聖夜祭のリース ちびブラ団
|
■ショートシナリオ
担当:天田洋介
対応レベル:フリーlv
難易度:普通
成功報酬:0 G 65 C
参加人数:6人
サポート参加人数:1人
冒険期間:12月10日〜12月15日
リプレイ公開日:2007年12月19日
|
●オープニング
ある雨の日。
ちびっ子ブランシュ騎士団橙分隊長こと少女コリルは子供用マントを羽織り、パリの街を歩いていた。
親に頼まれて届け物をした帰りである。
「ん?」
物音が聞こえてコリルは立ち止まる。周囲を見回してみるが誰もいない。再び歩きだそうとすると、また物音が聞こえた。
「これかな?」
察しがついたコリルは、道の隅に置いてある樽に近づいた。屈んで耳をあててみと、ゴソゴソと音がする。
「よいしょ」
コリルは樽の上に載せられていた石を降ろし、蓋代わりの板を外す。
「あっ!」
銀色に輝く羽根がコリルの目の前を過ぎる。見上げると、銀色の蝶のような羽根を持つ、女の子のフェアリーが舞っていた。
「フェアリーだぁ〜!」
コリルが大声をあげるとフェアリーは飛び去る。追いかけるコリルであったが、すぐに見失ってしまうのだった。
数日後、コリルはいつものようにちびブラ団の男の子三人と空き地で遊んでいた。木の棒を使っての騎士ごっこである。
「コリル、どうしたんだ?」
黒分隊長こと少年ベリムートは、キョロキョロと周囲を見回すコリルが気になった。
「誰かに見られているような‥‥気がしたの」
「誰かって誰?」
「わかんない」
コリルとベリムートが話していると、灰分隊長こと少年アウストと、藍分隊長こと少年クヌットも騎士ごっこをやめて集まってきた。
(「いた〜!」)
コリルは杉の幹に隠れて覗いているこの前のフェアリーを発見した。仲間に大きな声をあげないように頼んでから木の枝を見上げる。
「フェアリーちゃん、お友だちになろう〜」
コリルが木の棒を地面に置いて両手を掲げる。しばらくするとフェアリーは宙を舞い、コリルの手の上に乗った。
「この前、樽の中に閉じこめられていたのを偶然助けたんだよ〜」
コリルは数日前の出来事を仲間に説明した。
「このフェアリー、コリルのこと気に入ったんじゃねぇのか?」
「ぼくもそう思うな」
クヌットとアウストがフェアリーを見つめながら話す。
「嬉しいけど、妖精はどうなんだろ‥‥」
コリルは前に猫のメルシアを飼うのを諦めたことがある。
コリルが悩んでいると、空き地に馬車が停まった。馬車といっても簡単な屋根がついた荷馬車といっても構わないものだ。
「よう、そこの子達、訊きたい事があるんだがね」
御者台に乗っていたドワーフの中年男性がちびブラ団に声をかける。突然、フェアリーは身構えた。
「ここらへんにぃぃ‥‥」
ドワーフの中年男性は突然に力が抜けて馬車に寄りかかるように眠ってしまう。
フェアリーが唱えた魔法のスリープのせいだ。驚いたちびブラ団は急いでドワーフの中年男性を揺らして起こした。
「ごめんなさ〜い。この子、この前いぢめられたみたいで警戒してるみたいなの」
「そっそうなのかい。わしは怪しいもんじゃないよ。冒険者ギルドがどこにあるのか訊きたくてね」
ドワーフの中年男性は輪になった物を後部の馬車から取りだして説明する。聖夜祭の飾りとなるリース作りを副業としていると。
今までは販売を商人に任せていたのだが、今年は集落の代表として売りに来たのだという。
「今まで頼んでいた商人には買い叩かれる一方で、あまりに面白くないんでね。そこで今年は売りに来たのだが‥‥、わしにはまったく物を売った経験がない。そこで、冒険者に手伝ってもらおうかと思ってね」
