習作の刀 〜シルヴァン〜

■ショートシナリオ


担当:天田洋介

対応レベル:フリーlv

難易度:やや難

成功報酬:1 G 56 C

参加人数:7人

サポート参加人数:3人

冒険期間:02月10日〜02月25日

リプレイ公開日:2008年02月18日

●オープニング

 パリ北西に位置するヴェルナー領は、ブランシュ騎士団黒分隊長ラルフ・ヴェルナーの領地である。
 その領内の森深い場所に、煙が立ち昇る村があった。
 村の名前は『タマハガネ』。
 鍛冶職人の村である。
 鍛冶といっても他と赴きが違う。ジャパン豊後の流れを汲む作刀専門の鍛冶集団であった。
 村の中心となる人物の名はシルヴァン・ドラノエ。ドワーフである彼はジャパンでの刀鍛冶修行の後、ラルフの厚意により村を一つ与えられた。
 ジャパンでの修行後期に作られた何振りかの刀が帰国以前にノルマン王国へ輸入され、王宮内ですでに名声が高まっていたのだ。
 ジャパンから連れてきた刀吉と鍔九郎、そして新たに集められた鍛冶職人によって炎との格闘の日々が続くが、完成した刀剣は少ない。
 そのほとんどがブランシュ騎士団黒分隊に納められる。中でも真打はラルフ黒分隊長の元に、影打はエフォール副長の元にあった。


 夜中、シルヴァンの住処で刀吉と鍔九郎は酒を酌み交わしていた。
 シルヴァンの手元には銀製の薄い板がある。『ハニエルの護符』と呼ばれるデビルスレイヤー作りに使われる物だ。
 先々代が手に入れたものだが、シルヴァンは詳しい経緯を知らない。敬虔なジーザス教徒が扱うことにより、聖なる力を授かるという。
 シルヴァンはすぐに仕舞った。信頼する刀吉と鍔九郎だからこそ見せたのだが、あまり世間に知らせるものではないからだ。
「‥‥シルヴァン・エペはよい刀です。ですがシルヴァン殿、冒険者達もいっていたように次をお考えになられたらどうでしょうか?」
 刀吉が深く考えた後でシルヴァンに問いかけた。
「どうしたのだ? 刀吉」
 シルヴァンより先に言葉を返したのは鍔九郎である。
「大鍛冶で得た鋼で作られた刀はデビルスレイヤーには相応しくないというシルヴァン殿のお考えに異論を挟むつもりはありません。しかしいつまでもシルヴァン殿お一人で作刀するのも限界があります。ここはまず冒険者達に習作を作り上げてもらい、日本刀作りに慣れて頂く方が得策かと考えます」
 刀吉の言葉にシルヴァンが酒を呑む手を止めた。
「冒険者のおかげで、タタラ製鉄も順調です。どうか大鍛冶を経て得た鋼で冒険者達に刀作りを習わせてあげて下さい。かなりの腕を持つ者が多くいますが、タマハガネ村での鍛冶だと勝手が違うはず。慣れというのも必要ですし、シルヴァン・エペの寸法を身体で覚える必要もあります。それがいつかわかりませんが、タマハガネ村の為にもなりましょう」
 刀吉は深く頭を下げた。
「刀吉、よいのか? お前も作刀したいのであろう。同じく鍔九郎もそうであろう」
 シルヴァンは順に刀吉と鍔九郎を眺めた。
「今しばらく、わたしはシルヴァン殿の相槌役や他の工程の監督をさせて頂きます。うぬぼれながら、これだけをこなせるのはわたし、もしくは鍔九郎のみ。ただ鍔九郎には作刀させてあげてください」
「待った。刀吉にだけよい格好はさせられん。シルヴァン様、俺も相槌や監督に回りましょう。刀吉の願い、聞き届けてあげてくだされ」
 刀吉に続いて鍔九郎もシルヴァンに頭を下げる。
「‥‥二人とも、気持ちはよくわかった。タマハガネ村を守る兵士達はシルヴァン・エペではないが、魔力が込められた剣をお持ちだ。冒険者が作る刀は村人達に分けるとしよう。デビルばかりが敵ではない。作刀の鍛冶村の者がいざというときに刀を持っていないのでは格好もつかんからな」
 シルヴァンは中腰に立ち上がって近づき、二人の頭をあげさせる。
「刀吉、またパリで依頼を出してもらえるか?」
「かしこまりました」
 シルヴァンは刀吉にパリでの依頼を任せた。

