【豪州国交】恐竜の頭骨
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■ショートシナリオ
担当:姫野里美
対応レベル:11〜lv
難易度:やや難
成功報酬:7 G 30 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:07月25日〜07月30日
リプレイ公開日:2009年08月07日
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●オープニング
オーストラリア・クイーンズランド。女王の治めるマーメイドの王国である。青い海に囲まれたその王国の水中には、女王をはじめとした王族の暮らす宮殿が、人々の国々と同じ様に存在し、水の精霊を奉る神殿が建っている。そこには、出入りする神官のための宿坊も併設されており、多数のマーメイド達が出入りしていた。
その1人、まだ少年とも言える年頃のマーメイド。王宮でいわゆる小姓から神官に合格したハイド少年は、神殿の広間とも言うべき参拝者控え室で、ある御仁と会っていた。
「忙しいところ申し訳ありません」
「気にしないで下さい。これも役目ですから」
その御仁は、真珠の加工職人だった。オーストラリアの王宮から発注を受けているので、それなりの腕を持っているのだろう。助手や同僚らと共に訪れている所を見ると、分業制なのかもしれない。そんな彼らが広げたのは、王宮の署名が入った発注書だった。
「この暦を示す置物なのですが、やはり細かい作業ですと、アレを使うべきかと思いまして」
「作業場にあるものでは無理でしたか‥‥」
相談している内容は、どうやらその発注書に描かれた置物のようなものに関わる事だった。それには、要所要所に真珠があしらわれ、全体は白と規定されている。そして、ところどころに波を示すように銀色の飾りが施されたその台座は、オーストラリアらしく、巨大な恐竜の頭骨を加工したものだった。
「あっしらの船では、どうしても時間が掛かりますし、第一襲われたらひとたまりもありませんや。それで、王宮に近いハイド様に、ぜひともご協力を賜りたく」
彼らの説明ではこうだった。王宮から依頼された、立体型の【暦】を作るにあたり、どうしても材料が足りない。だが、その材料を取りに行くためには、大陸の反対側へ向かわねばならないとの事。職人達は、細工の腕には自信があるが、行った事もない場所で、採掘を行うには向いていない。そこで、ハイドに何とかして欲しいと訴えてきたらしい。
「そう言われても‥‥。目星は、ついているのですか?」
「へい。確か、南側のある谷に、死期を迎えた竜達が眠る場所があると伝え聞いております。そこになら、お目当てのモンがあるかと」
なるほど、と頷く少年。壁にかけられた大陸図の、ずっとずっと下の方。ハイドもまだ行ったことのないとある谷に、恐竜達の墓場とも言うべき場所があるらしい。そこに、彼らの求める大きな恐竜の頭骨があるそうだ。
「年数のたったモンなら、生を調達して乾かすより、ずっとずっと早く仕上がるかと思います。どうですかね?」
「‥‥わかりました。本当は王宮のてだれの者に頼みたいのですが、それでは皆様の面目が立たない気もしますし、こちらで何とかして見ますね」
お願いします。と頭を下げる職人達。こうして、約束を取り付けたハイドは、手紙を書き始めた。あて先は、ロシアのパープル女史だ。
『恐竜達の墓場に行って、充分に乾燥した恐竜の頭骨を取ってきてください。何分にも行ったことのない場所なので、どんなものが潜んでいるか、こちらでも把握していません。ただ、職人達に伝わっている事を考えると、ものすごく古い時代に、誰か行った事があるのかもしれません』
