【華の乱】青鳥城の改修
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■ショートシナリオ
担当:恋思川幹
対応レベル:6〜10lv
難易度:難しい
成功報酬:6 G 75 C
参加人数:10人
サポート参加人数:2人
冒険期間:06月15日〜06月25日
リプレイ公開日:2007年06月23日
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●オープニング
●白旗、北へ
源氏の白旗が北武蔵へ向けて進軍を開始した。
その先鋒にいたのが、河越城主である河越太郎重頼であった。
「河越太郎殿が裏切ったというのか?」
河越太郎とは親族である畠山荘司次郎重忠は比企氏の松山城にあって、その報に接して愕然とした。
「それでこちらに向かっているのか?」
比企左衛門大志透宗が知らせをもたらした家臣に問う。
「いえ、出陣先は高麗(こま)であると思われます」
「高麗か。秩父の丹党も伊達についたのだったな」
高麗は秩父から正丸峠を越えて関東平野に出たところにある土地である。丹党が伊達の北武蔵支配に協力するのであれば、抑えておきたい土地であった。
しかし、高麗の北隣は長尾に降った浅羽一族の越生氏、毛呂氏の領地があり、このまま行けば伊達と長尾の激突は必至であった。
高麗の地を治める高麗氏は今のところ、長尾にも伊達にも与していない。大陸からの渡来人の子孫と称する誇り高い人々である。だが、生き残る為にどちらかに降らなくてはならないのは時間の問題であった。
それだけに、今、長尾と伊達が激突の行方は高麗氏の去就に繋がる可能性が高いと言えた。
「高麗殿の救援は‥‥難しいか」
左衛門は地理と勢力図を思い浮かべながら、松山城から救援を出すのは難しいと判断した。
「‥‥だが、長尾と伊達と激突するとあれば、一方の勢力に対して付け入る隙を見出すことも出来る」
荘司次郎はそう考えた。
●青鳥城、確保
松山城の西方にある青鳥城は、菅谷館との中間位置にある今は使われていない小さな城である。
「青鳥城を確保して、菅谷館奪還への橋頭堡とする」
荘司次郎が言う。いつまでも比企氏の下に身を寄せ続けている訳にもいかない。
むろん青鳥城の確保は橋頭堡となるのみならず、松山城の軍事的安定にもつながり、一帯の親源徳勢力の安定化に繋がるはずである。
「ついてはストン殿に青鳥城の改修の指導を願いたい」
荘司次郎がいるのは、勝呂(すぐろ)兵衛太郎恒高の館である。
「話は承知いたした。どうだ、トゥーム。引き受けてはくれんか?」
兵衛太郎は同席した英国人ファイターのトゥーム・ストンに聞く。
ファイターとしても優れた力量を持っているが、それ以上に戦術、戦略、築城や陣地構築に一家言を持つ男である。彼が改修した勝呂館は先日の合戦の折に長尾軍の攻撃を防ぎきっている。ストンが手を加えた勝呂館は「効率よく人を殺せる構造」になっているのである。
「はっ。兵衛太郎殿の頼みとあらば否やはありませぬが、願わくば私の願いを一つ聞き届けて頂きたく存じます」
「願いとな?」
兵衛太郎が聞き返す。
「はっ。私は城取り、陣取りの知識を繰る者にございますれば、あの松山城の地下空間は非常に好奇心をくすぐられまする。私に立ち入り自由の許可を頂きたく、比企殿に口を利いて頂きたくぞんじます」
ストンの申し出は、比企氏による地下空間の調査がすべて終わった後でならという条件で呑まれることとなった。
●女影ヶ原の合戦