●今回の参加者

 ea7372 ナオミ・ファラーノ(33歳・♀・ウィザード・ドワーフ・ノルマン王国)
 eb2927 朧 虚焔(40歳・♂・武道家・ハーフエルフ・華仙教大国)
 eb3781 アレックス・ミンツ(46歳・♂・ナイト・人間・ノルマン王国)
 eb5734 ニセ・アンリィ(34歳・♂・ファイター・ドワーフ・モンゴル王国)
 ec1565 井伊 文霞(31歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ec2965 ヴィルジール・オベール(34歳・♂・ファイター・ドワーフ・ノルマン王国)
 ec4355 春日 龍樹(26歳・♂・浪人・ジャイアント・ジャパン)

●サポート参加者

井伊 貴政(ea8384)/ アニエス・グラン・クリュ(eb2949)/ マアヤ・エンリケ(ec2494

●リプレイ本文

●出発
 刀吉が手綱をしならせると馬車が動きだす。
「姉上、鍛冶仕事、頑張って下さいねー。いってらっしゃーい」
 何人かの冒険者が見送りに来ていた。井伊貴政は馬車から顔を見せる井伊文霞(ec1565)に手を振る。
 馬車内の椅子に座る井伊文霞の膝の上には弁当が置かれている。井伊貴政特製だ。
「まぁ頑張ってきてぇみたいなぁ〜」
 マアヤも井伊貴政と同じく井伊文霞の見送りだ。アクセサリーを作ってきてとねだってみたが、笑って誤魔化されてしまった。同性だと女の武器が通じないのが残念である。
「ナオミさん、お気をつけて」
 アニエスは遠ざかる馬車に大きく一度手を振った。ナオミ・ファラーノ(ea7372)の見送りだ。
 それからアニエスはナオミから預かった手紙を届けに王宮門の衛兵詰め所に向かう。ここなら黒分隊の誰かと連絡がとれるからだ。
 黒分隊の隊員に預けたラルフ宛てのナオミの手紙には、意匠や鞘のデザインについての質問が書かれてあった。
 アニエスはもう一通の手紙を隊員に委ねる。ヴェルナー領に本を寄贈してもらう際、出会った人々から教えてもらった大切な事が綴られてあった。

●タマハガネ村
 馬車は順調に進み、一晩の野営を経て二日目の昼過ぎには森へと入る。夕暮れ時には目的地であるタマハガネ村へと到着した。
 いつものようにシルヴァンと刀吉、鍔九郎が冒険者用の家屋を訪れる。
 それぞれの要望を聞いた上で仕事内容が割り当てられた。
 今回は刀作りを希望する冒険者にやってもらう事になっていた。
 希望したのは朧虚焔(eb2927)、アレックス・ミンツ(eb3781)、ニセ・アンリィ(eb5734)、ヴィルジール・オベール(ec2965)である。
 他の仕事が終わってからという者もいたが、興味あるのに間違いはないようだ。
 ナオミは小物作りに始まり、砥師として研ぎの腕を磨きたいという。
 春日龍樹(ec4355)はタタラの製鉄作業を手伝うと力強く宣言した。
 井伊文霞はタタラ製鉄や道具の手入れなどを行うつもりである。
 全ての作業は明日からだ。
 用意されてあった少々の酒を酌み交わし、冒険者達は早めに就寝するのだった。