なお、王宮には内緒なので、職人達の所へ直接向かって欲しいそうである。
「まぁ、墓つったら、たいていゾンビかスケルトンって相場が決まってるわね。まぁ、お祈りくらいはしておいた方がいいかもしれないけど」
問題は、向こうにジーザス教が根付いているか定かではない事だろうか。と、神父から押し付けられた聖印を手に、そう呟くパープル女史だった。
●リプレイ本文
『水妖スペシャル探検隊−幻の恐竜墓場に、シー坊主を見た!−』
と、報告書の頭に書かれたかどうかはわからないが、依頼を受けた冒険者達は、まず職人達に話を聞く為、ハイドの案内で、工房へと向かっていた。
「うーん、やっぱり目的地に関する書物や壁画なんて、見込めないわよねぇ〜」
ミカエル・クライム(ea4675)がそう言って見渡した工房には、骨加工の材料やら道具やらが散乱している。そこに、状況を伝える絵画は見られなかった。
「あまり役に立てなくて申し訳ない。ご覧の通りでして‥‥」
申し訳なさそうに言う職人さん。キエフの工房と違い、どちらかというと『加工場』と言ったほうがしっくりくるだろう。当然、デザイン画等はなく、口伝えと職人のセンスに頼っていると言ったところか。
「これと同じものを、借りられると良いのだが‥‥」
雪切刀也(ea6228)、ブランの加工について議長に尋ねた答えをかみ締める。加工道具は専門知識もいるし、技術提供とかの問題があるので、ギルドに工房が借りれるかを問い合わせてくれるそうだ。おそらく、この職人達と同じ様に、おのがセンスで加工する職人達も呼び寄せるつもりなのだろう。
「まぁ絵図などなくても良いのだが、場所の詳しい話を聞いていないだろうか」
それはそれですごいなと思いながら、刀也は自前の地図を手にしながら、聞き込みを続けている。職人さんは、工房の面々を集めると「口伝でよろしければ‥‥」と前置きしながら、伝わる伝説を教えてくれた。
「へー。僕、死期を悟ると人知れず姿を消すのは、猫と忍位だと思ってました」
感心する沖田光(ea0029)。忍者は微妙に違うだろうと、同じジャパン出身の刀也は思ったが、あまり気にせず、自分が興味がある事を尋ねている。
「なるほど。そういえば、ついでと言ってはなんだが、作業工程を見せてもらっても構わないだろうか」
骨細工の道具を見る限り、なにやら彫金に通じるものがありそうだ。怪訝そうに顔を見合わせている職人に、刀也は自分の刀を見せる。
「これでも鍛冶の知識はあるほうだ。こいつの参考になればと思ってな」
職人さんも、了承してくれたようだ。そんな彼らの仕事ぶりに、フローラ・タナー(ea1060)がこんな事を口にする。
「うちの工房の職人さんによく似てますね」
仕事に誇りを持っているという点では変わるまい。その証拠に、「ふふ、働き者の綺麗な手ね」と、楽しそうに話している彼女と職人。今度はイグニス・ヴァリアント(ea4202)が尋ねてくる。
「その職人さんに質問なんだが、この一年以上たった頭骨の特徴や見分け方を教えてくれないか?」
何しろ素人なので、見た目でわかるかどうかわからない。乾き具合で分かるのならいいのだが。
「ちょっと待っててください」
イグニスがその事情を告げると、職人さんは奥のほうから、小型の頭骨を持ってきた。かなり年数がたっていると思しき土色の骨を渡し、職人さんはこう説明してくれる。
「かなり小さいんですがね。これがちょうど同じくらいの年数がたってます。本物は、もっとずっと大きいんですが」
「ふむ。なら、その荷台か何かを貸してもらえないだろうか。さすがにこの倍だとな‥‥」
