ナギナタとレミエラ 〜シルヴァン〜
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■ショートシナリオ
担当:天田洋介
対応レベル:フリーlv
難易度:やや難
成功報酬:1 G 56 C
参加人数:8人
サポート参加人数:3人
冒険期間:06月09日〜06月24日
リプレイ公開日:2008年06月18日
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●オープニング
パリ北西に位置するヴェルナー領は、ブランシュ騎士団黒分隊長ラルフ・ヴェルナーの領地である。
その領内の森深い場所に、煙が立ち昇る村があった。
村の名前は『タマハガネ』。
鍛冶職人の村である。
鍛冶といっても他と赴きが違う。ジャパン豊後の流れを汲む作刀鍛冶集団であった。
村の中心となる人物の名はシルヴァン・ドラノエ。ドワーフである彼はジャパンでの刀鍛冶修行の後、ラルフの懇意により村を一つ与えられた。
ジャパンでの修行後期に作られた何振りかの刀が帰国以前にノルマン王国へ輸入され、王宮内ですでに名声が高まっていたのだ。
ジャパンから連れてきた刀吉と鍔九郎、そして新たに集められた鍛冶職人によって炎との格闘の日々が続くが、完成した刀剣は少ない。
現在はブランシュ騎士団黒分隊に納めるシルヴァンエペの他に、別の武器を構想中であった。
六騎の騎馬に囲まれて、森の奥にあるタマハガネ村に馬車が到着する。
乗っていたのはルーアンのヴェルナー城で文献調査を行っている女性調査員フミッシュである。一人、若い人間の女性を連れていた。
さっそく村の長でもあるシルヴァンの家屋で面会を行う。
トーマ・アロワイヨー領で行われていたブランシュ鉱の盗掘は一掃され、新たな体制が構築されつつあった。
王宮との調整も進んでブラン鉱床は国有となったが、管理監督者はヴェルナー領主ラルフに決まる。
慣例からいっても、所在地のトーマ・アロワイヨー領と監督官のラルフに一部ブランシュ鉱が報償として定期的に配布されるのは確実であった。
「これを」
フミッシュが大事に懐に入れていた袋を開いて、白く輝く小さな塊を見せる。
「ラルフ様から先渡しとしてブランを預かってまいりました。ご確認を」
「かたじけない」
フミッシュからシルヴァンは袋ごと受け取って確かめる。確かにブランに間違いなかった。
「これで製作に入れる。さっそく明日にでもパリに使いの者を出し、手伝ってくれる冒険者達を呼び寄せましょう」
シルヴァンはフミッシュに礼をいいながら考えていた。
鋼を大鍛冶によって調節する際にブラン鋼を混ぜるつもりだが、その量をどの程度にしようかと。
前に冒険者達から量産に心を傾けすぎて肝心の武器性能がおろそかになってしまう危惧を指摘されていた。シルヴァン自身も重々に承知しているのだが、とても判断が難しい問題である。
「話しが後になってすみませんが、こちらの者をタマハガネ村に住まわせたいとラルフ様はお考えです」
フミッシュは隣りに座る女性の背中に手を当てる。
「エルザ・オイリスといいます。神聖ローマ帝国から越境してこちらに。故郷のベネチアではガラス職人の修行をしていました」
エルザが挨拶をし、シルヴァンは眺める。二十歳少し前の人間女性で、比較的大柄であった。髪の色は赤く、肌は少し日焼けをしている。
「ガラス職人というと‥‥レミエラはどうなのだ?」
「まだ世間の者達と一緒で知ったばかりです。ですが、一番力をいれていきたいと考えています。その事をラルフ様にお話ししたところ、こちらがよいと勧められました」
シルヴァンはいくつかエルザに質問を続けた。