●タタラ
 熱気。
 タタラ製鉄の作業はこの言葉に尽きる。
 三昼夜に渡る作業が炎との格闘であるのは冒険者達もよく知っている。
 屋根の高い石造りの建物の中でタタラ製鉄は行われていた。
「ふう、‥‥。ここでよろしいから?」
 井伊文霞は愛馬貴政に荷車を繋げて遠くの炭焼き小屋から炭を運んできた。既に今回のタタラ製鉄に必要な炭は近くに用意されているが、手間を省くために運んできたばかりの炭を直接持ってきたのである。
「そこで大丈夫だ。瓶の水は自由に飲んでいいようだぞ。塩も舐めるのも忘れずにな」
 春日龍樹も愛馬春菜に荷車を繋げ、砂鉄を運んできたばかりだ。
 築炉から真っ赤なノロが流れる。
 監督をする鍔九郎は常にノロの状態を確かめていた。炉の中がどうなっているのかはノロを観ればわかるからだ。
「よいしょ!」
 春日龍樹はスコップで砂鉄を降ろし始める。
「これだけあっても一度でなくなってしまうのだから‥‥」
 井伊文霞も炭を使う場所へと降ろす。
「ぜぃぜぃ‥。しかし暑いな‥‥着てられん!」
 春日龍樹は防寒服を脱ぎ捨てる。そしてごくりと水を飲んでから作業を再開した。自分達以外にも砂鉄や炭を運んでくる村人達がいる。井伊文霞と春日龍樹は降ろすのを手伝う。
「まだ乾燥された砂鉄は一杯あったぞ」
 アレックスも砂鉄運びに精を出していた。
「次は砂鉄じゃ!」
 ヴィルジールは村人達と一緒に炉へ砂鉄を入れてゆく。凄まじい熱気との戦いに汗びっしょりのヴィルジールは村人達と呼吸を合わせる。
 炭と砂鉄を交互に入れる作業は定期的に行い、そして休むことなく三昼夜続ける。二班に分かれて交代をしながらだが、とてもきつい作業であった。
 村の女性達の多くはフイゴを動かす作業が任されていた。誰一人として鍛冶に関わらない村人はいないといってよい。
「普段から俺みたいな重いのを乗せているのに、さらに苦労をかけるな、お前にも」
 春日龍樹は愛馬の頭を撫で、そして砂鉄をとりに建物を後にする。一度水を浴びて汗を流した後で防寒服を着込んである。やはり一歩外に出ると寒さは非常に厳しかった。
「今日の炭運びはこれくらいにして、道具の手入れを致しましょう」
 井伊文霞はシルヴァンがいる火床と呼ばれる小屋へと向かった。

●小物
 小物作りの小屋にはナオミ、朧虚焔、ニセの姿があった。
「その通りなのです。ナオミ殿」
 刀吉がナオミに頷く。
 作業の休憩中、職人達と一緒にジャパン風の野菜の塩漬けを食べながらの会話である。
 話していたのはノルマンとジャパンにおける素材の調達についてだ。この前も話した事だが、悩みはたくさんあった。
「組紐も作りたいけど、こちらもやはり輸入かしら?」
「そちらに関しては特には用意していません。特殊なのは承知していますが、黒分隊では剣帯を使用なさっているので。土地柄に倣った形に変更させて頂いてます。ノルマンの方なのにナオミ殿は博識ですな」
 刀吉はうんうんと頷く。
「どのような刀になるか分かりかねますので後になりますが、仲間が作る刀の小物も用意させてもらますわ。それと――」
 ナオミは刀吉にあらかじめ許可をもらっておく。そして砥師について話しを切りだした。
「ええ、よろしくお願いします。数をこなすことがすべてに繋がる事ですから」
 刀吉は習作の刀の研ぎをナオミに任せた。時間がない場合、次の機会に行っても構わないと付け加えて。
 日本刀独特の構造なのだが、刃の部分と峰の部分では鋼の質が違う。これこそがしなやかさと斬れを両立させる秘密なのだが、そのせいで他の刃物とは違う技術がある。ナオミ程の腕ならば、すぐに修得するだろうが少しの修練は必要なはずだ。
 後でナオミは他の職人から聞いて知るのだが、タマハガネ村でシルヴァンエペの研ぎが出来るの腕があるのは二人だけ。シルヴァンと刀吉だけらしい。しかも研ぎに関しては刀吉の腕の方が上だという。
「技術があれば、材料は後からでも問題ないですもの」
 ナオミはシルヴァンエペ用の小物作りを続けた。仲間が刀を打ち終わるのは、かなり後になるはずだからだ。
 持ってきた刀も参考にしてよりよい物作りを目指した。
「わしは自分が打った刀を最後まで仕上げてみたいずらよ」
 ニセは鞘は置いておくとして、刀身から研ぎまでの工程をすべてやってみたいという。鍔にも興味があった。まずは他の職人達の作業を見学するところから始まった。
 刀吉がシルヴァンエペを研ぐというので、ニセはじっくりと観察する。ナオミも朧虚焔も熱心に刀吉が研ぐ姿を観ていた。
「わかりました。そうさせてもらいましょう」
 朧虚焔は鮫皮を用いた鞘作りの許可を刀吉からもらう。
 数日後から自分も刀を打つのだが、まずはそれ用の鞘とする予定だ。
 刀身がないと実際の作業は無理である。だが前準備として材料の用意などを行った。鮫皮、蜜蝋の準備。補強用の金属部品などを前もって作製しておく。
 シルヴァンエペについてはナオミがラルフ領主に手紙を送り、意匠や鞘のデザイン変更を訊いているという。朧虚焔もその答えを待つ事にした。

