グッバイ・ブランシュ

■ショートシナリオ&
コミックリプレイ


担当:久条巧

対応レベル:11〜lv

難易度:難しい

成功報酬:4

参加人数:6人

サポート参加人数:2人

冒険期間:12月04日〜12月09日

リプレイ公開日:2006年12月11日

●オープニング

●引導は誰の手で?
──事件の冒頭
 とある地下祭壇。
 その中央に、8人の少女がうつぶせに横たわっている。
 その横では、悪魔・アリオーシュがなにやら儀式を行なっていた。
「‥‥よ。この者たちに、さらなる力と、最高の‥‥を与えよ‥‥」
 刹那、魔法陣が輝くと、少女達の全身が白い光に包まれる。
 やがてその光は少女の背中に集ると、その中央に星型の刻印を生み出した。
「‥‥ふっふっふっ‥‥これでもう、冒険者はおしまいよ‥‥はーーーーーっはっはっはっはっ!!」
 その笑いと同時に、少女達は静かに意識を取り戻していった‥‥。


──数日後・とある屋敷
「ヘルメス様? ドールの姿が見えませんけれど?」
 居間でくつろぎつつ、白い玉を撫でているヘルメスに、アルモニーがそう問い掛ける。
「あら? 薬はどうしたの? いつも通りの薬を上げておけば、あの子は部屋から出てこないはずよ‥‥」
 そう呟くヘルメス。
「それが‥‥ドールの部屋で、メロディとラプソティが死に掛かっていたの‥‥」
 そうのんびりと告げるアルモニーの横を、ヘルメスが素早く通り過ぎていく。

──そして
「へ‥‥ヘルメス様‥‥ドールが暴走して‥‥」
「私達じゃ駄目。あの子のエンジェルモード、私達じゃ止められない‥‥」
 そう瀕死の状態でありながら告げるメロディとラプソティに、ヘルメスは取り敢えず魔法で手当を施す。
「やれやれ。どうやら逃げたようだな‥‥どうする?」
 そう後ろからアンリエットが呟くが、ヘルメスはにこにこと笑っている。
「あの子の薬はもう限界。正気ではないあの子がどうなろうと知らないわ。それよりも、今は残っている子達に最後の儀式をしないとね‥‥」
 そう告げると、アンリエットとその背後に立っている悪鬼の横を通り過ぎていった。

●暴走した少女
 パリ郊外。
──どががががかがっ
 目の前の自警団を次々と撃破し、ドール・ブランシュはその全身を深紅に染めつつ前に向かって歩いていく。
「騎兵隊、前へっ!!」
 その掛け声と同時に、騎兵隊が前に出る。
 そしてブランシュに向かって、一斉にクロスボウを構えると、12のクォーラルが高速でブランシュに向かって飛んでいった!!
──ガシガシガシッ!!
 だが、その矢は一つもブランシュに突き刺さらない。
 素早い歩法で躱わしつつ、躱わしきれないものは手にしたナイフで薙ぎ落とす。
「わた‥‥ワタシ‥‥イクノ‥‥アトランティス‥‥邪魔するモノハ‥‥全テ消去‥‥スルカラ‥‥」
 20分後、この自警団と騎兵隊は全滅した。

──その翌日・とある村
 聞こえてくるのは泣き声と絶叫。
 ブランシュはふらふらとちいさな村にやってきた。
 出迎えた青年の首は一瞬で破壊され、さらに駆けつけた青年団は瞬く間に物言わぬ躯と化していった‥‥。
「あ‥‥アハァ‥‥マダいた‥‥ノ‥‥ネ‥‥」
 逃げていく子供を捕まえると、ブランシュは力任せに大地に叩き臥せる。
 そして涙声で何かを訴えている子供に馬乗りになると、手にしたナイフで子供を生きたまま刻みはじめる。
──ブシャァァァァァァァァァァァァァァッ
 鮮血がほとばしり、ブランシュの身体が朱に染まる。
「ア‥‥アタタカイ‥‥アハァァァァァァァァァァァッ‥‥ドコ‥‥ホーチャン‥‥アトランティス‥‥コロス‥‥ニライ‥‥」
 再び立上がると、ブランシュは静かに立上がってふらふらと森の中に消えていった‥‥。
「パリ‥‥ゲツドウカンリトウ‥‥アハッ‥‥ミ・ナ・ゴ・ロ・シ☆」

