【松之屋の台所】江戸の月
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■ショートシナリオ
担当:蜆縮涼鼓丸
対応レベル:フリーlv
難易度:普通
成功報酬:0 G 65 C
参加人数:8人
サポート参加人数:2人
冒険期間:07月28日〜08月02日
リプレイ公開日:2005年08月05日
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●オープニング
梅雨が明けようとするときの習いと言おうか、五月晴れだった空が夕刻にかけて急に雲を増し、一気に暗くなったと思ったら土砂降りになった。
夜半には向こうの空がぴかりぴかり。そして、‥‥どどう。地響きのような音が伝わってきて、それがだんだんと大きな音になり、光と音の間合いも狭まっていった。。
ひときわ明るく、江戸の空が光に包まれたのと同時に、耳をつんざくような恐ろしい轟音がして、家々の戸口をガタガタと揺すらせ、あまりの音に飛び起きる者も多かった。
「落ちましたね‥‥どこでしょう?」
小夜も雷で目が覚めた一人である。親族一同先祖代々片っ端からみな神職に就いている一族の娘である小夜もまた、巫女として日々を送っている。江戸に居る気の弱いおじが宮司を務める小さな神社が、氏子離れが激しくなって今にも潰れてしまいそうだというので、父親に言われ手伝いに来たものの、未だになかなか日の目を見ない。
「‥‥まさか、神社には落ちていませんよね?」
小夜が住んでいるのは神社から離れた長屋の一角。朝早くに家を出て、神社に着くと禊をして、身を清めてから巫女装束に袖を通し、境内を掃き清め、日供を祭り、日々のご奉仕や社務仕事を神門を閉めるまでこなす。この頃はそんな毎日だ。
あの古びた建物では、ことによると直接落ちるまでもなく、この地響きで瓦がずれて雨の一つも漏っているかも知れない。小夜は床から出ると手早く身支度を整え、いまだ降り止まぬ雨と鳴り止まぬ雷の中、雨除けの薄い外套を被り表に出た。
月道近くの橋が見えてきた辺りで、
ぴかっ。
小夜の目の前が真っ白になり、思わず目をつぶり、その後は何がなにやら分からなくなった。
目を開けるまでの時間は手を一つ打つほどの間か、あるいは四半刻も経ったのか。ともあれ、目を開けると背の高い、銀の髪をした侍が小夜を介抱していた。
雨に濡れた体は冷えていたが、背中の一部だけが妙に熱くて、それが自分を抱いている侍の掌の熱だと分かったとたん、今度は顔がかあっと熱くなった。思わず頬を押さえ、侍にそのまま背を支えられながら立ち上がる。見回すとどこか広い建物の中のようだった。
「気が付かれたか、良かった」
「ここは‥‥?」
「月道だ。雷が落ちた近くに倒れておったのを見かけたゆえ、ここまで連れて参った。横にする場所でもあれば良かったのだが、御無礼許されよ」
「許すだなんて、そんな‥‥お侍様は私の、命の恩人ではありませんか。その‥‥よければ、お侍様のお名前を」
「拙者か? 拙者はアーヴィング・ホークアイと申す」
「‥‥えっ?」
小夜は目を見開いた。
「日本の方ではないのですか? 私、てっきり‥‥」
「生まれはイギリスだ。拙者のような侍は珍しいから、間違えても無理は無い。今は御家人暮らしでな。このまま、この国に骨を埋めるつもりだ」
「そうなんですか‥‥あっ、私は小夜と申します。小さな神社で巫女をしています」
「小夜殿か、良い名だな。おお、どうやら雨も上がったようだ。夜道に美しいおなごを一人歩きさせるわけにも行かぬな。送って行こう」
