【混沌の叡智】――架橋――

■ショートシナリオ


担当:天音

対応レベル:8〜14lv

難易度:難しい

成功報酬:3 G 32 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:05月26日〜05月31日

リプレイ公開日:2009年06月03日

●オープニング


 そこはメイディアのとある貴族の屋敷。
 暖かい陽気に誘われてか、その屋敷の庭ではお嬢様が友人達を招いてティーパーティーを開いていた。
「ふふ‥‥先生、わたくしも占ってくださいませ」
「あん、ずるい。私の方が先ですわ」
「急がずとも私は逃げませんよ」
 女性数人の中で優雅にティーカップを傾けるのは銀髪の男性。思慮深げな顔に、梟の羽根のついた外套が良く似合っている。
「! 嫌だわ、また来てる」
「どうかしましたか?」
 その家の令嬢ドロテアが「先生」の腕を掴んだ。周りの女性達も、彼女の視線を追って庭の端、鉄柵の向こうを見やる。そこには一目見ただけで貴族街には相応しくないと見て取れる男性が立っていた。
 髪はぼさぼさで、ところどころ擦り切れた粗末な麻の服を纏った男性は、鉄柵を握り締め、食い入るようにこちらを見ている。
「どうか、どうか少しの間でいいんです。お嬢様とお話をさせてください!」
 男は必死になって叫んでいる。ドロテアの周りに集まっている女性達は「いやねぇ」「なにかしら」などと言いながら、扇を口に当てて眉を顰めた。
「彼とはどういう知り合いで?」
 先生が尋ねると、ドロテアは「知り合いなんてものじゃありませんわ!」と言い切って。
「以前街へ出たときに馬車の馬が暴走した事がありましたの。その時にあの男が馬を鎮めてくれた、それだけですわ」
「なるほど。その件で彼はあなたを見初めたわけですか」
「何度追い返してもああしてやってきますのよ。いい加減にしてほしいですわ」
 ドロテアの冷たい態度はいつもの事なのだろう。だが男性はそれに懲りた様子もなく、遠くから懇願し続ける。
「お話をさせていただくだけでいいんです! 多くは望みません。ただ、少しの時間を共有するだけで‥‥」
「先生、なんとかなりませんの? 官憲に突き出してもいいのだけれど、こんな醜聞が知れ渡ると思うと‥‥」
 きゅ、と掴まれた腕を見て、先生は「それならこうしてみればどうでしょう?」と口をひらいた。
「『キビチミノヘシ』という花があります。それを持ってこれたらあなたはあの男とお茶をする。もって来るまでは姿を見せない事、と約束させるのです」
「そんな花、聞いたことありませんわ」
「だからよいのです」
 先生はふふ、と笑みを浮かべてティーカップを置いた。
「絶対に見つけ出すことは出来ません。万が一見つけ出したときは‥‥私が検分しましょう」
「‥‥なるほど、そういうことですのね」
 お嬢様たちは先生の言葉の意味を解したように、くすくすと笑いを零した。



 冒険者ギルドにて。一人の男がカウンターで頭を抱えていた。
「『キビチミノヘシ』なんて花、聞いたことも無い‥‥知り合いに聞いてみても皆知らないというんだ。だから最後の望みをかけて冒険者達に聞いてみようと思って‥‥」
「まあ、冒険者達ならば色々なところを旅しているだけあって、知識は豊富でしょうから、気持ちはわからなくもありませんが‥‥」
 残念ながら私も知りませんね、と支倉純也は呟いた。
「‥‥っていうか、そこに居た男の人って『先生』ってよばれてたの? こう、銀の髪にふさふさの梟の羽根をあしらった外套を着てなかった?」
「お嬢様しか見てなかったので‥‥でも確かそんな人がいたような」
 横から口を挟んだミレイアの言葉に、男性はその時のことを思い出そうと首をかしげた。
 この男性は憧れのお嬢様と少しの間でもいいから話をする時間がほしくて、何度も何度もお屋敷に通っていたという。最初のうちは馬車の暴走を助けてくれた恩人という事で家人もそれなりに扱っていたが、度重なるうちにお金目当てだと思われて金子を渡されるようになったのだという。だが男性の目当てはお金ではない。何度も何度もお屋敷に通って、何度も何度も追い返されて、あの日漸くお嬢様が近寄ってきてくれたと思ったら、条件を提示されたのだという。
 『キビチミノヘシ』という花を持ってくること。持ってきたらお嬢様は彼とティータイムを設けてくれるという。だがその代わり、花が見つからないうちは屋敷に近寄ってはならない、そんな約束。
「‥‥第一、そんな名前の花が実在するかどうかすら怪しくない? だったら、造花とか作って持っていくとか‥‥」
「『先生』が今までのあの人物と同じだとしたら、彼を追い払うための、元から答えの無い無理難題かもしれませんね‥‥」
 ミレイアの言葉に純也はため息をついた。一般人の前でさすがに相手がデビルだとかはいえないが、彼は一体何をしたいのだろうか、そんな思いが2人を満たしていた。

