【収穫祭】秋色の奉仕(クッキング!)
|
■ショートシナリオ
担当:DOLLer
対応レベル:フリーlv
難易度:普通
成功報酬:0 G 78 C
参加人数:5人
サポート参加人数:-人
冒険期間:11月04日〜11月09日
リプレイ公開日:2006年11月11日
|
●オープニング
「街中を練り歩いて、喜捨を求めているんですか」
ははぁ、と溜息にも感嘆しているような声でアンリ・マルヌはにぱっと笑う顔が特徴的なシスターの言葉に相づちをうった。彼女の他にもう一人、女性の修道士。それから男性が二人。男の方は身なりこそ修道士のそれではあるが、顔つきはあんまりよろしくない。
修道士が揃って『シャンゼリゼ』でテーブルを囲うというのも珍しい光景だと思う。
もっとも、飲み物はそろいも揃って古ワイン。清貧なのか貧乏なのか、その辺かなり疑わしい。
「そうなんですよぉ。それでですね、今度は貰った物で今度は炊き出しをするんです。どこで開催するかも決めていない、誰に当たるかもわからない。れっと いっと らんだむ! なのです!!」
「それはちょっとおもしろそ、こほん、良い考えですね」
「でしょー? ところがですね、今日の朝市でもらったのが『あれ』なんですよ」
修道女が指さしたそれは、修道士二人が顔を真っ赤にしながら運び込んできた樽二つであった。アンリはその樽に焼き付けられた刻印をよくよくと眺めて、樽の中身が何であるかを判別した。
「あら、葡萄とマスタードですか」
しかも産地として有名所のものだ。『シャンゼリゼ』で冒険者の空腹を満たす食材として使われている。樽一つとなれば、結構な価格である。喜捨に応じた方も随分気前がいいものだ。
ぽやんと温厚そうな壮年の紳士を思い浮かべ、渋い恋愛ストーリーを描くアンリをよそに修道士達は顔を見合わせて苦笑した。
「でも、ねぇ」
「炊き出しって、もらった野菜や肉をぶった切って鍋に入れるだけの簡単料理なんだよな」
「しかもこの葡萄、ワイン用だから、えらく酸っぱいし」
「気にせず鍋にしちゃえばいいじゃないですか、って言ったら闇鍋は不味いでしょうっていうんですよー?」
いや、確かに闇鍋は不味い。色んな意味で。葡萄とマスタード一樽分鍋に入れただけで他の物は入れられなくなるだろうに。恵みを求めてきた不遇の人を奈落に突き落とすつもりか。
「それでですね、是非パリ随一の食所として知られる『シャンゼリゼ』で調理方法を教えてもらえないかなぁと思ったんです」
急に本題に戻り、にっこりとお願いをする修道女。そんなお願いに、アンリはほんの僅かに思案すると、しっかりと頷いた。『シャンゼリゼ』に通う冒険者のハートを少なからず射止める看板娘の笑顔付きで、だ。
「もちろんですよ。冒険者にも声をかけて、美味しいレシピをみんなでみつけましょう! ふふ、うふふふ」
エンジェルスマイルが陰謀の邪笑に変貌している。
「はぁい、是非よろしくお願いしますー。あ、でも一応炊き出し用ですから、できるだけ簡単なものをお願いしたいんです」
「手間の少ないレシピですか? ええ、こちらも望むところです! お店としてもその方が重宝します」
何を考えているのかバレバレである。
「いちおー、試食は私たちがしますね。炊き出しでお配りする責任がありますから」
「分かりました。今から楽しみにしています」
そんな言葉を締めくくりに、『シャンゼリゼの看板娘』アンリと『白の暴走シスター』ユーリが熱い握手をかわしたのであった。
●リプレイ本文
●集合
