少女救出大作戦
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■ショートシナリオ&プロモート
担当:HINA
対応レベル:1〜5lv
難易度:易しい
成功報酬:0 G 65 C
参加人数:4人
サポート参加人数:-人
冒険期間:09月22日〜09月27日
リプレイ公開日:2008年09月30日
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●オープニング
冒険者たちが賑わっている夜の冒険者ギルド。
「どうか助けてください」
若い夫婦と見受けられる男女が冒険者ギルドに転がり込むようにやってきた。
「今朝、キャメロットのはずれの森の入口で娘を遊ばせていたら、目を離した隙にいなくなってしまって・・・」
母親と思しき女性が泣き崩れる。泣き崩れた母親を父親が抱きかかえている。
少女を見失ってから、夫婦で森の入り口付近を探し回ったが、見つからず、冒険者ギルドに来たようだ。
少女は森へ迷い込んだと思われる。
その森は山賊たちが荒らしているという噂で有名だ。
少女の名前はミーヤ。金色に輝く美しい長髪の幼い少女だという。年齢はまだ六歳。
食料さえ持たぬまま、森へ迷い込んでしまったなら、できるだけ早いうちに探し出さなければならない。
時間が経つにつれ、少女の命に危険が及ぶ可能性が高まることも容易に想像できる。
「冒険者さま、どうぞよろしくお願いします」
若い夫婦は深々と頭を下げた。
●リプレイ本文
依頼を受けた四人はまずミーヤの家を訪れた。
ネフティス・ネト・アメン(ea2834)はミーヤの両親から、いなくなった当初の服装を聞き出す。
「青いドレスを着ていました。何も持っていなかったと思います」
「ミーヤちゃんの服とお気に入りの人形などを貸してもらえませんか」
ネフティスはミーヤの寝巻きといつもベッドで抱いて寝るという人形を両親から借りた。借りたものの匂いをペットのペフティに嗅がせた。
「どうかよろしくお願いします」
ミーヤの両親はすがるような目で四人を見つめた。
「お母さんがこれだけ綺麗なら、ミーヤちゃんもさぞかし可愛いでしょうね」
セイヴァー・アトミック(ec5497)が、空気を全く読んでいない発言をした。
ネフティスから、肘鉄をくらうセイヴァー。
「さあ、急ぐわよ、ネティ」
張り切って、森へ急ぐテティニス・ネト・アメン(ec0212)。
ネフティスとテティニスは血はつながっていないが、深い絆で結ばれている姉妹なのだ。
○夜の森
森の入口へと四人が辿り着くと、マロース・フィリオネル(ec3138)が、グリーンワードで森の植物たちに早速話しかけた。
「金髪の青いドレスを着た少女は通った?」
「青いのは見た」
森の植物たちが答える。
ネフティスのペットであるペフティがミーヤの匂いに反応したようだ。
ここの森は比較的小さな森なので、森の奥といっても、そんなには遠くはないだろう。
ペフティがミーヤの匂いを嗅ぎつつ、前へ前へと進んでいく。
辺りは暗いので、テティニスがランタンを点灯した。
「私は太陽の神に仕える占い師。日の出を待った方が戦いに有利なことは違いないわ」
ネフティスが山賊との戦いを考えたうえでの方向性を打ち出した。
「妹のネティが言うとおりにしたかもいいかもしらないわね。私も日があったほうが有利だわ」
テティがネフティスの意見に賛成した。
「私はあなた方に任せます」
セイヴァーが、小さな声で答えた。
「とりあえず、ミーヤちゃんと山賊の居場所だけは夜のうちに確認しておきましょう」
マロースが猟師スキルに含まれる土地感「森林」を駆使し、迷わぬようにペフティの後をついていく。
「どうやらこっちのほうですね」
セイヴァーが怯えた声を出す。
ペフティが反応した方向へ向かうと、山賊たちが灯しているであろう明かりが見えた。
山賊たちはテントをはって、見張り役らしき者たちがそのテントの周りをうろついている。
「場所は確認できたわ。日の出を待ってミーヤちゃんを奪い返すわ。目的は討伐じゃないことはみんな分かっているかしら」
テティニスが三人に確認すると、三人は山賊達がいる方向を見ながら頷く。
四人は山賊から見つからない場所に移動した。
「それでは、ここで待機しましょう」
マロースが提案した。
「女の人三人にも囲まれて寝るなんて、幸せですね」
セイヴァーの発言により、セイヴァーは少し離れたところで寝ることを余儀なくされた。
四人は休みつつも、日の出を待った。
○日の出
「それでは、行きましょ。みなさん」
ネフティスが日の出を確認し、皆へ声をかけた。
山賊達はテントで休んでいるようだ。テントの周りに見張りが二人いる。
「みんな、目を伏せて」
ネフティスが叫んだ。テティニスがダズリングアーマーを使い、山賊のなかへ突入していく。
山賊たちはその眩い光に目をとらわれている。
異変に気づいた山賊たちがどんどんテントから出てくる。
その隙にテティニスがインビジブルで透明化し、山賊たちのテントの中へ入って、ミーヤを確認した。
マロースがコアギュレイトを高速詠唱し、ミーヤを押さえている山賊を拘束する。
セイヴァーは木の陰でおろおろしている。
テティニスはミーヤを保護すると、掠めるような揮う刃であるシュライクで山賊たちを脅した。山賊たちは怯え上がっている。それほど強くない山賊なのだろう。人数も両手で数えられるぐらいの人数しかいなかった。
四人は立ち去るようにミーヤを連れ出し、森から出てきた。マロースは森から街へ帰る途中に、ミーヤにそっとメンタルリカバーとリカバーをかけて、心身の傷を癒した。
これで、ミーヤは山賊たちに連れ去られた怖い記憶が癒されることだろう。
○再会
街の入口で、ミーヤの両親が待っていた。どうやら明け方からずっと冒険者たちが戻ってくるのを待っていたらしく、その顔には疲れが見えたが、ミーヤの存在を確認した途端、今までにない明るい表情になった。
「ミーヤ」
「ママー、パパー」
涙ぐんでミーヤを抱きしめる母親。
「もしよろしければ、ミーヤちゃんを僕のお嫁さんにくれませんか」
セイヴァーが馬鹿げたことを言い出すので、今度はマロースの肘鉄をくらう。
「本当にどうもありがとうございました」
ミーヤの父親が四人に深々と頭を下げた。
「ミーヤもお礼を言いなさい」
母親から言われると、ミーヤは
「お姉ちゃんたち、ありがとう」
と、可愛らしい声でにっこりと笑った。
そんな笑みを浮かべられると、冒険者冥利につきると言ってよいだろう。
「ミーヤちゃん、いい女になるんですよ」
何度も口説いているセイヴァーを放っておき、他の三人は解散した。