「‥‥ありがとうございます、アーヴィング様‥‥」
小夜にはこの青い目の侍との出会いが運命に導かれたものとしか思えなかった。美しい、という言葉が頭の中で木霊して、目の前のアーヴィングの微笑がきらきらと輝いて見えた。
「拙者はこの月道に居ることが多いゆえ、もし何か助けの要る事があれば、訪ねて来られると良い。いつでも力になろう」
その言葉を聞いた小夜の頭の中に、別の雷が落ちた。
「‥‥あの。でしたらぜひ、一つお願いが‥‥」
「てぇなワケで」
ギルドの係員は、なにやら目を潤ませて頬を桃色に染めた、魂があっちの世界の住人になりかけている巫女を前に眉間を押さえた。
「えー、こちらさんが『天のお告げを受け取ったので、京都と月道が繋がった祝いの菓子を考えて欲しい』んだそうで」
「はい。毎度お世話になっております。月に見立てた丸くて黄色いお菓子で、異国の方でも美味しく召し上がって頂けるものを希望です。ですから味見役はアーヴィングさんという方にお願いいたしました。もしすごくいい物が出来ましたら三日三晩の祈祷の後、松之屋さんで置いて貰える様にお願いします。‥‥と言いますか」
巫女は目を細めた。
「むしろそっちが本題ですので。‥‥あまりおかしなものをこしらえるようでしたら、全員呪います」
何故かギルドに薄ら寒い風がすうっと吹きぬけた。
●リプレイ本文
●京から今日まで
ずだだだだだだだだぎゅぅぃぃぃいん。
雷鳴かと間違うほどの凄まじい足音と滑り込みを見せて、天螺月律吏(ea0085)が松之屋に姿を見せた。
「はー、はー、はー‥‥間に合った‥‥か?」
アーヴィングをはじめ、他の目を丸くしている冒険者達をひと眺めしてから、どうやら遅刻せずに済んだようだと天螺月はほっと額の汗を拭う。そんな彼女の手荷物っぽい何かをじーっと見つめ、朋月雪兎(ea1959)がひょこんと首を傾げた。
「あのー、それって何ですか〜?」
「ん? ああ、これは私の連れだ。どうした千里、具合でも悪いのか?」
天螺月は答え、手荷物‥‥ではなく連れに声をかけた。
恐らく船着場からここまで全速力で引きずられてきたと思われる傷だらけの物体、つまり白河千里(ea0012)は松之屋の机の端に手をかけ、よろよろと立ち上がりはしたものの、真っ青な顔、青息吐息のありさま。
「何度乗っても船酔いには慣れぬ、せめて休憩したかっ‥‥た」
ぱたり。
甘味魔神はここにその短い生涯を閉じ‥‥てません。
「相変わらず尻に敷かれているな」
くっくっと湯田鎖雷(ea0109)に笑われ、白河は青い顔のまま、力なく笑い返した。
「おお、鎖雷、久方ぶりではないか‥‥肩を貸してくれ、気分が悪い」
「肩を貸すのはともかく、そんなにふらふらで大丈夫なのか?」
「大丈夫だ‥‥多分。律吏、梅干をくれ」
天螺月がほいと渡した赤いものを口に含むと、白河の目と口がきゅーっと絞った酸っぱい顔になる。しかしそれでだいぶ気分が良くなったようで、自分で頬を叩いて気合を入れると今度はしゃっきりと立ち上がった。
「そうだ、料理に取り掛かる前に少し確認しておきたいのだが」
天螺月が今回の審査員であるアーヴィングに向き直った。
「とりあえずは味の好みだな。甘い方がお好みなのかな? それとも控えめ?」
「故郷で好んで食べた菓子などあれば、どのようなものかお聞きしたい」
浦部椿(ea2011)の助っ人に来た鳴神破邪斗も口添えする。
「拙者の好みか‥‥特に好き嫌いはないな。国ではそれほど甘いものは口に出来なかったし‥‥強いて言えば、子供の頃に悪ガキ仲間と盗んで食べたリンゴの味は格別だったかな」
アーヴィングは悪戯っぽい微笑を浮かべた。