●今回の参加者

 ea0167 巴 渓(31歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea1587 風 烈(31歳・♂・武道家・人間・華仙教大国)
 ea2564 イリア・アドミナル(21歳・♀・ゴーレムニスト・エルフ・ビザンチン帝国)
 ea3063 ルイス・マリスカル(39歳・♂・ファイター・人間・イスパニア王国)
 ea7641 レインフォルス・フォルナード(35歳・♂・ファイター・人間・エジプト)
 eb4637 門見 雨霧(35歳・♂・ゴーレムニスト・人間・天界(地球))
 eb7689 リュドミラ・エルフェンバイン(35歳・♀・鎧騎士・人間・アトランティス)
 ec1201 ベアトリーセ・メーベルト(28歳・♀・鎧騎士・人間・メイの国)

●リプレイ本文


 依頼者である件の男性を伴って、7人の冒険者達はドロテア嬢の屋敷を訪ねた。それぞれ『キビチミノヘシ』という花を手に持って‥‥。
「まあ呆れた。一人ではやってこられないというわけね?」
 玄関奥から大所帯の来訪者を見てドロテア嬢は呆れた声を上げたが、先生はそれに驚いた様子はなく。むしろ予想していたというか、冒険者を連れてきたのが正解だとばかりに涼しい顔をしている。
「私は人に頼ってはいけないとは言いませんでしたからね。これも一つの手段として認められるでしょう。それでは庭で検分をいたします。ドロテア嬢は、お屋敷の中でお待ちください」
「そんな!」
 先生の言葉に男は抗議の声を上げたが、元々お嬢様とのティーパーティの時間をもらえるのは正解を持ってきた時だけ。とすればこの場で引き離されても文句は言えまい。
「見知った顔もいくつかありますね。よくよく縁があるものです」
 涼しい顔で良く言う。
(「なんかデビルとかカオスの魔物っというより、マッドな科学者な感じが‥‥案外こういうのが厄介なんだよね〜」)
 先生と初対面の門見雨霧(eb4637)がその横顔を見て心中で呟く。あながち間違いではないかもしれない。相手はデビルにしては温厚で博識な男だ。
(「うーむ、悪魔の考えることはよく判りませんね。言葉で人が惑うのを観察して楽しんでいるだけ、なんでしょうか」)
(「やれやれ、スーさんの悪ふざけにも困ったもんだ」)
 これまで彼と対峙した事のあるルイス・マリスカル(ea3063)や巴渓(ea0167)においても、先生の真意は推し量れない。ルイスにとっては妻の知人を巻き込んで悲しませたとして、個人的には許せぬ相手ではあるのだが。
(「最初は未来からはじまって〜‥‥段々と問題が死へと興味が近づいているような気がしますよ。そろそろかな、ムルキベルが自身の命を賭けてきましたから‥‥」)
 地獄での戦いの事を思い、考えるのはベアトリーセ・メーベルト(ec1201)。先生の上司であるムルキベルが動きを見せた以上、彼もこのままこの地で遊び続けるわけではあるまいとふんでいる。
(「青年の恋は報われない。ならば諦めさせなければ、死の導きになるのでは‥‥。見過ごす訳には行きません」)
 イリア・アドミナル(ea2564)は、先生の正体も思惑も何も知らずに後をついていく男を見ていた。元々身分違いの恋。相手にその気がない以上、この恋は――報われない。
「リュドミラと申します。よろしくお願いいたします」
 庭に到着してテーブルセットに腰をかけるように勧められた後、一番最初に口を開いたのはリュドミラ・エルフェンバイン(eb7689)だった。