北上する源氏軍の大将は石川与七郎であり、副将と軍監に伊達の武将がいる。率いる軍勢は与七郎の説得により伊達に帰順した北武蔵豪族達である。
その中には真っ白い甲冑姿の中村千代丸の姿もある。
伊達と長尾の両軍は女影ヶ原で激突せんとしていた。
その合戦により松山城方面の防備が薄れる隙をついて、青鳥城を確保する。
この作戦の為に冒険者ギルドにも依頼が出された。
冒険者は正規兵にはない機動力を活かして、青鳥城周辺への先行偵察、改修作業中の周辺哨戒を依頼された。
●リプレイ本文
●武蔵国・青鳥城
今は使われていない古城である。
長尾軍に占領された菅谷館と比企氏の松山城の中間付近に位置するこの荒れ城が戦略的に重要な意味を持ちうる情勢になっていた。
が、荒れ城は荒れ城である。塀も門も朽ち果て、館は廃屋になっている。堀には灌木や草が生い茂っている。
「聞いていた以上に荒れ果てていますな」
デルスウ・コユコン(eb1758)は遠目に青鳥城がある場所を眺めて言う。
「というより、もう自然の中に帰っていく途中という感じだな」
鷹碕渉(eb2364)は夏が近づいて草木が茂っているのを見て、より自然への回帰を印象を感じる。
「それだけに何が潜んでるかわからないか。古城に潜む化け物‥‥。さっさと片付けてしまおう」
猪神乱雪(eb5421)は愛刀を手元に引き寄せて言った。
この場にいる冒険者はデルスウ、乱雪、渉、鷹翔刀華(ea0480)、加賀美祐基(eb5402)、大蔵南洋(ec0244)である。
半数以上が速い移動手段を持っているのであれば、できるだけ早く城を確保してしまうべき、そう提案したのはデルスウである。
「いや、攻撃は黎明にするべきでしょう」
「なんで?」
デルスウは乱雪を引き止める。
「接近する時には暗く、敵の眠りも深い。戦闘の間に夜が明ければ逃げる敵も追いやすくなる」
刀華が横からぶっきらぼうに答える。
「ただの化け物なら追い払えばいい。しかし、敵もここの重要性に気づいているのであれば‥‥取り逃がせない」
「刀華殿が言うように、敵がいるかもしれません」
デルスウは言葉を継ぐ。
「その間に羽衣を休ませておくか。皆もそれぞれに休んだほうがいい。魔法の履物を使っても自分の脚で来た者は特にだ」
南洋は乗騎のグリフィンを労わるとともに、仲間にも声をかける。
そこへもう一人の仲間がやってくる。
「大人数が出入りしている様子はなかったよ」
緋宇美桜(eb3064)が周辺の様子を確認してきたのを報告する。忍者の桜はすっかり草木に覆われてしまった青鳥城の様子を周囲から探ってきた。
「少なくとも部隊と呼べる規模での移動の形跡はないんだけど、何かが出入りしている様子はあったんだ。気をつけて」
生えている草や梅雨時で緩んだ地面についた跡などからの判断である。
それで黎明攻撃が決定された。
●掃討作戦
夏至に近いこの季節の夜明けは早い。
突入部隊の面々は宵闇に紛れて青鳥城に近づく頃には、東の空が白み始めていたが、薄暗さに変わりはない。
「行こうか」
渉は破れた塀の隙間からするりと青鳥城の中に潜り込り、他の冒険者達も続く。
「本当に荒れ果ててるな。何か出そうで不気味だね」
朽ち果てていかんとする廃墟の不気味さに祐基がぼそぼそと呟く。
「もう夜明けだ。幽霊は消え去る時間だから安心しろ」
「それじゃ困るよ。幽霊がいるなら、それを退治しなきゃ」
渉が囁き返した言葉に、祐基がさらに言葉を継いた。その時、祐基の後頭部に痛みが走った。
「ごちゃごちゃうるさい」
