京都見廻組 〜蛇神退治〜

■ショートシナリオ


担当:からた狐

対応レベル:2〜6lv

難易度:普通

成功報酬:1 G 69 C

参加人数:8人

サポート参加人数:3人

冒険期間:04月13日〜04月18日

リプレイ公開日:2006年04月21日

●オープニング

 森の中に建てられた社。人気など無い小さなその場所に、足を縺れさせ転ぶように老人は走りこんで来た。
 その姿は血に濡れ、呼吸は弱くそして浅い。たまに咽て咳き込めば、赤い色が口元から流れ出た。
「頼む、これを!」
 余命は幾ばくも無い。無論、穏やかな原因で無い事も明白。それを分かっているのは老人自身だろう。悲壮な表情で、誰もいないその社に向けて、今持てる限りの力でそう叫んだ。
 差し出した手には一冊の書。上等ではない紙切れを老人はそのまま握り潰さんばかりに掴んでいる。
「これを、守っておくれ! けして、奴らに渡してはならない! これを、これ‥‥うぐぅ!!」
 叫んでいた老人は眼を見開き仰け反ると、息を詰まらせ、そして絶えた。
 血塗れの姿がどぅっと倒れる。その背には短刀が突き刺さっていた。
「手間かけさせやがって」
 ゆっくりと。老人が走ってきた後から人相風体良しからぬ男達が境内に入ってくる。
「正義感も困ったものだ。おかげで残り少ない命をさらに縮めるなんてな」
「全くだ」
 もはや動かぬ老人を笑いながら蹴飛ばすと、男は背にささった短刀を抜く。
「さて、こいつが持ち出したモノを返してもら‥‥」
 丁寧に短刀を懐に仕舞うと、老人が握り締めていた書類を取り上げようとし‥‥たのだが。踏み出すその一歩が何故か動かない。
「な、何だ?!」
 力任せに動かそうとするが、足は微動だにしない。まるで、自分とは別の物になっていたように。
 否、本当に、別の物へと変わり果てていた。
「おい! お前!! 足が!!!」
 仲間の一人が、足元を指差す。男の足は石へと変わっていた。その変化は足だけでなく、徐々に体にまでも侵食していく。
「何だ!! 何故、俺の脚が!! 腕が!!」
「う、うわあああ! 俺の足も!!」
「ひいいいーー。誰か! 誰か助けてくれえええ!!」
 ゆるりと変わり行く自分の姿に男達は驚嘆し、ただ叫び錯乱する。だが、それももはや遅い。
 狂乱の表情のまま、男達はやがてただの石の彫刻と成り果て、その場に立ち尽くす。
 また元の静けさを取り戻した社。いつの間にそこに現れたのやら、ちょこんと社にこしかけ、その奇妙な石像の群れをただ見つめる者がいた。
 人ではなかった。子供の姿に似せてはいたが、青白いもやのように輪郭が揺らめいている。
 木霊と呼ばれる存在。森を守護する精霊だ。それは石像は無視して、とてとてと老人へと歩み寄る。
 不思議そうな眼差しで老人を見つめる。傍に寄るも、もはや冷たくなった老人から返事は無い。
 長い事そうしていた。だが、やがてしょんぼりと肩を落として老人から離れると、その手に握り締められていた書を手にする。
 血に濡れたそれを大事そうに抱えると、木霊は社へと消えた。

