【パラサイト】儀式の遺跡
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■ショートシナリオ
担当:姫野里美
対応レベル:3〜7lv
難易度:やや難
成功報酬:2 G 46 C
参加人数:10人
サポート参加人数:3人
冒険期間:01月14日〜01月21日
リプレイ公開日:2005年01月20日
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●オープニング
その日、カンタベリーの、ヨシュア議長宅には、近くの村から、客人が訪れていた‥‥。
「ふむ。謎の遺跡か‥‥」
「はい。2日ほど前、裏山で起きたがけ崩れから、建物らしきものが見付かりまして」
コートを脱ぎ、召使いに預けながら、その村の使いは、そう口火を切る。新年明けて2日目の頃、その村周辺では、局地的にバケツをひっくり返すほどの大雨が降った。その影響で、がけ崩れが起きてしまったらしい。幸い、人的被害はなかったのだが、ぽっかりと口を開けたのは、黒々と口を開ける怪しげな洞窟だった。
「雨で地盤が緩くなったせいか。しかし、何故私のところへ?」
「入り口しか見ていませんが、壁面に壮麗な装飾が施されておりまして。かなり古くいですが、見た事のないものでしてね。議長は新しい織物を作ろうとなさっているとお聞きし、こうして尋ねてきたわけです。それに、ジャパンから来たと言う織物も、是非見たいと思いまして」
普通なら、そのまま放置しておくのが関の山である。それを、わざわざ1日かけて議長に御注進してきたのは、多分に珍しい織物を見たいと言う欲求があったに他ならない模様。そんな彼に、議長は「遊びでやっているわけではないのだが」と、苦笑して見せた。
「あの、議長‥‥」
と、そこへ、客人に茶を運んできたレオンが、おずおずとそう言った。
「ん? どうした。レオン」
「その‥‥がけ崩れの遺跡は、もしや巨石作りの‥‥かなり深そうな遺跡ではないでしょうか?」
意識をそちらへと向けたヨシュア議長に、レオンは正確に遺跡の様子を話す。組み上げられた城壁のような概観を持ち、東洋と西洋の入り混じったような造作ではないかと。
「知っているのかい?」
村人が驚いて目を丸くしている。まだ、レオン‥‥いや、議長にさえまだ話していないと言うのに。
「いえ‥‥直接見たわけではありませんが‥‥」
言葉を濁す彼。どうやら、また夢に見てしまったらしい。
「レオン、構わないから、続きを話してくれ」
「はい‥‥」
頷いて、レオンはその夢の内容を話し始めた。
それは、どこかも分からぬ山の中。
藪の中から躍り出る、3匹のモンスター。
どこからか略奪してきたと思しき鎧と、血のついたナイフ。そして、弓矢。
足元から、まるでバケモノ自身が己の強さを誇示するように、夢の視界は移って行く。その面は潰れた鼻を持つ人型のケダモノ。
場面は変わり、そのバケモノを遠くから見下ろす、数匹のモンスター。
グロテスクな海老めいた、そのトカゲ型モンスターは、口からよだれをたらしつつ、そのバケモノたちに、まるで餌でも見るような視線を投げかけている。鎧のような堅い殻で身を包んでおり、細長い頭部と、鋭い牙、尻尾に針。黒く4本足を持つものと、灰色の2本足の小さな固体があった。数は‥‥合わせて15匹。
彼らの歩み出した後には、体を内側から破られた様な跡を残す、無残な動物の死骸があった。そして、気配に気付いたブタのバケモノは、未知なるモンスターが隠れている藪をひとにらみし、こう呟く。
『さぁ、ゲームの時間だ‥‥』
と‥‥。
