【ペタ胸狂想曲】戦え、乙女たち

■ショートシナリオ


担当:久条巧

対応レベル:9〜15lv

難易度:普通

成功報酬:4 G 32 C

参加人数:6人

サポート参加人数:2人

冒険期間:08月25日〜09月01日

リプレイ公開日:2005年09月02日

●オープニング

──事件の冒頭
「‥‥ここ最近の冒険者の実力、諸君はどう思うかね?」
 とある洞窟。
 その奥の広間で、小悪魔『ニッチモ』がその場に居合わせた悪魔たちに対してそう問いかけている。
「明らかに強くなっているであります」
「女冒険者が凶暴であります」
「先日も、酒場で女冒険者が暴れていたであります」
「シルバーホーク卿もピンチであります」
 次々と出てくる意見。
「さて、それでは、その辺りのことを踏まえて、私なりに色々と考えてみた。そして、一つの結論に達した!!」
 ニッチモはそう告げると、壁に一枚の羊皮紙をペタッと張付ける。
 そこには、凶悪そうな女冒険者の似顔絵が記されている。
「全ての女冒険者が『ペタ胸』であるということだ。私は人間に変装し、この数ヶ月間、じっと様々なデータを集めた。そこで私は一つの確信を得たのである」
 バン!! と壁を叩きつつ叫ぶニッチモ。

「胸の大きさと凶暴性は反比例する‥‥」

──ガクッ
「そ、それはどういうことでありますか!!」
「つまりだ。デカ胸女冒険者は慈愛に満ちているものが多い。それとは対照的に、ペタ胸は凶暴なものが多いのである!!」
──サッ
「ニッチモ先生!! 噂の『殴りクレリック』はどうでありますか?」
 その質問に、ニッチモは耳を貸さない。
「まあ、そんなデカ胸鉄拳女はおいといて。そこで私は考えた。全ての女冒険者の胸を大きくするのである」
──サッ
「ニッチモ先生、『ペタムネ萌え男冒険者』はどうするのでありますか?」
「まあ、そんな人は捨ておいて。私は女冒険者の胸を大きくする薬を開発しようとした!! そして失敗した!!」
──ガクッ
 全員が一斉にこける。
「そ、それじゃあ‥‥」
「話は最後まで聞けェぇぇぇぇっ。この度、我々は一人の協力者を得ることが出来た。ワレワレのような下っ端ではなく、もっと実力のある悪魔に‥‥ご紹介しよう。『ヘルメス様』だ!!」
 そのニッチモの言葉に、やれやれという表情で姿を表わすヘルメス。
『ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ』
 インプ、グレムリンの集団が一斉に叫ぶ。
 そしてその声に答えるように、笑顔で手を振るヘルメス。
(はぁ‥‥忙しいのに‥‥なんでこんなこと‥‥)
 そう呟きつつ、ニッチモに薬のはいった樽を手渡すヘルメス。
「これが『貧乳増強剤』よ。私が直々に調合したんですから、これで失敗なんてしたら‥‥」
 そう告げるヘルメス。
「判っていますヘルメスさま。ですが、作戦はヘルメス様の作った薬の効果にも掛かっています」
「ふうん。貴方たちの目は節穴なの?」
 そう告げるヘルメス。
 と、下級悪魔の視線が、一斉にヘルメスの胸に注がれた。

