自称・美少女の祈り!

■ショートシナリオ


担当:天音

対応レベル:8〜14lv

難易度:普通

成功報酬:4 G 15 C

参加人数:10人

サポート参加人数:-人

冒険期間:11月07日〜11月12日

リプレイ公開日:2007年11月13日

●オープニング

●自称・美少女はおかんむり
 誰かに何かをしてあげたい――そう思うだけなら誰にでも出来る。だがそれを実行に移せるかどうかは別問題だ。
 『何か』が具体的に決まらなかったり、実行に移したくても一人ではどうにもならないことだったり、実行に移す勇気を搾り出す事が出来なかったり。理由は様々だ。
 今、ギルドのカウンターに突っ伏しているこの少女も自らの気持ちと手の届く範囲との折り合いが付かず、苦悩している部類だ。
「あ゛〜なんでこうっ!」
「ここは愚痴受付所じゃないんですけど‥‥」
 職員は羽ペンの軸で頬を掻くようにしながら苦笑を洩らす。
「だってさぁ? 冒険者さん達にはいつもお世話になってるし、お客としてうちの店に来てくれる人もいるし。でもさ冒険者っていつも危険と隣り合わせでしょ? 私だって冒険者のお嫁さんになるのが夢だったくらいだもん、そのくらいわかっているのよ!」
 この11歳の少女はかつて冒険者の家に押しかけ女房したという『前科』がある。
「はいはい、そうですね。それと愚痴とどう繋がるんですか」
 がばっと起き上がって拳を握り締めた少女ミレイアに対して、職員は手馴れた調子で先を促す。
「冒険者も戦争に参戦したりとかで今大変なんでしょ? だから何か私にして上げられることはないかって考えたの」
「いつものように『この美少女の笑顔で!』とか言わないんですか?」
「ぅ‥‥それも考えたけど」
「それこそあなたはいつもどおり、お店で冒険者達の帰りを待っていればいいんじゃないんですか?」
 それじゃ気が済まないのだ。
 確かに彼女の笑顔で癒される、と看板娘冥利に尽きることを言ってくれる客もいる。だが現在、騎士達も冒険者達も『戦争』という大きな戦いに赴く機会が増大している。ミレイアの住む王都まではさすがに敵は迫ってないので、遠くのことのように感じる部分もあるが(第一王都まで敵が迫っていたら、ギルドで愚痴を零している場合じゃなくなる)、かといって自分が何にも出来ない、ただ守られているだけの存在だというのももどかしい。
「私に出来るのはさ、少しでも旅を快適にしてもらうための準備を手伝う、位だと思ったのよ。ところが、ギルド職員だから聞いてない? 商人惨殺事件」
「商人惨殺‥‥? ‥‥‥ああ、あれですか」
 詰め寄られ、頭の中でまだ張り出していない依頼を思い浮かべる職員。少しばかり反応に時間が掛かったのは、ミレイアの口にした事件の名が彼女が勝手につけたものだったからだ。
「来てますよ、犯人の調査と捕縛、又は殲滅プラスできれば荷物の奪還、という依頼が」
「それ、私が、お世話になった冒険者達の為にって思って注文した商品を載せた馬車もやられてるの」
 一体誰の仕業なのよー! と折角の意気込みと計画をむちゃくちゃにされた彼女は頭をかきむしるように癇癪を起こす。‥‥相当おかんむりらしい。
「‥‥な、なるほど‥‥。何を注文したんですか?」
「食料品とか日用品とか。ちょっと手を加えて保存食を作ってあげたり、私の代わりに旅のお供に持って行ってもらえればいいなって思って」
「一応、これからその事件に関する依頼を張り出しますが‥‥食料と日用品かぁ‥‥無事に戻ってくるかなぁ」
「どういう意味よ」
 頭をぽりぽりと掻きながら、職員は困ったように少女を見つめた。
「どうも、手口が普通の盗賊の仕業と違うんですよ。普通の盗賊なら荷物を奪うだけが目的でしょうが、この犯人は商人や同乗者全てを惨殺しているんです。とてつもない残虐性の持ち主というか‥‥。とにかく話を聞いた僕の勘ですけど、普通の盗賊とは違う気がするんですよね」
「ふぅん? よくわかんないけど。戦争で食べるものが無くなったから、背に腹は変えられずとかじゃなくて? ‥‥まあ何にせよ食料品は食べられちゃってる可能性はあるわよね」
「それに、ぬかるんだ地面に残された足跡が、人間の物であるのは確実なんですが全てかなりの大きさだったそうです」
「犯人達はかなり大柄だってこと?」
 彼女の指摘に職員は神妙に頷く。
「僕が心配しすぎなだけで、ただの大柄な盗賊ならいいんですけど‥‥」
「よくわかんない。じゃあさ、その依頼に加えてくれない? 荷物取り返せても取り返せなくてもどっちでも構わないから、事件を解決させたら帰りにうちの店に寄ってくれ、って」
 職員が何を心配しているのか、ミレイアには想像すらつかない。既に依頼が用意されているならこれ幸い、と乗っかるつもり満々だ。
「何か頼むつもりじゃなくて、労ってあげたいだけだから心配はしないで。ね、お願い?」
「まぁ、それくらいならいいでしょう‥‥報酬がプラスされると考えれば」
 内心厄介ごとではなくて安心しながら、職員はすでに完成していた書類に書き加えた。