「条件は『花であり、かつ名前が「キビチミノヘシ」であること』だったな?」
 風烈(ea1587)が改めてその条件を確かめる。生花であることとは断言されていない。それを改めて確認する事で、持ってきたモノが条件に当てはまらないと言われないようにという措置だ。
「そうですね。その通りです」
 椅子に座った先生は足を組み、膝の上に手を乗せるようにして面白そうに一同を見回す。依頼人の男だけが先生の放つ威圧感にも似たものに怯えるように縮こまっていた。相手はデビル――とすれば知らずとも本能が嫌な気配を感じてもおかしくあるまい。
「ではまず私から」
 リュミドラがすっと立ち上がった。そして自らの持ってきた花の束をテーブルの上に出す。
「これは、薬草ですね」
「はい」
 薬草知識に長けた先生は一目でそれが何であるか見破った。リュミドラもそれを否定しない。これは自身の植物知識と己が連れたエレメンタラーフェアリーの力を借りて捜索した薬草である。
「逆さに読むと『シヘノミチビキ』と読めます。だからといってこれを『死への導き』と解釈し、毒草の花を探すのも恐らく不正解かと思います」
 リュミドラは凛として続ける。
「恐らく答えはこの宿題を出したあなた次第なのでしょうが、私は『死への導き』の逆、つまり『生への導き』の花、ありていに申し上げますと薬草になる花を持っていくのも回答方法の一つかと思います」
 なるほど、と先生は否定も肯定もせずに頷いた。続けて花束を出したのは雨霧。彼が取り出したのは造花である。菊、ビロードアオイ、丁子、ミスミ草、ノコギリ草、ヘンルーダ、菖蒲の混合花束だ。アトランティスの地では見られない植物もあるが、それは地球人である雨霧ならではの知識という事だろう。彼は一つ一つの花の名前を確認し、そして。
「それぞれ怪我をした時の薬草ですし、頭文字を並べれば『キビチミノヘシ』となります」
「なるほど、面白い」
 くっくっと喉から笑いを零す先生に、雨霧は続ける。いや、先生にというより男に対してだろうか。
「これらの花言葉をつないで、「生とは、困難といった『戦い』を通じ、『慈悲』を学び、『自信』を実らせ、『後悔』や『真実』を受け入れる『勇気』を育てる『貴重』なこと。恋愛もまた然り」ってね」
 顔を上げた男に、雨霧は首を傾げるようにしてみせた。
「身分違いの恋が叶わないからと無理心中をしたり死んだりするのは何か違うっと思うんだ。身分が違いすぎて対象とすら見られないのなら、そうと思われないように、身分違いなど気にならない程に己を磨くのも大切だと思うんだ。それに、失恋は全ての終わりなのではなくて、新たな成長のための糧だとも思うしね」
「私も」
 僭越ながら、と前置きをしてリュミドラが口を開いた。雨霧の言葉に感じるところがあったのだろう。
「もし貴方が本気でドロテアさんと話をする関係になりたいのでしたら、ドロテアさんが話をしてもいいと思える人になる位自分を磨く努力はされたほうがよろしいかと思います。ドロテアさんにも人を選ぶ自由があるのですから」
「おや、君達はこの男の望みを叶える為に来たわけではないのですか?」
 揶揄するように笑う先生。それを冷たい目で見つつ、イリアは「続けます」と言って席を立った。
 彼女が用意したのは情熱、恋、思いなどの花言葉を持つ花。だが一つ一つの花の意味は良くとも行き過ぎた思いが悪い結果を招く意味になるため、組み合わせて送るのは良くないとされるもの。
「『キビチミノヘシ』は、『死への導き』の裏返しです。あなたのおかれた現状は、非常に危険です」
 イリアの視線は男に向いている。男はどうして誰も自分の恋を応援してくれないのだろう、とでも思っているようだった。
「恋は一方通行だけでは実らず、あなたの思いがどんなに真剣でも相手の事を考えない思いは受け取れず、思いを届けるつもりが互いの距離は離れ、死に至る病を呼ぶ事になります。思いを綺麗なままで終わらせる為に恋を諦め、周囲の状況に目を配り、新しい恋を探すべきです」
「なんでっ‥‥」
 抗議の声を上げる青年を手で制し、イリアは今度は先生へと向き直った。
「強い思いは時として裏返り、死への導きになる。あえて警告されたのは、その警告に気が付くか、従えるだけの理性が働くかを見られたのではないでしょうか」
 その言葉に、青年は押し黙った。
「花言葉には、一つ一つは良くても、重ねると悪意に転じる物も有ります。行き過ぎた思いの先に有る災いに気付かず進む事が、『キビチミノヘシ』だと考えます」
「俺からはこれだ」
 烈がばさりとテーブルに置いたのは、とても華やかな花で作られた造花の花束。わざと『死への導き』の逆の意味で華やかなものにしてある。同時に彼は男にも気を配っていた。消沈したように下を向いている男が、拳を握り締めて震えている事に気がついたからだ。
「追い払うために無理難題をふっかけた。違うか?」
「さて、どうでしょうね?」
 相変わらず先生は、涼しい顔の下に愉悦を隠したような口ぶりだ。烈はそっと席を立ち、男の肩に手を置いた。
