【コレットいぢり】指令・とにかく弄れ!
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■ショートシナリオ
担当:刃葉破
対応レベル:フリーlv
難易度:普通
成功報酬:0 G 65 C
参加人数:6人
サポート参加人数:1人
冒険期間:04月01日〜04月06日
リプレイ公開日:2009年04月13日
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●オープニング
それはある日のキャメロットギルド。
そこには王宮騎士のエクター・ド・マリス、そして彼女の先輩騎士が訪れていた。
エクターの今の格好は黒い全身鎧に身を包んだ、所謂公務モードだ。
とはいっても、ギルドに依頼を持ち込みにきたわけではない。
今後の戦いの為にも、過去の報告書を読んだりして資料を整理する為だ。主な仕事は先輩騎士がこなし、エクターはその手伝いといったところだろうか。
さて、ギルドに張り出されてるとある依頼がそんな2人の目に入る。
『モードレッド卿を企みに気づかれぬよう赤面させよ!』
「‥‥‥モルも中々大変ですね」
どのような目に遭うかは分からないが、少なくともまともな事にはならないだろうという事は容易に予想できるエクターはどこか遠い目をする。
「ふーん‥‥モードルにこんな企みがあるぞって教えたりはしないのか?」
「何ですかその微妙な略称。‥‥まぁ、依頼人の都合もあるでしょうし。それにこうやってモルが冒険者の皆さんと交流する機会が作られるのはいい事です、多分」
それにしても、周囲に振り回されるところが私に似てきたなぁ‥‥と妙な感慨に浸るエクター。
「ふむ‥‥そうだな。冒険者と交流を持つ事は大事だよな‥‥」
モルいぢりの依頼書を見ながら、腕を組んでふんふんと頷く先輩騎士。
‥‥なんだか凄く嫌な予感がする、とエクターの背筋に冷や汗が流れる。
「えと‥‥あのですね? 私はほら、今の時点で結構交流してますよ? 酒場にも顔を出してますし?」
「お、別に何も言ってないのにそんな事言っちゃうとは‥‥あれか、実はもっと色々やりたいってやつか?」
「ちょ、違っ!?」
「よし、そうだな。お前の同僚が大変な目に遭うのにお前が何もしないっての何だしな。お前もちょっくら楽しむか」
「その理屈はおかしいですよ!」
あとエクターの同僚=先輩騎士の後輩、なのだが先輩騎士はその点についてどう思っているのだろう。多分どうでもいいと思ってるだろう。もしくは普通にこの状況を楽しんでいる。
「んじゃ、ちょっくらギルドに依頼を出して‥‥冒険者達に弄ってもらうとするか、エクターを」
「それ、私が楽しんでるんじゃなくて、私で楽しんでますよね!?」
エクターのつっこみが先程から止まらない。
「あれなのよな、この前のメイドの奉仕の時、『結局俺たち奉仕してもらってねぇ!』とわめく馬鹿部下どもがうるさくてなぁ‥‥」
「知ったこっちゃないですよ、そんなの!」
メイドの奉仕云々は、模擬戦の罰ゲームだとか、それをブライトンでやっちゃったとか色々あるんだが、割愛しておく。
「せっかくだから、騎士団も集めて‥‥うむ、面白い事になりそうだ」
「私は!? 私の意志は!?」
エクターの肩に、ぽんと先輩騎士の手が置かれる。
「頑張れ」
先輩騎士の顎にアッパーが叩き込まれたのはその直後の事であった。
―――結局、決め手はアッパーであった。
先輩に手を上げるとは何事か、という事でその罰としてごり押される事になったのだ。
「くっ‥‥。というか、あれ絶対殴られるの予想してましたって‥‥手応え軽かったですもの‥‥!」
キレやすい、という点をつかれハメられたのであった。
「あ、せっかくだから弄ってもらった姿をモードルに見せるか?」
「絶対嫌ですよ!!」
●リプレイ本文
●男達の浪漫
とにかく細かい説明は省こう。
キャメロットは騎士団の詰め所。そこから少し離れた所に王宮騎士達、それに先輩騎士が集まっていた。
先輩騎士が、騎士達を煽るように宣言の合図をする。
「第何回かは忘れたが、エクターことコレット弄り大会だひゃっふぉー!」
「ひゃっふぉー!!」
「ひゃっふぉー!!」
「ひゃっふ――――ちょ、待ってくださいよ」
