【聖夜祭】ざ・女の戦い
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■ショートシナリオ
担当:言の羽
対応レベル:1〜5lv
難易度:普通
成功報酬:0 G 81 C
参加人数:4人
サポート参加人数:2人
冒険期間:12月24日〜12月27日
リプレイ公開日:2006年01月02日
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●オープニング
アリスはね、おにいちゃんがだいすきなの。
おにいちゃんはすっごくすっごくすっごーくかっこよくてね、でもちょっぴりドジなところもあって、だからアリスがついていてあげなきゃダメなの。アリスが「もう、おにいちゃんてばダメね!」っていうと、おにいちゃんはテレてわらいながら「ごめんな」ってアリスのあたまをなでてくれるの。
そのときのおにいちゃんのてはすっごくあったかくて‥‥とってもきもちいいんだよ。
――だから。
おにいちゃんはだれにもあげない。わたさない。おにいちゃんとぴったりよりそって、せいなるよるをむかえるのはアリスだもん! そのためにはなんだってするんだから!
◆
その依頼内容を聞いた年上趣味の受付嬢は、額に青筋を浮かべた。一応客商売なので、薄ら笑いを浮かべてはいるが‥‥明らかに目がすわっており、ゆえに殊更彼女に対する恐怖を煽る。
だが依頼人である若い女性は特に気にもしていないようだ。いや、同じタイプであるためにこれしきの事では通用しないのかもしれない。椅子に座る受付嬢を、腰に両手を添えて見下ろしてくる依頼人は、下手をすると戦いを挑んでいるようにすら見えてくる。依頼人の後ろに控えている頼りなさげな美青年がおろおろするも、受付嬢と依頼人の間に生じたオーラは止まる事を知らない。
「‥‥あなた方のデートの補助‥‥ですか?」
自分の恋人いない暦を思い出したくもない受付嬢が苦々しく言葉を吐き出した。
「ええ、そうです。私と私の恋人が、聖なる夜を思い切り満喫できるようにしてほしいのです」
冷たいようにも受け取れる物言いで、依頼人は答える。そして後ろの美青年のほうへちらりと視線を送った。どうも彼こそが依頼人の恋人であるらしい。金髪碧眼に加えて整った容姿をしており、確かに見目は麗しいが線は細く、いざとなれば頼りにならないかもしれない。
あんな優男のどこがいいんだか、と心の中でこぼす受付嬢。しかし恋人がいるという事実はどう繕っても羨ましく、その限りではこの依頼人に負けていると認めざるをえない。私だってその気になればと思い続けて、一体何年経っただろう。
「補助というのは、具体的には何をしてほしいのですか?」
「彼の妹君を排除してほしいのですわ」
「‥‥妹? しかも排除?」
目を白黒させる受付嬢に、依頼人はため息をひとつして、それから恋人を手招いた。
美青年の話によると――
彼の妹は若干11歳にして、弟子入りしている近所の魔術師のお墨付きなのだという。どうも天賦の才があるとかで、魔法についての知識などほとんどない美青年にも、妹がめきめき上達していくのが手に取るようにわかったそうだ。
妹の成長は兄としてはとても喜ばしい事である。
‥‥ただし、彼女が普通の妹であったなら、の話だが。
かなり歳が離れて生まれてきた妹を、美青年は大事に大事に見守ってきた。かいがいしく育ててきた。おかげで妹はいまや、重度のおにいちゃん好きになってしまっている。自分と兄は将来結ばれるのだと信じて疑わず、兄に近付く女性にはすぐさまそれなりの対処を施す。