「今お話しした通り、この村でのレミエラ作成をエルザも望んでいます。受け入れては頂けますか?」
「こちらも願ったり。ラルフ様にどう感謝してよいやら」
フミッシュにシルヴァンは受け入れを承諾する。
「仕事場兼の家屋を用意してもらいたいのですが。ただ今、ラルフ様の名でレミエラ製作に必要な道具類をエチゴヤに注文中です」
「冒険者専用の火床の家屋と同時に、もう一軒予備を作っておいたところです。そちらでよろしければ」
フミッシュとシルヴァンによってレミエラ作りの作業場も確保される。
(「まだまだ未知数だが、足りない武器性能についてはエルザさんのレミエラに任そう。鍛冶の我らは、魔力が込められたナギナタ型の武器を可能な限り打つことに専念しよう‥‥」)
鍔九郎にを呼び、二人を別の小屋に案内させた後でシルヴァンは一人考える。
翌日、刀吉は馬車でパリへと依頼に出かけるのであった。
●リプレイ本文
●出発
「刀吉殿、また世話になるな」
パリ出発の時、春日龍樹(ec4355)は見送りの義理の弟ラムセスを呼んで刀吉に紹介する。
「今ひとり立ちのために親元を離れているのだがな‥。練習の為、一度だけ占わせてはくれないか?」
春日龍樹はラムセスの頭に手を乗せてお辞儀をさせた。
「まだ全員集まってませんし、わたしでよろしければ」
刀吉の許可が出てさっそくラムセスが占いを始める。こういう場合、何を占うかは決まっている。刀吉の恋愛運についてだ。
「でましたデス。最近の出会いを大切にするといいデス」
ラムセスの答えに今一ピンとこない刀吉であったが、振り返ればあの時と思う事が人生の中では度々ある。ありがとうとお礼をいう刀吉であった。
刀吉はクァイ・エーフォメンス(eb7692)を見送りに来た雀尾とも話す。ガラス職人の話題は彼の耳にも届いてた。特に作製されたレミエラの管理を厳重にした方がよいと雀尾はいう。
次々と冒険者達が集まって出発の時間となった。ラムセスは春日龍樹の背中近くで火打ち石を鳴らして安全を願う。ジャパン風の安全祈願である。
御者台の刀吉が手綱をしならせる。馬車は一路、タマハガネ村を目指すのであった。
●村
二日目の夕方、森の中にあるタマハガネ村に馬車は到着する。
冒険者が寝泊まりする為の家屋近くには二軒の新しい家屋が完成していた。一軒は冒険者専用の鍛冶作業場である。もう一軒は噂のガラス職人エルザ用の住まい兼仕事場だ。
夜、シルヴァンとエルザが冒険者用の家屋を訪れる。
「ガラス加工の仕方、とても興味あるのよね。見学だけでもしてみたいわ」
ナオミ・ファラーノ(ea7372)が目を輝かせてエルザに訊ねる。
「資材に道具類など、まだ始められる状態ではないのです。もうすぐとは聞いているのですが。しばらくお待ち下さいね」
エルザも設備が整うのが待ち遠しい様子である。ラテン語が基本のローマ帝国から来た割にはゲルマン語も達者だ。
「それは残念じゃな。畑違いやも知れませぬが、できるなら作成に協力したいと思いますわぃ」
「一人ではどうにもならないこともあります。その時はよろしくお願いします」
ヴィルジール・オベール(ec2965)の気持ちをエルザが受け取る。
「私の友人が作成したものですが」
クァイは所持していたレミエラをエルザに見せる。デビルスレイヤーの能力を付与する事が出来るらしい。エルザは目を凝らして眺める。
「ガラスそのものが珍しいものですし、とても興味がありますわ」
井伊文霞(ec1565)はガラスの美しさについて語った。エルザがガラスについての疑問に答えてゆく。次第に内容はエルザの身の上話になる。
天涯孤独であったエルザだが、ガラス職人の師匠が匿っていた無実のある人物が官憲に連れて行かれたのを知って越境を決意したとのだという。井伊文霞は瞳が潤んでくるのを感じて人差し指で押さえた。
