【地獄伯の宴】 ちびブラ団編

■ショートシナリオ


担当:天田洋介

対応レベル:1〜5lv

難易度:難しい

成功報酬:2 G 45 C

参加人数:6人

サポート参加人数:2人

冒険期間:05月20日〜05月25日

リプレイ公開日:2009年05月27日

●オープニング

●魔城――シュバルツ
 パリの西にある小高い丘にそびえる古城。その暗く不気味な様子に違わぬ無骨な造りの城の名は――シュバルツ城という。黒き城の名に相応しく、荘厳な構えを見せている重厚な城壁は、今また王国の騎士と冒険者を阻む魔城の主の防壁となっていた。
 魔城の主の名は、カルロス。
 かつて王国に名を連ねていた頃は、ヴァン・カルロス伯爵と呼ばれていた。
 男の悪しき野心は悪魔達をノルマン王国へ呼び込み、いつしかマント領とシュバルツ城、パリだけではなく王国全土を巻き込む形で、地獄の住人達の跋扈を許す事となった。
 1度目は、オーガやアンデッド、デビルを含む軍勢をもって、パリに侵攻を開始した反乱軍の拠点として、冒険者が攻めた。
 2度目は、秘密裏に守られていた聖櫃を奪うために襲い掛かってきたデビル達から守るため先の戦乱とは攻守を逆にしての戦い。
 3度目は、カルロスと契約を結び、力を与えたデビル・アンドラスと「破滅の魔法陣」を巡って。
 それでも、冒険者と王国の騎士達により、カルロスとその主たるデビルの野望は打ち砕かれたはずだった。
 だが、王国の管理下におかれていたシュバルツ城は、ノストラダムスの予言騒ぎや北海の悪夢などで揺れる世情を隠れ蓑に、デビル同然に果てた男の手に落ちていたのだ。
 それ程長く無い年月のうちに、過去3度にも渡って戦場となったその城を舞台に4度目の戦の幕が上がろうとしていた。


●パリ――コンコルド城
 直接剣を交える事は無かったために、カルロスの能力は未知数。
 契約主たるアンドラスは討たれている事から、別のデビルの傘下に入ったか、あるいは……。
「シュバルツ城の戦力は、かつてと同様……カルロス配下の部隊、こちらは騎士ではなく傭兵部隊と思われますが。悪魔崇拝者と下級デビル、また中級デビルの存在も疑わしいと報告が」
 完全に人がいないわけではないが、人ではない存在も多い。
 下級デビルが使役する小鬼達や、アンデッドの存在も懸念すべきだろうと藍分隊長オベル(ez0204)が赤分隊長ギュスターヴ(ez0128)へ告げる。
 シュバルツ城はそれなりの規模の城。かつて反乱軍が出撃した際と同様規模の戦力は見込んでおくべきか。
「私が見たカルロスがかつての伯爵と同一人物であったとしても、既にその存在はデビルと同様のようです」
 視察の際に部下が神聖魔法でもって確認した事も加える。
「過去に下した敵といえど、彼我の勢力からすれば、今回の戦は厳しそうだな」
 作戦卓に広げられた周辺地図を眺め、ギュスターブは渋面を作った。団長であるヨシュアス(ez0013)が小さく頷く。
 冒険者達とて騎士達と同じく地獄で激しい攻防を繰り広げている。どれ程の戦力をシュバルツ城へ充てられるかは、読めない。
「時間を掛けるつもりは毛頭ないが、後方支援の備えにしても手勢を割かなければならない。それにパリの守りを手薄にする訳にはいかない」
 人間であれば飲まず食わずで戦い続ける事はできない。黒分隊と橙分隊は其々に地獄の方へ赴いており。紫分隊や灰分隊・緑分隊も各々得手とする方面に飛び回っている。
「……最初に請け負ったは我が隊。カルロスを討つまでは」
 かつて復興戦争時のような激情は見えなかったが、譲らぬ色の瞳でヨシュアスを見つめるオベルに、ギュスターヴは団長と視線を交す。
「マント領主殿からも冒険者ギルドへ助力を仰ぐ要請がきているとフロランス殿からも報せがあったな」
「それでは藍分隊には出てもらおう。他編成については調整付き次第シュバルツ城攻略に当たるように」
 オベルは団長の命に礼を返す。
 迅速さを尊び、行動に移すべく王宮内で白い騎士達は動き始めた。


