水辺に潜むもの
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■ショートシナリオ
担当:神楽
対応レベル:1〜3lv
難易度:普通
成功報酬:0 G 52 C
参加人数:6人
サポート参加人数:-人
冒険期間:10月12日〜10月17日
リプレイ公開日:2004年10月20日
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●オープニング
そこはある村の近くにある泉。村の子供達には絶好の遊び場として人気がある。
今日も子供達が思い思いに遊んでいる。その笑い声は泉の周りで響いている。
しばらくすると子供達の一人が毒々しい極彩色の普通より大きいカエルを数匹見つけた。
「何だ、これ?」
少年は他の子供達も呼び寄せ、戸惑いつつも落ちていた木の枝で一匹のカエルを恐る恐るつついてみた。するとカエルは少年に向かいその口を開くと消化液を飛ばしてきた。
「うわぁ!」
少年は叫び声を上げながら飛び退いた。するとその声に反応したのか、泉の向こう岸に大きな影が浮かび上がってきた。
「な、なにあれ!」
大きい影を指差しながら少女は叫ぶ。
だんだんこちらに近づいてくると、それは巨大な身体中にイボがあるカエルだった。
子供達はその姿に怯え、悲鳴を上げると泣きながら全力で村に逃げ帰っていった。
「ということがあったらしいです」
受付嬢は今回の発端を話す。
「それで、今回の依頼はですね、被害が大きくなる前に巨大ガエルと毒々しいカエルの退治をしてほしいとのことです」
依頼内容を告げると受付嬢はなぜか考え込み何かを思い出そうとしている。
「ああ、そうそう、思い出しました。余裕があったなら卵なども探して始末しちゃってください。繁殖されたら大変ですからね。池の場所等は村に着いてから詳しく聞いてください。では、お気をつけて〜」
思い出せたのが嬉しいのか受付嬢はにっこり微笑みながら告げる。
●リプレイ本文
●準備
何処にでもある平凡な村。しかし、今は心なし寂しげだ。
いつもなら元気に村の外で遊び回ってるはずの子供達も今は村の中で遊んでいる。
そんな中、冒険者達が村に着く。すると入り口には一人の男が立っていた。
「ようこそいらっしゃいました。私はこの村の村長です。どうかお願いします」
村長はそう言うと冒険者達を村の中へと促した。
「思い出したくないかもしんないけど、お姉ちゃん達がやっつけてくるからね。教えてくれるかな?」
チョコ・フォンス(ea5866)が村に着くとカエルに遭遇した子供達に池の場所を聞く。
同じ頃、天草乱馬(ea6082)は村の中でイモリやネズミ、昆虫類などを住民達と集めている。
「村長、スコップや鍬等を借りることはできますか?」
「ええ、いいですよ。私の家にあるものをお貸ししましょう」
乱馬は、村長に作戦に必要になる道具を借りれるか聞くと村長は快く承知し自分の家にあるものを使うように言った。
乱馬が村長の家の裏から道具を持ってくると、子供達から聞いた池へと向かう。
(「あたしの住んでた田舎の蛙に毒持ちや大きいのはいなかったなぁ、蛙かぁ、なんとかなるかな?」)
チョコはそう思いながら、池への道を進んでいた。
●作戦開始
村から少し歩くとすぐに目的の池が目の前に現れた。
池に着くと乱馬は深さ1m程の穴を掘り、採ってきた昆虫類を入れて罠を作り、チョコはブレスセンサーを使う。
「‥‥池の中央付近に大きいのが一つ、あそこの岸に三つ反応があるわ」
そう言うとチョコは小袋から紐を結んだ虫を取り出すと三つの反応があるほうへ飛ばしてみる。
すると草むらの影から舌が飛び出してきた。紐付きの虫を捕まえると同時に紐を引っ張るとその姿を現した。
毒々しい極彩色のヒキガエル、ポイゾン・トードだ。続いて残りの二匹も姿を現した。