彼女のそんな攻撃をものともせず、美青年の恋人の地位を勝ち取ったのがこの依頼人であるわけなのだが。
「いつもは気にせず、むしろやり返すくらいなのですが、聖夜くらいは静かに過ごしたいではありませんか」
「はぁ、まぁ‥‥」
語り終えた美青年に腕を絡ませつつ同意を求めてくる依頼人だったが、受付嬢は曖昧に濁した。こちとら一緒に過ごす相手もいませんがね、なんて本音を隠しつつ。
「では、妹さんをあなた方から遠ざけておく、という事でよろしいですか」
「そうね。‥‥ああ、力の限り抵抗してくるでしょうけど、頑張ってちょうだい」
笑顔でさらりと簡単に応援する依頼人に受付嬢がもうひとつ青筋を浮かべた事は秘密だ。
●リプレイ本文
●戦の準備
「しかしまあ、独り身でありながら、こうカップルのデート補助ってのもあれだな〜」
冬の空の下。ブレイン・レオフォード(ea9508)とリース・マナトゥースは市場を練り歩いていた。目的は聖夜を彩る飾りつけ用品、その材料である。
依頼対象である少女の気をひくため、冒険者達はパーティを開く事にしたのだ。一緒になって飾りを手作りすれば、まだ幼い少女にも楽しんでもらえるかもしれない。何と言っても折角の聖夜なのだ。少女がひとりになってしまうのでは可哀相過ぎる。
「いっそあの子けしかけて逆にデートの邪魔を‥‥じょ、冗談だって、冗談!」
リースのジト目攻撃を受け、ブレインは慌てて前言を撤回する。少女に楽しんでもらおうと思ったのは事実だが、自身が独り身であるという現状を物悲しく思うのもまた事実。
「ほら、あれなんか可愛いんじゃないか!?」
もしかしたら痛くなるかもしれない腹を探られまいと、まだ彼を見ているリースの視線を避けるように、ブレインが話題を逸らす。
パーティ会場は少女の家でいいだろう。すぐには作れない飾りだけは本番前にリースが作ってしまうとして、いそいそと買い物を続けるふたりだった。
●開戦
朝も朝、早朝も早朝。鶏がまだ鳴かぬ時分だった。今回の依頼人である女性が、恋人である金髪碧眼の美青年の家までやってきて、寝ぼけ眼の恋人を連れてどこへともなく出かけていった。
そんな聖夜祭当日。戦いの火蓋は切って落とされた。
「おにいちゃんがいなぁぁぁぁぁぁぁいっ!!」
恋人たちが出かけた数時間後、ようやく寝台から身を起こした美青年の妹、美少女アリスは、ご近所の迷惑を顧みる事なく叫び声をあげた。着替えるより顔を洗うより朝食を摂るよりもまず、兄の部屋に行って朝の挨拶を交わそうとしての事だった。
勿論、そこに兄がいるわけがない。
兄とふたりで聖夜祭を過ごすつもりだったアリス、すぐに兄が恋人に連れ去られたのだと思いつき、追いかけようとした。しかし恋に恋する女の子、寝巻きのままで外へ出るわけにもいかず、まずは身支度を整えた。魔法の師匠から聖夜の贈り物としてもらった、『可愛らしい装飾がされたカラフルなローブ』に身を包む。
「あのおんな、ゆるさないんだから‥‥アリスからおにいちゃんをうばおうだなんてぇっ!」
兄の恋人を名乗る憎い女性の高笑いを思い出し、アリスの歯がギリッと軋んだ。
そこへ、ノックが聞こえる。外から誰かがやってきたのだ。可愛らしいふくれっ面のままアリスがドアを開けると、立っていたのは贈り物を携えたアンデッタ・アンラッキー(eb3421)だった。
「おねえちゃん、だれ‥‥?」
首を傾げるアリスに対し、アンデッタはにっこり笑って贈り物を差し出した。
「キミのお兄さんからだよ」
「えっ、おにいちゃんから!?」
「そう。開けてみて?」
大好きなお兄ちゃんからの贈り物と聞いて、アリスもすっかり破顔する。リボンを解き、包みをはがし、箱を開け‥‥‥‥瞬間、一気に無表情へと変化した。