●パリ――冒険者ギルド
 真っ白なマントを揺らしながら騎士が一人、冒険者ギルド内から去ってゆく。
 その姿を目で追ったのはクヌット・デュソー(ez1186)である。
「あれは間違いなく、藍分隊の騎士だよな‥‥」
 クヌットは藍分隊長のオベルを尊敬していた。かつてちびっ子ブランシュ騎士団を名乗っていた頃も自らを藍分隊長と評していた程に。
 冒険者となった子供達四人はギルドで次に参加する依頼を探している最中だ。掲示板の前で身の丈に合った内容を吟味する。
「新しい依頼が貼られたよ」
 アウスト・ゲノック(ez1188)が貼られたばかりの依頼書を見上げながら指さす。
「あ、これって藍分隊からの依頼だよ〜」
 紅一点のコリル・キュレーラ(ez1187)がいう通り、ブランシュ騎士団藍分隊が依頼したものだ。
「えっと、何か物を運ぶらしいぞ。行き先はパリ西方としか書いてないな」
 ベリムート・シャイエ(ez1185)は隅々まで読み進める。具体的な行き先は参加してから知らされるようだが、危険な任務となっていた。
 参加者内でいくつかのチームを作り、エチゴヤが用意した物資を目的地まで運べればいいらしい。パリから派遣された先遣隊が待機しているようだ。経路は自由である。
「さっき、藍分隊の騎士を見かけたんだ。きっとこの依頼を出しにきたんだな」
 クヌットは腕を組みながら頷く。
 四人は相談して決断する。さっそくカウンターに出向いて参加の手続きを行うのであった。

●今回の参加者

 ea1999 クリミナ・ロッソ(54歳・♀・クレリック・人間・神聖ローマ帝国)
 eb2949 アニエス・グラン・クリュ(20歳・♀・ナイト・人間・ノルマン王国)
 eb4803 シェリル・オレアリス(53歳・♀・僧侶・エルフ・インドゥーラ国)
 ec4491 ラムセス・ミンス(18歳・♂・ジプシー・ジャイアント・エジプト)
 ec6406 バジル・レジスター(22歳・♂・ウィザード・パラ・イギリス王国)
 ec6513 タチアナ・ルイシコフ(21歳・♀・ウィザード・エルフ・フランク王国)