集合場所は冒険者の酒場『シャンゼリゼ』裏口。他の冒険者達に調理場に入っていることは内緒という条件で貸してくれた。だって冒険者が厨房に入ったと聞くと入りたがる人がたくさん出てくるため、である。一応。
「ひーふーみーよー‥‥ご。五人ですね。」
とれすいくす虎真(ea1322)が指さし確認してからマクレーンに向き直った。
「募集人員は最高10人ですから、全額報酬は7G80C。しかし依頼を請けているのが5人。3G90C浮きます。材料費はその浮いた分で払えませんかね?」
「あー、なるほど。賢いな、おまえ」
クレイルは、おぉぉっと尊敬と驚嘆の眼差しで虎真の顔を見て、いいんじゃない? といい加減な発言をしそうになった時、素早く元メイドだというミルドレッドが口を開いた。
「まず最初に作っていただくのは試食用ですので、申し訳ございませんがその分の材料費はお願いします。後の炊き出しについての材料費は仰る通り、浮いた分からお出しいたします」
きぱっと言うミルドレッドの姿に、明王院月与(eb3600)はハンカチーフで目尻をふきふきしていた。ミルドレッドの以前の姿を知る月与にとっては感涙のできごとだったようだ。
「んー、仕方ないね。でも、香りを楽しむのはタダだよね♪」
ミルドレッドの横に立って、かぐわかしい『かほり』に鼻をふくらませるのはアルフ・レッド(eb7990)。明らかに目的が違う方向に行っている。
しかし、アルフの悦楽もすぐに終焉を迎えた。看板娘アンリがその首根っこを満面の笑みでつかんだのである。
そんな光景と断末魔がまるで耳に入っていないかのように、虎真が手をぱんぱんって打ち合わせて、行動に移ろうとして仲間を振り返った。
「ハイハイそれじゃ頑張りましょう♪」
しかし、
「ふむ、祭か‥‥楽しそうぢゃのぉ」
と、外のハロウィンの名残の光景に目を細める青柳燕(eb1165)、まだ涙が乾かないのかハンカチーフを当てたままの月与、そして‥‥
「ぼっくっは、野菜〜♪ 食べられる運命にあるのっさぁぁぁ。ざくーっ、ぶしゅ、ぎゃぁぁぉわぁ」
と歌うスエズラ・マッコイ(eb8381)。
‥‥‥‥‥‥‥。
この先、ちょっと心配になるのは仕方ないことかもしれない。
●調理中
改めて、『シャンゼリゼ』厨房。多くの冒険者の食をまかなう場所だけあって、なかなか立派だ。冒険者達に与えられたのは、全員で取りかかるにはずいぶん小さい作業台であった。その他の調理道具はもちろん全部揃っているのだから、文句は言えない。
「酸っぱいブドウと大量のマスタードを使ってどんな料理を作るか、か。トンチのような食材ぢゃのう」
青柳がわずかに笑みをこぼしながら独り言をこぼした。もちろん、請けた以上はトンチで済ますようなものを作るつもりはないが、楽しんでやる方がこの依頼はいいような気がしていた。
「パン生地はあったじゃろうか」
「ハイハイ、しっかり準備済みです。発酵するのを待っていたら間に合いませんからね」
普段からパンのタネを仕込んでいるのだろうか、日頃から家事をしていることをうかがわせる虎真は小麦粉の焼き印が押された小振りの樽をよいしょと運んで、青柳の目の前でぱかりと蓋を開けた。
「大人の女の香りに、ああもぅ、うっとり‥‥」
樽の中には、でれーんと鼻を伸ばしたアルフがいた。
アンリによって樽詰めにされたのだろうか。
「あ、間違えました」
バタン、と無情にも閉じる虎真。そしてそっくりな樽をもう一つ取り出し、その中からふわふわもちもちのいい香りのするパンのタネを取り出したのであった。発酵もしっかりすすんで、このまま窯にいれてもおいしそう。
「これ何に使うの?」