「これから共に頑張りましょう」
井伊文霞はエルザの手を両手で強く握りしめる。
話は本題のナギナタ作りに移った。
「ナギナタ作り、がんばるずらよ。ところでブランはどのくらい入れるずらか? 混ぜるの半分ずつでどうずら?」
ニセ・アンリィ(eb5734)は特にブランの配合について気にする。
シルヴァンは腕を組みながら口を開く。あくまで文献によるが、一割程度のブランでも鋼は魔力を帯びるらしい。なので融けた鋼の中にまずは文献通りの量を融かしてみるつもりであった。金の百倍以上の価値があるブランなので極端な量は使えなかった。よってブラン製の砥石もなさそうである。
ニセはブランシュ鉱を融かせる特殊な炉についても訊ねるが、検討してみるとシルヴァンは返事をする。作るにしてもラルフの協力なしには無理だからだ。
「俺は砂鉄集めを手伝った後、ナギナタ作りをするつもりだ」
アレックス・ミンツ(eb3781)が自分が行うつもりの予定をシルヴァンに伝えると仲間も続く。偏りがないよう調整が行われた。
依頼書にはナギナタの名前募集について書かれてあった。何人かの冒険者は考えを披露する。
「俺は『献身』の意味を込めた名前をつけたい。己が武器へ手入れを怠る事無く尽くせば、その分だけ武器が己の一部として尽くすと考えるからな」
ユニバス・レイクス(ea9976)はシルヴァンをじっと見つめて話す。
「日本刀の要素を取り入れたという意味で、『オリエンタルグレイブ』、『クレセントグレイブ』などどうかしら? 他にも――」
ナオミは全部で五つの名前を考えてきてくれる。
「――ブランシュ・ボルミア、べルムレイガなどどうでしょう?」
クァイは計四つの名を提案した。
「ツイン・サーブルではどうじゃろか‥‥」
ヴィルジールは少々悩みながら候補をあげる。
「月並みですが『希望の光』や『永久の平和』といった感じでは如何でしょう? ゲルマン語でよりよい表現があるとよいですけど」
井伊文霞はイメージで伝える。
シルヴァンは冒険者達が村を離れるまでに決めておくと答えるにとどめた。
●鍛冶
三日目の朝から四日目までは誰もが前からの延長上の仕事を行う。
ナオミはシルヴァンエペの小物作り。
井伊文霞は在庫を調べた上での炭運び。
春日龍樹、ユニバス、ヴィルジール、クァイ、アレックスは砂鉄集めや乾燥に従事する。
ニセは刀吉と共にシルヴァンの相槌役をした。
クァイは塩分補給用の品を提供して職人達に感謝される。
五日目になり、タタラ製鉄施設に隣接する建物で大鍛冶が始まった。
今回はブランを混ぜる初の機会なので、職人以外に冒険者達も参加してもらう。特にヒートハンドが使えるナオミはいないと始まらない。
均一の大きさに割られた銑鉄やブケラが集められる。高温を作りだすために細かく砕かれた炭も用意されていた。
それらとは別に石と粘土作りの炉でどろどろに融かされたブケラが用意される。ナオミはシルヴァンからブランを受け取ると、ヒートハンドで融かして混ぜ込ませた。
炉から融けだす不純物を出来るだけ少なくする為に、すぐ加熱は抑えられる。
巨大な金属の一塊が出来上がると、巨大な分銅が落とされた。繰り返すうちに金属は砕かれてゆく。ブランの混ざった金属の欠片は銑鉄やブケラの中に入れられ、大鍛冶の材料となる。
大鍛冶用の火床の回りには金槌を持った職人六名が待機する。その他にも多人数が足で踏んで動かす巨大なフイゴがあった。
細かく砕かれている鋼の元は加熱されて一つになってゆく。延べ棒の形にされると職人達が金槌を使って炭の成分を叩き出す。あまりやりすぎるとただの鉄になってしまうので注意が必要だ。用途の広い鉄を作る場合もあるが、ここは刀鍛冶の村タマハガネである。必要なのは刃物に適した鋼であった。