変なテンションで盛り上がっていた騎士達だが、1人の騎士が急に正気に戻って騒ぐのをやめる。既に周囲の人達は遠巻きからアブない人達を見るような目線を向けられているのだが。
「で、肝心のコレットさんはどこすか!?」
「まぁまぁ、ちょいと待ちなって」
そんな若い1人の騎士を宥めるように言うは、ここに騎士達を集めた張本人の鷹峰瀞藍(eb5379)だ。
「‥‥良いものみせる事を約束するから、ちょいと協力してくれないか?」
ニヤリと笑う瀞藍の言葉に、騎士達はどうしようかとヒソヒソ声で話しだす。そして出た結論は‥‥‥。
「い、いいだろう!」
「よしきた!」
こうして彼らは瀞藍のついていくようにして、買出しに行くのであった。
「そういやマリちゃんがどんな酒に弱いかとか分かんないかな?」
「あー、あいつが酒飲んだとこ見た事無いからなぁ。ちょいと分からん。まぁ、飲みやすいやつの方がすんなりいきそうだが」
何を企む。
●女達の宴
さて、こちらはキャメロットの騎士団の詰め所の一室。
そこにはコレット、そして依頼を受けた冒険者達が集まっていた。
「コレット、貴女は『覚悟』してる人よね? 誰かを弄るって事は弄られる事もあるって『覚悟』してる人よね?」
「私弄ってないんですが」
コレットにずばりといきなり言うはシュネー・エーデルハイト(eb8175)。何だろう、彼女は過去に追手を差し向けられた事でもあるのだろうか。
勿論コレットは冷静に返すが、当のシュネーはまるで聞いていないようだ。
そんなコレットの姿は全身を黒い鎧兜で覆ったものだ。最近は私服を着ることも多いのだが、今日は弄られにくいように‥‥ということだろう。
―――が、それを許すほど冒険者達は甘くない。
「貴女のその鎧、運勢が悪いわ。このタイプは‥‥相手を追いかければ追いかけるほど逃げていくのよね〜。違うかしら? そんな経験ない?」
「なっ!?」
声の主はジプシーのレア・クラウス(eb8226)。彼女が机に広げているは神秘のタロット‥‥そう、先程の言葉はコレットを占った結果だ。真っ赤な嘘だが。
「そ、そういえば兄様は‥‥いや、でも‥‥」
ちなみにコレットの兄はラーンス・ロット。現在絶好調引篭もり中で彼女に姿を見せる事は無い。
「ふふ、やっぱりね。‥‥運勢を変える為に衣装を変えるというのはどうかしら?」
「え?」
「そう、シュネーと服を交換するとか‥‥」
ちらりとシュネーの方に目を向けるレア。ちなみにシュネーの服はとんでもない露出だ。胸元や肩が開いてるといったレベルじゃない。寒くないのか。
「あら、いいかもしれないわね。私もその黒い鎧着てみたいし」
勿論シュネーとレアはグルである。
「ぶふーっ!? あんなの着れませんよ!」
「あら、あなた本当にそれでいいの?」
「レアの占いは良く当たるの。きっと貴女のお兄さんも新しい貴女を褒めてくれるわ」
ごくり。
「当たる占い‥‥。兄様が‥‥」
「それに、あの鎧の姿が普段着だなんて勿体無いわ!」
揺れているコレットの背中を押すように力説するはマール・コンバラリア(ec4461)。
「背が高くて美人で髪だってサラサラのストレートなのに! ふふふ、任せてちょうだい。折角の原石、腕によりをかけて磨き上げてみせるわ!」
彼女の中の何かが燃えていた。
「え、えぇー」
「‥‥どうしても駄目‥‥?」
しかしコレットの背中を押すには届かないのか‥‥反応は鈍い。それを見たマールの様子が変わる。
「貴女なら‥‥そう思ったのに‥‥」
何をだ。
ともかく、手を胸の前で組み、目を潤ませて哀願するような目で見てくるマール。
元来がお人よしのコレットはその視線に耐えられなくなったのか、目を逸らし‥‥。
「う、ま、まぁ‥‥いい‥‥ですよ?」
「よし、やりましょうか!」
「さっきまでの涙は!?」
こうして、マールとシュネーに別室に連れていかれるコレットがいたのであった。
――そして。
「ねぇ、これ私早まってません!? 絶対早まってる気がするんですよ!!」
肌を隠そうと手で体を抱えるようにしているが、隠すべき場所が多すぎて困っているコレットがそこにいた。
「フフ‥‥コレットちゃん、本当の宴はこれからよ。覚悟はいいかしら?」
そんな様子をニヤニヤしながら、かつしっかり目に焼き付けるように見ているフィオナ・ファルケナーゲ(eb5522)。
そう、まだ宴は始まったばかりなのだ‥‥!