そのうち一匹が穴に入るがすぐに出てくる。
「いきます」
セラ・インフィールド(ea7163)は駆け出す。一番近くのポイゾン・トードに向かいクルスソードを振り下ろし、続いて七神蒼汰(ea7244)がシュライクを使い切り裂く。
「これで、終わりだ!」
蒼汰が返す刀で切り上げ止めを刺す。
穴から出てきたポイゾン・トードが乱馬に向かい、毒の消化液を飛ばしてきた。
「くっ」
間一髪かわしたが体勢を崩してしまい、そこに別のポイゾン・トードが消化液を飛ばそうと口を開く。
「やらせはしません!」
セラは、今まさに消化液を飛ばそうとするポイゾン・トードの頭に背後から一撃をくわえ阻止する。そこに体勢を立て直した乱馬が忍者刀で真っ二つに切り裂く。
詠唱し終わったチョコが残った一匹に向かいウインドスラッシュを解き放つ。魔法をくらい瀕死のポイゾン・トードにセラが上から突き刺し止めを刺した。
皆がポイゾン・トードと戦い始めたのと同時に池の中央付近の水面からジャイアントトードがその姿を現した。
「こいよ! カエルごときに遅れはとらねぇ! 俺が相手してやるぜ!」
劉蒼龍(ea6647)はそう言いながらジャイアントトードの頭上を飛び回り気を引き付けている。
ジャイアントトードの舌が蒼龍を襲い続けるがなんとかかわし続ける。
「しつこいんだよっ!」
隙をつき、蹴りをくらわす。一瞬怯んだがまた舌を伸ばし襲い掛かってくる。
「こっちよ!」
蒼龍が舌を掻い潜りながら声の方を見るとポイゾン・トード達を倒した仲間が身構えている。蒼龍は少しずつ皆のいる方にジャイアントトードを誘導していく。ジャイアントトードが追いながら岸に完全に上がり、冒険者達の前に着地するとチョコが唱えておいたライトニングトラップが発動し地面から電気が走る。
「劉殿、無事か?! 一気にカタを付けるぞ!」
蒼汰は囮役をやり遂げた蒼龍に声をかけると、ジャイアントトードを睨みつける。
電気によりダメージを受けているが、まだ動けるようだ。すかさずチョコがライトニングサンダーボルトを唱え、手から雷光が一直線にジャイアントトードに命中する。蒼汰が全力で斬りつけ、セラが斬り下ろす。乱馬がヒットアンドウェイで戦う。
「くらえ!! 今日の必殺技、『倒蛙流星蹴』!!」
蒼龍が上空から急降下しその勢いを利用し蹴りをその頭に食らわすと、ジャイアントトードの巨体は動かなくなった。
「ふぅ、おわりましたね。さて、卵を探しましょう」
すべて倒し終わるとセラは皆に向かいそう言い卵を探しに行くと、他の皆もセラに続き探し始めた。
池の周りを探すと草むらの中の浅瀬に大量の卵があった。冒険者達はカエルの死骸を集めると卵も一緒に油をかけ火をつけた。
「お疲れ様〜。安心したら、お腹空いたわね」
チョコが燃えるカエルの死骸を見ながら呟くと、皆がぎょっとしてチョコを見る
「いっとくけどカエルは食べないわよ」
チョコは心外だとでもいう様に皆に言う。
「じゃあ、村に帰ろうぜ」
蒼龍はそう言うと村に向かい飛んでいく。皆もそれに続き村へと帰っていく。
(「あの子達にいい知らせができるわ。ふふっ」)
チョコは子供達の笑顔を思いながら歩いていた。
●解決
村に帰ると村長の家に向かう。
「おお、良くぞ戻られた。それで、どうでしたか?」
村長は冒険者達の顔を見るなり聞いてきた。
「無事退治した。卵の方も処分したから安心してくれ」
「ありがとうございます。これで子供達も思う存分遊べます」
蒼汰がそう報告すると村長は礼をいい頭を下げた。すると、外から子供達の喜びの声が聞こえてきた。どうやら盗み聞きしていたようだ。
乱馬は外にでると喜んでいる子供達に竹トンボを作ってあげ、その作り方も教える。子供達も喜び、自分で作り始めた。
子供達の遊び場も戻り、笑顔も戻った。冒険者達の心に達成感を残し今回の依頼は終了した。