【ラン動乱】フォーモリア分国・１０月期
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■ショートシナリオ担当：一乃瀬守 対応レベル：8〜14ｌｖ 難易度：難しい 成功報酬：7 G 96 C 参加人数：4人 サポート参加人数：-人 冒険期間：10月16日〜10月27日 リプレイ公開日：2008年10月25日 |
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●オープニング
──現在のできごとウィルゴーレム工房は大忙しである。
大破したイーグルドラグーンの修復が間に合わなかったため、アーレン艦長は新型機の配備申請を行ない、ロールアウトしたばかりのイーグルドラグーンを再び特務艦グリフィンに搭載。
後日、修復の終ったイーグルドラグーンと合わせて、グリフィンの搭載機はドラグーンが２機となるらしい。
「ち、ちょっと待ってくださいアーレン艦長、その機体はまだロールアウトしたばかりでして」
「構わん。最終調整なら移動中に行う。それでいいな？ よし、メカニック、イーグルドラグーンをグリフィンに！！」
「いえ、そういうことではありません。新型機の配備となりますと、各空戦騎士団でも喉から手が出るほど欲しいというのが実状です‥‥それをいきなり横から‥‥」
と工房員が告げたとき、アーレン艦長が一枚の申請書を見せる。
「オーブル工房長の署名もある。国内でお飾りになっているよりは、より実戦でデータを積んでこいという話もある。いいな！！」
と告げて、アーレン艦長はズカズカとその場から退散。
「そんなぁ‥‥オーブル工房長、こっちにもその報告くださいよぉ‥‥」
あー、忙しいんだってさ。
──場所は変わってグリフィン・ブリーフィングルーム
その場にはグリフィンの各ブロック責任者及びランからやってきた空戦騎士団の伝令が席に着いている。
「現在のフォーモリアですが、都市周辺部の制圧は完了しています。残りは都市部及び港湾使節です。港の部分については敵戦力が集中している為、今回も都市部についての制圧任務を宜しく御願いしたいと、ステイン騎士団長からの報告がありました」
そう告げる伝令。
「ふむ。特務艦グリフィンは都市部の制圧に入ればいいのだな？」
「はい。都市部には敵ゴーレムが各所に点在している為、それらの制圧を御願いしたいと‥‥」
「判った。詳しい敵の戦力については、後程提出してくれ。通信兵、ギルドと騎士団に通達、これより１２０時間後、特務艦グリフィンは作戦行動に入ると‥‥」
フロートシップ『グリフィン』搭載戦力
ゴーレムグライダーは今回搭載せず。
・イーグルドラグーン（新型・未調整機体）
（装備としてロングソード、ハルバード、ラージシールド、デスサイズ（死神の鎌）を搭載）
・キャペルス×１（装備は同上）
・グラシュテ×２（装備は同上）
・炎の精霊砲×１（船首搭載）
●今回の参加者
ea3486 オラース・カノーヴァ（31歳・♂・鎧騎士・人間・ノルマン王国）eb4213 ライナス・フェンラン（45歳・♂・鎧騎士・人間・アトランティス）
eb4271 市川 敬輔（39歳・♂・天界人・人間・天界（地球））
eb4288 加藤 瑠璃（33歳・♀・鎧騎士・人間・天界（地球））
●リプレイ本文
●シティファイト──フォーモリア分国東方港町・その郊外
静かに地図を眺める。
ここは特務艦グリフィンのブリーフィングルーム。
その中で、一行は今回の作戦の為に地図を眺めていた。
「偵察部隊に確認してもらった限りでは、敵のゴーレムの配置はこことここ、そしてこの印の付いている場所に集中しています」
そう告げつつ、ライナス・フェンラン（eb4213）は地図の上にある印を一つ一つ指で指し示す。
「この二つは港の倉庫区画ですね。おそらくは彼等の必要物資が納められているのでしょう？ ここには？」
