【甲州街道】宿下がり

■ショートシナリオ


担当:姫野里美

対応レベル:9〜15lv

難易度:普通

成功報酬:5 G 94 C

参加人数:10人

サポート参加人数:7人

冒険期間:03月08日〜03月14日

リプレイ公開日:2006年03月13日

●オープニング

 物語は、冒険者の口ぞえにより、加護乃家の屋敷に泊まっていた娘さんより始まる。彼女は、加護乃姉弟の得意先である呉服問屋・渋谷屋(しぶたにや)で、下働きの女中として、奉公にあがる事になった。
「それでは、桜花さんとおっしゃるんですね?」
「はい〜。住処から奉公先まで世話していただいて、加護乃様には、頭があがりまへんわ」
 申し訳なさそうな表情で、主の地兵衛に話している娘さん‥‥名前を桜花(おうか)と言い、上方の出身らしい。
「そんな‥‥。困っている時には、お互い様ですもの。ねぇ?」
「ええ。聞けば、ご苦労をなさっているそうですし‥‥」
 同席していた加護乃姉弟に、「えろうすいまへんなぁ」と言っている彼女。なんでも、先の黄泉人の騒動で、家族がばらばらになってしまい、その一人が江戸に来ていると伝え聞いて、はるばる探しに来たらしい。まぁ、先立つものが入用なので、奉公しながら、探すと言う事になったのだが。
「旦那様、お手紙でございます」
 そこへ、他の奉公人が、地兵衛に手紙を持ってきた。上品に折りたたまれたそれには、何やら女性らしき字で、用件が書かれている。
「何かあったんどすぇ?」
 読んでいた地兵衛の表情が、にやついているのを見て、桜花さんがそう尋ねた。と、彼は加護乃姉弟にこう告げる。
「喜べ。お琴が宿下がりで帰ってくるそうだ」
「まぁ‥‥。確か、甲州のさるお屋敷へ、行儀見習いへ行っているとの事でしたけど‥‥」
 嬉しそうな表情が、小鳥嬢にも伝染した。お琴と言うのは、この渋谷屋の娘で、加護乃姉妹の幼友達である。それが、久方ぶりに実家へってくるそうだ。
「うむ。その主が、江戸屋敷で新しく学問所を開くので、ついでに親の顔を見てきなさいと言われた‥‥と書いてある」
 地兵衛さんの話では、行儀見習い兼奉公に上がっている、さる高貴な夫人が、江戸で新しくお役目を仰せつかり、そのお供をして江戸に戻ってくるらしい。
「それで、いつ到着するんですか?」
「ふむ‥‥それが、お供の人数が足りずに、難儀しているらしい。まぁ、あちらは男衆は鉱山へ働きに、女衆は町の警護に‥‥と、珍しい分担をしておるようだから、そう言う事もあるんだろうが‥‥」
 だが、それには1つ困り事もしるしてあった。何でも、警護の人数が足りず、中々出発出来ずにいるそうだ。何しろ相手は、高貴な身分の方なので、あれこれ狙われたりもする。良い警護役が見付からず、主も困っているから、心配だ‥‥と言った内容の手紙だったらしい。
「では、ギルドの方へお願いしたら良いのではないでしょうか」
「そうだな。普段、甲州のお館様には、何かとご贔屓になっているし。冒険者を雇うくらいなら、文句は言われないだろう」
 鶴之介の提案に、頷く地兵衛さん。呉服問屋と言う事もあり、織物の盛んな甲州とはそれなりの取引を行っている。それくらいの恩返しは、必要な出費だと。
「桜花さんや、早速だが使いに行ってくれ」
「へぇ、かしこまりました」
 頼まれた桜花さんは、そう言って頷き、ギルドへと向かうのだった。

 一方、実家からの手紙を受け取ったお琴はと言うと。
「御代様、実家の父から、文が届きましてございます。近いうちに、供の者を数人、江戸表から派遣してくれるそうでございますわ」
 御簾の向こうにいる女性に、実家からの申し出を、そう言って伝えていた。
「それは頼もしい。何しろ、道中は山の中。いつ山賊が出て来るか、わからぬゆえの」
「その時は、私が命に変えてもお守りいたしますわ。だって、御代様に傷がついたら、お館様が悲しみますもの」
 彼女達が話している御簾の上部には、武田家の紋所である割り菱が、蒔絵で施されている。
「ふふふ。気をつけるのじゃぞ」
「はーい」
 そんなお琴嬢を、まるで娘か妹を見守る声音で、忠告する御簾の君。

