【死神の顔?】奇跡の井戸と傾向と対策
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■ショートシナリオ
担当:久条巧
対応レベル:11〜lv
難易度:やや難
成功報酬:6 G 42 C
参加人数:4人
サポート参加人数:-人
冒険期間:04月28日〜05月04日
リプレイ公開日:2007年05月05日
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●オープニング
──事件の冒頭
神聖歴1002年4の月
死神の顔は赤い発疹に覆われ、腫れ膿んでいる。
午前中に5人死に、午後にはさらに死ぬだろう。
人は散り、白い教会の塔、10の花壇の先には
数限りない墓標が並ぶだろう。
(予言の書より抜粋)
それはとある小さな村。
平和なその村に、戦慄が走った・・・・。
・証言1
「うわぁぁぁぁぁァァァァァァ。大変だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
農夫のジャックは、心境をこう語る。
「なにが大変ってよ、朝起きて、いつものように井戸にいって顔を洗ったらよ・・・・ほら、今までこう腫れぼったかったおらの顔が、こんなに綺麗になっちまっただよ」
ツルーンピカーンという、正に美形の顔。
端正の整った金髪美形。
これがあの、ごつごつとしたジャックとは、誰も気が付かなかった。
・証言2
「ええ。どうしたらいのか・・・・え? 困ってはいませんわ。むしろ嬉しくて大変」
村の道具屋の一人娘・キャサリンはこう語る。
「昨日の夜ね。寝付けなくて、井戸でかるく水浴びをしていたのよ。こう・・・・そうよ。昨日までの私は、ちょっと太っていたわ。けれど、水浴びをしてそのまま見て。朝起きたらこのとおり!!」
すらっとした細身の美女。
元々優しいこころのキャサリンは、美しい身体も手に入れたのである。
・証言3
「もう・・・・駄目といわれてのう・・・・もうすぐお迎えがやってくると信じていたんじゃよ・・・・」
病気でネタきりだった長老のジョセフはこう語る。
「まあ、いつものように井戸の水を飲んでいてな。昨日の夜、静かに窓の外で月を眺めていた。と、その時じゃった・・・・月影に移ったのは白い翼の天使様ぢゃった。わしはお迎えが来たのかとおもっていたのぢゃが、天使様が井戸に何かをいれてのう・・・・気になって井戸の水を飲んだら、ほら、この通り!!」
巨大なクレイモアを片腕で構え、ぶんぶんと演舞を始めるジョセフ。
・証言4
「ホラ見て、この胸・・・・こんなに大きくなったのよ。もう村の人たちに貧乳っていわれないわ!!」
村一番の貧乳美少女マリアはそう語ったそうぢゃ・・・・。
そんこんなで、この井戸水を飲んだら奇跡が起こる。
そんな噂があちこちに流れ、人が大勢押し寄せくるのを防がなくてはならない。
そのために村の教会は、混乱を治める為に、井戸を封印し、自由に井戸水を飲めないようにしたという・・・・。
だが、そんな噂が何処かの商人の耳に入ったらしい。
──冒険者ギルド
「へ? 井戸水を運ぶ為の人材ですか?」
「ええ。正確には、その村の井戸水が大変美味しいので、少し分けて欲しかったのです。が、どうにも外の人間には水を分けてくれないらしく、交渉要員と運搬という二つの仕事を冒険者のみなさんに御願いしたいのです」
そう告げるのは、パリの商人『ボッター・クール』。
「では頼みますよ・・・・」
そう告げて、ボッターはギルドをあとにした。
●リプレイ本文
●それさえもおそらくは平穏な日々
──パリ→ルード村
がたごとがたごと
荷馬車が走っていきます。
後ろには空の樽と、依頼を受けた冒険者達。
がたごとがたごと
荷馬車が走っていきます。
「あと半日ぐらいか‥‥」
雲一つ無い青空を眺めつつ、リョウ・アスカ(ea6561)がそう呟く。
「そうだな。でも、依頼主から荷馬車も借りられたし、あとは『奇跡の水』とやらを回収するだけ‥‥楽勝だな‥‥」
ジョセフ・ギールケ(ea2165)がリョウの横で空を眺めつつそう告げる。
激しい戦いだけが冒険者の仕事じゃない。
今日のような、のんびりとした依頼もいいもんだと、ジョセフは思っていた。
「なぁ、一つだけ教えてくれ‥‥本当に、この服が今回の依頼に必要なのか? って、カンター、俺の目を見ろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
綺麗なメイド服を片手に、ラシュディア・バルトン(ea4107)が横に座っているカンター・フスク(ea5283)にそう叫んでいる。
ちなみにカンター、今回の依頼に必要な衣服『黄昏のメイド服』をラシュディア・バルトン(ea4107)に手渡していたらしい。
それはもう、瞳を輝かせつつ。
「ふん、ラシュディア・バルトン、僕は君を見損なったよ。そのメイドスーツは『プロスト辺境伯』から、今回の依頼の為に譲り受けたものだ。幸い‥‥いや、運が悪い事に、そのスーツは僕の身体にはあわない。この中では、君しかそれをうまく着こなせないと思ったから、僕は君に託した‥‥なのに‥‥どうして僕を疑うんだ!!」
ああっ。カンターの力説が入りました!!