「ある役人の不正に気付いた老人がその証拠を掴んで、こっちに渡してくれる手はずだったんだな。なのに、指定された場所で刻限になっても老人は現れない。もしやと思ってみると、そういう事になってたんだなー」
 恐らくはその役人にばれ、口を封じられたのだ。卓にすわりぷらぷらと足を遊ばせながら、眉間に皺を寄せて京都見廻組・坂田金時は不快そうにそう告げる。
「その森は木霊が住んでるってご近所では評判で、その社も木霊の為のものだって。で、老人はそこの管理を任されてたんで、まぁ、前からいるって事を知ってたんだろね。今わの際に木霊を頼って、証拠を預けたはいいんだけどさぁ‥‥」
 事情を知った見廻組が証拠を手に入れようと社に赴いた。だが、木霊はそこまでの事情は預かり知らない。
 ただ老人に頼まれた「渡さず守れ」という言葉だけを守り、故に、見廻組たちももう少しで石化される所だった。
「そういう事なんで、近寄ろうにも近寄れない。当然、証拠も回収させてもらえない。石化した兄ちゃんたちはどさくさで手に入れられたけど、こいつらの証言だけじゃちょっと弱いんだよな〜」
 言葉の割りに、金時の口調からは困った様子は見受けられず。
「だ・か・ら♪ 人間が駄目なら別の奴に頼め! って事で銀次郎に交渉してもらったのだ!!」
 拳握り締めると、きっぱりと力強くそう笑顔で告げた。
 銀次郎とは金時の弟分。気は優しくて頼りになる〜とは金時の弁だが、何分銀次郎は熊鬼だ。そりゃ、人間を警戒しているからといって、果たして鬼で大丈夫かと周囲は不安になったが、まぁ、それは成功したらしい。
「兄ぃに言われて、誤解を解くように話付けさせてもらったんですが。仲良くしていた老人を殺されて、木霊も疑心暗鬼になってるようでした。なので、こちらを信頼する条件を出してきたんです」
 木霊が守るその森の端っこに、いつの間にやら夜刀の神が群れて住み着くようになった。火系に属していた夜刀の神は気ままに森を荒らして回る。木霊も追い払おうと努力していたが、なかなか思うようにいかない。
 なので、その夜刀の神たちを森から追い払えるなら、こちらの事を信用して老人から預かった物を渡すと約束してくれた。ただし、その際森を傷つけてはならない。
「おいらは他の奴連れて社を遠巻きに警護しとく。あの木っ端役人、社ごと証拠をどうにかしようなんて考えて、何か手を打ってくるかもしれないしー。‥‥なもんで、そっちの組は銀次郎と一緒に夜刀の神対策にあたってちょ☆」
 約束したのは銀次郎なので、彼がいかないとちょっと困るかもしれないという事らしい。が、
「いいか、銀次郎! この間は断られたけど、この件のがんばりは皆が認める所だ! だから、きっと事が上手く済んだら上の奴も銀の事認めて入隊許可してくれるに違いないっさ〜☆」
 本音はこっち。目をきらきらさせて銀次郎の手を握って励ます金時。
「ま。そういう訳なんで、皆がんばってね〜」
 満面の笑顔で皆を送る金時。
 だから、それはむりだってばー。

●今回の参加者

 ea3952 エルウィン・カスケード(29歳・♀・ジプシー・パラ・イスパニア王国)
 ea8755 クリスティーナ・ロドリゲス(27歳・♀・レンジャー・ハーフエルフ・イスパニア王国)
 ea9454 鴻 刀渉(39歳・♂・武道家・人間・華仙教大国)
 eb0764 サントス・ティラナ(65歳・♂・ジプシー・パラ・イスパニア王国)
 eb1529 御厨 雪乃(31歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 eb1872 瓜生 ひむか(22歳・♀・陰陽師・人間・ジャパン)
 eb1932 バーバラ・ミュー(62歳・♀・レンジャー・パラ・ノルマン王国)
 eb4510 ララーミー・ビントゥ(48歳・♀・僧侶・ジャイアント・インドゥーラ国)