ブランが混ぜられた金属片はまだまだあり、しばらく職人達の大鍛冶作業は続く事となる。
ユニバス、春日龍樹、ヴィルジール、アレックスはタタラ製鉄ではなく、大鍛冶作業を手伝う事にした。見方を少し変えれば大鍛冶はタタラ製鉄の最終作業ともいえる。
ニセと井伊文霞はナギナタ武器の見本を作るシルヴァンの相槌を行う。形は既に決まっていたが、素材が変わったので微妙な部分の修正が必要かも知れない。それを踏まえての工程であった。
ナオミは取り付けの寸法は変わらないとして、普通の鋼で作ったナギナタの穂の部分を参考にして柄の作成に入る。まずは同じ寸法の削りだしたばかりの柄を二本作り、一本を基準としてクァイに渡す。
クァイはナギナタ武器の柄の部分を担当する。木工により詳しいナオミから柄の見本を受け取り、それに沿ったものへと加工していった。
大鍛冶は八日目を過ぎる頃、材料がなくなって一旦終了する。
冒険者達はシルヴァンの見本と同じものを冒険者専用の火床で打った。
火床は同時に打てるように四個所あり、組になって作刀を行う。
ヴィルジールが中心に、相槌を春日龍樹が行う一班。
ニセが中心に、相槌を井伊文霞が行う二班
ユニバスが中心に、相槌を村の職人が行う三班。
アレックスが中心に、相槌を村の職人が行う四班。
日中の作業場からは鋼と戦う激しい鎚の音が鳴りやむ事はない。
柄を準備するナオミとクァイも作業に余念がなかった。
●それぞれ
「このレミエラ、武具につけることで逆に魔力を封じる物もある」
休憩時間、春日龍樹は縁側でエルザと話していた。いくつかのレミエラを懐から取りだすと特徴を説明する。
「こんなものもあるのですね。ガラスの扱いはともかく、レミエラについてはよく勉強しませんと」
エルザは手に取ってレミエラを眺める。
エルザ用の家屋では様々な機材が運ばれている最中であった。全部が揃ってから配置を含めて組み立てが行われる。まだどうする事も出来ない状況にあった。
「お、シルヴァン殿」
春日龍樹は通りがかったシルヴァンに声をかけると、急いで太刀二振りを取りに戻る。
「俺ではわからないが、シルヴァン殿ほどになればわかる事もあるだろう」
「それでは拝見させて頂こう」
シルヴァンはまさに真剣な眼差しで太刀を吟味する。
「他の鍛冶師が打った刀をみるとよい刺激になる。ありがとう、龍樹殿」
シルヴァンはお辞儀をした。
(「村人の稽古もやりたいのだが、今回はその時間はなさそうだ」)
春日龍樹は休憩を終えると、鍛冶作業に戻るのであった。
「こんな感じがよいかしら?」
ナオミは小物作りの家屋で細かい作業を行っていた。
銀糸を柄に巻くにあたって工夫を凝らす。鍛冶でも門などの飾りとして鉄棒を組み合わせたり曲げたりして、デザインを行う事がある。彫金でも感覚を培ってきた。
銀糸をうまく組み合わせて百合模様をあしらう。
「こちらに置いておきます。これで全部になります」
クァイが綺麗に加工された柄を運んでくる。獣皮でヤスリもかけられてとても美しい仕上がりだ。
「この位置の加工、お願い出来るかしら。現物と合わせるとき調整するのであまり削りすぎないようにしてもらえる?」
「わかりました。夕食の準備までの時間、手伝わせてもらいます」
「助かるわ。そろそろナギナタの穂先が出来上がってくる頃なの。研ぎもやらないとね」
ナオミは刀吉がいる研ぎの為の部屋へと向かう。ニセも研ぎを行うといっていた。
クァイは残り、さらなる柄の加工を丁寧に行うのだった。
村での最後となる十三日目の夕方、冒険者用の家屋にシルヴァンが訪れた。
出来上がった五柄のナギナタを全員で囲む。