●咲き乱れる宴
ぎぃ、と扉が開く。買出しに行っていた瀞藍達が戻ってきたのだ。
「おぉ、やってるやってる」
「お、お、お、おおおおおおおおお!!!!!」
今までは有り得なかったコレットの服を見た騎士達のテンションが爆発的に上昇していく。
「あ、戻ってきたようだね。それじゃあ本格的に宴を始めるとしようか」
今まで厨房にいた蔵馬沙紀(eb3747)が姿を見せ、厨房から次々に料理が運ばれてくる。
「あ、あうぅぅ‥‥」
赤面しつつ部屋の端の方に退避しようとするコレット。だが、見逃すわけはない。シュネー達が部屋の真ん中に来るように手を引っ張る。
それを見て満足そうに頷く瀞藍が握り拳を掲げながら宣言する!
「つうことで、踊り子さんには手ぇふれねぇーでくれ。変わりに‥‥マリちゃんアーンド女性陣ののファッションショーを楽しみやがれヤロウども!!」
「ひゃっはぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
むしろ騎士というより悪漢の方が似合ってそうな叫びには触れないでおく。
「しっかし、何を着ても美人だから似合うわね」
と、コレットを見ながら言うは沙紀だ。彼女はファッションショーということで、今レアから借りた体にフィットした露出の多いドレスを身に纏っている。
当のコレットは、先程のシュネーの服よりかはいいということで、セクシーサンタドレスを着ていた。スカートの短さが魅力です。
「うぅ、恥ずかしいだけですよ‥‥!」
「いやいや、そんな事は無いって。本当、眼福だ!」
そんな瀞藍のベタ褒めを見た沙紀。彼女としてもコレットの魅力は分かっているつもりだが‥‥どこか面白くないものがある。
ぎゅ。
「ん?」
「‥‥‥むー」
瀞藍の体に伝わる柔らかい感触。‥‥沙紀が気を引く為に抱きついたのだ。
「‥‥‥無理しなくても美人さんだよ」
そんな様子にくすりと笑い、沙紀をお姫様抱っこする瀞藍。頬にキスをすると、途端に沙紀の顔は真っ赤に染まる。
周りの騎士達の『てめぇら、よくこんなところでいちゃつけるな』という視線も、彼ら2人にはまるで通用しないようだ。
「あなたも色々と大変ねぇ‥‥」
いちゃつく2人に騎士達の(憎しみの)視線が向いた為に何とかその場を脱出したコレットに話しかけるはフィオナだ。
「大変にしてるのは誰ですか」
「あら、そんな事言っちゃうの?」
フィオナはニヤリと笑い、指を顎のところに当てて思い出すようなポーズを取ってから語り出す。
その内容は彼女が先日参加した依頼に出てきた本‥‥男性同士が愛し合う内容のものだ。
「なっ!?」
それを妖しさたっぷりに話し始めるフィオナ。コレットの顔色が面白い事になっていく。
「そ、そんなの、聞きたくありません!」
「あなたもこちらの世界に来る資格があるわ。さあ、いらっしゃい♪」
コレットは耳を塞ぐが、フィオナはテレパシーの魔法を使ってまで聞かせる。鬼畜だ。
変態退治の依頼をよく出すコレットとしてはある程度の耐性があるのだろうが‥‥それとこれとは話が別なのだろう。
そんなフィオナから逃げるようにその場所を離れ、コレットは一息つく為に、側にあった飲み物に手を伸ばし‥‥飲む。
その瞬間、沙紀が小さくガッツポーズを取ったような気がしたが‥‥次の瞬間、コレットの意識は遠くなっていった。
●酒って怖いね
「ん、んん‥‥‥」
たった一杯の酒。それを飲んだだけで机に突っ伏してしまったコレット。それを見て、周囲の者達がコレットの傍に様子を見る為に寄る。
そしてコレットが目を覚ましたのだが‥‥何かがおかしい。
「ふふ‥‥。皆、どうしたの? こんなに集まったりして」
赤らめた顔。吐く息も熱い。それだけでなく先ほどのように身を隠したりはせず‥‥色気が漂っていた。単純に言えばセクスィー。
「くす、そんなに私に興味があるの?」
立ち上がったコレットはレアが持っていたセクシーメイドドレスを借りると、マールの手を借りて別室で着替え始める。
次に部屋から出てきたコレットは‥‥普段のコレットとはまったく違った。
「まさか‥‥! あいつは、酔うとセクシーお姉さんタイプになるというのか‥‥!?」
その時、騎士達に電流走る。
「うぉぉぉぉぉ!!!!」
「コレットさぁぁぁぁん!!!」
「ポーズを、ポーズをお願いします!!!」
自重しろ騎士達。
しかし、そんな騎士達の要求もコレットは難なくこなしていく。
「まさかこれ程とは‥‥」
自分達の仕掛けによって生み出されたセクシーコレットを見て、ごくりと慄く冒険者達。実際、心中は普通に楽しんでいるのだが。
ぎぃ‥‥。
と、部屋の扉が開かれる。
何かと思って、騎士達がそこに目を向けると―――。
「何‥‥だと‥‥!?」
美少女がいた。ただの少女ではない、黒猫耳美少女メイドだ。
美少女の降臨に騎士達のテンションは更に上がっていく!