振り返れば、じっと睨んでいる乱雪の顔があった。
「聞こえないか?」
乱雪が囁いて、耳をそばだてる。すると、大きな寝息が聞こえてくる。
「あの建物だ」
刀華が指差した建物に向けて、冒険者達は出来るだけ足音を潜めて移動する。
生い茂った雑草に揺れて大きな音を立てるが、この時、冒険者達に幸いしたのは敵が人間ではなかったことであろう。
すでに東の空は明るく輝き、朝の清涼が空気が場を包み込んでいる。
「化け物の類か」
冒険者達が見たものは大いびきをかいて廃屋の中で寝転がっている熊の顔を持つ巨体の鬼であった。それも確認できるだけで三匹はいる。
「よし、寝ているうちに‥‥」
祐基が廃屋にあがろうとして、動きが固まった。建物が軋む音を立てたのである。
「私が行く‥‥でも、寝ているうちに倒せるのは一匹だけ。後は起き上がる前に一気に殺到すればいい」
忍び歩きの技術を持つ刀華が、足を置いただけで軋む音を立てるような廃屋を可能な限り、静かに静かに移動していく。建物が軋む音を完全に消し去ることはできなかったが、大いびきをかいている熊鬼を欺く程度には問題はなかった。
刀華は小太刀を抜き放ち、熊鬼の首に押し当てる。
「‥‥っ!」
「グガアアアアァッ!!」
刀華が体重をかけるようにして熊鬼の首に刃を押し込むと、熊鬼は大きな断末魔の絶叫をあげる。
同時に残りの冒険者達が廃屋の中に踊りこむ。仲間の断末魔に目を覚ました熊鬼もこれには堪らない。武器を手に取る間もなく、冒険者の集中攻撃の前に倒れる。
「グアアアア!」
「他の部屋にもいるみたいだ。僕が行くっ」
乱雪はその場の敵を任せると、他から聞こえた雄叫びの元へと向かう。渉がそれに続いた。
「随分、立派な鎧を着ているものだ」
渉は立ちはだかった熊鬼の着込んでいる鎧が上等なものであることに気づいた。手に持つ巨大な斧は重厚ながらも粗末なものであるが、腰に乱雑に差している太刀の拵えはちょっとしたものであった。
「助太刀に来ましたっ!」
その時、別な入り口からデルスウが踊り込んできた。ジャイアントの巨体が目立つであろうということで、戦闘が始まった様子が確認できるまで外で待機していたのである。
「一人一匹! こいつらは熊鬼といって力は強いが、技量は伴わないはずだ。遅れを取るなっ!」
ささやかながら、妖怪や精霊の知識がある渉が警告と檄を発する。
「熊だろうが、鬼だろうが、邪魔立てするなら斬るのみ」
乱雪は刀を鞘に納めると自分の受け持ちの熊鬼と対峙する。
熊鬼の豪腕によって繰り出される速さのある斧の振り。だが、乱雪にとって避けきれないものではない。
「化け物に僕の太刀筋が見切れるかどうか試してみようじゃないか!」
挑発しながらも乱雪自身は刀を納めたまま、慎重に攻撃の機会を探る。業を煮やした熊鬼が大振りの一撃を与えようとした時、乱雪は動きを止める。
「ガアアッ!」
「‥‥やぁっ!」
乱雪が立っていた場所の床が粉々に粉砕されるほどの一撃を潜り抜けて、乱雪は熊鬼の胴体に渾身の一撃を放った。致命傷ではないが、戦いの流れを決定付けるには十分なものであった。
一方、熊鬼にも匹敵する剛力で、敵の頑強な鎧をものともしないのがデルスウであった。
「おおおっ!」
熊鬼に比べれば軽装とはいえ、剣と盾と鎧を装備してなおデルスウの動きは軽快さを失っておらず、技量でも手数でも熊鬼を圧倒する。複数の攻撃を避ける機敏さに欠けるのが唯一の弱点であるが、一対一の戦いで遅れをとることはなく、重い一撃で着実に熊鬼に斬りつけていく。
「強い! ただの熊鬼じゃなくて場数を踏んでる」