イグニスが受け取ったその骨は、ちょうどシフールくらいの大きさだ。そこから推察するに、何人かの手がいる事だろう。と、申し出を受けて、職人さん達が持ってきたのは、なにやら木の棒を組み合わせたものだ。何でも、折りたたみ式の荷台らしい。
「これも、ムゥの遺産ですか?」
とんでもない。とフローラの問いに首を横に振る職人さん。
「難しいものなのですねぇ‥‥。ロシアとの国教とで、尊重できる部分があればと思ったのです‥‥」
彼女、神聖王国と言う点を使えないかと思っているようだ。
「一介の神官からは何も言えませんが、ジーザス教とやらの教え、聞いておいて損はなさそうですね」
そのまま、長いこと語り合いそうな2人。と、そこへ刀也が釘を刺す。
「宗教談義は後にしてくれ。というか、何故その場所に恐竜達が向かうのか‥‥。ひょっとして、遺跡か何かあるのかな」
「あったとしても、今回は墓荒らしみたいで、気があまり進まんなー」
イグニス、深いため息をつく。そんな彼らの気乗りしない様子に、今度はパープル女史がこう言った。
「遺跡も元はお墓だったかもしれないでしょ」
そりゃそうだ。と思うイグニス。そう言う人々が入りづらいところへ赴くのが、自分達冒険者の役目だと思い直す。今までどおりに。
「よろしくな、黒曜石」
『ああ。今回は南‥‥だったな』
移動は、いつものように黒曜石の操る精霊船だ。と、そんな彼女に刀也がこう問いかける。
「そう言えば、此処の事で何か知ってたりとかないかな?」
『生命の精霊が、守護する者の元を離れる時、導き手となる事があるのは知っている。私もこの大陸の全てを知っているわけではないが、おそらく恐竜達にも、そう言う存在があるのだろうな』
彼女の答え曰く、どうやら自分達で言うところの『守護精霊』の類なのだろう。
「願わくば、その守護霊様を、怒らせたくはないものですね‥‥」
フローラが祈りを捧げながらそう呟くのだった。
そして、数日後。だいぶ気温が下がり、景色も一変していた。黒曜石が高度を下げる。そろそろ着陸するようだ。
「よっと。キエフの真冬ほどじゃないんだな。ちょうど、江戸の冬くらいか‥‥」
刀也、周囲の気温を確かめる。吹き抜ける風は乾燥しており、ちょうど師走の空気と変わらなかった。大地から舞う土埃が、周囲をかすかに染めるほどに。
「これなら、足跡とか残っているかもしれませんね。死期の迫った恐竜達が集まってくる場所なら、弱って歩き方が変になってたりする個体もいると思うから‥‥」
その、乾いた大地を、注意深く監察する沖田。
「もしかしたら、アンデッドがいるかもしれん。ん、あの岩なんか目印にちょうど良いな」
イグニスも、周囲の光景を書きとめる。風にさらされた岩は奇妙な形に抉れ、その両側には、独特な形の木々が並ぶ。起伏はさほど激しくはない。その様子を、既存の地図に書きとめている様子を見て、沖田はこう尋ねてきた。
「この辺に、谷とか、何か堆積しやすい地形はないでしょうか。おじいちゃん恐竜が、さほど難しい場所に行くとは思えませんし」
足腰の弱った個体が、そんなところに向かうぐらいなら、もう少し暮らせそうな気がする。
「川かなんかの跡があればいいんだが‥‥」
イグニスも、地面にそう言った場所がないかどうか探すが、一見すると風で抉れたのか、水で削られたのか、今ひとつ分からない。
「ちょっと調べてみましょう」
そう言って、セシリア・ティレット(eb4721)がブレスセンサーを唱えた。と、魔法は効果範囲内にいる生物達の存在を伝えてくれる。どうやら、まるっきり不毛の地帯というわけではないようだ。
「あ、いた」
