプリングスは、まだ建築途中の町である。調査隊の手により、外壁と対恐竜用のトラップは出来たものの、内部の構造は小屋にいくつか手を加えただけのものである。恐竜達が周囲を徘徊している事は変わらず、調査隊内部からも、建築技術を持つ者の到着を、切実に願っているとの事。
また、恐竜達と意思の疎通を図りたいと言う冒険者も多く、彼らの言葉を理解する方法を模索しているようだ。
これらの事象より、まだまだ問題は山積みである。故に、調査隊追加メンバーを募集するものである。
「どうも報告文章が堅苦しいな‥‥」
「仕方ありませんよ。まだ調査待ちなんですから」
東雲がそう言うと、ゼルスはそう言って苦笑する。もう少しサーガのような文章がほしかったが、専門の吟遊詩人がいない為、また王宮向けの公式文章に、冒険譚を書くわけには行かない。
「本当は、ヒノミ・メノッサさんが見つかればいいんですけどねぇ。とりあえず、その事も書き足しておきましょう」
それでも、ゼルスはそう言って、新しい羊皮紙に、以下のような文章を書き記してくれるのだった。
【ヒノミ・メノッサについて】
先行調査組が、川沿いに探索を行った所、ヒノミ・メノッサの名前で、各所に石碑が残されている。男か女かもわからない、半ばモンスター伝説の記録係だが、確実に生存はしているようだ。しかし、ヒノミ氏について余り知らない冒険者も多く、それについて詳しく知っている冒険者も、待たれるところである。
こうして数々の冒険者達の手によってまとめられた報告書は、月道を越え、いくつかの手続きを経て、王宮へと届けられた。それは、国王を交えた会議を経て、順次人々にも公開されるのだった。
●マスターより
どもっ! 美少年とか美青年とかが、三度のご飯より大好きな姫野里美と申します。なのに、何故オーストラリアなんぞにぶっ飛ばされて、平気な顔をしているのか!?
そこには大いなる謎が秘められているのですが、この辺はシナリオで読み解いてくださいと、お勧めしておきます。ヒントはヒノミ・メノッサ(笑)。
さて、それはさておき、当方クエストシナリオの指針を少々。姫野さんは、基本的に余り堅苦しい事は言わない主義なのですが、ちょっとだけ注意事項があります。
具体的な行動を書いてください。
オーストラリアには、制約をかける権力者はいませんが、生存率15%!? な、怖い土地でもあります。全体的にこういう方針で‥‥と言うのだけを書いて、自身の行動を書かない場合、恐竜さんに踏み潰されたり、噛みつかれて昼ご飯にされちゃったりする可能性があります。戦う手段や逃げる手段は、きちんと書いておきましょう(笑)
自分達の手で、自分達の町を。
自分達の手で、まだ見ぬお宝を。
てか、お前ら、10mオーバーの恐竜と、ガチで戦ってみたくねーーかっ!?
開拓の楽しみを見出したい方を、当方は切にお待ち申し上げております。
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