と加藤瑠璃（eb4288）がライナスに問い掛ける。
「アイアンタイプが４機だな、マーク一つに２機と考えてくれ」
その言葉に納得する瑠璃。
「こっちはなんだ？？」
とオラース・カノーヴァ（ea3486）が問い掛ける。
「そこはこの街の名士や町長の住居があつまっている区画だ。マークは６つ、全部で１２機」
「随分と多いな。本部隊からの援護は？」
ライナスの報告を受けて、市川敬輔（eb4271）がそう艦長であるアーレン・フィルマーに問い掛ける。
「陸戦型アザレアが２機と、鬼殺し１号が１２機、それがシティファィトに参入してくれる」
「了解。ではオラースさんの作戦通りに、ツーマンセルで戦えばいいのですね？」
そう告げる瑠璃に、静かに肯くライナス。
「ああ、それと敵のゴーへレムなんだが、ここのとここ、そしてこれとこれ、この４つは移動して町の中を偵察している。といっても、定期的に起動しているだけで、普段は港のフロートシップの側に置いてある。まあ、そこまでいっきに向かうのは難しいから、街の中の街道の大きさからいって、敵となるのは１２機だけになる。急いで倒さないと、さらに８機＋倉庫の４機が援軍として駆けつける‥‥その事態だけはさけるように」
と告げて、ライナスは静かに会話を終える。
「では、各員作戦準備にはいれ！！」
というアーレン艦長の号令で、メンバー全員が一斉にブリーフィングルームから出ていった。
●作戦開始
──市街地
港町から出た街道ぞい。
そのずっと奥の山間にフロートシップを止めると、そこからゆっくりとゴーレムは移動を開始。
目的の場所に向かうまではさすがに時間がかかるので、ある程度の場所まで移動すると、その日はそこで休息に入る。
そして翌朝、街道から真っ直ぐに都市部に突入すると、ゴーレムは敵をさがして移動を開始した。
──オラース＆ライナスチーム
真っ直ぐに居住区画へと向かう。
都市部の建物の高さは大体ゴーレムと同じか、それよりも高い。
ただし、それよりも大きいアザレアの頭が、ときおり煙突の影からヒョコヒョコと見えている。
もっとも、建物の間に入ってしまえば、遠くを見るのは不可能な為、街道や道沿いに見えるものがすべてである。
──ズシィィィンズシィィィン
足音をたてて、グラシュテが２機建物の影に入る。
街道がぶつかる場所ではうまく隠れ、そのまま一気に飛込めるように体勢を取る。
そんな動きをしつつ、地図にあった場所まで移動するオラースとライナス。
『この先の角を曲がると、その正面に４機。どうする？』
『うまく１機だけ引き付ける。まあ、この道幅なら、相手も２機ぐらいしか戦えないだろう？ ４機ではこれない』
『了解。ならそう動く』
と通信を終えると、まずはライナスが先に移動、そのまま十字路を飛び出してまず敵を４機確認。
そのうちの２機がライナスの方に向かってくるのを確認すると、素早く後退を開始、そしてオラースの元に合流すると、ゆっくりとラージシールドとロングソードを身構えた。
──ガギィィィィィン
突然始まった戦闘。
敵のゴーレムが素早くフレイルを振りかざすが、その一撃をライナスはシールドで受止める。
「ふう。意外と馴染んできたな、この機体も‥‥」
そう呟くと、ライナスはそのままカウンターのタイミングでロングソードを叩き込む。
──どごぉぉぉぉぉっ
その一撃は直撃。
敵ゴーレムはそのまま少し後退したが、すかさずライナスは間合を詰めて追撃を開始！！
「思ったよりも反応がいい。整備員に感謝だな‥‥」
──ガギガギガギィィィィン
そのまま連続で３撃を叩き込むと、敵アザレアは後方に大きく倒れる。
「そこまでだな‥‥」
そう呟きつつ、ライナスは制御胞に向かって剣を指し示す。
「出てきな。命は取らない」
その言葉に敵鎧騎士は従うそぶりを見せない。
そのまま身動きせずに、その場でじっとしている。