興味深げに、青柳とタネを交互に見るスエズラに対して、青柳はふ、と微笑むと、用意されたマスタードを一つかみ、ばさっと生地の中に放り込んだのであった。
「マスタードパンかぁ。ああ、よだれがズビズバでちゃぅぅぅぅ〜♪」
即興で歌にしてしまえるあたり、センスはともかく、なかなかの楽才を見せるスエズラ。そんな歌にも青柳は軽く笑ってみせ、軽く何度か練り込むとその端を千切って、歌い続けるスエズラの口に放り込んだ。
「もがっ‥‥‥‥!!!!!!!!!!?!?」
ドラゴンブレスならぬ、スエズラ・ブレス! 彼の背丈は十分にありそうな炎が口から勢いよくはき出された。
「マスタードの固まりが入っておったかの?」
そんなことを言いながら、体よくスエズラの歌を止めさせ、青柳はパンを練り直すのであった。
その真横では月与が手際よく料理を進めていた。肉を同じサイズで手早く切り分け、香辛料をちょい、と選択して混ぜ合わせる。その横では鍋がぐつぐつと音を立てていて、並行作業もばっちりだ。そんな様子に気を惹かれたのか、鍋から漂う、ノルマンではあまり存在していないだしの匂いに釣られたか、よだれを隠そうともしないユーリがそれを覗き込んだ。
「おいしそうですねぇ」
「あ、ユーリさん、ちょっと提案なんだけど。マスタード&葡萄の使い切れない部分を他の食材と交換して貰ってはどうかかな。野菜もお肉も、薪も必要だもん。お店で使ってる銘柄だって事だし、別に良いでしょ?」
「そうですね。いい考えだと思いますよ。でも、こっそり内緒ですよ?」
「内緒なの?」
「送ったプレゼントが、あまってるからって他のものと交換されていたら、プレゼントした人はいい気分になりませんよね? でも、交換した方がみんなに喜ばれるのは間違いないので、こっそりやっちゃいましょう」
ユーリはにんまりと笑ってそう言った。人の気持ちを大切にする、思いやる気持ちは慈愛の女神セーラ様が教える倫理観の一つ。それを承知した上でいいんじゃない? と言うのだから、他の白の使徒達が聞いたら目をつり上げるに違いない。
逆に聞いている月与の方が、逆に恐縮してしまったのだが、脳天気にもユーリがアンリを呼び止めて、商談に移っていた。
おぬしも悪よのぉ、とかいう言葉が聞こえてきた気がするけれど、それはあえて触れないでおく。
「俺の炎はドラゴンまっさお♪ どんな料理も美味しく黒こげ〜」
マスタード地獄から立ち直ったスエズラは自らの吐く炎を操り、じゃなかった、窯の大火力を活かして、ライスとマスタードを混ぜながら炒めていた。お肉や野菜が黄色く色づき、フライパンの上をジャカジャカ踊る。その横ではやっと樽から出してもらえたアルフが葡萄を鍋につっこみ、ぐつぐつ煮込んでいた。たまに混ぜることしかやることのない簡単さに、アルフはその横でてんやわんやと一番忙しく動いている月与のフレーバーを楽しんでいるほどだ。
「あ、アルフさん、ちょっとこれ臭ってもらえます?」
虎真はアルフに干しぶどうを近づけた。匂いに非常に敏感な彼は肉や野菜の傷み度チェッカーの役割を果たしていたのである。そんなアルフはフングフング、と鼻を動かして虎真の手に平におかれた干しぶどうを匂いをチェックした。
「んー、ヲトコ臭い」
「三枚におろしますよ?」
「ゴメンナサイ、ちょびっと酸っぱいにおいがシマス。でも、生ブドウよりは甘いかも。干したら匂いほとんどなくなっちゃってるよ」
「なるほど。やっぱり柿と同じように干したら甘くなるんですね」
雑学に間違いはなかったようだ、と納得する虎真に月与が横から声をかけた。
「干したら渋みが甘みに変わるんだよ。ちなみに酸味は干すと少し抜けるのね。甘みと旨味は抜けないから凝縮されるんだってさ」