●緊急事態宣言
──パリ・南方街道
 そこはシャルトルに向かう中央街道。
 ブランシュに襲われた村の生き残りの情報から推測すると、ブランシュは森を徘徊したのち使いなれたこの街道をやってくると判断した。
「ニライ査察官。全ての騎士団、配置が完了しました‥‥」
 ネオ・ブラックウィング騎士団の騎士団長が、後方に陣を取っているニライ・カナイにそう告げる。
「ここが最後の砦。ここより先はパリに入る。絶対にここから先にはブランシュを進めるな。ファーストウィング隊はここを維持、セカンドからナインは前方に展開しつつ、プランシュを捜索、発見しだい鏑矢で報告をっ‥‥」
 その指示を騎士団長から各部隊に伝令をだす。
 そして完全な布陣を強いた後、ニライは静かに其の場で待機していた。
(不憫な‥‥私は‥‥あの子達のために‥‥この手で命を奪う事しかできないのか‥‥)
 
──同時刻、パリ・シャンゼリゼのとあるテーブル。

 そこに一通の手紙がおいてあった。

──────────────────────
 親愛なる冒険者へ。

 元アサシンガールのプランシュが暴走し、パリを目指して歩いている。
 報告では、目に見える隊商を全て殺害し、月道に向かって歩いているらしい。
 
 上からの命令により、私は中央街道で騎士団を配置し、全力を持ってブランシュを殺す。
 
 せめて、貴方たちの手で、私が手を下す前になんとかして欲しい‥‥。
 私の元を突破された場合、ブランシュ騎士団が動くであろうから‥‥。

            ニライ・カナイ

──────────────────────

●今回の参加者

 ea1671 ガブリエル・プリメーラ(27歳・♀・バード・エルフ・ロシア王国)
 ea2004 クリス・ラインハルト(28歳・♀・バード・人間・ロシア王国)
 ea2165 ジョセフ・ギールケ(31歳・♂・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea5283 カンター・フスク(25歳・♂・ファイター・エルフ・ロシア王国)
 ea5817 カタリナ・ブルームハルト(33歳・♀・ナイト・人間・ノルマン王国)
 eb2257 パラーリア・ゲラー(29歳・♀・レンジャー・パラ・フランク王国)

●サポート参加者

ヴィグ・カノス(ea0294)/ レオニード・タナカ(ea5966

●リプレイ本文

●全てを丸くおさめる為に
 もう時間はない。
 考えられる手段を用いても、果たして全てが丸く終るかどうか。
 それでも、残ったわずかの可能性に賭けて、冒険者達は最後の挑戦を開始した。

──パリ・冒険者酒場マスカレード
「マスター御願いっ!! 僕の紋章剣一丁っ!!」
 店内に飛込み様にカタリナ・ブルームハルト(ea5817)がカウンターで談笑しているマスカレードにそう叫ぶ。
「あ、はいはい。また南方ですか?」
「ブランシュ、あの子を止めるのっ!! あ、ありがとっそれじゃあっ!!」
 素早く受け取るとそのままダッシュでロック鳥の『ちろ』の待つ場所に駆けていくカタリナ。
「あいかわらず‥‥忙しそうですねぇ‥‥」
 そう告げると、マスカレードはカウンターで静かに飲んでいる老人と再び話を始めていた。