シルヴァンが穂先を作ったものも含まれるが、どれもよい仕上がりである。試しに春日龍樹が庭で固定した藁束を斬った。
どのナギナタでも綺麗な斬り口が藁束に出来上がる。
アレックスも借りて試してみる。どれも満足な仕上がりだ。斬れ味だけでなく、全体のバランスもとれていた。
魔力があるかどうかは判別する術がないので、シルヴァンは一柄をルーアンのラルフ領主に送ることに決めた。魔法の中には物などに魔力があるか看破出来るものがあるらしい。ラルフならばそのような魔法が使える知人がいるはずである。
「初めてなのでどなたも慎重に作業を進めた事と思う。日数的にもすべてを費やした訳ではないしな。どのくらいまでなら、この質を維持して打ち、仕上げられるだろうか?」
冒険者達は互いに顔を見合わせて相談する。滞在出来る最大の十一日間を使い、今回の体制で行えば三倍の十二柄までは可能だと答える。
手伝ってくれる村の職人を増やしてもらえれば、もう少し増やせる可能性は残っていた。
「俺はシルヴァンエペを作刀しなければならないので除外するとして‥‥刀吉と鍔九郎も参加すれば、冒険者の皆さんがいる時は十八柄まで増やす事が可能か。ブラン入りの鋼に余裕があれば、普段も刀吉と鍔九郎には打たせられる‥‥」
余裕をみても、一ヶ月に二十柄は仕上げられそうだとシルヴァンは考えた。
「名前だが、ナオミさんの『クレセントグレイブ』にさせて頂いた」
夕日の中、シルヴァンからナギナタの正式名称が発表される。そして全員に追加の報酬金が渡される。
「遅くなって申し訳ない。こちらを」
シルヴァンは運んできた刀吉からシルヴァンエペを受け取ると、感謝と共にニセへ手渡す。
さっそく残った藁束で試し斬りをしてみるニセであった。
「こちらを渡し忘れていました。銀糸に役に立つとよいのですが」
クァイから銀塊を受け取り、『かたじけない』とシルヴァンは礼をいう。
「俺とて全てブランで出来た武器が作れるとは思ってもいないし、作る必要もないと思う。ただ、数を求めて耐久を減らし、肝心な所で朽ちる武器など武器ではない。一生涯まで自分の身を預け、己の一部として振るえてこその武器だ」
ユニバスは思いだしたようにシルヴァンに語った。
「その通りだ。極限の状態で頼れる存在でなければ武器としては失格だからな」
シルヴァンはユニバスに頷く。
(「‥‥もっとも、振るう相手によっては最上級の武器を作らざるを得んかもしれんがな」)
言葉にはせずにユニバスは心の中で呟いた。
「あら、エルザ様」
井伊文霞はやって来るエルザに気がついた。ガラス用の工房が出来上がったようで報告しにやってきたのだ。
興味ある冒険者は見学に向かう。まだ火も入っていないまっさらな施設だ。
「どんなレミエラが出来るのか、とても興味あるわ」
ナオミが道具の一つ一つを眺める。
「こんなものがあの半透明なものに変わるのか」
「すごいものじゃな」
春日龍樹とヴィルジールも真剣な眼差しで周囲を見渡した。
「これは‥‥」
クァイは窯の中に頭を突っ込ませる。
しばらくはエルザの説明に耳を傾けた冒険者達であった。
●帰路
「それでは、もっと余裕がある時に弟のお話を聞かせて差し上げますわ」
十四日目の朝、井伊文霞が馬車の窓から見送りのエルザに話しかける。
「楽しみにしています」
馬車が動きだし、エルザが手を振る。
冒険者達は刀吉の御者する馬車でパリへの帰路についた。
●六段階貢献度評価
ナオミ エペ進呈済
ユニバス 2 3 3 計8
アレックス エペ進呈済
ニセ 今回エペ進呈
クァイ 次次回エペ進呈予定
井伊 エペ進呈済
ヴィルジール エペ進呈済
春日 次回エペ進呈予定
ニセには今回一振り進呈されます。
次回は春日への進呈が決まっています。続いて、クァイ、ユニバスの順になります。