『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ』

 なんと、ヘルメスさんの胸がいつもの1.5倍増。
 しかし、なんだかなぁ、ヘルメスさん。


──冒険者ギルド
「えーっと、つまり、えーーーっと。胸を元に戻して欲しいということですね?」
 素っ頓狂な言葉を話しているのは新人受付嬢のエムイ・ウィンズ。
「ええ。いつものように仕事をしていたら、昼過ぎに突然、村の女性の胸がはちきれないぐらいに大きくなりまして‥‥以前も、井戸水を飲んだら獣耳が生えてきたでしょう? またあの時の悪魔が何かやらかしているんじゃないかと思って‥‥」
 困り果てている依頼人。
「でも、大きいのでしたら別に構わないのでは?」
「村の男の人たちも大きくなってしまったから困っているんですよッ。恥ずかしくて、男の人たちは家から出てこれなくなってしまって。このままでは死活問題ですっ‥‥」
 以前村を襲った『獣耳事件』。
 今回も、同じ手口で悪魔が悪事を働いたのであろう。
 井戸の近くに見慣れない樽が転がっていたらしい。
 そしてそれは、『村長宅』に保管されているという‥‥。
「御願いです。普通の胸を返してください!!」

●今回の参加者

 ea0926 紅 天華(20歳・♀・僧侶・エルフ・華仙教大国)
 ea2165 ジョセフ・ギールケ(31歳・♂・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea4238 カミーユ・ド・シェンバッハ(28歳・♀・ナイト・人間・ノルマン王国)
 ea5512 シルヴァリア・シュトラウス(29歳・♀・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea5817 カタリナ・ブルームハルト(33歳・♀・ナイト・人間・ノルマン王国)
 ea8247 ショウゴ・クレナイ(33歳・♂・神聖騎士・人間・フランク王国)

●サポート参加者

メアリー・ブレシドバージン(ea8944)/ 紅 麗華(eb2477

●リプレイ本文

●ということでうあなにをするやめろっ〜悩みはひとそれぞれ〜

 テクテクと、巨乳目指して、冒険者。
 己が本能、胸に有りけぬ
              〜とある記録係

──とある村
(ふくよかなる胸元は殿方の永遠の憧れというが‥‥)
 そう心の中で呟きつつ、ふう、と溜め息を着いているのは紅天華(ea0926)。
 エルフである彼女には、胸の悩みはかなり深刻らしいです。
 まあ、種続柄、細身の女性が多いのは仕方のないことなのではあるが、やはり男の側といたしましては、‥‥まあ、そんな話しはさておいて。
 突然の『巨乳症候群』に悩まされた村人達を救う為、冒険者一行はやってきました件の村。
 村の入り口では、村長を始めとする『巨乳さま一行(男性除く)』が冒険者を迎えいれてくれた。
「よくいらしてくれました。私が村長の‥‥」
──ズンズンズンズン
 そんな村長など知ったことか!!
 そんな雰囲気を醸し出しつつ、カタリナ・ブルームハルト(ea5817)はそのまま目前の井戸に向かって移動。
──グビッグビッ‥‥
 そして井戸水を組み上げると、一気にそれを飲み干した!!
「ぷはーー。冷たくて美味しい水だねっ」
 それで満足するカタリナ。
「あ、それでは、依頼についてご説明させて頂きます‥‥」
 そう呟く村長に近付くと、ジョセフ・ギールケ(ea2165)は其の手をガシッと握り締める。
(ああ、この冒険者は普通の人なんですね‥‥)
 そう誰もが思った。
 このジョセフの一言を聞くまでは。
「錬金術の発展のために私にも薬を分けてくれ。そう錬金術のためなんだ。この薬があれば発展途上の美少女が私のもとに来てウッハウハとか考えてないから、全く全然これっぽっちも‥‥」
 下心100%でそう力説するジョセフ。
──グイッ
 そのジョセフの襟首を掴むと、シルヴァリア・シュトラウス(ea5512)はそのままジョセフを後に押し遣る。
「初めまして。冒険者ギルドより依頼を受けてやって参りました。まずは詳しい話をお聞かせ頂きたいのですが‥‥」
 そう丁寧に告げるシルヴァリア。
 そして村長以下、巨乳、それを越えた爆乳、さらには『魔乳(人を魅了するという意味から)』の域に達している人たちが、次々と説明を開始する。
 それらによると、共通点は村の井戸水。
 それを飲んでから大体1〜2時間後には、全ての人たちが『巨乳化』したという。
「つまりは、この井戸水に何か細工が施されているというのですね?」
 そう静かに告げるのはカミーユ・ド・シェンバッハ(ea4238)。
「はい。そしてこれがこの近くに転がっていた『樽』ですじゃ。まだ奇妙な液体が残っているようで‥‥」
 振るとチャポンと音がする。
「それだぁぁぁ。それを俺によこせぇぇぇぇっ。巨乳は、巨乳になる薬は人類全ての大いなる遺産なんだぁぁぁぁっ‥‥」
──光になれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!
 ゴイーーーンと暴走するジョセフの後頭部をハンマーで殴りつけるのはショウゴ・クレナイ(ea8247)。
 そして意識を失ったジョセフをよそに、カミーユとショウゴ、カタリナの3名は井戸周辺の調査を開始。
 その他のメンバーは、それぞれに聞き込みを開始した。