──パリ・冒険者街・薬師ラビィ宅
「ほうほう。成る程ねぇ」
 店内の小さな椅子に腰掛け、初老の薬師ラビィは冒険者達の話をじっと聞いていた。
 クリス・ラインハルト(ea2004)とジョセフ・ギールケ(ea2165)、そしてレオニード・タナカの3名は、ブランシュに施されたのであろう薬の解毒薬を作る為に、薬師ラビィのもとにやってきていた。
 そして自分達の知る限りの情報をラビィに説明すると、ラビィの言葉をじっとまっていた。
「どうでしょうか? 解毒剤、作れますか?」
 そう問い掛けるクリスに、ラビィは静かに頭を縦に振る。
「話を聞いて、大体判ったよ。多分その薬は、ジェラールが調合した奴だね‥‥」
 その言葉に、ジョセフは驚く。
「ラビィさん、あのジェラールを知っているのか?」
「知っているもなにも‥‥あの子はここで薬の調合を学んでいったんだよ‥‥どれ、ちょっとあんた達にも力をかして貰おうかねぇ‥‥」
 そう告げたとき、タナカがラビィに静かに話し掛ける。
「これは可能性なのじゃが‥‥ひょっとしてその薬というのは‥‥」
 タナカがもてる限りの知識を総動員し、解毒剤の調合パターンを話しはじめる。
「おや、よく判ったねぇ。確かにあんたの言う方法で調合したほうが、より純度の高い薬を作れるよ。もっとも、錬金術の力も必要だし‥‥と、あんたは錬金術がつかえるのかい?」
 そうタナカに問い掛けたとき、ジョセフが静かに手を上げる。
「錬金術なら俺の出番だ」
「おやおや。ならちょうどいい。さっそく調合を開始するかねぇ‥‥二人は私の手伝いを頼むよ」
 そうジョセフとタナカに告げるラビィ。
「あのー、ラビィさん、その薬でアサシンガール達の呪縛は解けますか?」
 そう心配そうに問い掛けるクリスに対して、ラビィはにっこりと微笑んだ。
「うまくいったらね。その為にも、祈っておくれ」
 眼の前に見えたわずかな光明。
 全てはそれに賭けるしかなかった‥‥。
 クリスはその話を外で待機しているパラーリア・ゲラー(eb2257)に説明した。
 そしてパラーリアは、到着して待っていたカタリナと一緒にロック鳥の『ちろ』に飛び乗って、最前線で待つ仲間たちの元に伝えに向かった。


●ギリギリのタイミング
──パリ郊外のとある森の奥
「薬の完成は本日夜。それまで時間をか稼いでくださいというクリスさんからの伝言ですっ!!」
 パラーリアは前線にて待機していたガブリエル・プリメーラ(ea1671)、カンター・フスク(ea5283)に伝える。
「ならこっちも夜までに仕上げる。それまでなんとか‥‥だなっ」
 ちまちまと、ブランシュと無天焔威のちま人形を作りはじめていたカンターが、カタリナ達にそう告げる。
 さらにカンターの横では、グツグツと何やら不思議なスープを煮込んでいた。
 まあ、これについては間に合うかどうかは不明。
 レシピも何もない『不思議なスープ』。
 それを作るという挑戦を行なっていたようである。
──ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ
 そして上空で、ガブリエルの鷹『ラファガ』がゆっくりと円を描くように飛んでいる。
「まさか見つけたの? ラファガ!!」
 そのガブリエルの言葉に、ラファガは1度だけ円を描くと、ゆっくりと発見したブランシュの方へと飛んでいく。
「カンターはここで待機っ!!」
 カタリナがそう叫ぶと同時に、パラーリアは『ちろ』に飛び乗って素早く上昇。
「森の出口でトラップ仕掛けて来るねっ!!」
 そしてパラーリアは一足おさきに森の出口直前に移動。
「さてと‥‥ここでいいねっ。水よ大気よ精霊よ‥‥彼の場所に霧を生み出してちょーだいっ☆」
 パラーリアは素早く印を組み韻を紡ぐと、ミストフィールドを形成した。
 そしてその奥に天幕を開く。
 そこにカタリナとガブリエルも到着、3人でちろに積んであったテーブルや椅子などを卸、そこにパーティー会場を設営する。
「ハアハアハアハア‥‥とりあえずスープは出来たてを‥‥」
 後ろから走ってきたカンターが、出来たてスープを一行に渡すと、そのまま後方でちま人形製作を続行。
──ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ
 再び上空からラファガの声。
「来たわっ」
「ではシャンゼリゼ2号店の開店でーーすっ☆」
 パラーリアがファンタズムを詠唱。
 霧の中にシャンゼリゼを生み出す。
 その入り口を抜けると天幕に入るように幻影を生み出し、腹ペコブランシュを誘導するようにした‥‥。

