Fake knight

■ショートシナリオ


担当:刃葉破

対応レベル:11〜lv

難易度:難しい

成功報酬:9 G 4 C

参加人数:6人

サポート参加人数:-人

冒険期間:07月25日〜07月30日

リプレイ公開日:2009年08月08日

●オープニング

 ―――届きたいなぁ。



 机と椅子といくつかの書物と。
 それらがあるだけの簡素な部屋で、男は剣を握っていた。
 抜き身ゆえ光に照らされるそれは銀製ではあるが、マジックアイテムではない。
 それでも、剣を握る男は思う。
「俺には分不相応な代物だよなぁ‥‥」
 自分はこの剣を人より上手く扱えないのだから。
 ‥‥‥だって、偽物だもんなぁ。
 男は騎士であり―――そして自分を偽物だと判断していた。
「俺の人生は‥‥偽物で飾られていて‥‥」
 男の家は、騎士の家系ではなく文官のそれだ。
 また、恐らくだが、戦いの力を得るにしても、彼の素養としては騎士よりもウィザードなどを目指した方がより高みへと行けただろう。
 だが彼が騎士を目指したのは――
 ‥‥‥本当の自分を否定されるのは、怖いもんなぁ。
 結果として彼は、『軍師・参謀能力に優れた騎士』として評価される。肝心の戦闘能力はさっぱりではあるが。
 そして彼は、戦闘能力に関しての批評は受け流しつつ、褒められた部分だけを受け取る。
 何故なら、騎士としての素養が彼に無い事は、彼が騎士を目指す前から分かっていた事であり。
 ――自分に不向きな仕事を選んだんだから、酷評されるのは当たり前だもんな。
 だから、分かっていて受け流す。『酷評されて当たり前』という盾を使って。
 そして彼には分かっていた。軍師・参謀能力は、あくまでも自分の地位にある騎士が持つには優れているだけで。
 ――本職に敵うかって言われたらなぁ。
 もし、彼がその本職を目指していれば、その能力は今よりも優れた物になっていたかもしれない。
 だが彼がその道を選ぶ事は決して無いのだ。
 ‥‥だって、本気で選んだ道で否定されるって事は、本当の自分を否定されるって事だろう?
 本当の自分を否定されるのが怖い。だからこそ、本来の本気の道を進まない。
 だから彼は、偽物の道を往く―――偽物なのだ。
 それは騎士という道だけではない。普段の言動でも、だ。
 彼はあえて、ふざけたような人物を気取って生活している。
 だがいざという時はその皮を脱いで‥‥できる人物を気取る。気取るだけだ。
 ――‥‥できる奴ができるのは当たり前で、できない奴ができないのも当たり前で‥‥。
 だったら、普段からできないようにしていた方がいいじゃないか―――失敗しても本当の自分を否定されないんだから。
 だから、彼は自分を恐怖から守る為に、自分を偽る。
 自分の人生は偽物だらけであり、そんな自分は偽物であり―――
 ―――でも、そんな偽物を本物と扱ってくれる幸いもあったな。
 自分を慕う部下、愛する妻‥‥彼らが、どれだけ自分の偽りを知っているかは知らない。
 だが、彼らとの触れ合いの時は、思いは―――
 ‥‥偽物じゃねぇ、本物だ。
 彼は偽物だからこそ―――本物の価値を知る。
 そして彼は知っている。
 自分に似ていながら、自分とは別の道を進み始めた者を。
 その者は重き鎧で自らを偽り、その上でその者の知る本物を追い始めた。
 結局、その者は本物への道を進む為に、偽りを捨てた。
 彼にとっては程遠い存在でもあるが‥‥‥だからこそ。
「本物には本物でいてほしい‥‥そう思っちまうんだよなぁ」
 だが彼の知る本物は、本物の追う本物によって砕かれた。
 しかし、本物に憧れた偽物は揺るぎはしない。
 本物の価値を知り、それの為に動く彼は果たして――
 ―――届きたいなぁ、本物に。


 キャメロットギルド。
 そこに1人の騎士が駆け込み、受付係の青年へと急を告げる。
「―――卿が、1人でデビルの討伐に向かったようなのです!」
「なんですって!? ―――卿が? そんな、らしくない‥‥!」
「そう、らしくない事です。自分がデビル出現の報を―――卿に伝えると、その事を詳しく聞かれてから、『偽物だけど、本物の役に立つなら意味はあるさ』とだけ告げて‥‥」
「いなくなったのですか!?」
 沈黙は肯定として帰る。
「一体何故‥‥!?」
「これは自分の推測なのですが‥‥恐らくは、ラーンス卿の情報を得るためかと」
 しかし、それはいくらなんでも無茶すぎる。
 確かにラーンスがエクスカリバー奪取を行った時の状況的に考えて、デビルは十中八九関わっていると考えられる。
 だからといって全てのデビルが関わっているわけではない。いや、関わってないデビルの方が多いのだ。
 しかし、それでも彼は向かっていった。
「偽物が、本物の役に立つ‥‥?」
 その意味を、彼らは知らない―――。