『とある高貴な方をお守りする為、警護の方を募集します』

 こうして、冒険者ギルドには、そんな依頼が載ったのだった。

●今回の参加者

 ea0673 ルシフェル・クライム(32歳・♂・神聖騎士・人間・神聖ローマ帝国)
 ea2037 エルリック・キスリング(29歳・♂・神聖騎士・人間・ノルマン王国)
 ea3167 鋼 蒼牙(30歳・♂・侍・人間・ジャパン)
 ea3484 ジィ・ジ(71歳・♂・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea3693 カイザード・フォーリア(37歳・♂・ナイト・人間・ビザンチン帝国)
 ea4927 リフィーティア・レリス(29歳・♂・ジプシー・人間・エジプト)
 ea6764 山下 剣清(45歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea8417 石動 悠一郎(35歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 eb0712 陸堂 明士郎(37歳・♂・侍・人間・ジャパン)
 eb1566 神剣 咲舞(40歳・♀・浪人・ジャイアント・ジャパン)

●サポート参加者

瀬戸 喪(ea0443)/ ゴールド・ストーム(ea3785)/ ピアレーチェ・ヴィヴァーチェ(ea7050)/ 神楽 香(ea8104)/ イワーノ・ホルメル(ea8903)/ 楼蘭 幻斗(eb1375)/ 紗夢 紅蘭(eb3467

●リプレイ本文

 ペット達を棲家や宿屋に残し、石和へと向かう冒険者。町では、立派な本陣へと案内されていた。
「ビザンツの騎士、カイザードと申します」
「はじめまして。焔の老格闘魔法使い、ジィ・ジでございます」
「この度、護衛をする事になりました。侍の鋼・蒼牙です」
 それぞれの出身国の礼儀作法に則り、挨拶を済ませる冒険者達。膝を付くものあれば、深々と頭を垂れる者もいる。
「どうやら、ジャパン式を教えてもらわないでも、大丈夫そうですね」
 エルリック・キスリング(ea2037)が、ノルマン流の礼儀作法でそう言った。そんな彼らに、御簾の向こうからその夫人は、こう言う。
「遠いところをよう参られた。我らはお天道様に顔向けできぬような事をしているわけではない。大げさな行列はどうかと思うが、さりとてこそこそと隠れねばならぬ道理はない」
 自信ありげにそう話す夫人に「かしこまりました」と答えるジィ・ジ(ea3484)。
「中々しっかりした考えの御仁のようだな。貴人と聞いていたが‥‥」
「ま、名を出せぬ依頼人など冒険者ギルドでは珍しくもないし」
 後ろでその様子を見ていたルシフェル・クライム(ea0673)と石動悠一郎(ea8417)が、そう話す。と、お琴嬢は、その台詞に、きょとんとした表情で、町場の娘らしさを覗かせる。
「おとんってば、余計な見栄張るんだから‥‥。御代様、御簾を上げてもよろしゅうございますか?」
「構わぬ。方々らも、わらわの顔を存ぜぬまま護衛をするは、辛かろう」
 彼女が頷くと、垂れ下がっていた御簾がするすると開き、その向こうに、年の頃なら20代後半くらいの、妙齢の美女が姿を見せた。
「甲斐の国領主が正室、三条の方様にございます」
「この時期に、甲府からこの様な地位の御方が江戸に来ると言うのも、気になるな。真の狙いは、源徳候との接触‥‥? いや、考え過ぎか‥‥」
 その一方で、彼女達の真の狙いが、別にあると考える陸堂明士郎(eb0712)。
「いずれにせよ、正室殿の護衛とは、名誉な御仕事ですし。大事に成らぬ様、精一杯頑張りますわ」
 同じ年頃に見える神剣咲舞(eb1566)に言われ、お琴嬢は深々と頭を垂れるのだった。