●依頼内容
・商人たちを惨殺して馬車と荷物を奪い去る犯人の調査と捕縛、又は殲滅
・できれば荷物の奪還

「商人達の殺害現場は王都から大分離れたとある街道沿いです。場所はほぼ一定で、その街道を通る商人の馬車を狙ってきます」
 職員は説明を続ける。
「数日前にその街道は一時封鎖されましたから、商人の部隊に偽装してその街道を通れば犯人達は久々の獲物に飛びついてくる可能性が高いです。ただし」
 言葉を切って、冒険者を見つめる。
「何故だか解りませんが、『殺害』というよりは『惨殺』という言葉が相応しいほど酷い殺し方をする敵たちです。十分に注意してください」
 神妙に頷く冒険者達に安堵したのか、職員は再び情報の提供を始める。
「ぬかるんだ地面に残されていたという大きな足跡ですが、現在地面は乾いているでしょうがまだ残っていると思われます。その足跡は街道を外れて、行き止まりである崖下の方へと繋がっているとか。その足跡を追えば、犯人達がアジトとしている場所に辿り着けると思います」
 恐らく略奪した馬車や物資もそこに置かれているだろう、と彼は語った。
「無事だった荷物は是非持ち帰ってください。あ、もしその中に『ミレイア』さん宛の物があったら、それは直接彼女のいる酒場へ持っていってあげてください。もし自分宛の荷物が無事でなくても寄って欲しいそうですよ。お店で少し休んで疲れを取っていってほしいとの事です。食事を出してくれるらしいですね」
 それでは、宜しくお願いします、と職員は頭を下げた。

●今回の参加者

 ea0356 レフェツィア・セヴェナ(22歳・♀・クレリック・エルフ・フランク王国)
 ea1587 風 烈(31歳・♂・武道家・人間・華仙教大国)
 ea3063 ルイス・マリスカル(39歳・♂・ファイター・人間・イスパニア王国)
 ea7641 レインフォルス・フォルナード(35歳・♂・ファイター・人間・エジプト)
 eb1004 フィリッパ・オーギュスト(35歳・♀・神聖騎士・ハーフエルフ・ノルマン王国)
 eb2093 フォーレ・ネーヴ(25歳・♀・レンジャー・人間・ノルマン王国)
 eb4482 音無 響(27歳・♂・天界人・人間・天界(地球))
 eb8174 シルビア・オルテーンシア(23歳・♀・鎧騎士・エルフ・メイの国)
 eb8475 フィオレンティナ・ロンロン(29歳・♀・鎧騎士・人間・メイの国)
 ec1201 ベアトリーセ・メーベルト(28歳・♀・鎧騎士・人間・メイの国)