 1人の女性が、窓から空を見上げる。
 その手には何も持っておらず、その身は女性に相応しい可憐な衣装で、その目は何も見ていない。
 ただ、進む事の無い意思が、宙を漂っているだけであった。




 ―――届きたいなぁ、本物に。
 俺は主役って柄じゃねぇから、脇役でいいけどよ――。
 脇役なら脇役らしく、主役を支えたいじゃねぇか‥‥。
 届きたいなぁ―――本物を支える事ができる高さに。

●今回の参加者

 ea0021 マナウス・ドラッケン(25歳・♂・ナイト・エルフ・イギリス王国)
 ea0286 ヒースクリフ・ムーア(35歳・♂・パラディン・ジャイアント・イギリス王国)
 ea0640 グラディ・アトール(28歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 eb8106 レイア・アローネ(29歳・♀・ファイター・人間・イスパニア王国)
 ec0583 鳳 美夕(30歳・♀・パラディン・人間・ジャパン)
 ec1783 空木 怜(37歳・♂・クレリック・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

●姫か騎士か
 カタン、と扉が開く音がする。
 何かと思いゆっくりと部屋の主である女性が、扉の方を向いてみればそこに居たのは1人の男性。冒険者の空木怜(ec1783)だ。
「お姫様してるな、エクター。様になってるのが俺にはかなり違和感あるけど」
 言われ、顔を伏せて目を逸らす女性‥‥エクター・ド・マリス。かつての騎士としての面影は、今は見る事はできない。
 それを見た怜は余程重症だと悟ったのか、端的に事実を告げる。
「先輩さんの話は知ってるか? 何をトチ狂ったか一人でデビル討伐に飛び出してったそうだ」
「‥‥!?」
 まるで初耳だというように顔を勢いよく上げるエクター。だが半開きの口から何か言葉が出ることはなく。
「俺はこれからすぐに助けに行く。それだけ言いに来たんだ。いらん事だったなら後で苦情を受け付けるよ」
「あ‥‥‥」
 背を向ける怜に、何を言うべきか、何をするべきか。それすらも曖昧なままで伸ばしかけた手を戻すエクター。
 ふと扉の近くにある机を見ると、先ほどまで無かったものが‥‥手紙が置かれていた。怜が置いていったものだろう。
 差出人の名はマナウス・ドラッケン(ea0021)。彼女も知る名前である。
 手紙に書かれていたのは―――
『彼は真実を探す為に行動する事を選んだ。
 君はどうする? このまま何も見る気がないのなら
 剣を折り花となれ、そうでないなら立ち上がれ』

 彼女が選ぶ道は―――

●騎士の行方
 キャメロットは郊外に集まる冒険者達。
「集められるだけの情報は集めた‥‥後は推測するだけですね」
 と切り出すはグラディ・アトール(ea0640)。彼らはまず、デビルがどこにどれだけ現れたなどの情報を収集して、彼の騎士がどこに向かっているかを推測しようということだ。
「彼が自分の実力も把握しているなら無理のない数のデビルを相手にするようにしているはずだ」
 とマナウスはある程度デビルの出現情報のうち、有り得る場所を絞っていく。それは、彼への信頼があってこそのものであり――
「『彼』は『彼女』の上司だったか。彼女がその「理想」に打ちのめされた時もその場に居合わせたんだっけ」
 そう呟くはヒースクリフ・ムーア(ea0286)だ。理想に打ちのめされた事件というのは――エクスカリバー奪取事件の事である。
 ヒースクリフも彼を知っている。知っているからこそ、彼が何を思って今回のような事をしたのかを考える。
 ―――理想とする「騎士」の姿を見失った彼女に、「騎士」とは如何なるものか、己の身命を以って示す事で立ち直させようとしているのか。如何なる強敵にも諦める事無く、立ち向かう「騎士」の姿を。
 だが、とヒースクリフは首を振る。
「もしそうならば「彼」を死なせる訳には行かない。そんな風に命を投げ出すのが「騎士」の道だと、「彼女」に、そして「彼」にも思って欲しくは無い」
 ヒースクリフはパラディンであり、一般の騎士ではない。それでも、それだからか、騎士の道を考える。
 そんな彼を見るは鳳美夕(ec0583)。彼女はヒースクリフと同期でパラディンを目指していたが、彼女は彼と違い未だ候補生だ。
 そんな自分の現状と、今回の事件を重ねて何か思う事でもあるのだろう。
「何はともあれ、だ。目星はついたのだから急ぐとしよう。あまり余裕があるわけではないしな」
 レイア・アローネ(eb8106)が一先ず、場を進める事を促す。
 ‥‥言いたい事はたくさんある、思う事は多くある。
 だからこそ伝えたい―――。