●サポート参加者

諫早 似鳥(ea7900)/ セレスト・グラン・クリュ(eb3537

●リプレイ本文

●準備と出発
 ベリムート、クヌット、アウスト、コリルの四人は、多数ある物資搬入隊の中でC班に組み込まれた。
 初日の夜明け前、冒険者ギルドの個室にC班の全員が集合した。少しでも正体がばれないように事前の準備を行う為だ。つまりは変装である。
 諫早似鳥とセレストの二人が古着や化粧道具などを持ち込んで変装の手伝いをしてくれる。架空の設定はエルフの母と娘が主催する商隊とされた。
 シェリル・オレアリス(eb4803)を長として、娘役はタチアナ・ルイシコフ(ec6513)。
 クリミナ・ロッソ(ea1999)は家政婦役。バジル・レジスター(ec6406)はクリミナの補助を行う。
 馬の扱いが一番達者なアニエス・グラン・クリュ(eb2949)は少年に化けて御者のまとめ役。
 ラムセス・ミンス(ec4491)は下働きのジャイアントであり、御者も務める。運ぶ荷馬車は六両あるので、子供達四人にも御者役が任された。
「そうやるといいんだね」
 出発前にアウストは諫早似鳥から鳴子の作り方を教えてもらった。
「体重の、のせ方が大事なのか‥‥」
 クヌットはセレストに槍の扱い方を習う。
「消えるデビルもいるんだね」
「その通りです。気を付けなくてはいけませんね」
 クリミナはその場の全員に聞こえるような声で、デビルがどのような存在かを子供達四人に教えた。
 主たる敵はデビルだとあらかじめ判明しているので、子供達四人はアニエスから武器を借りる。
 クヌットがイシューリエルの槍デビルスレイヤーのレミエラ付き。ベリムートは降魔刀+0デビルスレイヤーのレミエラ付き。アウストが長弓「鳴弦の弓」のレミエラ付き。コリルがライトバスター+1である。
 班によって出発の時間や集合場所がそれぞれに違った。C班は日の出と共にパリ市内のある空き地を訪れる。そこにはすでに六両の荷馬車が用意されていた。
 待っていたエチゴヤの関係者と受け渡しを済ませる。
 便宜的に隊列の先頭を走る荷馬車をAとして最後尾をFと名付けた。
 荷馬車Aの御者はアニエスが担当し、愛馬・赤龍王にも牽かせる。Bの御者はベリムート、Cはアウスト、Dはコリル、Eはラムセス、Fはクヌットだ。
 シェリルはBの御者台横、バジルはCの荷台、クリミナはDの荷台、タチアナはFの荷台へと乗り込む。
 犬達は中央寄りの前後の隙を埋める為に配置される。アニエスのペテロはCの荷台へ、ラムセスのバルトは主人と同じEの荷台で鼻を利かせた。
 クリミナの愛馬ハイジは荷馬車Dを牽く。
 ラムセスのウンディーネ・花水木は子供に変装してクリミナと同じCの荷台で待機する。
 アウストの鷹・ウェリビは上空を滑空して地上を見張った。
 コリルの月フェアリー・プラティナは主人の腰バック内でおとなしい。ちなみに外を覗ける穴を大きくしてもらってご機嫌である。
 荷馬車での移動なら急げば目的地の『フォレ』まで一日で到達出来る。だが、それでは襲ってくれと吹聴しているのと同じなので迂回する必要があった。
 物資搬入隊C班の荷馬車六両はパリ城塞門を潜り抜ける。目指す方角はフォレから少しずらされていた。

●野営
 夕方になり、物資搬入隊C班の荷馬車六両は停車して野営の準備に入る。
 日が暮れる頃には全員で焚き火を囲んだ。
 元々六両という大所帯である。目立たないのは難しいので、逆に篝火をいくつか用意して周囲を監視し易いように努められた。
「鳴子はこれでよしっと」
「あれなら平気だろう」
 アウストとベリムートは鳴子の最後のチェックをして仲間の元に戻る。荷馬車や周囲の木の間に仕掛けられた。
 犬や鷲などのペット達は荷馬車の見張りとしてすでに配置されている。
「また背が伸びたかしら?」
 シェリルは立ち上がると、側を通り過ぎようとしたアウストとベリムートの身長を記憶の中の姿と照らし合わせてみる。
「そうかな?」
「そうかもね」
 アウストとベリムートは互いに背伸びをしながら相手の身体を眺めた。その姿にシェリルは思わず笑ってしまう。
 アニエスが荷馬車引き渡しの時にエチゴヤ関係者からもらった地図を今一度眺めていた。
(「まだフォレは遠いですけど、油断は禁物ですね」)
 アニエスが持ってきたテレパシーリングは仲間の間で共用される。依頼に関わる内容が外部に洩れないように注意が払われていた。
「俺は荷馬車の下で毛布を敷いて寝袋で寝るぞ。風よけを置くと結構いいんだぜ。アウストからの受け売りだけどな」
 やる気に満ちたクヌットは輝きに満ちている。
「クヌット君、元気なのデス‥‥。僕は今ちょっとダメなのデス‥‥‥‥」
 ラムセスは御者をやった精神的な疲れのせいで、大の字になり地面へ転がっていた。
 借りた指輪でオーラテレパスを得て、荷馬車を引っ張る馬達と会話を交わしながら御者を続けたラムセスである。
 破綻なく見事やり遂げたものの、どうやらここで限界のようだ。
 目の前に広がる夜空がグルグルと回って見えるらしい。明日からのがんばりに期待してラムセスは夜の見張りから外される。
「これあげるから元気になってね」
「ありがとうなのデス‥‥」
 コリルが持ってきたシュクレ堂の焼き菓子をラムセスにあげる。
「僕はかわりにこれをあげるね。みんなで一緒に食べようね」
 バジルはレミエラの力を借りて百メートル上空に非常に小さな雨雲を発生させると、四人の子供らと一緒に雛あられを摘んだ。
「『お母様』、そろそろ休みましょう」
「そうね。そうさせていただくわ」
 タチアナは演技でシェリルを母として話しかける。
「今夜は『ばあや』も一緒にどうかしら」
「それでは久しぶりに」
 タチアナはクリミナも誘って用意されていたテント内へ入る。表だっての見張りはしないものの、三人で交代してテント内で監視をする用意である。
 通常の見張りはラムセスを除く使用人役の冒険者の間で行われるのだった。