「ブタの頭を持つバケモノが3匹‥‥か。外見からすると、おそらくはオークの戦士だろうな」
話を聞いた議長は、そう呟いた。オーク達の中には、まるで人間の様に経験を積み、一人前の戦士として、部下のオークを従える者もいると言う。おそらく、今回のオーク達も、そう言った戦士の1匹なのだろう。
「中々に厄介な相手ですな。しかし、そのトカゲのようなモンスターと言うのは一体‥‥」
「夢の内容からすると、どうやら狩りをしようという所だな。何の目的かはわからないが、どうやらこのまま放置しておくわけにも行かないらしい‥‥」
何故、今まで姿を見せず、眠りについていたのかは分からないが、何やらただ事では済みそうにない。そう考えた議長は、不安げなレオンに、こう指示を出した。
「キャメロットに使いを出せ。名目は‥‥そうだな、調査隊の募集で良い」
「かしこまりました」
深く頭を垂れる彼。
「だ、大丈夫でしょうか‥‥」
「キャメロットの冒険者達は、優秀な者ばかりだ。心配せず、ここで待っているといい」
同じ様に、心配な表情の村人に、議長は安心させるようにそう言う。
こうして、キャメロットギルドに、謎の遺跡調査隊の募集がかけられたのだった‥‥。
●リプレイ本文
「だー! もっと学問やっときゃよかったー!」
議長の下で詳しい話を聞いた後、自暴自棄めいた愚痴をこぼしながらユーディス・レクベル(ea0425)は、議長へ渡す報告書代わりの地図に、目印を叩きこんでいた。村は、最近出来た場所らしく、聞き込みの結果、それまでは畑仕事に関係なかったので、あまり近付かなかった事と、数日前からオークらしき唸り声が聞こえたとか言う話以外は、収穫と言うべき話は聞けなかった。
「まるで、迷宮みたい‥‥」
サーシャ・クライン(ea5021)がそう言う。幾重にも別れた狭い通路。その為、冒険者達は、前と後ろに前衛を任せられる者を、中ほどに後衛を配置して、ひと固まりになって進んでいた。
「一番前と言うのは、責任重大だな‥‥」
先頭を歩いていたイリス・ローエル(ea7416)が、そう言うと、名無野如月(ea1003)の従者が借りたランタンを掲げる。そこにあったのは、無残な動物達の死骸。
「酷いな。どのようにしたらこんな事に‥‥」
まるで、胸を食い破られたようなそれに、真幌葉京士郎(ea3190)が眉をしかめている。
「何か、わかったか?」
一方では、中央の台座に刻まれた紋章を、興味深そうに眺めていた常葉一花(ea1123)に、カオル・ヴァールハイト(ea3548)がそう声をかけた。
「あまりお金にはなりそうもないわね」
「そう言う問題ではないだろう。紋章に文字入り‥‥。読めそうか?」
お宝の前だと口調が変わる彼女に、カオルはそう言うと、シスイ・レイヤード(ea1314)に尋ねる。と、彼は消えかかった文字を指でなぞりながら、こう訳した。
「どうやら、生贄を示す紋章のようです‥‥」
「イケニエよりも、こっちのお宝の方が気になりますわ」
彼女の目に映ったのは、違う宝飾の施された、立派な卵型の紋章。
「触るな!」
イリスが、持っていた剣をしまい、触れようとした一花に、そう叫んだ。見れば、鋭い棘のようなモノが突き出している。
「何があるか分からない‥‥。むやみに触るのは‥‥危険だ」
「分かってるわよ。慎重に行けって事でしょ」
シスイのセリフに、そう答える一花。
「なんだ、怖いのか? よしよし。大丈夫だ。私がついている‥‥」
しがみついてくる従者を庇うカオル。その表情が、殺気を感じて緊張する‥‥。気付けば、じんわりと忍び寄る殺気。
「来たか‥‥」