●騎士道
「ふむん‥‥‥」
 彼は見る。
 森の中をうろついている何体かのデビルを、だ。
 見える敵はどれもインプのような下級デビル。大した力を持ってないだろうから対処も簡単だろう。
 しかし、そんなデビルが何か情報を持っているかというと‥‥明らかに否だ。
「とはいえ、動いてる者がいる事を示す必要があるには変わりないか」
 最近の彼がしている事といえば、これの繰り返しだ。
 駆け出しの騎士でも武器さえあれば倒せるだろうデビルを何体も何体も、場所を移動して倒す。
 それにどういう意味があるかは、今は彼しか知る由が無い。
 ともかく、彼は倒す。
「――――来たか!?」
 何体目かのインプを倒した時だろうか。プレッシャーのようなものを感じて振り向いてみれば、そこに居たのはやはりデビル。
 しかし、先程まで戦っていたような弱いデビルではない。デビルにはあまり詳しくはないので名は分からないとしても、強さぐらいは大体で分かる。
 それらが彼に抱く感情は殺意だ。
「‥‥まだだ、まだ届かん」
 ぐ、と彼は剣を握り直しつつ考える。
 ―――確かに、少しは上のやつが出てきた、が。これでは駄目だ。もっと上が動くような状況にならなければ。各地のデビルがこの事態を見過ごせない程度になるまでに―――
 しかし、とも思う。俺だけでこれ以上何とかなるのか―――と。
「いや‥‥俺だけで、とか悩む必要はなかったか」
 なぁ? と彼が振り向けば――

「まったく‥‥あまりこういう無茶はするべきではないと思うけどね」
 デビルを一振りで斬り捨てるはヒースクリフ。パラスプリントの魔法で、速やかにこの場へやってきたのだろう。
「おいおい、無理無茶無謀がデフォの冒険者さんに言われたくはないぞ?」」
「ふん、ガラにもないということだ。貴方はいつものようにふざけ半分で部下達をからかっていればいいのだ」
 遅れて、レイアを始めとする冒険者達が次々にやってきて、デビルを次々と斬り捨てていく。
 この場に揃うは1人の騎士と6人の冒険者。そして更に数を増していくデビル達。
 この様子を見て、ヒースクリフは彼の騎士に指示を仰ぐ。
「さて、どう戦う?」
「‥‥この戦力なら地獄でも戦えそうな気がするなぁ。とりあえず、弱そうなのから順次排除。細かくは追ってで」
 何はともあれ、冒険者達の活躍と騎士の指示により、デビルは次々と数を減らしていく。

「これが‥‥違い、なんだろうな」
 次々とその数を減らしていくデビルを見て、彼の騎士はぽつりと呟く。
「本物と、偽物の――」
「違うな」
 声に振り向けば、マナウス。
「本物も偽物も関係ない。俺達は等しく「誰かの為の剣」だ」
 グラディもそれに言葉を続ける。
「偽者だとか、本物だとか、そんな事は関係ありません。貴方が今誰かを救おうとしたその気持ちは、間違いなく本物です」
 ―――。
「俺達は英雄譚の登場人物じゃねえ、本物も偽物も、主役も脇役も無い。己の人生は己が本物であり主役だ」
 ―――。
「だけど‥‥一人で無茶はしないでください。俺たちも力になりたいんです。貴方の大切な人の、笑顔を取り戻すためにも」
 ―――。
「そして俺達は誰かの為に、守りたい何かの為に居るんだろう」
 ―――なぁ。
「貴方が今抱いている、自分を偽らずに理想を求める気持ちは、間違いなく本物です。‥‥それだけは、誰にも否定できないと思います」
 ―――聞こえてるか?
 ―――‥‥‥。
「何かに憧れる事は悪くない、綺麗なものには誰だって憧れる。でもそれに囚われて自分を低く見るな! 理想と現実なんていつも食い違う! でも届かせようと手を伸ばす! 行動する! それが自分を理想に近づける為の唯一つの方法なんだ!」
 ―――聞いてるか?
 ―――行動、する。
 ぽつり、と口を開き始めるは美夕だ。
「‥‥これから言うのは独り言」
「パラディンなんて向いてない? 違う道を進んだ方が役に立てた? 余計なお世話。そんな事自分が一番判ってる。同期だったヒースを見れば一目瞭然、自分が及びもしてない事なんて」
「先行く皆に置いていかれるのが怖くて関係のない得意分野に縋る私。及ばない事を知りつつ、虚勢張ってはしゃぎ誤魔化していた私。こんな私がパラディン目指す? 笑っちゃうわ‥‥」
 ――でも。
「だから、憧れた――」
「その在り方に。その強さに。知った時から他の道等なかった様に吹き飛んだ。目指していればその高みに届くと、信じてた訳じゃない。だけど手を伸ばさずにはおれなかった。その強さがあれば、かつて親を亡くして涙を我慢していた妹達を救えたのじゃないかとそう思ってしまったから」
 ―――あぁ、それが目指す理由。
「同情はしない。そこまで偉そうにいえる立場でなければ余裕も無いもの」
 ―――そうだ、皆似たようなものだ。
 ―――自分だけじゃない。
 ふ、と美夕の『独り言』を聞いたレイアの口元が緩む。偽物でも、か―――私と同じだな。
「私には戦う動機がない。守るべき者がいない大切な仲間はいるが、それは共に戦う者だ。つまり――私には剣を取らねばならない理由がない」
 ―――それでも剣を何故取る。
「自分の為でもない。倒すべき敵も成し遂げたい目標もない。だから、エクターやマナウスのような理想者に憧れる。支えたいと思う」
 ―――そうだな。
 ―――でも、自分は。
「この気持ち――貴方も同じか?」
 ―――さてね。
 ―――‥‥‥。
「石ころはどうやっても宝石にはなれない。だからこそ宝石に憧れる。宝石の輝きは石ころにしかわからない。それが私達の意地だ」
 ―――なぁ、聞こえてるか? 聞いてるか? 考えてるか?