(「手紙の答え、どうなのかしら‥‥」)
 夜、ナオミは寝付かれずに天井を見つめる。遠くの囲炉裏からの炎で照らされて影が揺れていた。そして影の形に伴侶を思いだす。
(「二月十四日跨ぎでパリ市外へ仕事に出る妻を許してね、あなた‥‥」)
 ナオミは布団を深く被って眠りに就くのであった。

●習作
 希望の冒険者達による刀作りが始まったのはタタラ製鉄が終わる六日目からであった。
 一人での作業は難しいので組となり、互いに交代でサポートをする事となる。
 朧虚焔、ヴィルジール。
 アレックス、ニセ。
 井伊文霞、春日龍樹と決まった。
 井伊文霞と春日龍樹は見学に留めるつもりだったが、鍔九郎の勧めで打つのを決めた。他の作業に注力したいので、二人で一振りを打つ事となる。
 作業は鍔九郎とシルヴァンが時折現れて教えてくれた。

「ここで大まかに硬さを調節するのですね」
 朧虚焔はヴィルジールに鎚を振るってもらいながら、鋼の叩く位置を調節する。
 まずは鉄箸で鋼を挟み、熱して叩いては水に入れた。まだ残っている不純物を減らしたり、硬さを調節する為である。最後は割ってバラバラにする。
「この組み合わせでも出来が変わるらしい。刀とは難しいものじゃのお」
 ヴィルジールはテコ棒の上にバラバラにした鋼を載せて藁紐で固定した。そして粘土質の泥水をかけて藁灰をまぶし、炭の中に入れて熱する。その際お湯が沸くような音がするので、この作業を積み沸かしという。
 テコ棒に載る熱した鋼を水をつけた鎚で叩き、空気や不純物を取り除いてゆく。これを何度も繰り返した。
「これこそが日本刀の秘訣の一つか」
 アレックスは勢いよく鎚を振り下ろす。
 積み沸かしに続く鍛錬とは鋼に層を作る作業でもある。泥水と藁灰をつけてから熱して叩く。タガネで折り目を入れて半分に折り曲げてさらに叩いてゆく。
 これを繰り返す事で鋼には層が出来る。
 もう一種類、硬さの違う鋼を用意して次の工程に移る。
「これは難しいずら‥‥。でもこのおかげで日本刀は折れずらいずらな」
 ニセが呟く。全員が集まり、シルヴァンの作業を見守っていた。
 造り込みの作業とは二種類の性質の違う心鉄と皮鉄を合わせる作業である。芯鉄が刃の部分となり、皮鉄が峰の部分となる。合わせ方は様々であり、答えは一つではない。シルヴァンも未だ模索中で、各自の技術と工夫が問われる作業であった。
 ここで鋼は棒状となりテコ棒から切り離される。失敗すると簡単に折れてしまったり、斬れない刀しか出来上がらない。各自、覚悟を決めて作業を行う。
「姿はなるべくシルヴァンエペに似せましょう」
 続いては素延べである。井伊文霞は棒状になった鋼を叩き、平らにして先端を切り落として形を整える。
「丁寧に‥‥丁寧にだ」
 春日龍樹は鎚に水をつけては刀身を叩いて形を調整する。火造りという刀の形を完全に決める作業だ。井伊文霞と相談し、交代しながら時間をかける。
 それから荒仕上げというヒラセンやヤスリがけの工程を経て、脂落としを行う。
 続いて土置といわれる焼刃土を塗ってゆく。
「ここで今までが報われるかどうかが決まる」
 焼入れまで辿り着いた冒険者達を鍔九郎は激励した。