その顔を依頼人の小夜が惚けたように見入っていた。
●ほっとけーき
材料を前に、白河は腕組みをして考え込んだ。
「卵に、牛乳に、砂糖に、小麦粉?」
つーっと視線を天螺月に向ける。天螺月はその視線を真っ向から見返した。
「ん? 何だ、千里? 私に助けを求めるのは無謀だぞ。何しろ自慢ではないが料理の腕は相当なものでな、茶を淹れただけで人が気絶する」
「‥‥結構なお手前で」
白河はつーっと向けた視線をそのままつーっと戻した。
(今まで料理など興味も持たなかったが‥‥何せ律吏があんなだから‥‥なあ。死活問題になる前に、これを機に料理を覚えても良いかなと思えて仕方ない)
遠い目をする白河。白河にお構いなく天螺月は材料をためつすがめつしている。
「手順的なものは同じなのだがなぁ‥‥ただ切って、焼いてというだけでもあれだけ差が出るというのは、料理の道は奥が深い」
「斬って、妬く‥‥か」
天螺月のぼやきに適当に応えながら、白河はおもむろにすり鉢の中にこれまた適当に材料を放り込み、すりこ木でごりごりと混ぜ始めた。
「おいおい、千里は何を作っているんだ?」
「とりあえず全部混ぜてみようかと」
「掻き混ぜるのなら得意だぞ。どれ、貸してみろ」
天螺月は白河からすりこ木を奪うと真面目な顔で混ぜ作業を続ける。程よくとろりと混ざり合ったあたりで、白河は人差し指を使って生地を味見した。
「甘さが足らん。もっと砂糖‥‥いや待てよ」
自分の荷物をがさごそ漁って、中から甘酒を取り出し、こちらも一口味見をして、これだ、と頷く。そのまま甘酒をとろりと生地の入った鉢の中に流し込んだ。
「これで良し。次は‥‥」
おもむろに身に帯びていた霞刀を抜き放ち、バーニングソードをかけた。めらめらと刀身から魔法の炎が立ち上がる。しかし軽量の業物は華奢と呼べるほど細身で、白河の目的には向いていないようだった。
「日本刀は細くていかんな」
眉をしかめる白河の目の前に、無造作に斧の切っ先が迫った。ひっ、と一瞬悲鳴を上げそうになるが、それが天螺月が手斧を渡そうとしたものと知り、胸をなでおろす。
「焼くのならこっちを使っておけ。お前の刀と違って未使用だ、これなら問題ないだろう」
「お、有難う律吏、気が利くな」
笑顔の天螺月から手斧を受け取ると、お互い見つめ合い、どちらからともなく笑顔がこぼれた。
改めて手斧にバーニングソードをかけ、その上にお玉で生地を丸く形作る。効果時間が過ぎ、魔法の炎が消えると、手斧の上に丸い生地が残った‥‥生のままで。魔法の炎はあくまでも攻撃力を高めるためのものであって、燃やしたり焼いたりするためのものではないらしかった。
仕方なく次善の策として石焼に挑戦もした。そして、白河と天螺月はホットケーキ(予定名称『満月焼き』)を焼く時には油を敷いていないと大変なことになる、というのを目の当たりにし、結局最終的には普通に鍋を使って焼くことになったのだった。
●カステラ饅頭
湯田と朋月は少しばかり浮かない顔をしていた。知り合いの菓子職人、マリアンヌ夫人のところで協力を頼み、彼女から快く了承を貰ったのは良いが、彼女の住まいの近所にある、良質の卵が取れる穴場だった鶏の住む河原では、最近、夏ばてなのか、あるいは他の理由かはわからないが、鶏が卵を産まないと言う。仕方なく他のつてを紹介してもらい、卵の入手はできたが、本来の予定が少し狂ってしまった。
湯田は以前そこで毒蝶退治を行ったことがあり、もしや仕留め損なった蝶でも居るのではないかと探してみたが、見つける事はできなかった。