何事かとアンデッタが覗き込むも、怪訝そうな彼女にアリスが向けたのは、怒りの眼差しだった。
「うそつき!!」
もはや叫んだ、ではなく、吼えた、と表現するほうが正しいかもしれない。それくらいに声量が半端ではなかった。
「おかしじゃないの、これ! こんなの、おにいちゃんからアリスへのプレゼントじゃない!」
「そ、そんなことは――」
「おにいちゃんはいつもアリスがほしいものをくれるの! ことしはね、かみかざりをたのんだんだから! おにいちゃんがおにんぎょうをくれるはずないんだから!」
アリスが指を組んだ右手を振る。ほぼ同時に暴風が吹き荒れて、アンデッタの体を煽った。
何が起こったのか理解した頃には時既に遅し。アンデッタは見事に転倒し、尻餅をついていた。痛みに顔をしかめる彼女の上を飛び越えるようにして、アリスは家を飛び出した。もちろん、兄を探しに。
●じゃじゃ馬捕獲作戦
「ちょっとちょっとちょっと! なんでこんな事になってるのっ!?」
「僕に聞くなよ、仕方ないだろっ」
小さな体で人ごみをすいすい潜り抜けて行くアリスの後を、空流馬ひのき(eb0981)とブレインが追っている。アンデッタの贈り物作戦で警戒を解いてもらったところで、さあパーティの準備を始めようと乗り込むつもりだったのだが。
まさか逆効果になるとは――それ以前に、兄が妹のわがままを余す事無く承諾してきたなんて想定外だった。アリスが兄一筋、兄至上主義になったのは、兄の今までの行動のせいだ。妹だけのせいではない。
「‥‥やっぱりデートのほうを邪魔したくなってきたかも」
「ブレインさん?」
「いやいや、なんでもないよ。うん」
不審な発言を繰り出すブレインはとりあえず放っておいて、ひのきは前を見る。通行人の合間に、アリスのローブが見え隠れする。事前に兄から彼を描いた絵を借りようとしていたひのきだったが、生憎とその様な物はなく、代わりにアリスの好みなり希望なりを聞いていた。その情報を他の冒険者に伝えてはいなかったためにこの事態となっており、ゆえに彼女はほんの一瞬だけ悔やんだ。しかしあっという間に気持ちを切り替え、今からでも遅くはないと、追いかける速度を上げる。
「‥‥やれやれ。とんだお転婆さんですね」
そこへ紅双葉(ea4011)が合流する。大道芸の小道具を取り揃えて待機していたものの、やはり肩透かしをくらったのだ。道具を抱えなおすのに時間をくい、ひのきとブレインに追いつくのが遅くなってしまったのだ。
3人は互いを見た。ひとつ頷き、双葉を前に押し出した。
「そこの可愛いローブを着たお嬢さん!」
アリスの動きがぴたりと止まる。
「そう、あなたですよお嬢さん。急ぐご予定がおありでも、ちょっとご覧になっていきませんか?」
双葉の前口上は、アリスだけでなく付近の通行人の足すら止めた。注目の的となった双葉、さっと掲げた右手には、3個の球が握られている。そして不敵に微笑んだ後、その球を連続して宙に投げた。
見物人と化した通行人から歓声が上がる。双葉の右手を離れた球は宙を飛んで左手に渡り、すぐさま右手に戻るとまた宙に飛ぶ。緩急つけてどんどん移動する球、その動きは見る者全てを魅了していた。アリスとて例外ではない、目を輝かせて、双葉の技に見入っている。
「‥‥ごめん、しくじったよ」
アンデッタも追いついてきて、小声でひのきに話しかけた。お尻をさすっているところからして、まだ痛むらしい。
「とりあえず何とかなってるから大丈夫よ。――ブレインさん、今のうちに」