ドワーフの中年男性の話を聞いて、ちびブラ団は案内してあげる事にした。といっても馬車には乗らない。知り合ったばかりの人の馬車には乗ってはいけないときつく親から躾られていたちびブラ団であった。
「ありがとう。助かったよ」
ドワーフの中年男性の依頼が終わり、ちびブラ団は感謝される。
「冒険者達と一緒なら、ぼくたちも手伝ってあげるよ。近所で欲しがっている人もいるかも知れないし」
アウストの言葉に、他のちびブラ団三人も頷く。
「そうかい? そうしてもらえると助かるよ」
ドワーフの中年男性とちびブラ団は約束をした。
●リプレイ本文
●顔合わせ
「わしはドワーフのモリオス。作るのは得意なのだが、どうも販売となるとやった事がない。みなさん、リースの販売よろしくおねがいしますね」
依頼人のモリオスが集まってくれた冒険者達に挨拶をする。ちびブラ団四人の姿もあった。
場所はモリオスが泊まっていた宿屋近くの車庫前。リースがたくさん載せられた馬車がすぐ側にある。
「去年程じゃないけど、やっぱりパリの冬は寒いわね。考えがあるのだけど――」
ナオミ・ファラーノ(ea7372)は市場近くの空き地に屋台を用意して販売をしないかとモリオスも持ちかける。モリオスは人も集まりやすいと考え、意見を受け入れた。
まずはゆっくりと走る馬車の後ろをみんなで歩いて移動である。
「寒いですね。隊長様方はだいじょうぶ‥‥コリル橙分隊長、そのフェアリーは?」
「アニエスちゃん、このフェアリーはね。こないだ助けたらあたしになついたの。まだおお父さん母さんには話してないんだけど‥‥」
アニエス・グラン・クリュ(eb2949)の言葉で、コリルがカバンから顔を覗かせていたフェアリーを掌に乗せる。橙分隊の飛行隊員だとコリルから聞いたアニエスはオーラテレパスで挨拶をした。隊員なので飛行隊長アニエスの部下でもある。
「これは綺麗な銀色だな。我が家のシーリアと同じ月のフェアリーのようだ。お友だちになってあげてくれ」
サーシャ・トール(ec2830)は自分のフェアリー、シーリアに挨拶をさせた。
「妖精は動物とはまた違うから、悩んでないで御両親にきいてごらんよ。そうだ。これをあげよう」
「わぁ〜、ありがと〜」
サーシャからミニミニクマさんをもらったコリルは、さっそく自分のフェアリーに着せてみる。とっても暖かそうだ。
「はじめまして、私はルネよ。歳が離れてるのは気にしないでお友達になれたら嬉しいわ」
「ルネさん、よろしくね〜」
ちびブラ団は声を揃えて挨拶をした。
「このフェアリーに名前はないのかな?」
「うん。みんなで決めたけどなかなか決まんなかったんだ。いい名前思いつく?」
ルネに訊ねられたクヌットはみんなの顔を順に眺め、中丹(eb5231)のところで止めた。
「おいらじゃ妖精はんの名前は『何々丹』ってなってまうで」
「そっか〜」
ちびブラ団が迷っているとアニエスが案を出す。『プラティナ』という名を。賛同も多く、コリルも気に入ったのでフェアリーの名前はプラティナに決まる。
「あっ!」
ベリムートが声をあげる。
よそ見をして飛んでいたプラティナが木の枝にぶつかりそうになった。乱雪華(eb5818)が木の幹に足をかけて飛び上がり、プラティナを優しく握って地面に着地する。
「あいさつが遅れまして。道化師の乱雪華と申します。よろしくお願いします」
「コリルだよ〜。プラティナを助けてくれてありがとー」
乱雪華はニコリと笑い、コリルにプラティナを返すのだった。
そうこうするうちに市場近くの空き地に到着する。
市場の近くということもあり、屋台はすぐに用意出来た。ナオミは金槌を手にして少し手を入れる。より見栄えがよく、リースを売っている事をアピールする為だ。
「とても感謝しておられました」