──ガサササッ‥‥
 と、森の奥の茂みから何か音がする。
 渇いた返り血で茶褐色に染まった服を着たブランシュが、焦点の合わない目でボーーッと姿を表わしたのである。
「アタタカイ‥‥ゴハン‥‥」
 と、天幕の中の匂いに反応したのか、素早く天幕に飛込んでくると無造作に食べ物を手掴みで取り、口の中に放り込んでいくブランシュ!!
「ブランシュっ!!  僕だよ、僕、無天さんの友達のカタリナだよ!!とりあえずそのままでいいから落ち着いて話を聞いて!!」
 カタリナがそう叫びつつブランシュの前に出る。
 だが、ブランシュはチラッとカタリナを見ただけで、すぐに食事を続けた。
「向こうにいったって、無天さん探さなきゃいけないんだから、今からそんな急いでどうするの? 女は待たせるくらいがちょうどいいだろう!!」
──ピクッ
 その言葉の直後、ブランシュの手が止まる。
「何とかしてあげるから、とりあえず落ち着いて‥‥」
 そう告げたとき、カンターがどうにか仕上げた『ちま人形』を二体、テーブルの上に置く。
「これがキミの願いだろう!? 『彼』の願いでもあるはずだ!」
 その言葉の後、ブランシュはテーブルのちま人形をそっと手に取り、そのまま抱きしめる。
「キミを『彼』の腕に還す! だから‥‥戻ってくるんだっ」
 そしてカンターがそう告げたとき、ブランシュは笑った。
「アハ‥‥アハ‥‥アハハッ‥‥モウスグダカラネ‥‥ホーチャン‥‥モウスグ‥‥」
 そう笑いつつ、ゆっくりと立ち上がる。
 そして瞬時にカンターの腕を掴むと、そのままギリリッとねじ上げた。
──ミシッ‥‥ミシミシッ‥‥
 カンターの骨が軋み悲鳴を上げる。
「グッ‥‥これしき‥‥プ、ブランシュの心の傷は、この程度じゃない‥‥」
 そう叫びつつ、カンターは声を大にして叫ぶ!!
「あの大切な思い出の時間を思いだせっ!!」
 そしてスッ‥‥と霧が晴れたとき、、一行の前にホーチャンが立っていた。
(ふぅ‥‥どうにか発動したわね‥‥)
 ガブリエルはどうにかイリュージョンの発動に成功。
 そして其の場で、ブランシュは立ち止まった。
 じっと、ただじっとそのまま、そこでずっと‥‥。


●奇跡に掛けるかどうするか?
──ちょっと前
 ゴポッ‥‥ゴポッ‥‥
 大量の乳鉢と壷が並ぶラビィの研究室。
 そこでただひたすら、ラビィとタナカは様々な薬品の試薬を調合している。
 そしてそれらをうまく合わせた試薬を、ジョセフが最後に『錬金術』によって調整。
「ふぅ‥‥この3つの薬が対抗薬、進行停止薬、進行遅延薬。そして‥‥ジョセフのそれが」
「ブランシュ用に最終調整した覚醒対抗剤だ‥‥ラビィさん、これで彼女はどうにかなるんだろうな?」
 すっげー、錬金術で最後の仕上げと調整したよジョセフ。
 今日から君は『根性の錬金術師』だ!!
「どれ‥‥と。ふむふむ」
 仕上がった薬の最後の確認をするラビィ。
「よくやったよタナカ、ジョセフ。これでアサシンガール達の身体も全て元に戻せるし、そのブランシュっていう子も助けられるよ!!」
──パーーーンッ
 二人同時に手を鳴らすジョセフとタナカ。
「それじゃあ、さっそくこれを持っていくねっ。ラビィさんありがとう!!」
 涙を浮かべながら、クリスが何度もラビィに礼を告げる。
 ということで、ジョセフとクリスは
 急いで皆の元へと向かった訳だが。