こちらはどうも家のお手伝いをする内に教えられてきた豆知識のようであった。
そんなこんなで料理はできあがっていく。
●試食会
「まず一品目ー。とれすいくす虎真さんより、ブドウパンとごった煮スープです」
「炊出しって言うとアレですよね? 大きな鍋にとりあえず食える物ぶち込んでグツグツ煮込むイベントですよね?」
そんなコメントを残しながら出されたのは、焼き加減ばっちりのパンにブドウの姿が見え隠れするブドウパンと、日本の味すいとんを浮かべ、くず野菜や肉を入れて煮込んだスープだ。
「おいしいですっ。もう満点っ!」
「ブドウパンは手順も簡単で良いですね。ごった煮スープも普段の鍋に一手間二手間かけた程度で味がこれほど違うのですから、なかなかだと思います」
「ただ、野菜もらわないといけないのが難点だよな。パンの小麦もいるし」
「でも、懐かしい味って感じだよ。兄ちゃん。かあちゃんの料理思い出す〜」
と、これはなかなか好評のよう。みんなほくほくして人を幸せにする料理としてはかなり高得点っ。ちなみに炊き出しの原点は違いますが、思想としては似たような所からでています。
「続いて二品目っ。青柳燕さんによるマスタードパンです」
「確か、ジンジャーを混ぜたクッキーちゅうモンはあったはずぢゃし、量の加減さえ間違えねば主菜にも合うぢゃろ。まぁ、パンちゅうのは発酵やら何やらで手間がかかるから炊き出しには不向きちゅうんぢゃったら、クッキーに仕立ててもよかろ」
と、代用案までしっかり考えた一品。みかけは普通のパンだが、手でちぎるとそこには見るも鮮やかな黄色い生地が見え隠れ。焼きたてなので、ほかほかあがる湯気にもほんのりマスタードの薫りがする。
「うまうま。むぐむぐ。満点っ」
「ブドウパンと同じで手間がかからなくていいですね。クッキーという発想もいいと思います。みんなに渡しやすいですしね」
「小麦いるけど、まあほかは金かからなくていいよな」
「これ、結構刺激的だよ。あー、お菓子みたいな感覚でもいけるかな」
これもかなりの好結果。ユーリが当たり所が悪かったのか、火を噴いて驚かせたがそれでもにこやかに満点をたたき出している。
「三品目にまいります。明王院月与による豚ばら肉のマスタード煮込みです」
「今回はジャパン風だったけど、沢山の野菜と肉・骨で出汁をとってもいいと思うかな。肉屋や八百屋で頼めば、店に出せない屑野菜や肉の破片、骨を提供して貰えると予思うんだけど」
出汁にこだわれば、多少の悪い食材でも全然気にならないほどおいしく仕上がる、これぞ出汁マジック。しかも月与の料理はさらに具だくさん。
「ああ、もう幸せです。満点っ」
「他の料理に比べると若干手間がかかってますね。でも確かにいい味ですね。マスタードも効果的ですし」
「具だくさんだよなぁ。喜捨で大漁の時はいいかも。普段は大変だけど」
「ああ、家庭の味だっ! すっげー。俺もう感動しちゃったよ。おかあちゃん、ごめんよぉぉぉ」
他の人より一手間も二手間もかけただけあって、味については最高点のようであった。
「4品目〜。アルフ・レッドさんによりますジャムパンとグレープオレです」
「安直だけど、普通にこういう使い方でもいいよね。マスタードは煮物にでもつけて食べてよ」
ある意味直球勝負だが、確かにちゃんとした料理でないとダメだとは誰も言っていないし、ジャムやオレを作るのだって立派な料理だ。みんな、おぉーなるほど、とか言っている。
「んー、まんふぇんふぇす、んがんぐっ!?」
「手軽さでは追随を許しませんね。できあがったパンや牛乳からでもすぐ作れるわけですし」