 亀の甲より年の功とは良く言ったもので、ジィの発案で、先行偵察班3名と、三条様護衛班7名に分かれて行動する事になった。
「猟師の話では、この辺りには熊も多いそうだ。まぁ、我等に取ってはどうと言う事もないだろうが」
 お琴嬢から、宿泊予定の宿や、予定通路の詳細を聞いた隆堂曰く、地元の村人が獣狩りの罠を仕掛けるあたりなら、人間が潜むくらい、朝飯前だとの事。
「こう見ていると、怪しいと言えば全て怪しく見える‥‥」
 ルシフェルが、切り立った崖や、深い森を見回して、そう言った。イギリスとはだいぶ様相の違う山間部は、潜もうと思えば、どこにでも潜めるように見える。
「峠山道なんかは、山賊が潜んでると思って動いたほうがよいだろうな。襲撃するには格好の場であるわけであるし」
「それこそ山ほどあるんだが」
 頭を抱えそうな石動。大きな峠だけではない。小さな峠も含めれば、それこそ二桁だ。と、そこへ追い討ちをかけるかのように、隆堂がこう言う。
「注意すべきは、山賊ばかりではないと思うぞ。話によれば、側室に狙われているそうだし‥‥。それに、先日の九尾の残党がいないとも限らないからな」
 まぁ、いくら数が多いとは言え、その1つ1つを見て回るのが、斥候の役目と言うもの。とりあえずルシフェルは、一町程先の小高い丘めいた峠に目をこらす。
「相手は、猟師の類じゃない。と言う事は‥‥」
 石動が目をつけたのは、その手前にある切通しだ。狙撃をするのならば、弓辺りが適当だろう。逃走経路を考えると、どこか高い場所が適当だ。近所の茶屋で聞いた話でも、山賊達は、崖の上からまず弓を射かけ、牽制してから襲うと言った場合が多いと言っていた。
「いる‥‥。相手は10人か‥‥」
 と、警戒していた隆堂が、崖の上の気配へと気付く‥‥。他の2人がはっと顔を上げると、確かに藪の中から、こちらをうかがっている人影。
「やれそうか?」
「1人3殺はちょっと厳しいな」
 石動の問いに、首を横に振るルシフェル。彼とて、気配の察知が出来ないわけではない。しかし、技量で上回る隆堂のみが気付いたとなると、その力量も推し量れると言うもの。
「ならば、退かせるまで!」
 かなり離れた場所にいる襲撃者達に向けて、石動がソニックブームを放つ。衝撃波が炸裂し、にわかに騒がしくなる崖の上。
「我、死に挑みし修羅‥‥寄らば斬る!」
 そこへ、警告を放つように隆堂がそう言った。偵察組が、自分達と同じ力量を持ち得ていると悟ったのか、彼らの間から、「‥‥退け」と命ずる声がする。
「今のが囮と言う可能性もある。早く本隊に合流せねば」
「偵察班が分かれるのは、得策じゃないしな」
 隆堂の台詞に頷く石動。と、そこへ愛馬ライトニング号にまたがったエルリックが、様子を見に来る。
「大丈夫ですか? 何か剣戟の音が聞こえましたけど」
「賊の正体は、どうやら化け物の類ではないようだ。人が潜めそうな場所に、気を付けられたしと伝えてくれ」
 頷くエルリック。緊張の時間は、江戸に到着するまで続きそうだった。

 一方、本隊は。
「今の時勢だ‥‥。山賊とかに気をつけておかないとな」
 危機感を抱いているらしい山下剣清(ea6764)。と、そんな彼に、リフィーティア・レリス(ea4927)がこうこぼす。
「しかし‥‥この籠が目立つのもあるだろうけど、俺みたいな冒険者が居ると、余計に目立つよなぁ‥‥」
 彼が指摘した通り、蒔絵の施された籠は、ただでさえ立派過ぎて、こう言った山の中では、違和感が先走っている。
「‥‥うん、それにしても眩しいな。色んな意味で」
 おまけに、周囲には女性陣が多い。きらびやかで雅やかなのは良いけど‥‥と、目を細める鋼蒼牙(ea3167)。
「お琴さんか‥‥。久しぶりの家族との再会だ、楽しみだろうな」
 その1人、今回の護衛対象であるお琴嬢を見て、そう呟く剣清。が、当の本人は、退屈そうにあくびを噛み殺していたり。
「ヒマそうだな。だったら、話相手にはなるけど?」
 緊張感を維持する事に慣れていないのだろう。そう思った鋼、良い機会だとばかりに、そう話しかける。
「朝からずっと歩き詰めですから、ここらで一服しましょうか。知り合いから、良い茶葉を貰いましたので。茶器もございますしね」
 良いのかしら‥‥とためらうお琴嬢に、側仕えの様に警備へ紛れていた咲舞がそう言った。流石に野点と言うわけには行かないので、手に入れたばかりの高級茶器『黄鳳飛翔』は使えないかもしれないが、湯を沸かして飲み物を造るくらいなら、造作もないことだろう。
「構わぬよ。冒険者の点てる茶。わらわも飲んで見たいものゆえ」
 三条夫人も、興味があるらしく、あっさりと許可を出す。
「茶はいいけど、目的を忘れないようにしないとな。山賊退治ではなく護衛という事を」
「わかってますわ。力丸、何かあったら知らせてね」
 休憩中の見張りは、咲舞の愛犬のようだ。
「えーと、妖狐の件があらかた片付いたとはいえ、世には山賊もまだまだ居て、中々大変な事になりそうですねぇ」
「ええ。なので、今度学問所を設けて、人々が身を守る術を身に付けてもらおうと思っておりますの。まだ、本決まりではないのですけど」
 話題は、昨今の情勢について。鋼の感想に、お琴は江戸へ向かう目的を話してくれる。
「その為に、三条様は江戸へ?」
「はい。諏訪の方様は、追い出したと思っておられるようですけど、我らはきちんと目的を持って、江戸へ向かっているのですわ」
 領主にも許可を取っての出立らしい。その甲斐領主の話を聞いたカイザード・フォーリア(ea3693)は、茶を飲みながら、ぼそりと呟く。
「甲斐武田。今の時期の遠征は協力とあるか。それとも‥‥」
「お屋形様は、そのあたりは何も仰いませんのー」
 難しい政事の話は、良くわかっていないらしい。困った顔を見せる彼女に、鋼が釘を刺す。
「ほらほら、お琴さん嫌がってるだろ」
「すまん、野暮だったな」
 素直に謝るカイザード。と、その時力丸が吠え始めた。
「山賊か‥‥。俺が相手になろう」
 そう言って、愛刀に手をかける剣清。その間、力丸はお琴さんの側だ。
「夢想流の極意‥‥受けてみるか?」
 剣清の使おうとする技は、ブラインドアタック。それは、鞘に収めていてこそ真価を発揮するもの。だが、その姿を見た相手は。
「仕掛けてこない? どう言う事だ‥‥」
 怪訝そうに首を傾げる剣清。賊は、一行を見下ろすように姿を見せた後、再び山の中へと引き返していく。
「機会を狙っていると言う事だろう。やはり、ただの山賊ではなさそうだな」
 カイザードの説明に、納得した表情を見せる一行だった。