──天華
「あっ‥‥そこは‥‥駄目っ‥‥」
「‥‥これは反則だな‥‥」
 眼の前にある美乳にツツーと指を這わせる天華。
 巨乳症候群に掛かった憐れな『殿方』に話をききに向かった天華は、まずはそれがどのような状態であるのかを確認するために、とりあえず『見せて貰って』いたのである。
「鍛えあげられた筋肉ではないか‥‥」
 そのまま自分の胸にそっと手を当てて。
 
 涙ぐむ天華。

「形、張り、艶、大きさ、全てのバランスの取れた胸‥‥どうして殿方の胸に?」
 そう呟きつつも、少し嫉妬を覚える天華。
 そのまましばらくの間、天華は嫉妬に萌えつつも聞き込み調査を続けていたのである。

──一方、シルヴァリアはというと
「形‥‥☆☆☆。艶‥‥☆☆☆☆。大きさは☆☆☆☆☆、柔らかさと弾力性は☆☆☆☆、そしてトータルで‥‥☆☆☆☆。はぁ‥‥」
 犠牲者である女性に一つの家に集ってもらい、細かいところまで調査していたシルヴァリア。
 一人一人の調査をしているうちに、いつのまにか調査レポートが『巨乳ランキング表』になりつつある。
 そしてやはり、自分の胸と比較して‥‥なにかムカムカしているようである。

──ショウゴ&カミーユ&カタリナ
 ゴクゴクゴクッ
 意を決して井戸水を呑むショウゴ。
 周囲には巨乳の女性達。
 その効果が村人だけか、それともこの井戸水を飲んだものに対して効果が現われるのか、それを調べなくてはならない。
 そのため、ショウゴは他の仲間たちにそんな辛いことを任せるのはと思い、自ら飲んだ!! 飲んだともさっ!!
「どうですか?」
「味もなにも‥‥特に変わった所はないようですし‥‥」
 そう告げたとき、遠くから揺れる『魔乳』が駆け寄ってくる。
「やった‥‥やったよボク‥‥」
 感激の余り、拳でガッツポーズを取りつつ重そうな胸を揺らせて走ってくるのはカタリナである。
 はちきれそうな胸を、自前のレザーアーマーの胸許をバッサリと切り裂いて紐で編み上げるという艶めかしい形に改造した鎧に詰め込む。
 その形、まさしく巨乳。
「うっわー‥‥」
「‥‥」
 ポカーーーンと口を開いているカミーユと、もう飲んでしまったことに後悔しているショウゴ。
 そして涙を流して喜んでいるカタリナは、そのままカミーユに抱きついた。
「もういいっ。何もかも失ってもいいっ‥‥」
──ギューーーーッ
「くっ‥‥苦しい‥‥カタリナさん‥‥胸で窒息するぅぅぅぅぅ」
 その言葉が、さらにカタリナに喜びを与える。
 相手を窒息させてしまうほどの巨乳‥‥。
「今なら、ボクなにをされてもいいっ!!」
 そんなさ中、シルヴァリアも戻ってくると、ミラー・オブ・トゥルースを発動。樽に残った薬に魔法が施されていないか調べた。
──キラーーーン
 確かに薬は反応している。
 その瞬間、シルヴァリアもまた井戸水を組み上げると、それを一気に飲み干してから、カタリナの胸のチェックを開始。
「うう‥‥この村のどの胸よりも大きい‥‥」
 ちなみに、どんな結果かというと。