●サポート参加者

イリア・イガルーク(ea6120)/ 白翼寺 涼哉(ea9502)/ イェール・キャスター(eb0815

●リプレイ本文

「でかした銀次郎殿! ほれ、祝いの新茶じゃ!!」
 木霊との交渉に成功した熊鬼の銀次郎の功績を祝して、バーバラ・ミュー(eb1932)が茶を酌み交わす。普段は出がらしなのに、今回は新茶。大奮発である。
「くぅ〜、嬉しいじゃないか! ほれ、銀。遠慮なく飲め飲め」
 それを何故か京都見廻組・坂田金時の方が喜んで薦めている。当の銀次郎はといえば、はぁ、と気の無い返事をしながら、今一つ表情の分からない顔で茶を普通に啜っている。
「それで、木霊に上手く話はついたべか? 適当な所でどかどか暴れる訳にもいかんべ」
 尋ねる御厨雪乃(eb1529)に、銀次郎は一つ頷く。
「おうです。基本的に森に酷い打撃を与えずにあいつらをどうにかしてくれるなら、どこでも使ってもらって構わないという事です。
 それと、夜刀の神と共存できるかどうかですが。木霊の方は森さえ大事にしてくれるなら、どんな奴でも住んで構わないとの事です。が、夜刀の神にその意思があるかは疑わしいそうです。もし共存を望むなら再三木霊も注意を促してきてますし、森を荒らすなどしないでしょうという事です」
「そうですか‥‥」
 上目で控えがちに銀次郎を見ながら、瓜生ひむか(eb1872)はちょっと残念そうに肩を落とす。
「そいつらって移動は速いのか? 矢を番えてる間に逃げられました、じゃ洒落にならないからな」
「知り合いから聞いた話では結構速いそうですからねぇ。大体馬の速さぐらいだとか」
 クリスティーナ・ロドリゲス(ea8755)に、エルウィン・カスケード(ea3952)が考え込みながら告げる。
「とすると、やっぱり逃がさないようにするのが一番か。そう大きくも無いし、どこかへ紛れ込まれたら大変そうだ」
 近くの猟師から借りてきた網を手にして、クリスティーナが唸る。
「普通の武器は効くのでしょうか?」
 悩む鴻刀渉(ea9454)にサントス・ティラナ(eb0764)が大きく頷く。
「それは大丈夫ヨ。エレメントの中でも武器効かないの、ほんの一部ダケね。それももっと強い奴がほとんどアル。ヤトのカミは下っ端下っ端」
 ムーフーフーと独特の笑いを浮かべるサントス。
「そうか、ならば攻撃する分は問題ないとして‥‥。けれど、中にプットアウト使いがいるなら捕まえておいた方がいいでしょうか。森に囲まれた社に相対しがたい者がいると知ったら、誰しも火責めを考えるでしょうし」
「んだねー。ま、そこら辺はそっちに任せるけど‥‥。何でそんな端っこにいんの?」
「え?」
 金時に指摘されて、ぎくりと身を強張らせる刀渉。
「銀次郎に人見知りならぬ熊見知り? 大丈夫。んなの気にしない、気にしない♪」
「いやいや、お気になさらず」
 明るく手を引く金時に、刀渉、笑顔を作りつつも足を踏ん張って踏みとどまる。傍から見てると子供にじゃれ付かてるだけに見えるが。
「兄ぃ、無理言うたらいけませんて」
 そんな金時を、銀次郎が窘めている。
 まったくどっちが兄貴分だか分かりゃしない。