湯田達と浦部が思い描いていたのは、カステラのような弾力のあるふわふわした生地の中に餡やクリームを詰めるというもの。江戸までご足労願ったマリアンヌ夫人、腕は確かだがふくよかで大柄なものだから、こちらの厨房はいささかきつめだったようだ。そういえばマリアンヌ夫人の家の厨房が広めの作りだったのはこのせいだったのかなあ、などと朋月はこっそり思ったりもした。ちなみに、朋月は湯田と一緒に毒蝶退治の依頼に参加していたにも関らず、依頼人のマリアンヌ夫人の事をすっかり忘れていたのはご愛嬌。報酬のカステラの事で他の記憶が押し出されてしまっていたらしい。
浦部が思い出したように小夜を呼んだ。
「小夜殿、一つ質問しても良いだろうか?」
「はい、何でしょう?」
呼びかけを聞いて小夜がさっと振り向く。
「氏子離れが激しいとは言ってもまだ氏子の方々はいるのだろ? その中で農家で乳牛や鶏を飼ってる方とか、美味い豆腐屋の方とかは居ないのか? そういった伝手があれば、牛の乳や卵、乳が無い時の代用の豆乳とか手に入り易そうではあるが」
「うちの神社は江戸市中にあるので、氏子さんは主に商売をされている方が多いのです。鶏を飼っている方ならともかく、牛となるとちょっと‥‥。豆腐屋さんは確か一軒ありますけど、美味しいと言えるのかどうか」
「そうか。伝手があれば松之屋で実際に品書きに加わった時に安く確実に入手できるのではないかと思ったのだが」
「江戸でしたら、安いかは分かりませんけれど、入手は出来ると思います。月道で異国の方が来られるようになって、そういった方向けのお店なんかもあるようですし。本当に月道って、色々なものをこの国に運んできてくれるものですよね‥‥素敵」
熱くまたアーヴィングを見つめ始めた小夜に近寄りがたいものを感じ、浦部はこっそりとその場を離れた。
「こんな感じでよろしいのですかー?」
マリアンヌ夫人が出来上がった試作品を並べると、甘い匂いがふわっとそこいら中に広がった。黄色い丸い、月のような菓子。かすていらならば焼いて作るが、黄色を生かすために今回は蒸して作るものだ。
「こっちは朋月さんご希望のカスタードクリーム、こっちは浦部さんの提案した餡入りのですねー」
「なるほど、和洋折衷か」
感心する湯田に、浦部は、
「ああ、英国生まれだからって、洋風が好きとは限らんだろう‥‥ましてや祖国を離れてジャパンに骨を埋めようなんて考えてる様では」
と、歯を見せて笑った。
先程からじーっと完成品を眺めていた朋月が真剣な顔で言った。
「‥‥食べていい?」
●豆乳プディング
「黄色くて、丸くて、月のようなお菓子。そしてイギリス人ということですから」
琴宮茜(ea2722)はコンコンと卵を割り、それなりに手際よく中身を小鉢に落としてゆく。菜箸で泡立てないように気を付けながら攪拌していく。
「プディングのことかしら、と思うのです。イギリスにいた時にプディングを食べた事も作った事もありますけど‥‥卵は養鶏をやってる農家に交渉すれば何とかなりますけど、ジャパンでは牛乳が手に入りにくいですね。仕方ないですね、牛乳の代わりにあれを使いますか」
前の晩から水と大豆を分量をきっちり量り、一晩水につけたうえですり鉢で丁寧にすりつぶし、笊と漉し布で漉してから鍋に入れて煮立たせる。沸騰した所で火を弱め──言うのは簡単だが、かまどの火の強弱をコントロールするのはコツが要る。家事などの技術を持たない琴宮には相当に骨の折れる仕事だったが、失敗にはならない程度にどうにかこなすことが出来た──、それからふつふつ浮かぶアクを根気良く取りながら10分ほど弱火で煮続ける。これもまた時計があるわけでもなし、勘でやるしかなかった。
