村と子供達のために
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■ショートシナリオ
担当:神楽
対応レベル:1〜5lv
難易度:普通
成功報酬:1 G 35 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:07月17日〜07月22日
リプレイ公開日:2005年07月29日
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●オープニング
冒険者ギルドにやってきたのは日に焼けた体格のいい壮年の男だった。
「どうも、依頼をするのはこちらでいいのかな?」
男がそう尋ねるとギルドの親父は頷いた。
「では、山賊の退治を依頼したい」
単刀直入に用件を言う男。
詳しく話を聞いてみると男は近くの村の代表としてきたらしい、最近村の近くの森にある洞窟に山賊が棲みついたらしい。
森に狩りに入った村の若者が襲われ、その後も森に入っていった村人達が次々襲われて、一度、村人達で退治しようとしたが敵わなかったらしい。
山賊は少なくとも八人以上で、中には魔法を使う奴もという。
「森の恵みは村のとって大事なものなんだ。それに村の子供達の遊び場でもあり森の中を流れる川で泳ぐのを楽しみにしている。
今は森に行かないよう言ってあるが、いつ村を抜け出し森に入っていってしまうか‥‥」
村の食料も少なくなり、子供達も楽しみにしていた川へ行けず寂しい思いをしている。このままではどうしようもないと思い、こうして依頼しに来たとのこと。
「まだ、奴らは村へ直接は来ていないがいつ来るか分からん。なるべく早く退治してほしい」
男は深々と頭を下げた。
●リプレイ本文
ある晴れた朝、小さな村にある一軒家に冒険者達の姿があった。
「よく来てくれた」
そう言いながら冒険者達に飲み物を出しているのは依頼人である壮年の日に焼けた体格のいい男だ。
「早速ですがもう一度山賊についてわかっていることなどを教えてもらえますか?」
リースフィア・エルスリード(eb2745)を飲み物を受け取りながら質問する。
「山賊についてか? 人数は俺らが戦った時は八人だったな。体格がいい奴が一人に魔法を使う奴が一人いたな。ああ、あといきなり動きづらくなったのが魔法だと思う」
男は先日の戦いを思い出しながら答える。
「では、洞窟のある森について教えていただけますか?」
ヴァレリア・ロスフィールド(eb2435)が続けて聞く。
「あの森はあまりそんなに深くなくてな、結構明るいんだ。それで、洞窟は森の中心辺りにあってな、道筋は‥‥この村から西に真っ直ぐ向かうと獣道があるからそれを辿れば着く」
男がそう答えると冒険者達は席を立つ。
「どうかよろしく頼む」
男は冒険者達にそう言うと頭をさげた。
村を出て男から聞いたように西に真っ直ぐ向かうと森が見えてきた。
倉城響(ea1466)は皆の先頭で目を凝らし耳を澄ませ、罠を警戒しつつ進んでいく。
小一時間ほどすると開けたところが見え、洞窟も見えてきた。入り口には山賊らしき男が二人だるそうに立っている。
冒険者達は事前に決めていた作戦通りに近づいていく。その姿に入り口にいた内の一人が気付き洞窟の奥に入っていく。
冒険者達が洞窟の前に着くのとほぼ同時に洞窟の奥からぞろぞろ山賊たちが出てきた。その数10名、スタッフを持った者の姿も確認できる。
「あらあら、山賊さん登場ですねぇ〜♪」
メイリア・インフェルノ(eb0276)が微笑みながら言い、その後ろでリア・サーシャ(eb2971)がシヴァ・ブラッディロード(eb2669)と手を繋ぎつつそののんびりとした口調に苦笑している。
「おう、お前等何のようだ?」
山賊たちの中で一際体格がよく、雰囲気の違う男が聞く。どうやらこの男が親分らしい。
「山賊は重大な犯罪です! しかし、大人しく降伏すれば温情が期待できますよ!?」
リースフィアが山賊たちに向かい言い放つ。
「行き成り何言うかと思えば俺等とやるつもりか? 女子供で何ができるってんだ」
親分は冒険者達を見回すと馬鹿にしたように言う。
「ここで『親の仇』とらせていただきます」
それまで後ろに控えていたリアにルキフェル・リュクス(ea0134)が目で合図を送り、リアが合言葉の『親の仇』を言った瞬間、冒険者達はその場から一斉に飛び退く。と同時に目立たないよう後方にいたルキフェルが山賊との会話中に唱え終わっていたアイスブリザードを炸裂させる。
その攻撃は冒険者達の前に固まっていた山賊達には完全な不意打ちでなすすべなく食らってしまった。
「やりやがったな! 無事に帰れると思うな!」
親分は冒険者達を睨みながら叫ぶと逃げようとする山賊達を怒鳴りつけ、冒険者達へと襲い掛かかり乱戦になった。
仲間を援護しようと詠唱を開始した敵のウィザードをヴァレリアがコアギュレイトで呪縛し、すかさず響が斬りつけウィザードを無力化する。
「‥‥ふふ‥‥私を怒らせたらどうなるか教えて差し上げましょう♪」
メイリアはこの場には場違いの満面の笑みでそう言うと襲い掛かってくる山賊達ををその両手の鬼神ノ小柄で斬り捨てていく。
ルナ・ティルー(eb1205)はブレイクアウトで山賊の体勢を崩すと、リースフィアに借りたGパニッシャーでぶん殴る。
シヴァはフェイントアタックをきめていく。
「こういう時、無駄に目に頼るには不利だろう‥‥」
と、シヴァの背後にダガーを振り下ろそうとする山賊。シヴァが振り返るより速くルキフェルのウォーターボムが命中し怯んだところにシヴァの一撃が決まる。
「私だって訓練を受けています。甘く見ないでください!」
リースフィアは親分のダガーをかわすと斬りかかりそう言い放つ。
「ぐわっ」
距離をとった親分は再度斬りかかろうとするが、突然足元が爆発しその動きが止まる。その隙を逃さず響が斬りつけ続けてリースフィアも斬りつけると親分はその場に崩れ落ちた。
「どうやら終わりのようです」
後方からシャドゥボムで援護したリアがそう言いつつ周りを見渡すと立っているのは冒険者達だけであった。
「ルナさんが意外と難なく倒せましたねって言ってます」
ルナがいったことを集まってきた皆に通訳するリースフィア。
「やはり敵のウィザードに何もさせなかったのが勝因ですわ」
ヴァレリアが笑顔でそう分析する。
「じゃあ村に帰りましょうか」
ルキフェルがそう言うと皆も頷き来た道を村へと引き返していった。
村へ帰ると早速依頼人の家へ向かう冒険者達。
「おお、戻ってきたか。それでどうだった?」
男は帰ってきた冒険者達の姿を見るなりそう聞いてきた。無事退治したことを伝える冒険者達。
「そうか! やってくれたか! よおし、今日は宴会だあ!!」
その結果を聞いた男はそう叫ぶと宴会の準備のために家を出て行く。
そのことに呆気にとられしばし呆然とした冒険者達であったが、それぞれ苦笑を浮かべるその顔には依頼達成の喜びに満ちていた。