――美少女の正体、それはモードレッド・コーンウォールだ。
それに気づいたのは、コレット、先輩騎士‥‥そして冒険者達だ。
コレットはその人物と親しいからであり、先輩騎士はいつも通りの怪しい直感で。冒険者が気づいた理由は‥‥弄られる依頼が出ていたのを知っていたからだ。
何があったかは分からないが、弄られた結果が今の美少女姿なのだろう。
勿論そんなのを見て冒険者達が大人しくしているわけもなく――。
「ね、ね、コレットちゃん」
と、コレットの耳打ちするのはフィオナだ。何かをするように伝えているようで、コレットはふんふんと頷いている。
‥‥いつもなら絶対やらないような事だが、今のコレットは酔っている為に一味違う。お酒の力って(略)
フィオナからやる事を聞いたコレットは、騎士達に囲まれて戦慄いているモルの側まで歩く。
「――なっ、コレット!?」
そんなコレットの姿を見て表情を変えるモル。それはそうである、普段自分が知っているコレットの姿とは全く違うのだから。自分の事はとりあえず置いといて。
「人前で酒を飲むなと、あれほど‥‥」
モルにしなだれかかるようにしながら耳元で先程言われた事をモルにも伝えるコレット。
「そ、そんな事できるか!!」
「だったら、あなたの正体をここにいる皆にバラすだけだけども‥‥どうする?」
正体をバラされる‥‥。
今はテンションがおかしい騎士達だから、ある意味大丈夫かもしれない。
しかし、後日、彼らからの視線がとても生暖かいものになるのは間違いない。それだけではなく、自分の評判が――。
そう考えたモルに拒否権は無かった。
「ぐ、うぅ‥‥」
そして2人はポーズを取ったかと思うと。
「2人は――」
「キュアナイト!」
ばーん!
「きゃー! キャメロットのアイドルはあなたたちのものよ!」
やらせた本人のフィオナも嬉しそうだ。しかし何だそれは。
そんな様子を見て、沙紀も
「美人姉妹だねぇ♪」
と頷きながら言う。分かってて言っているからタチが悪い。
こうして、女装したモルはバラされないように‥‥と、我慢して弄られるのであった。むしろ呆けていたのだが。
ちなみに、後日先輩騎士がバラしたかどうかは‥‥まぁ、語るまい。
●終宴
こうして、モルが帰り酒などもつき始めた頃、宴は終わりの方向へと向かっていた。
エロスカリバーで悪さをしようとした瀞藍が、シュネーの仕業によりエロスカリバーで脱ぐことになってしまい褌姿になったなどの事件があったが、些細な事だろう。
肝心のコレットは酒のせいか、机に伏せて寝息を立てているようだった。毛布がその背にかけられている。
「‥‥目を覚ました後、この事覚えているのかしら」
フィオナはそんなコレットの隣に座りながら、どっちにしろまたこの件で弄れそうだ‥‥と今回の事を深く脳裏に刻む。
「うーん、それにしてもコレットさんの好きなタイプを聞こうと思ったのに‥‥チャンスが無かったわね」
身近な男性としたらモードレッドさんかしら、それとも先輩騎士かしら‥‥と想像をするはマール。
「モードレッド君は受けだと思うけどコレットさんの誘い受けも捨てがたいわ‥‥って、あら?これじゃ普通の恋愛ね」
普通の恋愛では駄目なのだろうか。
とはいえ、現状だとコレットの方に特に恋愛感情があるようには見えないが‥‥。
「やっぱり理想はラーンス・ロットさんなのかしら?」
身近に凄い人物がいると理想が高くなってしまうものだが、さて。
ラーンスレベルが理想となると‥‥男泣かせになってしまいそうだ。
さて、宴も終わって帰途につく冒険者達。
そんな中手をつないで帰るは、宴中にもいちゃついてた沙紀と瀞藍だ。
「ホント、会いたかったよ‥‥今夜は離れないからね」
「あぁ、こっちこそ離すつもりはないからな?」
ぎゅっと抱き合いながら深く唇を交わす2人‥‥さて、彼らの夜は長そうだ。
「今回、俺やる事少なかったなぁ」
落ち着け先輩。