そうやって苦心の末にこしらえ上げた作りたての豆乳に砂糖を枡で量って加え、先程のとき卵と合わせたものを、肌理の細かい布でこした。その卵液を丸い器に泡の出ないよう静かに注ぎ、蒸し器で琴宮時間で20分ほど蒸し、豆乳プディングが完成した。
黒砂糖を湯に溶かし、冷やしてから漉すと溶けきれなくなって結晶化した砂糖が取り出され、黒蜜が残る。琴宮はその黒蜜をプディングに添えた。
作ったことがある、と、上手く作れる、というのは必ずしも同じ事を意味しない。が、想いを込めればその分美味しくなるというものだろう。
●月兎焼き〜試食
アーヴィングは出された菓子のそれぞれを、おお、これは旨い、と言って口に運んだ。
「次は私のです! でも、その前に、まずはお水でお口を休ませてください」
風御飛沫(ea9272)が持ち前の快活な笑顔で差し出した水は、一見ごく普通のありきたりな水だった。だがアーヴィングは一口口に含むと一瞬動きを止め、湯飲みから口を離した。
「何か、爽やかな酸味のある水なのだな」
「だいだいのお酒がほんのちょっぴり入ってます。甘いものばかりでは口が疲れちゃいますし」
風御はにこっと笑って見せてから、自分の考えた菓子の皿を差し出す。
「私は少しジャパンらしいものを。持ちやすくて食べやすい事をコンセプトに、丸く切ったスポンジ生地に甘くて柔らかな羽二重餅を挟んでみました。名付けて月兎焼きです」
勧められてアーヴィングはそれを手に取り、眺め、目を細めた。表面には兎と月の焼印が押されている。
「日本では、こういう小さな所にさりげない細工をすることが多いな。そういう表現の豊かな所を、美しいと思う」
「で、アーヴィング様。どれが一番美味しゅうございました?」
小夜に畳み掛けられると、アーヴィングは軽く眉間にしわを寄せ、困った表情を浮かべた。
「どれも拙者には旨いとしか言えないが、だが、選べ、と言われるのであれば」
彼の指が一つの皿を指差した。黄色く丸い、月に見立てたちんまりとした菓子が二つ並んでいる。浦部たちの作った饅頭菓子だった。
「食べて笑顔になる食べ物を作る時は、作り手も造るときに笑顔でないといかんのだと、良く家内が言うのでな。一番作り手が笑っていたのはこれだと思う」
口いっぱいに試食している朋月を見やり、アーヴィングは言った。しかし、アーヴィングの微笑と対照的に、小夜は笑顔のまま固まっていた。
「‥‥あの、アーヴィング様、今なんとおっしゃいました? どなたが言われると?」
「家内だ」
アーヴィングは微笑みながら小夜に答える。今、一つの恋が終わった。
「じゃあこれが松之屋に並ぶことになるわけですね」
神楽聖歌(ea5062)におずおずと声をかけられて、小夜ははっと気を取り直す。
「いえ、一つの提案として私どもからお願いはしますが、置くかどうかは松之屋さんがお決めになる事ですから‥‥というかあなた、今までどこにいらっしゃったのですか」
神楽は少し困った顔をした。
「私、料理は得意ではないので仕入れに行ったりしてたんです。ほかの人のお手伝いに徹したいと思いましたし、交渉とか必要だったら、お願いにいこうと思いました」
「なるほど、お手伝いをしてらしたから目立たなかったのですね、それは有難うございました。砂糖なんかはお高かったでしょう」
「いいえ、それほどでも」
神楽はにっこりと微笑んだ。
饅頭菓子の名前は特に考えていなかった為、額を集めて問答の末に『江戸の月』というシンプルなものになった。
「月は大好きだけど、なんか江戸のってつくとゴッツク聞こえるなぁ〜」
などと朋月は文句を言っていたが、10個以上も食べてからでは説得力はなかった。