 さて、翌日。
「おはようございます。夕べは良くお休みなれましたか?」
「はい。咲舞様が詰めていてくれたおかげですわ」
 朝、目を覚ましたお琴は、隣で一睡もしていなかったらしい咲舞の姿を見て驚く。こうして、一行は準備を整え、出立したのだが。
「この先は峠が続く。賊が襲うには、格好の場所だ」
「斥候組もそう言っていたな‥‥。では、こいつを使うとするか‥‥」
 カイザードが、先行組からの連絡に、そう警告する。と、ジィはブレスセンサーのスクロールを広げた。
「出てこないに越した事はないんだがな‥‥」
「そうも言っていられないようだぞ」
 リフィーティアが祈るように言うものの、ジィのブレスセンサーは、近くに息のある者が潜んでいる事を告げている。
「襲撃者か」
「そのようだ。視界を奪うぞ」
 頷いたジィはミストフィールドのスクロールを広げた。程なくして、辺りに霧が立ち込める。まるで幽谷の深山めいた光景になっていく周囲。
「連絡用の精霊魔法は‥‥」
「無理じゃな。敵に居場所を知らせる事になる。皆、籠から離れず、素早く通過するんだ!」
 エルリックの台詞に、首を横に振るジィ。それ以前に、連絡に使えるような炎の魔法は、持ち合わせては居ない。その代わりに、彼は持っていた呼子を取り出す。
「簡単に言ってくれるぜ。お琴さん、こっちだ!」
 ジィが呼子で偵察組を呼び寄せる中、鋼はオーラエリベイションを唱え、お琴嬢の手を引く。 
「なるべく体勢を低くしてください!」
「三条様、こちらへっ」
 それなりに訓練は受けているのだろう。小太刀を手に、まずは主を逃がそうとする彼女。
「えぇーい、このお方をどなたと‥‥分かってるから襲ってきてるのか」
 お約束の台詞を言って見る鋼だが、相手が弓の手を緩めない所を見ると、あえて三条夫人を狙っているようだ。仕方なく、彼はオーラショットでその射手を狙う。目的はこちらへ近づけさせない為の牽制なので、大した威力はなかったが。
「これだけの人数‥‥。誰か指揮を取っている奴がいるはずだ‥‥。どいつだ!?」
「今は襲撃を退ける方が先です!」
 指揮官を探すカイザードに、そう言う咲舞。彼女のシールドソードは、弓の間を縫うようにして切りかかってきた刀を、剣のシールド部分で、外側へ逸らす。そして、そのまま相手の勢いを利用して、左腕の剣できり払っていた。
「いた‥‥! あれだ!」
 1人、馬で高所の視点を確保していたカイザードは、弓部隊の奥で、頭巾を被っている男に気付いた。身なりが一段階上な所を見ると、彼がリーダーだろう。
「遠いな‥‥。届くか!?」
 フェイントアタックで、相手の剣を退けていたレフィに、カイザードはそう尋ねた。と、彼は返事の代わりに、サンレーザーの魔法を唱える。直後、陽光の矢は、敵指揮官に間違いなく命中していた。
「待て!」
 そこへ、先行していた偵察班がかけつける。
「出来るだけ夫人から引き離せ」
「そのつもりぞ!」
 石動がソニックブームで牽制し、打ちかかってきた相手を、隆堂が蹴散らしていく。劣勢を知った相手が、笛を吹いた。と、襲撃者達はそれ以上の攻撃を止め、即座に引き上げていった。
「どうやら、間に合ったようだな。怪我はないか?」
 ルシフェルの問いに頷く三条夫人。こうして、冒険者達は、無事渋谷屋まで送り届けるのだった。