 一瞬の気のゆるみも許されない作業なので、一振りずつ火床を借りて行われた。本来は一人の方がよいのだろうが、今回はシルヴァンと鍔九郎が見守る。
 炭の中に入れられた刀身の輝き方で焼入れの瞬間が判断される。明け方が作業時間に選ばれたのは、暗さが判断によいとされているからである。
 西洋では焼入れの際に油を使う場合が多い。他にも蜜などが使われるが、タマハガネ村ではごく普通の冷水が使われる。
 水が西洋であまり使われないのは蒸気のせいで刀身が一気に冷やされない可能性があるからだ。
「普通といっても、俺の場合はハニエルの護符を使う。焼入れの際の水に浸して、祈りを込める。成功すればデビルスレイヤーの能力を授かる事ができるのだ」
 シルヴァンは冒険者達にハニエルの護符の存在を教える。もっともどんな刀にでもとはいかないので今回は使用されない。
 一晩に一振り、出来上がりの順番で焼入れが行われる。焼入れが終わると、すぐに鍛冶押しといって荒研ぎで出来上がりが確かめられ、焼戻しをして調整された。
 後は銘が入れられて、砥師の手に渡るのが通常だ。
 今回は自分自身で研ぎを行ったり、ナオミに任せる事となる。さらに小物類が用意されてそれぞれに一振りの刀が出来上がるのであった。

●一息
「このように抜くんだ」
 春日龍樹は手があいた時、庭で村の若者と剣術の稽古を行う。
 習作の刀が譲られる事は依頼書に書かれてあった。基本を教える為に木刀代わりのスタッフまで用意してきた春日龍樹である。
「次はわしが相手にしようかの」
 ヴィルジールも春日龍樹と同じく相手をする。村の若者は筋がよく、すぐに様になってゆく。
 十三日目の夕方には習作された刀すべての拵えが終わった。
 井伊文霞は拵えてくれたナオミに感謝する。さっそく春日龍樹と作った刀で試し切りの用意をした。藁束を立てた棒にくくりつける。
「いざ‥‥」
 井伊文霞は一刀で両断する。刀は折れず、刃こぼれも見つからない。まずはよい出来である。
 夕日の中、村人達に冒険者達が打った刀が渡される。村人達はとても喜んでいた。

●パリ
 十四日目の朝、冒険者達はタマハガネ村を後にする。馬車に揺られてパリに到着したのは十五日目の夕方である。
 ナオミはギルドに届けられていた手紙を読んだ。ラルフ領主からの返事であった。
 刀身の質、形状さえ今までと変わらなければその他については変更しても構わないとあった。元々隊員各自の趣味で少々の工夫もされているようである。
 この事は他の冒険者にも知らされる。
 村を出る間際、冒険者達には追加の謝礼金がシルヴァンから渡されていた。
 さらに朧虚焔にはこれまでのお礼としてシルヴァンエペが進呈されている。これからも刀作りに手を貸して欲しいとのシルヴァンの言葉と共に。
 冒険者達は長いタマハガネ村での作業を振り返りながら、パリの住処へと戻っていった。


●六段階貢献度評価
ナオミ エペ進呈済
朧 2、3、3 計8
アレックス 2、2、1 計5
ニセ 2、2 計4
井伊 2、2、2 計6
ヴィルジール 2、2、3 計7
春日 1、2 計3

朧には今回一振り進呈されます。
合計6を越えた方があとお二人がいます。次回はヴィルジール。続いて井伊に進呈する予定です。