●リプレイ本文

●ファッションテーマ
 幌のついた大きな荷馬車は封鎖された街道を軽やかに走っていた。謎の惨殺犯退治ということで特別に通してもらったので、他にすれ違う人も馬車もない。
「その格好は‥‥?」
 荷物の代わりに数人の仲間を乗せた馬車を御しながら、ルイス・マリスカル(ea3063)が御者台の隣に座るベアトリーセ・メーベルト(ec1201)に尋ねると、彼女は軽くウィンクして答えた。
「テーマは異国の商人風です♪」
 確かにチャイナドレスに伊達眼鏡をかけたその姿は微妙な胡散臭さを醸し出している。
「ちなみに私のテーマは貴金属商です」
 馬車の奥から幌を上げて御者台に顔を出したシルビア・オルテーンシア(eb8174)の身体はカクテルドレスに包まれ、シルバーピアスと珊瑚の指輪で飾られていた。護衛の振りをして馬車について進むレインフォルス・フォルナード(ea7641)と音無 響(eb4482)以外の者はそれぞれ自分のコンセプトに基づいた軽装をし、馬車に乗り合わせている。
「犯人はどう考えてもやりすぎだよね」
「手口からオーガの可能性を疑うが‥‥襲われた商人達が武器を扱っていなかったのは幸いか」
 レフェツィア・セヴェナ(ea0356)の言う通り、今回の犯人は物品を奪うだけでなく商人や同乗者を惨殺しているという。風 烈(ea1587)は奪った武器で敵が武装していないかと危惧していたが、どうやら今回襲われた商人たちは武器を扱う者達ではなく食料品や衣料品、日用品を主に扱う者達だったらしい。
「‥‥酷いよね。聞いた話じゃあ、物を奪うだけじゃなくて、人を殺す事自体を目的にしてるように見えるよ。それとも、顔を見られたからには生かしておけないとか、そういう特殊な事情のある人達なのかな?」
「惨殺するような手口ならカオスニアン?」
 響の言葉に反応してぽそりと不穏な予測を口にしたのはフィオレンティナ・ロンロン(eb8475)。その言葉に一同に沈黙が下りる。
 ギルド職員の話では、足跡は大きなものだったけれど確かに人間のもので、恐獣や普通のモンスターの類ではなかったという。まさかこんな街道にカオスニアンが?
「でもそれなら獲物がいなくなれば移動するだろし、オーガとかオークの仕業なのかな?」
「どちらにせよ、警戒しておくに越した事はないということですね」
 自分の落としてしまった沈黙を霧散させるように紡がれたフィオレンティナの言葉。フィリッパ・オーギュスト(eb1004)が場を纏めるように口を開いたその時
「もうそろそろ現場に着く頃だ‥‥」
 レインフォルスが皆に注意を促した。ルイスは心持ち馬の速度を緩める。話によれば襲われる現場はほぼ同一。敵がまだいるとしたらそこで襲ってくる以外にない。
「何か来るよ、気をつけて!」
「!?」
 その時ずっと耳を済ませて辺りの気配に気を配っていたフォーレ・ネーヴ(eb2093)が叫び、荷台から飛び降りた。馬車が完全に止まるのももどかしく、荷台に乗っていたメンバーが降車する。その間に外に護衛としてついていた二人と御者台にいた二人は、茂みから飛び出してきた敵の姿を見た。

 大柄で浅黒い肌、その肌に施された刺青――そう、カオスニアン。

 使い古された武器を手に馬車を目指して来るのは、カオスニアンの男達3人であった。


●戦線逃亡者
「久々の獲物だ、しくじるなよ」
「当たり前だ。誰がどれだけ殺れるか勝負だぜ」
 好戦的な笑みを浮かべて駆け寄ってくるカオスニアン達は腕や足に麻布らしきものを引きちぎって巻きつけていた。その布には所々赤黒いものが付着している。恐らく奪った衣料品などを破いて包帯代わりとしたのだろう。
「惨殺した犯人のお出ましか‥‥許せんな」
 犯人に一番近いところにいたレインフォルスが敵の力任せの攻撃をひらりと回避する。
「みんなを殺さなくたって積荷は奪えたはず‥‥どうして殺した!」
 響がそのうち一人と剣を交えながらに問う。だが相手が普通の人間でもなくモンスターでもないとなると、返って来る言葉はほぼ予想できる。
「どうして? 決まってるだろう、楽しいからだよ!」
「戦争なんかよりもっと楽に殺せて楽に奪える。こっちの方が俺達には楽しくてな!」
「なんてことを‥‥」
 馬車と仲間を守るためにホーリーフィールドを張ったフィリッパが言葉を洩らす。
 戦争を楽しいと思うカオスニアンもいれば、自らが傷を負うリスクのない一般人を襲って一方的な殺戮と略奪を好むカオスニアンもいる。今回の敵はどうやら後者のようだ。
「相手がカオスニアンとわかったら、容赦はしない。こちらも殲滅に動かせてもらおう」
 烈が隠しておいた武器を取り出すのと同時に他の皆もそれぞれ武器を構える。
「何? お前らただの商人じゃないな!?」
 それに答えてやる義理など存在しない。
 烈が男と距離を詰めるのに合わせてシルビアとフォーレの手から縄ひょうが投擲される。
「犯人はお前達なんだな!」
 フィオレンティナは響に斬りかかった敵に横合いから斬り付けていく。
「許せませんね」
 御者台から降りていたベアトリーセもチャイナドレスを翻しながら一番近くにいる敵に斬撃を与えた。
「戦場で痛い目を見て逃げ出して来て、弱い者を襲って楽しんでいた輩ということです‥‥か!」
 馬車に近い位置で応戦するレインフォルスに加勢する形でルイスはナックルを打ち込んでいく。
「なんだ‥‥お前らは‥‥強い‥‥」
 膝を付き、あるいは武器を振るい、あるいは倒されたカオスニアンのうちの誰かが呟いた。だが冒険者はそれには答えない。その呟きを最後にカオスニアンの動きが止まった。レフェツィアの、達人レベルのコアギュレイトが奴らの動きを止めたのだった。