「うーん‥‥力ずくではいきたくないんだけどなぁ」
体を低くして、ブレインが人ごみにもぐっていく。
双葉が操る球の数は5個に増えていて、アリスの視線は球の動きを追い、目を回しそうな勢いだ。他には何も見えていないアリス、その小さく軽い体を――背後からブレインが掻っ攫った。悲鳴を上げる寸前の口を手で塞ぎつつ、急いで人通りの少ない横道へと連れ込んだ。
依頼を達成するためとはいえ、そこはかとなく危ない行為をしている気がしないでもないが、同じ依頼を受けている冒険者以外、誰も見ていなかったので良しとする。
●元気すぎるのも考えもの
双葉はきりの良いところで芸をやめ、見物人の拍手に一礼してから、落ち着いた様子で横道へ入る。
「お疲れ様ー」
片手を挙げて出迎えたひのきの横では、ブレインとアンデッタがふたりがかりでアリスを押さえ込んでいた。ブレインの膝の上にアリスが乗っており、印を紡げないようにその小さな手はアンデッタによって握られている。事情を知らない者が見れば、人攫いの現場である。
アリス自身がそのように思っているであろう事も、彼女の様子からして明白である。大きな碧の瞳は涙で潤み、体は縮こまって小刻みに震えている。今は解放されているぷっくりした唇からは泣き声しか出てこない。
「‥‥やりすぎでしょう、さすがに」
「あ、やっぱり?」
苦笑しつつ双葉が肩をすくめると、ブレインもアンデッタもバツの悪そうな顔でアリスを放した。自由になったアリスはなぜか、双葉に泣きついた。どうやら先ほどの大道芸で気に入られたらしい。
「あのね、あたし達はあなたと仲良くなりたいだけなの」
「そうそう。友達になりたいだけなんだよ」
ひのきが言うと、アンデッタが付け加えた。
「だからほら‥‥僕達と遊ぼう?」
差し伸べられたブレインの手を見つめるアリス。各人の表情を、順番に、一通り確認している。
「‥‥アリスとなかよしになりたいの?」
「勿論!」
「アリスがかわいいから?」
「‥‥‥‥勿論!」
にっこぉ♪
その後、まさしくこの擬音語を伴った表情を浮かべ、返事に代える。
安堵して、詰まっていた息を吐く冒険者一行だった――が、あの兄の手で蝶よ花よと育てられたアリスが一筋縄でいくはずもなく、一行は折角吐き出した息を再び飲み込む羽目に陥った。
「えいっ」
荒れ狂う風。つまりはストーム発動。
突然のことに戸惑う一行からは、哀れにも再び転んだアンデッタをはじめ、なんとか堪えようとしたひのきも最後の最後で見事な転びを見せてくれた。
一方、堪えきった双葉とブレインも――
「そーれぃっ♪」
アリスがくるりと一回転し、ステップを踏む。ローブの裾がふわりと広がり可愛らしいローブが一層可愛らしく見えて、またも魔法を使ったアリスを怒らなくてはと駆け出していたふたりの体が、がっちりと、鎖に縛られたように、動かなくなった。
「まさかあの子が着てるのって、魔法少女のローブ!?」
間違いなく青あざができているだろうお尻を庇いながら、アンデッタは驚愕の一言をあげる。
そう、アリスは弱冠11歳。文字通りの魔法少女なのである。
「きゃははははっ♪ ほーら、つかまえられるならつかまえてーっ♪」
「えっ、これ、遊びの範疇なのか!?」
ひと時の呪縛から放たれたブレインも青ざめる。
この時一行はようやく、美青年が妹を引き離す事に同意した理由を確信した。――体力気力共に、妹のあまりの元気さにお手上げ状態になった違いない。
「‥‥これは、骨が折れるなぁ」
「でもどうやら、お兄さんの事は忘れているみたいですね」
「そうね‥‥無理にお兄さんの話をしなくても、このまま遊びに付き合っていれば大丈夫そうね」