●見張り
「その帽子いいね」
「お気に入りなんだよ。かわいいでしょ♪」
 梟が鳴く深夜、コリルとバジルが焚き火の前に座りながら見張りをしていた。
「霧‥‥」
「本当‥‥」
 コリルが気がつき、バジルが立ち上がって周囲を見渡す。
 先程まで何でもなかったのだが、徐々に霧が立ちこめてきた。
 しばらくしてテント内のクリミナからバジルとコリルにテレパシーが届く。デティクトアンデッドで不死者を探知したという。数は2で北の方角から近づいているらしい。
「そ、それじゃ、あたしは先に眠るね。次の人呼んでくるから」
 もしもの盗み聞きを考えて演技は続けられる。コリルが眠っている仲間を起こしに向かう。
「う、うん‥‥待ってるね」
 バジルは『雷公鞭+3』を握りしめる。やがてアニエスから借りていた指輪『石の中の蝶』にも反応があった。この時、何種類か存在する不死者の中でもデビルだと判明する。
 鳴子の音に続いて、激しい弦の音が響き渡った。
 アウストがデビルを弱らせる為に『長弓「鳴弦の弓」』をかき鳴らしたのである。
 それを合図にして他の冒険者達が一斉に動きだす。
「デビル1、確認!!」
 アニエスが『シルヴァンエペ+0デビルスレイヤー』を突き立てたデビルは非常に細長い身体をしていた。
「それはデビルのクルード! 尻尾の攻撃には注意を!」
 アニエスと対峙するデビルを目視したクリミナが正体と注意点を叫んだ。
「今のうちに荷物の安全を」
 シェリルは荷馬車六両をホーリーフィールドで次々と包んでゆく。途中からクリミナも手伝ってくれた。
「クヌットの正面みぎぃにてきぃ〜!!」
「よし!」
 コリルの声に反応し、クヌットがデビルスレイヤーの槍で霧中を突く。
 はっきりとした手応えをクヌットは感じ取る。それはアニエスが戦っているのとは別のクルードBであった。
「クヌット、もう少し踏ん張れ!」
 ベリムートがデビルスレイヤーの刀でクルードBの尻尾部分を切り裂く。
「少し離れてね!」
 タチアナが放ったグラビティーキャノンはクルードBを捉える。クルードBは背中を地面に打ちつけるように転倒した。
 クヌット、ベリムート、コリルがクルードBを仕留め終わる頃、弓をかき鳴らすアウストの魔力も使い終わる。
 アニエスの攻撃に耐えかねたクルードAが敗走をはかった。
「任せてね!」
 この瞬間を待っていたバジルは鞭の能力を借りてヘブンリィライトニングを使用する。
 バジルがあらかじめ作っておいた小さな雨雲から稲妻が落ち、クルードAを貫く。
 やがて二体のクルードは消滅するのだった。