反応のあった方へ進むと、真っ白い羽毛のようなもので覆われた恐竜の群に遭遇する。「きゅ?」と首を傾げつつ、低木の葉をついばんでいる所を見ると、草食性の恐竜なようだ。どことなく、鳥に似ている。
「どう見ても、老体ってわけじゃないなー。と言う事は、何か知っているかもしれん」
子供、とも言える若い個体も混ざっている。そう思った刀也は、インタプリティングリングを取り出し、その一匹に近づいて、事情を話した。
(んと、よく分からないけど、僕らが生んだ卵が20回大きくなるまで、近づいちゃ駄目って言う場所ならある)
恐竜、知性は子供と言ったところだろう。場所を尋ねると、谷をまっすぐ行った先だと教えてくれた。それに従い、一向は谷をずっと登っていく。
谷の道は、一昼夜続いた。途中、何度も細く折れ曲がり、土地はますます乾燥して行く。時々、吹き抜ける風が行く手を阻むほどの強さを誇り、何度も足が止まってしまう。これでは、普通の人々には越えられない壁なのも、仕方がなかった。
「わぁぁぁ」
その風の壁を乗り越えた時、沖田が感嘆の声を上げる。ひょうと吹き抜ける風が、耳元でうなりを上げる中、広がったのは、何十と言う恐竜の骨。
「すごい。ごい、恐竜の墓場ですよ! 墓場!」
信心深さ何ぞどこか行っちゃった様子で、おめめをきらきらさせる沖田。しかし、その様子とは裏腹に、周囲には土埃が霧のように舞っている。墓場と言うより、枯れ谷というほうが近いようだった。
「しーっ、静かに。なるべく騒ぎは起こさない様にしないとね」
ミカエルが、人差し指を唇にあてている。神聖な場所なのは理解出来たようで、ぱたりと口を閉じる沖田。
「そう言えば、職人さん達から聞いたんですが、時々恐竜墓場から外に迷い出てしまうアンデット恐竜もいるらしいですよ、で墓場に帰りたくて暴れるとか…現地の言葉で、シー坊主と言うらしいんですが」
「えー、本当?」
シー坊主が誤訳かもしれないと思いつつ、ミカエルは周囲を警戒するように見回す。墓場で走り回っている死体を見た事がないわけではないので。
「でも、冒険者で、恐竜飼っている方々いらっしゃいません?」
セシリアが、何か参考になりやしないかと尋ねてくる。恐竜どころかロック鳥やら魔獣やら、色んなモン飼ってる奴がいるが、ここにくるのはそう言ったイレギュラーペットではなさそうだ。その証拠に、足元の大地には、恐竜の足跡しかない。
「ふむ。晩年の恐竜が襲ってくる可能性はあるか‥‥」
「そっと生命をまっとうさせてあげましょうよ」
イグニスが身を潜ませる場所を探す。が、セシリアは、あまり対戦したくないようだ。それはイグニス自身も同じ事。と、そう考えて、足を踏み入れた直後だった。
「空気が、変わった?」
今までは、乾いた空気だったにも関わらず、その空気に重さが混じる。気温が、体感で分かるほど冷えた。
「気をつけろ。いるぞ」
周囲を警戒していた東雲辰巳(ea8110)がそう言った。セシリアがデティクトアンデッドを唱えるが、まだ反応がなかった。念のため、刀也もインフラビジョンを唱えてみるが、やはり通常の生命体ではなさそうだ。
『墓所を荒らすモノはだれだ‥‥』
直後、頭の中に響く声。その発音の仕方に、刀也は思い当たる節があった。黒曜石の発音の仕方と同じだと。どうやら、墓守のおでましのようだ。
『竜ではないな。何の用だ。ここは生を全うした竜達の眠舎。生命力溢れるもののくる場所ではない』
その証に、人の姿はしていない。小型の、二足歩行の恐竜と言った風情だ。ディノニクスや、先ほど出会った羽毛恐竜によく似ているが、もう少しシャープな印象を受ける。
「敵ではありません。ただ、どうしてもあなた方の生きていた証が欲しいのです」