・カタリナ
形    :☆☆☆☆☆
艶    :☆☆☆☆
大きさ  :☆☆☆☆☆
柔、弾力性:☆☆☆☆☆
トータル :☆☆☆☆☆

 こわー。
 なお、。この1時間後、ショウゴの胸も巨乳化した模様。その時のスコアは全てが☆☆☆☆☆。
 シルヴァリアから『ザ・フローレンスバスト』の称号を受けたとか受けないとか。

「まーーったく。この近くでは、隠れている悪魔の姿もないようだしなぁ‥‥」
 ブレスセンサーを使用して、こちらを監視している悪魔を捜していたジョセフ。
 だが、それらしい反応は無かった。
 そのため、一行はとりあえず以前悪魔達が隠れていたという洞窟に向かって移動開始。
 なお、出発前にカミーユも例の井戸水を飲んだのは、いうまでもない‥‥。


●悪魔の住まう洞窟〜あれ? あれれ?〜
──とある洞窟
「ま、まて‥‥わるかった‥‥俺たちが悪かった。正直、すまんかった‥‥」
 冒険者にボコボコにされて頭を下げているのは、小悪魔の『ウントモ』と『スントモ』。
 って、もう袋叩きになっているし。
「貴様ら自分が何したのか分かってるのか! 美少女から『あたしの胸もお姉ちゃんみたいに大きくなるよね!?』って台詞を奪ったんだぞ! 謝れ!! 全世界の美少女信奉者に謝れ!」
 涙を流しつつ叫ぶジョセフ。
 ちなみに、ここにくる途中に、カミーユの胸も大きくなりまして。
 実にいいフォルムの胸が出来ましたとさ。
「まったく。胸の大きさが変わったからといって、その者の性格が直ぐに変わるということはないぞ。どうせなら、それだったら、性格改善の薬を作った方がなんぼかましではなかったのではないのか?」
 そう告げつつ、悪魔から取り上げた薬を手にそう呟くと、薬の口を開けて飲み干そうとする。
──ポン!!
 その言葉に、同時に手を叩いて納得する小悪魔。
「そっかー。それなら、ヘルメスさまに『貧乳増強剤』なんて作ってもらうんじゃなかったよな‥‥」
──ピタッ
 と、天華の手が止まる。
(巨乳強化剤ではない? しかも『貧乳増強剤』だと?)
 あ、天華さん気が付いた。
 そして巨乳化したシルヴァリアとカタリナ、カミーユ、ショウゴの姿をまじまじと見る。
(‥‥呑むのは止めたほうがいいか‥‥)
 グイッと蓋を閉じると、それを荷物に放り込む天華。
「それで、調合表はそのヘルメスっていうのが持っているのね?」
 そう呟くシルヴァリア。
 残った薬は天華の荷物に入れた一本のみ。
「ああ。ニッチモ隊長がヘルメス様から受け取ったのは薬のみだからな‥‥」
「そう。なら最後に忠告しておくわね。胸に対してもっと研究するように‥‥」
 そう告げるが、小悪魔達の運命は決まっていた。