「恋人達がいそうな場所にだけ注意して、近付かなければいいんじゃないかな」
ひそひそこそこそ。肩をくっつけて密談する一行を、またもや暴風が襲う。
「なによーっ、こないのー!?」
路地の入り口でアリスが呼んでいる。
地面に這い蹲らされた一行は、もうどうにでもなれとばかりに、とことんまで付き合う覚悟を決めた。
●さっき泣いた何とやら
「ひのきおねえちゃん、ありがとー♪ たいせつにするねーっ♪」
赤々と燃える暖炉の前で、確かな仕事のなされたぬいぐるみを胸に抱きしめ、アリスはすっかり上機嫌だ。
あれからゆうに4時間ほどが経っていた。その間ずっと、アリスと冒険者達はキャメロット中を走り回っていた。ストームで引き離された分を取り戻したかと思えば、魔法少女のローブの効果で体が動かない一瞬のうちに隠れられ、しかもラブラブムードの漂う飲食店が並ぶ通りや噴水の近くなどは避けるように追いかける向きを変え‥‥それでもまだまだ元気なアリスに、死人同然になった一行は呆れを通り越して称賛の言葉を贈りたくなった。
パーティの準備をするため他の者がアリスの家へ向かった後、ひのきはアリスを連れてお茶をしていた。その時にさりげなく彼女の好みを聞き出し、さりげなく彼女への贈り物を購入した。
「‥‥ほんとはね、わかってるの。ぜんぶアリスのわがままなんだって」
ケーキにフォークを刺していたアリスが、ぼそりと呟いた。
「ずっとおにいちゃんといっしょにいられるわけないってこともわかってるの。でもね、アリスはおにいちゃんがだいすきなの、だから‥‥っ」
ぽろぽろ零れてくる、透明な涙。片手にフォーク、片手にぬいぐるみでは、涙を拭う事もできず、お気に入りの椅子の上で彼女は泣きに泣いた。
「お兄さんがどれだけ困っていたか、わかっていたんですね」
双葉が尋ねても、こくこく頷くばかり。
「兄さん達の気持ちがわかるなら、もう邪魔しようとはしないよね?」
「‥‥あのおんなはきらい」
アンデッタの問いには即答で拒否の意を示したものの、ケーキを口の中に放り込み、美味しそうに飲み込んだ。
「そうだ、もしお兄さんとそっくり同じ男の人が現れちゃったらどうする?」
「そんなひといないもん」
ひのきの質問にも即答。ケーキの次の一切れをひたすらもくもく食べている。
「でも、お兄さんも妹さんの事、大事に思っているのですよ」
もう一度双葉に語りかけられて、アリスの動きが止まる。涙の勢いが強くなった。
「わかってる‥‥わかってるのぉっ‥‥」
「あーよしよし。泣きながら食べるのはやめような」
温かい手がアリスの頭を撫でた。ブレインだった。アリスのすぐ隣に座っていた彼、見るに見かねて手を出したのだ。
心優しい彼の事、それはごく自然な行動だった。だが、とても危険な行動でもあった。
「大好きなお兄ちゃんの代わりにはならないかもしれないが、今日は僕達がずっと側にいてあげるから」
最初にアリスの異変に気づいたのはひのきだった。そう‥‥彼女は気づいてしまったのだ、アリスの瞳に恋する乙女の輝きが灯った事に。
「ブレインおにいちゃん‥‥」
ああ、あの表情は、きゅんと胸が高鳴っている表情だ。しかし当のブレイン本人はまったく気づいていない様子。
ひのきは双葉とアンデッタに目で合図を送った。ふたりはにっと口角を持ち上げた。――これでもう大丈夫だ。たったひとりの尊い犠牲によって、彼らは確固たる成功を手に入れるのだ。
「おにいちゃん、はいっ、あーん♪」
「え‥‥あー‥‥はいはい、しょうがないなぁ」
自分達から他の者の椅子が離れていっている事も知らぬまま、アリスの相手を続けるブレインだった。