 金時たちが社の警備に回ったのに対し、冒険者たちと銀次郎は夜刀の神の元へと向かう。
「‥‥という訳で、同じヤトのカミでもエレメントが違うのであるね? 今回の相手はファイヤーあるよ」
 以前夜刀の神と会ったという薬学の師範の体験談をサントスがもう一度話しなおす。
「ヤトガミ、フードやスパイスィーなオイニ〜で釣れると聞いたアルね? マダムのディナーでヤトガミまっしぐらで大ハッピーアルね♪」
 薬研で草などを挽くサントス。その隣ではララーミー・ビントゥ(eb4510)が、積み上げた竈でそれらの食材を調理している。
「なにやら不可思議な匂いじゃのぉ」
 ララーミーの料理にバーバラが熱い視線を注ぐ。
「インドゥーラの家庭料理なんだけど‥‥。でも駄目ね。ジャパンじゃ手に入らないハーブも多いわ。手持ちのハーブも突っ込んでみたけど、思うのとは程遠いわね」
 ララーミーが残念そうに肩を竦める。
「でも、美味しく仕上がったわよ。ちゃんと皆さんの分も作ったし、銀次郎さんもたくさん食べてね〜」
「いい匂いよね。後で、レシピ教えてね」
 エルウィンが告げると、にこりと笑うララーミー。銀次郎は香ばしい匂いの食事を不思議そうに見ている。
 ララーミーたちが誘き寄せ用の食事を作る傍ら、他の冒険者たちは逃亡阻止用に網を仕掛ける。
 森の空気は澄んで綺麗で。遠くで鳥が鳴き、小さな動物が走るのか草木が不意に揺れる。
 その音が、急に途絶えた。
「来たようです」
 バイブレーションセンサーの経巻で周囲を確認していたひむかが低く告げる。
「ほら、銀次郎さも早く隠れるべ」
 それぞれに木の上や藪の中などに隠れて待つ事しばし。
 やがて、森の木々の奥に鮮やかな赤が翻る。草を揺らして進み出てきたそれは真っ赤な蛇の姿をしている。
 不思議ながらもおいしそうな匂いを醸し出す竈に、各種保存食も添えている。それらの食事を遠巻きに眺めて、夜刀の神たちは何やらひそひそと話し込む。やおら一匹が尾を持ち上げて印を描くと、
――ボムッ!!!!!
 いきなりファイヤーボムを放つ。
 小さな火の玉が竈にぶつかるやたちまち破裂。派手な火花を散らして、辺りを吹き飛ばした。当然料理も全て焼け焦げている。
「こら! 食べ物を粗末にするとは何事じゃ!!」
 怒りも露わにバーバラが一喝。途端、待ち伏せに驚いた夜刀の神たちが悲鳴を上げてすたこらと逃げ始める。
「ぬぬ! すまんが任せるのじゃ!」
 すぐに追いかけようとしたが、その前に倒れた竈から火が広がりだしていた。軽く舌打ちするとバーバラは毛布を取り出し、火を叩き消す。森を傷つけてはならぬと、銀次郎も消火を手伝う。
「はい! 逃がしませんよ!!」
 刀渉が手にした網を投げかける。ふわりと広がった網は、狙い外さず夜刀の神たちの上に降り、動きを絡め取る。
 雪乃とクリスティーナもまた、逃げ道を網で素早く塞いでいた。
 網で塞がれ、わたわたと慌てる夜刀の神たち。一部が尻尾を揺らし印を描くが、
「オイタは駄目よ。ここはあなたたちの住み着くべき場所じゃないわ」
 それをなす前にエルウィンが矢を射掛ける。浅い傷がついただけだが、夜刀の神は驚いて詠唱を止めた。
「何の魔法かは知らんけんど。火の魔法は荒っぽいのが多くておっかないべ」
 雪乃も木刀を抜くと、魔法を使おうとしている夜刀の神を優先して始末に掛かる。強い精霊でも無し、使える魔法は初級でしかなく。おまけにたまに詠唱に失敗してる姿も目に付く。
 とはいえ、攻撃されて嬉しいはずもなし。 
「けど、使ってくれない事には何の魔法を使うか分かりませんよね」
 網から抜け出た夜刀の神を素早く蹴り倒す刀渉。たったの一蹴りで、相手はふらふらと体制を崩して鈍い動きになっている。もう一度相手を蹴りつけると、簡単に平たく崩れた。
 たまにがぶりと噛み付こうとする夜刀の神がいるが、それも避けるのは容易い。回避する動きも網に絡まっている事をさっぴいても、十分追いきれる。
 ただ、夜刀の神は多くて全てを一度に攻撃する事も出来ない。なかなか抜け出せない夜刀の神がじれて魔法を詠唱すると、生み出された炎が網を燃やす。
 たちまち炭になっていく網。そうなると意味を成さない。
「あーこら、逃げるな! おまけに借り物を燃やすなんて!!」
 クリスティーナが大声上げて矢を射掛ける。矢は確実に夜刀の神を射抜くが、その間にもするすると逃げ出す夜刀の神の動きは実に速い。
「ムッフ。ここはお任せアールね。皆さん、目に気をつけるアル」
 笑みを浮かべながら、サントスが一端皆を下がらせると、素早く詠唱。その身が金に淡く輝いたかと思うや、強い光が周囲を照らした。
 光の鎧を纏い、サントスが夜刀の神たちを照らす。近くにいた夜刀の神が目をくらませて動きを鈍らせる。
 近寄れば、当然冒険者も影響を被る。なので、その光の影響の外から矢を射掛け、ララーミーもまたブラックホーリーを唱える。
「可哀想な気もするけど。これも仏の御心なのよね」
 カツドン、カツドンと自分所のお経を唱えるララーミー。そして、その矢からも逃げ延びた相手を、木刀や蹴りでさらに始末する。始末する前に気絶したものに関しては、ひとまず雪乃が口を縄で縛って魔法対策だけはしておく。
「あのですね。お友達になりませんか?」
『‥‥いいよー』
 そして、そんな慌しい彼らとはちょっと違い。淡い銀の光と共に、夜刀の神へと騙りかけるのはひむかである。にっこり笑って手を差し出すと、魅了された夜刀の神がしばし首を傾げてから頭をふって頷いた。