●報酬は
 敵は戦地から逃亡してきたらしいカオスニアンだった――そうギルドに報告し、崖下に溜められていた荷物を提出した彼らはミレイアの酒場へと向かった。
 積荷は食料品はほぼ全滅、衣料品は一部が破かれ、他も積荷を漁った際に投げ捨てられたのか汚れてしまっていた。開封されていない積荷は殆どなかったが、開けたもののめぼしいものがないと判断されてそれ以上手をつけられていなかった荷物はいくつか発見する事が出来た。それらの中に一つ、幸運にも恐らくミレイア宛だと思われる荷物をシルビアが発見した。宛名にしっかりと彼女の名前が書かれていたというわけではないが(商人でも文字をしっかり書ける人ばかりというわけではない)、恐らく彼女の名前を書こうとしたのだろうと解釈できる文字の羅列を発見したのだ。その荷物を出荷した者は多少だが文字を書ける者だったらしい。通常ならば運び手である商人がいないという状態では、どの荷物がどこ宛の物だったか判断するのは難しくなっていただろう。実際取り戻した荷物の殆どはどこ宛の物かわからないのでギルドへ丸投げという形にせざるを得なかった。

「あ、いらっしゃい♪ まぁとにかく入って入って。フィリッパさんのご注文の『お湯』もたっぷり用意しておいたから」
 訪ねて来た冒険者達を迎えたのはミレイアの笑顔。彼女はギルド職員からフィリッパの伝言を受けて、湯浴み用の湯を用意していた。
「汚れましたし、まずは女性の皆さんで洗いっこしましょうね♪」
「賛成ー!」
 フィリッパの提案にフォーレが大きく返事をし、シルビア、ベアトリーセ、フィオレンティナ、レフェツィアもそれに続いて店の奥に向かう。
「ミレイアちゃん、全部かどうかはわからないけど荷物あったよ」
 すれ違い様にレフェツィアに告げられ、ミレイアはぱあっと表情を明るくした。
「一応、あの箱なんだけど」
 同じくフィオレンティナがルイスの持つ箱を指す。
「あの箱の中身は何かは知りませんが、冒険者を手伝える事は色々あると思いますよ。冒険者だけでは冒険はできません。色々な方の――それはミレイアさんの様な美味しい食事を提供してくれる方も含めて、彼らの手助けがあってはじめて十分に冒険が出来るのですから」
「そうそう、私も同感。お店で冒険者の帰りを待つ事も大事ですよ。またここに帰ってこれたな〜って安心しますからっ」
 シルビアは優しく微笑んで諭し、ベアトリーセはミレイアの肩にぽむと手を置いて微笑む。
「うん、そうだね。ありがとう!」
 ミレイアは店奥に湯浴みに向かう彼女達に礼を言い、その姿を見送った。暫くして店奥からはきゃいきゃいと女性陣の明るい声が響き渡ってきた。『スタイルいいですね〜』『あ、胸大きい〜』などなど。どこの世界でも女性達が入浴すると話題になるのは一緒のようで。
「‥‥‥‥」
 それらの声が今は準備中で冒険者達しかいない店内にも筒抜けなのだから、残された男性陣は少しばかり居心地が悪い。レインフォルスがこほん、と咳払いをしてコメントに困る空気を払拭しようとする。
「そうそう、この箱だけしかなかったのですが」
「ありがとう」
 ルイスの差し出した箱を受け取り、ミレイアは中身を確認する。

 きゃいきゃいきゃい。

 聞こえない振り聞こえない振り。
「頼んだ荷物っていうのはそれで全部か?」
 烈の言葉に彼女は首を振る。
「ううん、食料品もあったんだけど――」
「ごめん、食料品は全滅だったよ」
「多分そうだと思った」
 申し訳なさそうに告げる響。だがミレイアは余り気にした様子はない。食料品は戻ってこないと諦めていたのかもしれない。

 きゃー、はずかしい、触らないでー。

 聞こえない振り聞こえない振り。
「だからね、みんなが帰ってくるのを待っている間に作っておいたんだ。これ、貰ってくれる?」
 女であるミレイアには店奥から聞こえてくる声に対する男性陣の居心地の悪さは解らないのだろう、平然とした様子で小袋に詰められた食料品を取り出す。
「いつも同じ味じゃ飽きちゃうかなと思って保存食を作ってみたんだけど‥‥後は皆が取り返してくれたこの箱に入っていた物。これが私からの日頃の感謝の気持ち」
「貰ってもいいのか‥‥?」
 レインフォルスの問いに彼女は勿論、と笑顔で頷く。
「美味そうだな。ありがとう。助かる」
「そう言って貰えると、私も凄く嬉しいから!」
 袋に手を伸ばす烈。
「ミレイアちゃんが喜んでくれたら、その笑顔が一番の報酬だったりするかもしれないね」
「ええ。(自称)美少女の笑顔が報酬、というのもあながち間違いではないですね」
 響に同意するルイス。ミレイアは皆が喜んでくれた事が本当に嬉しかったのだろう。その言葉に更に破顔してみせた。