「そっか、ラルフ黒分隊長が褒めてくれたんだ〜」
アニエスがラルフ黒分隊長からの伝言を伝えると、ちびブラ団の四人は照れていた。
「テントがあっても寒いですね‥‥」
アニエスは自前のテントを休憩用として屋台近くに張ったが、それだけでは足りないような気がする。
「ボク、知ってるよ。パリでも焚き火に使えそうな木が落ちているとこ」
アウストによれば、セーヌ川の畔に流木が結構流れ着いているという。
アニエスとアウストはセーヌ川まで薪拾いに向かう事にした。
ベリムートとクヌットは、ルネ・クライン(ec4004)、サーシャと共にリースをさらに飾り付ける木の実などを採りに行く事になる。
中丹はさっそく愛馬うま丹に見本のリースを載せていた。とりあえずはご用聞きをして回ろうと考えたのである。コリルも一緒だ。
乱雪華は愛馬ホーロンに跨り、衛兵詰め所を目指す。
聖夜祭のリース売りは本格的に始動した。
●寒さ対策
「よいしょ」
薪拾いにセーヌ川の畔まできた二人は、アニエスの愛馬テオトコスに拾った流木を積んでゆく。ちなみに犬のペテロは馬車と屋台の見張り役をアニエスに命じられて実行中である。
「黒分隊長のとこで、どんなことしてたの?」
アウストに訊ねられてアニエスは思いだす。いろいろあったが、一番印象的だったのはチェスをしていた時だ。
黒のルークを持つ指は節くれだっていた。剣を握る大人の男性の手である。
「顔赤いけど、風邪?」
アウストの声でアニエスは現実に戻った。
「さ、さ、これぐらいでいいですので戻りましょう」
アニエスは慌ててテオトコスの手綱を持って歩き始める。アウストは一度首を傾げてから後をついてゆくのだった。
●ご用聞き
「これが見本や。もう少し飾り増やして明日にでも届けますよってにどないでっしゃろ?」
中丹は玄関にまだリースのない家を回って注文取りをしていた。まずはコリルのご近所回りである。
ほとんどの人が二つ返事で注文をしてくれる。
「こりゃすごいで。すぐに終わってしまうかも知れへんな」
「ほんと? よかった〜」
「そういえば、思いだしたわ。アクセルはん、どないしとるかな? ちょっと寄りたいんやが、ええやろか?」
「うん♪」
中丹とコリルは別の住宅街へと向かった。
「おらへんのやろか」
アクセルが住んでいた家の玄関扉には木板が打ち付けられていた。
隣りの住人に聞いてみると、アクセルは立ち退いたという。しかし偶然にも一ヶ月程前にルーアンでばったりとアクセルと会ったそうだ。
「今はルーアンのトレランツなんとかっていう海運会社で働いているそうだよ。そういや、よりが戻ったのかね。姿を消した時には酒に溺れていたけど、すっかり元に戻っていてね。前に見かけた綺麗な女の人も一緒だったよ」
中丹は隣りの住人の言葉にピンとくる。
船着き場近くにある海運業者の営業所を訊ねてみた。アクセルがトレランツ運送社で働いていることだけはわかる。
「これ、届けて欲しいや」
中丹は二つの普及品リースをアクセル宛てに営業所の人へ預ける。ちゃんと代金は自前で支払うつもりである。
中丹からのアクセルともう一人へのプレゼントであった。
●安全地図作製
「恐れ入ります。依頼で聖夜祭のリースを売ることになったのですが、売るのに適した場所、適さない場所などございましたら教えて頂けないでしょうか?」
乱雪華はパリ憲兵の詰め所を訪れ、憲兵に相談する。
「危険な地域については教えてあげられるが、商売についてはちょっと専門外なのでわからない事が多いぞ。それでいいのなら」
憲兵達が治安の不安定な地域を詰め所にある地図を指さす。乱雪華はそれを描き写してゆく。