取り囲むかのように、次々と顔を出すトカゲもどき。姿形は、レオンの夢に出てきた化け物とそっくりである。口の中に、もう1つ口があるところまで同じだ。値踏みされる視線の中で、カオルはオーラボディを唱えた。
「相手のフィールドで戦うのは、骨が折れるな‥‥。深追いはするなよ!」
「言われずとも分かっている。あの議長、とんだ食わせ物だな。面白くはあるが。剣魔のイリス参る!」
カオルの背中を守りながら、イリスがせまってきたトカゲもどきを、刀の錆びにする。跳ね上げた尻尾の毒が、彼女の剣を緑色に濡らした。
「敵はこれだけか?」
数分後、屍と化したトカゲもどきを見下ろして、ユーディスが呟く。と、京士郎が首を横に振る。見れば、その体躯は、1mそこそこ。まだ大人になっていない体躯に、ただの偵察の可能性があると。
「それがやられたとなると、奥の大きいのが出張ってくるかもしれん‥‥。急がなければならないな‥‥」
甚大な被害になる前に、見聞きした事を、議長へ報告した方が良さそうだと考えていた彼は、ユーディスの言葉に、そう答えるのだった。
「何か、殺風景な遺跡ねぇ。もう少し、お宝があると思ったんだけど」
罠にひっかかった教訓からか、反省したのか、一花は慎重な口調で、石造りの壁に刻まれたレリーフを眺めている。
「レオンの夢には、その様な高価なものは出てこなかったようだぞ」
「ちぃっ、残念☆」
それでも、お宝は諦めていなかったらしい。ティアラ・サリバン(ea6118)にそう言われ、あさっての方向に目をそらす彼女。
「何か書いてない?」
サーシャがと尋ねると、シスイは眉をひそめてこう言った。
「かすれて読めないな‥‥。昔から、周期的に使っていたようだが‥‥」
数字を示すレリーフは、目的はともかく、何年か毎に使われていたようだ。ところどころ、傷がついていたり、かすれていたりするのは、その為だろうと、シスイは告げる。
「でも、それじゃあ何故投棄されていたのかしら‥‥」
「途中で、不都合が生じたのだろう‥‥。ここから先には使われた形跡がない‥‥」
幾つか並んだ紋章に、傷が付けられている所を見ると、チェックポイントか何かの様だ。
「それが、崖崩れて表面に出てきた‥‥」
「って事は、あのオーク戦士3匹は、この遺跡の番人か何かって事なのかな‥‥」
カオルの言葉に、小首をかしげるエルドリエル・エヴァンス(ea5892)ことリエル。と、その後ろで、様子を見ていた京士郎が、己の刀に手をかけつつ、ゆっくりと振り返る‥‥。
「本人に聞けば良いだろう。そこに‥‥いるしなっ!」
通路の向こうに、戦槌を持った豚鼻の戦士の姿。数は3匹。彼らは、京士郎の両側へと別れると、その隣にいた一花へと襲い掛かる。
「きゃぁっ‥‥! なぁんてね!! 無防備だと思ったら大間違いよっ!!」
一瞬驚いた表情を見せる一花だったが、その腕に輝く剣が現れた。高速詠唱で呼び出されたクリスタルソードが、オーク戦士は、その戦槌で受け止め、闇に火花を散らす。
「どけ! 巻き込まれても知らんぞ!」
シスイの手から、ストームの魔法が飛んだ。
「ちょっとぉ! あたしを巻きこまないでよぉ!」
「うるさい。さくっと諦めろ!」
顔に似合わず、無茶を言う御仁である。ある程度の距離が開いた後、リエルがウォーターボムを打ち込んだ。
「あちゃー、全然聞いてない」
皮膚を僅かに傷つけただけ。その様子に、リエルは口を尖らした。
「聞くと見るとでは違うな。全力で掛からないと、難しそうだ‥‥」
悪い事は重なるもので、イリスが厳しい表情をした直後、耳慣れた効果音が聞こえてきた。
「このくそ忙しい時にっ!」