●そしてパリ〜やったよ、ボクはやったよ‥‥〜
 勝利の美酒に酔いしれているのはカタリナ。
 無事にあこがれの巨乳もゲットし、さらに悪魔退治も行なってきた。
 とある冒険者との念願の巨乳対決にも勝利し(イリュージョン如きで大きくなった胸には負けない)、さらに大勢の視線を浴びている。
「でも、こんだけ大きかったら肩が凝って大変だねっ」
「そうですわ。まあ、それでも、『ないよりはあったほうが』ましというものですから‥‥」
 シルヴァリアもご満悦。
 カミーユは静かにハーブティーを嗜み、その会話に耳を傾けている。
 そしてショウゴは、無理矢理胸に布を巻き付け、巨乳を隠している模様。
「それにしても‥‥たいしたものよねぇ‥‥」
 天華がそう告げつつ、荷物から薬を取り出すと、蓋を開いて匂いを嗅ぐ。
 やはり無臭で無色。
 ちなみに樽の方も無事に回収し、ジョセフが錬金術によって解読しようとしたが失敗。
 やむをえず、酒場マスカレードの『錬金術師エドワード』に解析の依頼を行ったらしい。
「そっ‥‥まだ薬が残っていたのかぁぁぁ」
 そう叫びつつ、ジョセフは天華の手から薬をゲット、そのまま逃げた。
「ちょっと待ったぁ!!」
 さらに追いかける天華。
 薬の持つ『ほんとうの恐さ』を知らないで使われるのは危険であるから。
 そのまま店内では天華とジョセフのデットヒート。
 さらには厨房を越えて倉庫までジョセフは逃げる。
「薬をよこしなさいっ!!」
──ガシッ
 そのままジョセフに追い付いて手を掴む天華だが。
 二人纏めてバランス失うと、そのまま転倒。
──ヒュルルル‥‥チャポーン
 薬の壷は詰め替え作業中の古ワインの樽に落下。
「ああああ‥‥」
「なんということを‥‥」
 呆然とする二人。
「今、何か変な音がしませんでした?」
 と、小さい樽を手に、従業員が戻ってくる。
 どうやら樽の中身を詰め替えていたようである。
 その作業中に二人は倉庫に突入し‥‥。
「あ、いえ、別に‥‥」
「‥‥それでは‥‥」
 そう呟くと、二人はチラッと後を振り向く。
 今、壷の落ちた樽から古ワインを汲み上げると、小さな樽2つを抱え、店内へと運んでいく従業員。
 そして店内に戻った二人は、さらなる絶叫を上げている女性陣へ視線が走らせる。

「‥‥ない、どこにもないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

「貧乳‥‥この私が貧乳になるなんて‥‥信じられませんわっ!!」
 本当の薬の効果が『現われた』らしいカタリナとカミーユ、そしてシルヴァリアの3名。
 それはみごとなツルペタ仕様。
「元々のサイズより小さい‥‥あう‥‥」
 もっとも、もともとツルペタらしいカミーユは普通のサイズよりすこしツルッとしただけであるが、シルヴァリアは以前とのギャップが大きく、ショックを隠せない。
 そしてカタリナはというと。
 ものの見事になくなりました!!
 それはもう、肩にポン、と手を当てて涙ぐみつつ肯きたくなるぐらいに。
「これで元に戻りましたし。なにはともあれ‥‥」
 一人喜んでいるのはショウゴ。
 あの悪夢の巨乳モードから開放されて、一人ご満悦。
「と‥‥ちっょと失礼‥‥」
 そのまま用を足しに出かけるショウゴ。
 そしてトイレからは、ショウゴの絶叫が聞こえてきた‥‥。
「ち、ちいさーーーーーーーーーーーーーーーーいっ」
 あ、そっちに来ましたか、殿方の場合。
 まあ『女性とは違い』、効果は一時的なものでしょうけれど、とりあえず合唱。


●さて〜安心している場合ではないですよ、みなさん〜
──冒険者の集うある酒場
 『貧乳強化剤混入事件』のあった、『8月31日』。
 夕方4時頃から深夜1時までの間に『古ワインをのんだ女性』達から、天も裂けよという悲鳴が上がったらしい。
 事情を知る者は、こう呟いた。
「量は少ないし、薄まっておるし、きっと1日、せいぜい2日の騒ぎだ。そうに違いない」


〜Fin