「この地域は比較的裕福な人達が住む地域だ。こっちは職人や商売人が多い地域――。こんな感じだ。少しは参考になったかな」
「ありがとうございます。これからもパリの治安をよろしくお願いします」
乱雪華は教えてもらったお礼を憲兵の一人に渡した。手伝ってくれるコルリスとまだ何カ所か回る予定なので、用意した一部をだ。それでもかなりの金額である。
「こんなにはさすがに受け取る事はできんな」
「気持ちですのでお受け取り下さい」
「‥‥それではみんなの酒代分だけもらい、後は復興の方に寄付をしておく。それでいいかな?」
乱雪華は憲兵にお礼をいって詰め所を立ち去った。
コルリスと分担して詰め所を訪問し、拠点となる市場近くの空き地へと戻る。そして情報をつき合わせて安全な地域地図を作り上げるのだった。
●飾り
「まずは拾いましょうか」
パリ近郊の開かれた庭園にルネ、サーシャとベリムートとクヌットが訪れる。
よりリースを飾り付けようと様々な物を探しに来たのである。
どんぐりや松ぼっくりが落ちていて、それらを拾ってゆく。
「あまりたくさんありすぎると大変なので、これに絞らないか?」
屈んだサーシャは白い花を指先で揺らす。クリスマスローズである。
花は必要な分だけ毎朝摘みに来ることになる。今日のところは少しだけだ。そのかわり、木の実の類をたくさん拾うことにした。
「ブーケ用にはいろいろな種類を摘んでおきましょう」
ルネは色とりどりの花々も摘んでおく。
「遅れましたが、ただいま到着です」
乱雪華もやって来た。傷まないように乱雪華の愛馬ホーロンへ花を積んでゆく。
市場近くの空き地へと戻ると、ナオミによってさらに立派になった屋台にリースが並べられていた。摘んできたクリスマスローズをつけてゆく。
アニエスとアウストが運んできた流木による焚き火もあってかなり暖かい。ナオミが簡単な風よけも作ってくれたのも効果的であった。
中丹とコリルも帰ってくる。注文がどっさりで、今日のうちに配達しようと全員が動きだした。
「二つばかりプレゼントとして渡してきたんや。おいらがその分、払うんでええやろ?」
中丹がモリオスに話しているとアニエスも聞きつける。自分にもいくつかリースを譲って欲しいとモリオスにお願いした。
「こうやって手伝ってくれるんだ。超〜格安にしておくよ。それとは別に手伝ってくれた全員分のリースはとっておいてある。最後の日に渡すから待ってておくれ」
モリオスはにこやかに答えるのであった。
●大繁盛
二日目以降は準備が整ったおかげで大忙しであった。
朝に摘んできた花をリースにつけ、屋台に並べるとさっそく開店である。
「これもどうだろね。木片から作ったのよ」
ナオミが一同に見せたのは星形や十字架の形をした、たくさんの木製のブロックだ。
「すごいな。さすがはドワーフ仲間だ」
モリオスもその出来に喜ぶ。木製ブロックもリースに取り付けられる。
「はい。うまくいったら喝采をよろしくお願いします」
道化師に扮した乱雪華がロープを木と木の間に張り、軽業を披露する。徐々に人が集まりだした
「ナオミさん、ボクにお金の勘定を任せておいて」
「わかったわ。頼りにしているわよ」
張り切るアウストの頭をナオミは撫でる。
屋台の直接販売はナオミとアウスト。客寄せは乱雪華。用心棒はアニエスの愛犬ペテロ。その他の雑用はモリオスに任せて、他の仲間達は外販へと散らばるのだった。
「あなたに神のご加護がありますように‥‥」
王宮前広場でルネとベリムート、コリルはリースの移動販売をしていた。
ルネはアニエスから借りたエンジェルドレスと天使の羽飾りをつけ、さらに十字架のネックレスをして天使の姿である。髪を下ろしてそれらしく振る舞う。
サーシャと一緒に作ったブーケもおまけでつけると、とても喜んで買ってくれた。