吹き飛ばされた扉の向こうから現れたのは、黒光りする体躯を持った、4本足のモンスター。偵察を受けてやってきた警備隊のようにも見える彼らは、遺跡をがりがりとその足で引っかきながら、冒険者たちへと突進してきた。
「あーあ。貴重な文化遺産を‥‥もったいない!」
「冗談こいてる場合じゃないよっ! ブタが来たぁ!」
残念そうにそう言う一花に、ユーディスがそう叫んだ。みれば、シスイに吹き飛ばされた筈のオーク戦士が、入れ替わりたち変わりと言った攻勢で、彼女達へと迫る。
「豚めが!! 焼き豚‥‥いや、豚刺しにしてくれる!!」
そう言いながら、如月はオークへと挑みかかる。
「ちょっと待て! オークの奴、トカゲを攻撃してるぞ‥‥!?」
ところが、様子を見守っていたイリスが、そう言った。見れば、彼らは四本足のモンスターへも、構わず戦槌を振り下ろしている。
「えぇん、だったらどうして、こっちにも攻撃してくるのよぉ!」
サーシャがウインドスラッシュを放ちながら、文句をつけた。どうやら、自分達は双方から敵だと認識されてしまって居るようだ。
「くっ、こう数が多いと‥‥っ」
彼女を庇っていたユーディスが口を尖らせる。だが、乱闘になった今では、広範囲魔法を撃つ事もままならない。
「いったん、向こうの部屋に 逃げ込むぞ! 体勢を立て直すんだ!」
京士郎が隣の部屋をさしてそう言う。その言葉に、一行は、次の間へと雪崩れ込むのだった。
「何とか全員いるようだな‥‥」
落ち着いた頃、京士郎はメンバーの人数を確認し、そう言った。
「しかし‥‥何故襲ってきたのだろう‥‥。もし、遺跡の番人なら、我々を襲う理由はないのに‥‥」
「もしかして、何か違う目的が‥‥」
首をかしげるカオルとイリス。と、リエルが必要以上ににこにこと笑いながら、一花へと近づいて来た。
「一花。今隠したのは、なぁに?」
「な、何かしら‥‥? 何でもないわよ☆」
ぎくり‥‥と言った風情で、あさっての方向を見る彼女。同じ様ににこやかーに微笑みながら、それまで持っていたダガーらしきものを、後ろ手へと隠す。
「こら! 見せなさい!」
「うわーん。そんなに怒らなくてもいいじゃないのよー」
怒鳴られて、口を尖らせながら、彼女は持っていたものを皆に見せた。さっきの戦闘のどさくさに紛れて、こっそり持ちかえろうとしたらしい。
「この紋章、壁についていたものと同じだな‥‥。それでか。私達を狙っていたのは‥‥」
シスイが、そのダガーらしきものを見て、そう解説した。柄の所には、ここに来るまでに何度か見た紋章と同じものが刻まれている。これが、オーク達を導いていたのだろう。
「ところで‥‥。ここは、どこじゃ?」
ティアラがそう言いながら、周囲を見回した。びっしりとレリーフが刻まれたそこは、まるで記録の間と言った風情を垣間見せる。
「これ、さっきのと同じじゃないか?」
そこに、生贄の間に刻まれた紋章と同じ者を見つけ、カオルがそう言った。それは、トカゲもどきの生態を描いたものらしく、卵を抱いた人間が、エビか蟹に似た生物に、寄生されているレリーフだ。名前は‥‥パラサイト。
「なるほど、それがあの死骸の理由か」
京士郎がそれを見て、先ほどの無残な死骸の死因を悟る。
「ねぇ。これ、何かの鍵かな‥‥。ここにも紋章がある‥‥」
その記録の間の中央に、ダガーと同じ紋章がついたくぼみを見つけ、サーシャがそう言った。少し視線を離せば、そのくぼみがある一体は、まるで大きな扉にも見える。
「って事は、この先に鎮座するのって‥‥」
「上級種か何かだろう。触らない方が良いぞ。手に負えない代物が出てきたら、全滅確定だしな」