●移動
「僕が寝ている間にデビルが襲ってきたのデスか!」
 二日目早朝、起きたばかりのラムセスはクヌットから昨晩の話を聞くと、前髪の隙間から見える目を丸くする。
「まだまだデビルの脅威はあるから、御者をお願いね」
 コリルに頷いたラムセスは立ち上がって軽い運動をする。一晩ぐっすりと寝たおかげで身体も心も元気を取り戻したようである。
 荷物や車輪、馬達に異常がないのを確かめた上で、C班の荷馬車六両は再び大地を駆けた。
 さらに一晩の野営を経て、三日目の夕方にフォレの町へと到着する。
 先遣隊は何カ所かの建物を接収して宿と倉庫代わりにしていた。運んだ物資はチェックを受けた上で建物内に保管される。
 冒険者達は先遣隊の建物に泊まらせてもらった。
 空いた時間に先遣隊の人達と話してみる。C班より先に出発して辿り着いていない班もあるらしい。
「今にも飛びかかってきそうな人達が道沿いにいっぱいだったね‥‥」
 アウストがフォレの町に入った時の事を思いだす。
「アニエスちゃんがいっていたけど、人に化けてるデビルがいても不思議じゃない感じだったよな‥‥」
 クヌットは仰向けにベットへ寝転がると、天井を見つめるのだった。

●不意の戦い
 追加の報償を先遣隊から受け取った冒険者達は荷台が空になった荷馬車六両でパリへの帰路についた。ちなみに古着などの購入費用はこのお金の中でまかなわれる。
「あれは‥‥!」
 フォレを出発した二時間後、先頭の荷馬車Aの御者をしていたアニエスは遠くの騒動に気がつく。
 シェリルとタチアナが目を凝らしてみれば、どうやら土煙をあげて向かって来る荷馬車の列が何かに襲われているようである。
(「何に見えるかしら? あたしには黒い空飛ぶ何かに襲われているような‥‥」)
(「私にもそう見えますね。たくさんいるようです。様々なモンスターに詳しいクリミナさんに聞いてみましょう」)
 タチアナとシェリルは相談し、目視した内容をクリミナに告げた。するとインプではないかとの返事をもらう。
 フォレ方面に向かっている様子から、襲われている荷馬車の列は物資輸送のどれかの班だと推測された。
 C班の荷馬車六両は速度を緩めて反転する。
「上空を狙うね」
 バジルはタイミングを合わせて詠唱を始める。
 そして襲われている荷馬車の列が目前を通り過ぎようとした時、インプだけを巻き込むように上空でファイヤーボムの火球を弾けさせた。
 急発進したC班の荷馬車六両は別班と思われる荷馬車の列を追いかける。
 テレパシーで襲われている荷馬車の御者に問い合わせると推測は当たっていた。C班はさらに力を貸してインプの群れを殲滅に追いやるのだった。

●パリ
 五日目の暮れなずむ頃、C班の荷馬車六両はパリへと到着した。荷馬車を返した後、冒険者ギルドで報告を済ませる。
「一休みしてから帰るのデス‥‥」
 椅子に座ったラムセスはテーブルに伏せるとそのまま寝てしまう。疲れが相当溜まっているようだ。
「ラムセスさんは任せて。僕たちが見ているから大丈夫だよ」
 しばらく自分達が残ってラムセスの面倒をみるとアウストは語る。
「そういわずにしばらくお喋りでもしてゆきましょう」
 シェリルがニコリと笑うとラムセスが寝ている横のテーブルにつく。すると一緒に依頼をこなした全員が席に座った。
 眠るラムセスの背中には仲間達のマントがかけられる。
 一同はラムセスが自然に目を覚ます真夜中まで待ち続けたのであった。