「おしとやかなのは柄じゃないけど、リースを売る為に頑張らなきゃね」
「ルネさん、とっても似合うよ。‥‥あれ? さっきまで中丹さんも居たのに? どこいったんだろ? コリル、知ってる?」
ルネと話していたベリムートはコリルと一緒に中丹を探し始めるがどこにもいない。
「おいらはここやで!」
突然石像が動きだして、ベリムートとコリルは瞳をまんまるにして驚く。
「面白いやろ。ピグマリオンリングや! これをつけて、息を止めて、じっとしていると‥‥」
中丹が再びいなくなる。と思ったら『ぷはぁ』との息と共に現れた。
「すごいね。それ!」
ベリムートとコリルは中丹の指にはめられた指輪を見つめた。
「サーシャはんと手分けして売ってくるよってに」
「あたしも行く。じゃあね〜。ルネさん、ベリムート〜」
中丹とコリルが軽やかなステップで去ってゆく。
「さあ、負けていられないね。がんばろうか! ベリムート」
「うん!」
ルネとベリムートは広場での販売に力を入れるのであった。
「次はどちらがいいかな」
「こっちの職人がいる方がいいと思うぞ」
サーシャとクヌットは乱雪華が用意してくれた地図を頼りに各家庭を回っていた。ある程度は在庫を持ち、足りなくなった場合は後で届ける。中丹達と地域を分けて活動していた。
可愛らしいフェアリーのシーリアも販売に一役買う。サーシャの肩に乗ってペコリとお客にお辞儀してくれた。
サーシャは主に普及品のリースを取り扱った。よくしてくれたお客にはブーケをオマケであげたりもする。
「ありがとうございます」
「ありがと‥ござ‥‥ます」
礼儀正しくするのはどうもクヌットは苦手のようだ。それでも一生懸命に行うクヌットを微笑ましく感じるサーシャであった。
アニエスは愛馬テオトコスに跨ってパリ中を駆けていた。
まずはワイン問屋のシモン夫妻の所である。
「店頭でリースを受け取ると天使の祝福が得られますよ☆」
「それはたくさん買わないといけないですね」
アニエスが見本を見せると、シモンがにこやかに高級なリースも含めて複数注文してくれる。すぐにアニエスはメモをとった。夫婦の幸せそうな姿に、アニエスは安心して問屋を立ち去る。
続いて訪れたのは王宮騎士団団員ディーリの屋敷であった。
各部屋の暖炉の上に取り付けるというので、これまたたくさんの注文をしてくれた。
そして王宮の門近くの衛兵の休憩所。
ブランシュ騎士団黒分隊の本部は城内にあるので一般の者では立ち入れない。こればかりは決まりなのでアニエスは伝令を頼んだ。やって来たのはレウリーという青年隊員であった。
地図に関してはすでに乱雪華が用意してくれたので止めておくことにした。リースの注文についてお願いし、そしてラルフ黒分隊長への伝言を頼む。
「はい。ちびブラ団の方々には分隊長から特に丁重にといわれております。確かにお伝えしますね」
レウリーは黒分隊内で注文をとっておくと笑顔で約束してくれた。アニエスは礼をして休憩所を立ち去るのであった。
●そして
あっという間に五日間は過ぎ去る。
「おかげで全部を売り切ったよ。これはお礼だよ」
モリオスは冒険者達、そしてちびブラ団四人にも高級品のリースをプレゼントした。アニエスには自費で買った普及品の二つもだ。
「よい聖夜祭を迎えておくれよ〜」
帰路についた冒険者達とちびブラ団に向かってモリオスは手を振る。
コリルは両親からフェアリーならばとプラティナを飼う許可をもらう。
ルネは蝋燭を作ろうと考えていたが取りやめた。市場で蜜蝋の売人に蝋燭の作り方を訊いた所、難しそうだったのが理由である。
五日間いろいろあったが、全員が笑顔で別れて依頼は終了となるのだった。