リオンのセリフに、京士郎が慎重な姿勢を見せる。壁越しでもはっきりと分かる殺気。ここの調査が目的である以上、下手に封印を解いて、村を危険に晒すのは、得策ではないと。
「グルル‥‥」
そこへ、低い唸り声と共に、殺気が流れ込んでくる。どうやら、先ほどのオークが、追いついて来たらしい。パラサイト達よりも、よっぽど皮膚の頑丈な彼らを危惧し、ティアラがこう言った。
「一花! さっきのダガーを貸せ! 死にたいのか!?」
「わ、わかったわよー」
渋る一花だったが、仕方なさそうに、ダガーを渡す。
「何をするつもりだ?」
「我々は、ここへ調査に来ただけで、狩りの対象ではない事を教えるのだ。名づけて、敵の敵は味方作戦じゃ」
ユーディスの問いに、ティアラはそう答えている。
「なるほど、オーク達の目的があの敵の狩りなら、目標が居なくなれば狩りも終わり。撤退してくれるかもしれないしね」
「そう言う事なら、付き合うわ。取引失敗したら、盾がいないと困るでしょ」
リオンが頷くと、ユーディスがティアラの前に進み出た。もし、交渉が決裂したら、体を張ってでも彼女を逃がそうと言う心積もりらしい。
「待て待て。こいつは返す。双方とも武器を収めるがいい。我々は敵ではない」
そんな彼女に庇われながら、ティアラは唸り声を上げるオーク達に、テレパシーの魔法でそう言った。態度からオークの言いたい事をなんとなく予想は出来たが、念のためと言う奴である。
「あたしの名はティアラ・サリバン。お前さんたちは何者なのだ? それに、あの建物は何なのだ?」
オーク達は、始め警戒したように、顔を見合わせていたが、ややあってリーダーと思しき1匹が、テレパシーに応えて来た。
『ココハ、我ラ一族ガ、成人ノ儀式ニ使ウ場所‥‥。人間ハ、出テ行ケ‥‥』
「いやいや、そうしたいのは山々なのだが、なかなか厄介な敵がいるようだからな。一時的にでも手を組まぬか?」
どうやらカンタベリーのオーク達の間には、人間によく似た風習があるらしい。ティアラの申し出に、彼らはしばらく沈黙した後、こう言った。
『人間ト手ヲ組ムツモリハナイ‥‥。ダガ、我々ハ先ヲ急グ‥‥。後ハ知ラナイ‥‥』
冷たい口調だが、その戦鎚は、ティアラには向けられていない。彼らは、ゆっくりと冒険者達の中を進んで行く。そして、彼らの目の前で、ダガーを使って扉を開き、その向こうへと消えて行った。後に残されたのは、再び開かなくなった扉と、忍び寄るパラサイト達の殺気。
「つまり、こいつら片付けておけと言う事か。掃討したら、さっさと戻った方が良さそうだな。あのオーク達が、村を襲わないとは保障できん」
京士郎が、出来上がった地図を見ながらそう言った。出来上がったそれだけでも、充分議長への報告書代わりとなる。彼らが、刀を抜いた直後、パラサイト達が飛び掛ってきた。
「傷つけさせはしない!」
従者を庇うカオル。その背中で、如月が手に入れた大鎌を構える。
「ふふ‥‥。この大鎌、どれほどの切れ味か‥‥。試し斬りと、洒落込むか」
「天井、気を付けろよ!」
ユーディスが、ダガーを構えながらそう言った。
「構っていられるか! ちぇすとぉぉー!!」
だが、如月はいっこう気にせず、がりがりと石壁に傷を付けながら、それを振り下ろす。パラサイトの外骨格がそぎ落とされ、潰された肉が三枚に下ろされた。しかし、まだ無傷なパラサイトの動きは止まらない。
「皆下がれ! 魔法で引き離すぞ!」
「はいっ!」
合図と共に、シスイとサーシャがストームの魔法を放つ。それにあわせるように、リエルがアイスブリザードを放ち、ティアラがスリープをかけた。
「今のうちに!」
動きを止められたパラサイト達が、冒険者にバラされたのは、それからまもなくの事である。