●奇跡〜錬金術最強伝説の始まり?〜
──ブランシュのいる場所
 まもなく夕方。
 ブランシュが動かなくなって、すでに半日。
「大丈夫でしょうかぁ‥‥」
「ん? 大丈夫なんじゃない?」
 パラーリアがカタリナにそう問い掛けるが、カタリナもまた、そのばにどっかりと座り込んでじっとブランシュの様子を見ているだけであった。
「今頃ブランシュは、ほーちゃんとの思い出の中にいるんですよ‥‥」
 ガブリエルがそう告げてブランシュをそっと指差す。
 と、昼前に出会った頃には険しかった表情が、いつのまにかやわらいでいる。
「おっまったっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ」
 絶妙なタイミングでクリスとジョセフがどうにか到着。
「まってましたぁっ!!」
 カタリナもまたゆっくりと腰を上げて、再び周囲の警戒を強める。
「これがブランシュさんの為の薬です。なんとか飲み干してくれれば‥‥」
 そうクリスが説明しつつ小さな壷を手渡す。
「そっちの薬は?」
 パラーリアが革鞄一杯の薬を指差したとき、ジョセフが説明を入れた。
「セーヌ・ダンファンの子供達用に調整した。まあ、これで戻らなかったら、俺の全財産を賭けて彼女達を助けてみせる」
 いよっ、ジョセフ太っ腹。
「それじゃあ‥‥と」
 ガブリエルが再び詠唱を開始。
 その横で、カンターがクリスの持ってきた薬をテーブルに置いた。
──ピシィィィィィィィィィィィィィッ
 再びガブリエルのイリュージョン発動。
 どうやらブランシュにはほーちゃんが見えているようである。
 フラフラとテーブルの上の薬を飲み干すブランシュ。
──バタッ
 やがて意識を失って、ブランシュは其の場に崩れ落ちた。
「ジョセーーーーーーーーーーーーーーーフッ!! 今直全財産売り飛ばして別の薬つくってこーーーいっ!!」
 絶叫を上げるカタリナ。
 だが、カンターはやれやれという表情で、ブランシュを抱き上げる。
「眠っているだけですよ‥‥ほら」
 おおっ、それは伝説の『お姫様だっこ』。
「ううーーー、ほーちゃーん‥‥ムニャムニャ」
 と、ブランシュもなにか呟いている。
──チュッ!!
 っと、いきなりカンターにキスかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「さーてと。それではパリに戻りますか?」
「そうですねぇ。『ちろ』で飛んでいったら早いですけれど、皆が乗れるだけのスペースはありませんよ」
「あ、ボクがマスカレードから借りてきた馬車があるから、それで移動しましょう!!」
 ということで、一行はのんびりと、そして緊張しつつパリへと帰還。


●そして日常
──冒険者酒場マスカレード
「かったっりっなっボンバァァァァァァァァァァァァッ」
 酔狂客は哀れ店の外に殴り飛ばされまして。
 無事にパリに戻った一行。
 マスカレードの二階でブランシュも意識を取り戻した。
 哀しい事に、今までの記憶の全ても持っていた為罪悪感に襲われたブランシュだが、どうにか落ち着きを取り戻した模様。
 荷物に紛れて月道ルートという方法は残念ながら月道監理局の検閲というのがある為不可能。
 手配されているブランシュが正々堂々とそこを通ることは出来ない。
 さらに今のブランシュは犯罪者。
 これから先、どうすればいいのか途方に暮れる一行であったが、今暫くはマスカレード二階の奥に幽閉という形で彼女を隔離、改めていい方法を見つける事で方針は決まった模様。

〜Fin

●コミックリプレイ

>>文章リプレイを読む