 掃討までの時間幾許。時に火炎や煙に巻かれて難儀をしながらも、どうにか冒険者たちは夜刀の神たちをどうにかする事に成功する。ひむかが魅了出来た数体に関しては、彼女が森を荒らさぬよう重々言い含める。魅了の効果は一週間。ま、依頼を任された期間は仲良くしてくれるだろう。
 森の周囲に不穏な影はあったらしいが。見廻組の警備を見て臆したか、仕掛けてくるまでには至らなかった。そんな訳で、森の中はつつがなく。
『これが、預かった物』
「ありがとうです」
 差し出された紙切れを、銀次郎が丁寧に頭を下げて受け取る。改めて金時の手に委ねられ、中身が検められた。
「うん。確かに受け取った。ありがとう」
「よく護ってくれたのじゃ。老人は気の毒だったが、これできっちり仇は取ってやるからの」
 金時とバーバラが揃って頭を下げる。そのバーバラの手には老人の墓に添えるこの森で取れた花や木の実が握られていた。
 木霊は感情の動かぬ顔でじっと一同を見つめていたが、やがて小さく頭を下げると社へと消えた。
「これで一安心ね。でも、今回みたいな事がもう無いとは限らないし。見廻組も人外交渉員として雇い入れてあげればいいのにね」
「そうだね! 姉ちゃん、いい事言うじゃないか!!」
 がっしりとエルウィンの手を握り締めて、金時が目を輝かせる。
「銀次郎もだけど、一般人からの見廻組の募集はもうやってないのか? よければ入りたいんだけどな」
「あたしも。せっかくこっちの言葉覚えられたのに」
 熱意に満ちた金時に笑いをこらえつつ、クリスティーナが告げる。その横からエルウィンも小さく手を上げる。
「そうだねー。一応人手不足はどうにかなったけど、十分とも言えないのは事実だし。いろいろ検討して、必要そうならまた募集って事になると思う」
 って事で今回はごめんなさい。
 と頭を下げた直後。だったら銀次郎の募集も無いじゃないかと気付いた金時が頭抱えて苦悩する姿が見られる。
 それを見て、大いに笑う冒険者たち。朗らかな声が静かな森に木霊し、風も無いのに木の枝が合わせて揺れていた。