渉は知識と目の前の熊鬼の差異に戸惑いを覚えたが、
「だが、勝てない相手じゃない」
と、熊鬼と刃を切り結ぶ。巧みな剣技で確実に熊鬼の着込む鎧の隙間に相州正宗の名刀を突き入れる。
三者三様の戦い方によって熊鬼達は着実に制圧された。
「私が出るまでもなかったか」
上空でグリフィンに騎乗して逃亡者の警戒をしていた南洋は空の上でそう呟いていた。
●改修作業
「まっ、悔しいけどお前の力は本物みたいだしな。いい機会だから、欧州仕込みの築城術ってものを見せてもらうよ」
祐基は城の改修作業が始まるのと同時にトゥーム・ストンの元に張り付いていた。名目は今、言葉にした通りである。
「‥‥お前などに分かるかどうか。もう一人の男のほうが、まだ見所がありそうだがな」
「天堂のことか? 先日の矢傷が思わしくなくてな、湯治に行ってるよ」
祐基が珍しく皮肉を言う。
二人がいるのは作業の様子が見える場所である。トゥームのやり方は合理的なもので、近隣の山林で資材を切り出しながら同時に仮組みを行い、印をつけておくというものである。青鳥城の現場ではその印に合わせて本組を行うだけとなり、改修作業中に攻撃を受ける可能性を極端に減らしてみせたのである。また、堀を深く掘りなおして、その土で土塁を築きあげていく。
作業は一定の区間ごとに班分けされて、作業が早く終わった班には特別報奨が約束された。
トゥームは下手な建造物よりも、重厚な土塁などをしっかりと突き固めて防備に当てることを好んだ。しかも、その中に板塀を埋め込むなどの工夫を重ねている。
「安上がりで補修もしやすく頑丈だ」
より特徴的であるのが、城の外郭をジグザグにしていることである。凹んでいる部分の敵を多方向から同時に攻撃できる仕組みである。どちらも勝呂館にも取り入れられているものであった。
と、騒ぎが起こった。
「待ちなさいっ!」
飛麗華(eb2545)が逃げようとする人足を追いかけている。
料理人であり、なにより料理が好きである麗華は人足達の炊事に興味を持ってその場を訪れた。
そこで挙動不審な男を見つけたのである。料理に対する工作は料理人に対する麗華には許し難い行為であった。麗華が問い詰めると男は逃げ出し、麗華はそれを追いかけた。
だが、身軽な男のほうが武装している麗華よりも早い。
「それなら」
麗華は長棍棒を投げ捨て、外套を脱ぎ捨てる。武闘家である麗華は素手の戦いで負けるつもりはない。
しかし、遠距離を走る技術では相手が勝っているように思われた。長く走るほどに少しずつ離されていく。
「このままでは‥‥」
と、その時、男の前に黒い影が立ちはだかった。
「ここから先は行かせない」
金属を打ち鳴らす音がした。男が隠し持っていた小柄と小太刀「微塵」が刃を交えたのである。
二合、三合と刃を交えた時、麗華が追いついた。
「やああっ!」
男は二人の敵を捌ききることができず、麗華に打ちのめされた。
「天堂さん? どうしてここに?」
一段落してから、麗華は驚きの声をあげた。男の前に立ちはだかったのは天堂蒼紫(eb5401)であったのである。
「ストーンの奴がどうしても胡散臭くてな。今回の依頼には参加していないことにしてもらって、独自に動いている」
蒼紫はそのように答える。
「‥‥私も、どうもあの人には関わらないほうがいいかもと思っています」
麗華もストンの胡散臭さを感じているらしい。
「ともあれ、そういうわけだ。俺のことは内密にしておいてくれ。時がくれば‥‥」
蒼紫は最後まで言わずに立ち去っていった。
●蝶は羽ばたいたか?