祈りを捧げるように、聖印を持ち、事情を話すフローラ。ここは、本職に任せたほうがいいと判断した刀也、彼女に任せ、懐から盆に使う供物を取り出して、その精霊竜の前に置いた。
「‥‥こいつは供物だ。俺の故郷では、ちょうど今の時期になると、祖先の霊をこいつで慰める」
ほんのりと、花の匂いがした。
「お願いわかって。私たちは、あなたの敵じゃないの」
望むなら、墓所へエスコートしたいと申し出る彼女。その様子に、精霊恐竜は『‥‥ふむ』と考え込む仕草を見せた。
『では、お前達が、自らの骨を預けるに相応しいか、ここの住人に聞いてみよう』
敵ではないとわかってもらえたようで、口調が柔らかくなった。が、その代わり、その精霊の後ろ側から、巨大な白い物体の姿が見える。
「まさか‥‥」
顔を引きつらせるミカエル。
『長殿、聞いての通りだ。貴殿の骨を預けるに相応しいか、貴殿自身に判断していただきたい』
精霊恐竜が、すっと横に体を退いた。そこへ現れたのは。
『ぐぉぉぉぉぉぉ!』
巨大な‥‥12mはあるだろうティラノサウルスの‥‥骨。
「あああ、やっぱりぃぃぃ! 出たなデッドリーティラノ!」
びしぃっと知ったような顔して言ってるが、命名はついさっき考えた名前である。
「無用な戦闘はなるべく避けたいんだが‥‥。ミカエル、頼めるか?」
「どこまで通用するか分からないけどね」
ただでさえ撃退に苦労する恐竜が、よりタフネスになって現れた事に、刀也はそう言って、魔法の援護を頼む。
「機動を奪うか‥‥」
イグニス、足関節をポイントアタックで狙う。骨しかないので、衝撃は直接伝わるだろう。同じ様に刀也も、その足の部分に、スマッシュをEXで振り下ろした。
「自然には敬意を払ってるんで、此処では戦いたくないんだがな、全くッ!!」
この場合、そんな事言ってる場合じゃなさそうだが、相手の攻撃は回避したい彼。
「この装備なら、大丈夫のはず!」
逆に、重装備で体格差を埋めようとするセシリア。対アンデッドなので、レジストデビルはいらないだろうが、吹き飛ばされないように、大きな盾を構えている。
ドツき合いはしばらく続いた。フローラがいつものようにコアギュレイトをかけるのを見習って、セシリアも同じ魔法をかけるが、中々沈まない。
「死んでまで仕事とはな。いい加減疲れただろう。そろそろ眠らせてやるよ」
業を煮やしたイグニス、ダブルアタックで固めた足へとシュライクを振り下ろす。そこへ、セシリアが力の限りチャージング。足を粉砕されたデッドリーティラノがすっ転ぶ。
『そこまで!』
その刹那、凛とした声が響いた。精霊竜だ。見れば、ティラノがゆっくりと霧散して行くところ。どうやら、認めてはくれたらしい。骨が影も形もなくなったところで、魂だけがゆらりと浮かぶ。そして、ついてこいと言わんばかりに、谷の奥へ向かってふよふよと動き出した。
「ここは‥‥」
そこは、たくさんの頭骨がある場所だった。大きいもの、小さいもの。色々あるが、どれも古そうだった。
「立派な暦にする為にも、より大きいモノが良いわよね〜♪ あ、運搬はよろしく」
どこで拾ってきたのか、よくしなる木の枝を、鞭の様に振り振りしているミカエル。東雲が、ため息をつきながら荷台を持ってきた。
「年輪みたいに、乾燥具合がわかると良いのですけれど‥‥」
セシリアが、その1つを手に取り、ひっくり返している。淡水の魚だと、栄養に乏しい冬には、骨になり難いと聞く。沖田も、乾燥すると色が変わってくる事を聞いていたので、イグニスが手に入れた見本を片手に、似たような骨を捜していた。運搬は東雲だ。
「セーラ様、どうかこの方の魂を、その広き慈愛の心でお救いください‥‥」
フローラが、そんな彼らの許しをこうように、祈りを捧げているのだった。