「確かに安上がりだしな。」
「飲み物って線はいいよな。他の全部食べ物だったし」
各評価を得て、ふふふ、と決めポーズをするアルフ。強くて美しい青柳にこの格好良さを見せて惚れさせよう作戦始動中。ただし、まったく気づかれていない。
「さぁ、最後になりましたスエズラ・マッコイさんの葡萄の蜂蜜和えとマスタードライスです」
「美味しいよ美味しいよ食べて食べてああっ嫌ぶちぶちちぎれちゃう〜♪」
和やかに食べていただけるようスエズラは目一杯歌いまくる。が、それが食欲をかなーりダウンさせているという事実に彼は気づいていない。気づいていても気づいていないフリをしていないだけかもしれない。
「うん、おいしいれふよ。やっぱり甘い物は最高です。満点っ!」
「蜂蜜であえることによって、簡単に酸味を抑えることに成功していますね。マスタードライスも美味しいのですけれど、炊き出し分を料理するのは大変かもしれません」
「蜂蜜ってめちゃくちゃ高級品でもないけど安いわけでもないしなぁ」
「でも、手は出しやすいよね。どこででも食べられそう」
みんなこの頃になるとさすがに食べ疲れが出てきて、食の進みも鈍くなってきているが、そんな中スエズラの歌にノリノリになりながら、パクつくユーリだけは元気だった。というか、どんな料理でも美味しいとしか言わないあたり、かなり彼女の食に関するセンスは怪しいといえる。
そんな彼女をみて、元気を得たのかスエズラは歌い続けていた。
●炊き出し
炊き出し会場となった公園は大変なにぎわいであった。炊き出しといえば鍋物とパンくらいだったのに、今日は何故かメニューも非常に豊富だし、しかも美味しい。ほとんどにブドウかマスタードが混ざっていたのだが、そんな背景を知っていたり、気にする人なんてほとんどいない。
そんな珍しい炊き出しに対して、人が人を呼んでちょっとした賑わいになっていた。
「ハイハイ、ちゃんと並んでくださいね。不味いというヤツはなます切りにしますよ〜」
のんびりとした声で整理係になっている虎真の言葉と腰にちらつく日本刀に、皆恐々としながら、ちゃんと並んでいる。
「食べた人はホウキを持って下さい〜。働かざる者食うべからず。公園の美化にご協力お願いしますー」
料理皿と一緒ににこにことホウキを手渡すのはユーリだ。一緒にその手伝いをする月与がぽそりと尋ねた。
「ユーリお姉ちゃんって凄いね。みんなすごく喜んでいる。あたいの知っている人にもすごく喜ばせてあげたい人がいるんだけど、どうしたらいいかな」
そんな言葉にユーリは笑って手を振った。
「私よりずっと明王院さんの方がすごいですよ。もう胸だって〜。幸せにできない人はいませんよ。きっと」
「うわわ、な、なにをイキナリ!?」
ユーリはにんまり笑って月与の胸を指さすものだからもうびっくり。わたわたしている間に何の話を聞いていたかすっかり忘れてしまったのである。
「ふむ、祭のというのはええのぅ。何だかんだで、祭に興じる人々の表情ちゅうのは見ててえぇモンぢゃわい」
ふふ、と笑いながら、青柳は筆を正眼に構えて、人々で賑わう炊き出しの様子を絵に納めようとしていた。もう彼女の周りには何枚もの絵が作り上げられそこかしこに散らばっている。
食べ物を分け合う笑顔の兄弟、
どの料理がうまいかと大声で論議する男達。
知らない人同士でも声を掛け合う賑わい。
それから、素っ頓狂なスエズラの歌とそれにあわせてでたらめに歌う人々が作る熱気。
青柳はさて、今度はどれを絵にしようか。心に響く祭の音を聞きながら、筆と目はしばし、活気をとらえ続けていたのであった。