 『死への導き』が誰にとってのものか考えた時、それは二つの可能性が上げられる。男が失恋のショックで死を選ぶ可能性と、思いつめた男がドロテアを殺害する可能性だ。
 その可能性が現実にならないようにと、抑止力として烈はさりげなく男を抑えておく。
「答えるのは一回だけとか、不正解にペナルティーがあるという条件もないですしね。私も答えましょう」
 ルイスが持ち出したのは、メイでは「詩人の心」を意味する花。
「『シ』とは同音の多義を持ちうる言葉です。故に『死への導き』を『詩への導き』と読み替えました。彼に詩才があるかはわかりませんが、ドロテア嬢とお茶会が叶えば、巧拙問わねば喜びの詩の一つでも作れましょう。そうなれば、翻ってこの花が「詩への導き」たる花になります」
 まあかなり無理矢理ですが、と苦笑して見せた後、ルイスはすっと目を細めた。
「あとは『師への導き』ですね。師匠とか先生とか呼ばれる方の在所への、導きになるものが得られれば、と」
 具体的に目の前の先生を指しているとは断言しない。けれどもその言葉の底にあるものは、先生にも伝わったようで。彼は「ふむ」と顎に手を当ててしばし考え込んだ。
「それでは私からの回答です」
 続いて立ち上がったのはベアトリーセ。差し出したのは球根からなる花である。
「そのままなら『死への導き』の反対です。つまり逆はこれからの命。命の種、『球根からなる花』を花束にして差し上げます」
 彼女の主張は簡潔であった。含むところがあるのだろうか、それだけ言って再び席についてしまう。
「以上で終了ですか?」
「ああ」
 先生は残った渓を見る。渓は頷いて、男の傍へと移動した。
「こいつらの言う通り、キビチミノヘシはシヘノミチビキ、死への導きだよ‥‥。お前さんの惚れた何とかって女はな、その意味も承知で持って来いって言ったんだ」
「そんな‥‥」
「元からからかわれていただけだ。この恋に先はねぇ。だから大人しく諦めるんだ」
「そんなっ!」
 ガタンッ‥‥興奮して椅子を蹴って立ち上がった男をに渓は当身をする。普通の男性である男に、修練を積んだ冒険者の当身は耐えられるわけはなく、男はなすすべもなく気を失った。
「依頼人も誰も死に花を咲かせない、それが俺の答えだよスーさん。依頼人の心が、命が救えなきゃ意味ねぇんだよ‥‥ったく、人間舐めんなよ」
 渓はそのまま男を担ぎ上げ、庭から立ち去る。だが他の者は未だその場に残ったままだ。まだ先生の評価を聞いていない。
「実に、面白かったですよ。人の、生への拘泥、そして言葉遊び。有意義な時間を過ごせました」
「先生」
 ベアトリーセが口を開いた。その顔には小悪魔的な笑みが浮かんでいる。
「‥‥バアルと比べると、ムルキベル殿の配下の方々は割りと理知的ですよね。街を炎で焼き尽くすとか暴力に出ず、裏から人々を動かしていくというか‥‥私個人としては先生は人間にご興味があるように見えます、なかなか面白い魔物ですよ」
 直接的に地獄で動くデビルの名前を出され、先生はぴくりと片眉を動かした。ベアトリーセはそれを眺めながら、挑発するように続ける。
「先ほどと同じ花束、実はもう1束を先生に差し上げようとお持ちいたしました。私へのメッセージ、上下『どちら向き』で受け取って頂けますか?」
 にこり、先生は彼女に対抗するように笑みを浮かべた。
「上司が地獄で忙しそうだが、こんなところで油を売っていていいのか?」
 ここで先生と決着つけようとは思わない。いずれ戦うときのために手の内は隠しておくつもりだ。だが、烈は探るように言葉を紡いだ。
「そうですね。そろそろ遊んでいる余裕はなくなりそうです」
「レッド・スピネルの鉱床に咲くロベリアのような『先生』には、穏便にお帰りいただきたいですね」
 好奇心の床に咲く悪意――雨霧の言葉の示す裏の意味には、勿論宝石や自然の知識に長けている先生は気づいている。
「私はあまり歓迎されていないようですね。残念ながら」
「このまま大人しく人間と共存して頂けるのなら、私も先生は面白いから好きですが、残念な場合は仕方ないです」
 皮肉の様に紡がれた先生の言葉に、ベアトリーセはにっこりと笑んだ。
「先生が招待状を出す気が有るなら受けましょう。その際には再び答えを持って参ります」
 きっ、と前を見据えて発せられたイリアの言葉に、先生は正面から瞳をぶつける。
「それでは、近いうちに招待状を用意いたしましょう」
 のんびりと人間観察をして遊んでいるように見えた先生にも、どうやら決着をつける気はあるらしい。
 確かに地獄での戦いが激化している今、上司が地獄で戦っているというのにこの地で人間観察に明け暮れているというのもさすがにまずいと思っているのかもしれない。
 招待状を出す――それはあくまで人間との共存はしないという意思。
「そうですか」
 ベアトリーセがテーブルに手を着いて再び立ち上がったのに倣い、他の皆も席を立つ。
「では、カゼをひかないようにお気をつけて」
「皆さんも、次にお会いするときまで壮健で」
 皮肉と作り笑いに満ちた会談は、終わった。
 次に合間見えるのは――招待状がもたらされた時。