「どうなんだ‥‥エクター!!」
「私は――――!!」

 そこに居たのは1人の女性。可憐だった筈の服は、今や泥や木々の擦れで見るにも無残な姿へとなっている。
 しかし、何故だろうか。その手に握る剣も相まって――美しく見えるのは。
 グラディが一歩踏み出し、言う。
「‥‥大切な事は、自分の心を偽らずに真っ直ぐに生きる事、俺はそう考えてる。偉そうに言える立場じゃないけど、それだけは伝えたい」
 自分を偽らずに――何を、したいのか。
 後押しをするはレイア。
「お前達は主役でいろ。私達は脇役の務めを果たす。見くびるなよ? この座は主役ごときに渡せる程軽くない」
 支えるは美夕。
「自分の荷物を誰かに預けたりなんてできない、勿体無くて。だから私は理解という勘違いをあえて通し今だけは支えてあげる、夢を背負う人を。持ち歩くにせよ、休むにせよ‥‥望むままに」
 望むまま―――。
「私は―――兄様に会いたい――!!」
「そうだ、兄君を追え。お前でしか出来ない事がきっとある。なくても追え。悪魔? 謀反? 知るか。お前の手で力尽くでもヤツを取り戻せ。出来ないのであれば私が『させる』までだ」
 レイアの言葉に偽りは無い。きっとエクターが求めれば、彼女はいつでも手助けする気だろう。
「私は知りたい。兄様が何を考え、どうして、あのような事をしたのか」
 ――兄様は真の騎士ではなかったのか。
 その疑問に答えるように言うはヒースクリフ。
「騎士となった理由なんて人それぞれさ。そして『真の騎士』なんて言うのも人の数だけ存在するものだろう」
 人の数だけ?
「だから、各人に合ったやり方で己の理想の騎士を目指せば良いんじゃないかな。そしてそれは何人にも否定できるもので無い。私はそう思うよ」
 ―――自分の理想。それは‥‥。
 ―――理想か。現実ばっかり見てると忘れちまいそうになるよなぁ。でも、大事、だよなぁ。

 ヒュッ―――!
 風切り音、その直後に響くはデビルの断末魔。それはエクターの背後から聞こえるものだ。
 彼の騎士が弓を構えたままの状態で、ニヤリと笑う。
「まったく、背を斬るのは最たる恥ってのは騎士として当然の認識だけどさ、相手もそうとは限らないんだぜ?」
 だから、もう少し背に気をつけるか‥‥1人じゃなくて誰かに背を任せろよ、と。
「そういうお前は分かってるのか?」
 と、そんな彼の騎士をジト目で見るは怜だ。
「そっちもこんな真似して、背を任せてるとは言いにくいと思うけど。存在する以上は何かの「本物」なんだよ、誰だって。支えてるだけでいる気になるなよ。さんざん支えられてる身でさ‥‥」
 ―――確かに、支えられてきた。
「お前は誰だよ、先輩さん?」
 ―――俺か、俺は‥‥。
「王宮騎士団所属‥‥トゥルス・ノウリッヂ。王国と民を守る騎士、だ」


「え、ちょっと待て。それ本名か?」
「何かおかしな事でもあるか?」
「‥‥いやいくらなんでも胡散臭いにも程がある名前だと思って」
「おいおい! あいつらちょっと酷いぞエクター!!」
「さっきまでのシリアス雰囲気ぶち壊しにも程がありますよ!?」
 締まらないなぁ―――。
 でも、これも‥‥これで、いいか。