「制御胞に籠城か‥‥それなら覚悟してくれ」
──ガギィィィィツ
制御胞のあるハッチに向かって、力一杯一撃を叩き込む。
その一撃で、制御胞が大きくゆがむ。
中に載っている鎧騎士も、その一撃では無事である筈がなかった‥‥。
──一方のオラース
「反応が‥‥悪い」
そう叫びつつ、オラースが必死にロングードを振るう。
だが、それらはことごとく外れ、さらにカウンターでオラースの機体があちこちゆがみはじめていた。
「ゴーレムは中に載っている鎧騎士の動きをトレースするもの。だが、この機体は俺の動きをトレースできていない‥‥」
そう告げるオラース。
実際には、オラースがまだゴーレムの操縦に慣れていないだけであるが、体感としてはまあオラースの言うとおりである。
それゆえに、このギャップが乗り手の命を縮める結果にも繋がっていく。
──ガギィィィィィィン
下段から打ち上げられたフレイルの一撃で、オーラースのグラシュテの制御胞ハッチが吹っ飛ぶ。
「しまった！！」
そう叫んだ刹那、敵がソードを構えて突撃してくる。
「躱わせるかっ！！」
いや、それが無理と判断したオラースは寸前で敵の一撃を見切ろうと判断、さらにそこからのカウンターアタックに繋げたのだが。
──ドシュッ！！
敵の一撃は深々と制御胞に突き刺さった。
だが、オラースの体には命中せず、機体をうまく捻って制御胞の内部側面に直撃させていた。
それと同時にオラースも一撃を叩き込んでいるが、それは寸前で躱わされてしまう。
「相手が悪かったのか‥‥」
そう告げると同時に、敵の機体が大きく揺れて、後方に崩れていく。
「遅くなった‥‥」
そうライナスからの報告を受けると、オラースはようやく生きた心地がしてきた。
「ああ、全くだ‥‥だがいいフォローだ。ありがとうよ」
そのまま体勢を取り直すと、再び敵を探しに動くオラースとライナスであった。
──市川＆瑠璃チーム
ドラグーンの大きさが的にははっきりと見えている。
すでに囮として機能している瑠璃のドラグーン目掛けて、敵ゴーレムが次々とやってくる。
「数が多すぎるわ」
「だな。けれど、いい感じの囮だ」
そう告げつつ、市川は街道の中央でシールドとロングソードを構えている。
その後方では、背中合わせのイーグルドラグーンが待機している。
そして市川の視界には、イーグルドラグーンを目当てにやってきた敵のゴーレムが１機、街道の真ん中に突然姿を表わしていたのである。
──ガッギィィィィィィィィィィィィィィィィン
その刹那、市川は素早くロングソードを２撃叩き込む。
それらは直撃したものの、まだ致命傷には至っていない。
「援護します！！」
そう瑠璃が叫ぶが、その瑠璃の目の前には２機の敵ゴーレムが立ちはだかっていた。
「邪魔をしないでください！！ 殺したくないのです！！」
そう叫びつつ、瑠璃も手にしたロングソードを構える。
──バギバギバギィィィィィッ
そのまま神速の３連撃を叩き込むと、さらに別の機体に向かって身構えた。
「貴方もやられたければ掛かってきなさい！！ それとも騎士らしく一騎打ちを所望しますか？」
そう挑発する瑠璃。
だが、一騎打ちにはならず、ただひたすらゴーレム同士の激しい打ち合いが続いていた。
●そして
──フォーモリア分国東方・港町
夕方。
日が沈む頃には戦いは集結していた。
敵ゴーレムは途中で勝てないと判ると港に向かって移動、そこでフロートシップと共に脱出していた。
追撃していたラン空戦騎士団によって、敵フロートシップのうち１隻は大破。それでも残ったフロートシップとゴーレムシップは、そのままランの沖合に移動、そのまま霧と共に姿を消してしまっていた。
港町の解放に成功したものの、敵の本部隊にまではダメージを与えられない。
それでもこの日、特務艦グリフィンは凱旋ムードで王都ダーナへと帰還していった。
──Ｆｉｎ