桜は蒼紫と麗華が捕らえた間者の男を、普請の責任者であるという名目でストンの前に引き出した。
「草の者みたいだね。この工事の為だけに昨日今日潜り込んだわけじゃないみたい。工事の妨害しようとしてた」
この事実に関する報告が重要であるのは間違いない。しかし、桜の目的はそれ以上にストンへの接近にあった。
「では、後は任せるよ」
踵を返した桜は髪を掻きあげる仕草に紛れて、その指にはめた指輪を確認する。
――蝶は羽ばたいていた。
●謀略
「晴れて侍に戻れるか否か。ここが切所さ、気合入れていくよ」
戦乱は浪人にとって仕官の機会が増すことに通じる。
(「武州の動乱を鎮める手柄で仕官を叶える」)
それが水上銀(eb7679)の大望である。
「長尾との休戦か、伊達との休戦か」
畠山荘司次郎は二人の冒険者から提案された休戦案に悩んでいた。
長尾との休戦案はデルスウの提案であり、伊達との休戦は銀の提案である。
確かに仮初であれ、当面の危機を乗り越える為にどちらかとの勢力との一時休戦は不可欠である。
「‥‥だが、石川は最近まで源徳家臣であったことを思えば、伊達の中に疑心を生じさせやすい、か」
荘司次郎はに一石二鳥の案に魅力を感じた。働きかける相手は正確には伊達ではなく、石川与七郎数正である。
そうして、銀は大凧を使って夕闇時に石川軍の陣地に降り立ったのである。
「あたしは畠山荘司次郎殿に雇われた冒険者だ。荘司次郎殿からの密書を携えてきた。石川殿にお目通り願えるかい?」
伝法な口の利き方をする女冒険者の出現に見張りの兵は戸惑った。
「冒険者が使者か。出陣前のギルドでは聞かなかった依頼だの」
そこへ通りすがったのは中村千代丸であった。白い烏帽子兜、欧州甲冑の胴を使った白い折衷様式の鎧、白い陣羽織を身に着けた凛々しい姿である。
「冒険者ギルドは中立だからね。伊達に与する武将のあんたには聞こえない依頼もあるだろうさ」
「そうかも知れぬの。その密書を石川殿に‥‥と言うたの?」
「それがどうしたい?」
「便宜を図ってやろう。おぬしは冒険者だからの」
千代丸の申し出に銀は面食らってしまう。
「な、なんだい、そりゃあ」
「‥‥私の信念だ。冒険者には‥‥その、なんだ‥‥友人が多いからの」
千代丸は少し照れながら、そう答えた。
「‥‥あ、あんたがそうしたいなら、せっかくだ、利用させてもらうよ。だ、だけどな、変な企みを隠してたりしたら容赦しないよっ」
銀もまた、敵陣と思ってやってきた場所で、場違いとも思える言葉をかけられて照れ屋の性分が出てしまったようであった。
結果として、密約に関する話は保留されることになった。
が、畠山と石川の接触は公然の出来事として兵士達の間に噂となって広がっていったのである。
もう一つの謀略も動き出していた。
南洋が主導した離間工作の扇動である。
「両者の陣に対して、新参の勢力に綻びがあることを仄めかす。さすれば、両者になにがしかの動揺を与えることが出来るだろう」
どこまで巧くいくかは図りかねたが、花押の偽造など手を込ませてみせている。
その効果が現れるかは、今後の推移を見守る必要がある。
女影ヶ原で激突した両軍の戦いは痛み分けに終わったが、渦中にあった高麗氏が長尾についたことで、戦略単位では長尾の勝利と言える結果になったのである。
●青鳥城の完成
そうこうしている内に、青鳥城は当面の防御施設を完成させることに成功した。
ある程度の規模の敵に攻められても援軍を待つだけの堅牢さを持つ城に仕上がったのである。
後は随時、城の完成度を高めていけばいい。
畠山荘司次郎と比企藤四郎は、冒険者達の重なる嘆願を入れて、ストンの地下迷宮探索の自由に関して、城の完成度を高める普請の終了後という条件を足し、とりあえずストンの要求実現を先伸ばしにすることを決定した。