そんなカンターの必死な説得を見て、ジョセフがラシュディアからマスター・メイスと──スーツを取る。
「プロスト辺境伯からか‥‥どれ‥‥と、駄目だ。俺には合わないか‥‥」
そう告げるジョセフ。
そしてリョウにそれを見せるが、リョウは顔を左右に振って一言。
「俺は筋肉が付きすぎているからな‥‥」
うむ、その意見は正しい。
「‥‥判った。カンター、俺が間違っていた。そうだよなぁ。プロスト辺境伯が俺を填めるなんてことはないよなぁ‥‥あ‥‥ああ‥‥本当になぁ‥‥」
そう呟きつつも、手にしたメイド服をじっと見て、何か覚悟を決めようと必死なようす。
──ラシュディア、必死だな
がたごとがたごと
荷馬車が走っていきます。
後ろには空の樽と、依頼を受けた冒険者。
そしてメイドスーツに着替えたラシュディアを乗せて。
●だれかがみている
──ルード村
がたごとがたごと。
荷馬車は村に到着しました。
ですが、村の人たちは、冒険者達をいぶかしげに見ています。
いったいなにしにやってきたんだろう。
そんな目で、冒険者達を見つめていました。
「‥‥一体なんの御用ですかな?」
村の奥から姿を表わしたのは、このルード村の村長である。
「ここ最近、ギルドに鉱毒がどうこうという依頼が持ち込まれている。今回は、この付近の井戸にもそれら鉱毒が混ぜられていないか調べにやってきた」
ジョセフがそう丁寧に告げる。
と、周囲の村人達からザワザワとした声が聞こえはじめる。
『‥‥あの井戸に毒が?』
『そんな馬鹿な。あれは奇跡を起こすんだ‥‥』
『でも、ここ最近は教会で‥‥』
『いや、騙されるな。きっと嘘に決まっている』
『でも嘘じゃなかったらどうするんた?』
『うほっ‥‥いいおと‥‥』
そんな声を聞き取っていくリョウ。
(奇跡の水。本物かどうかは飲んでみないと判らないか‥‥)
そう考えて、リョウは村長に一言。
「村長。我々はギルドから正式に依頼を受けている。協力を御願いしたい」
「彼は凄腕錬金術師、そして彼は学者だ。この先のシャルトル地方領主の御墨付きもある。もし疑うのなら、プロスト辺境伯に問い合わせてくれてかまわないよ」
カンターが村長に補則を告げる。
「それに、水の汚染は命に関わる。迷っている暇はないと思うよ。何もないならそれで安心できるわけだし」
「あ、は、はい。それでは今から教会へどうぞ‥‥それと、もし何も発見できなかったら、その時は、この村の井戸水のことについてはご内密に‥‥」
そう告げる村長。
そして一行は教会へと向かい、司祭と共に件の井戸へと向かった。
──封印されし井戸
厳重に蓋が閉じられ、そこに頑丈な鍵が付けられている井戸。
司祭がじゃらっと鍵を開けてふたを開く。
中には綺麗な水を湛えた井戸が見えた。
「まあ、この件は出来るだけご内密に‥‥」
そう告げる村長に肯くと、ジョセフが井戸から水を汲み上げる。
「さて‥‥ほれ、ラシュディア」
そう告げてラシュディアに水を差し出すジョセフ。
と、ラシュディアとリョウが水を両手で救い、咽に流し込んだ!!
──ゴクゴクッ
「ふうん‥‥まあ、別にたいしたことはないな‥‥」
そう告げつつ、周囲を見渡すリョウ。
ちなみにちょっと前に、リョウは村人に井戸の水を飲んだが、その際なにか起こったかなど色々と聞いて歩いていたらしい。
そう告げるリョウを見てから、ラシュディアも口に含んでいた水を飲み干す。
「あ‥‥」
ふと思い出した事実。
以前、パリの街中にあった露店で、ラシュディアはとある薬の混ざったスープを飲み、猫にされたことがある。
(猫なんて‥‥いやだなぁ‥‥)
そう考えたが、特になにも変わらない。
というか、周囲のラシュディアを見る目が変わっているのには気が付いた。
身長152cm。
細身で、金髪ショート。
綺麗なメイドスーツに身を包んだ美少女。
それがいまのラシュディア。
──ブオッ‥‥
あ、ジョセフが鼻血だした。
「効果は、何が起こるかわからないという所か?」
そう問い掛けるのは、身長178cm、美形でプラチナブロンドのリョウ。
「あっ‥‥はい。最初は望んだ事がかなうのでしたが‥‥ここ最近はなにが起こるかさっぱりでして‥‥」
そう告げる村長。
「まあ、依頼は依頼。調査の為に、樽に水を戴いていく。今回の件は口外無用とするから心配するな」
カンターがうまく話をまとめて水を樽に移す。
そしてふたをすると、それを馬車に持っていった。
「さ、さて、それでは村長、俺達はこれで失礼します‥‥」
そう告げるリョウと、いつのまにか気絶してしまっているラシュディアを抱きかかえて馬車に向かつて歩いているジョセフ。
「こいつはラシュディア、こいつはラシュディア‥‥」
必死にそう自分に言い聞かせるが、意識を失っているラシュディアの可愛い事可愛い事。
「ああっ‥‥偉大なるセーラ神よ。これも汝が与えた試練でしょうか?」
天に向かい絶叫するジョセフ。
そんなこと知らんがな。
●依頼人から一言
──パリ
「ふぅむ。成る程。いや、助かりましたよ。これは報酬です」
そう告げて、依頼人は樽を受け取り、報酬を支払う。
「それで、実際の効果は試したのですかな?」
そう問い掛ける依頼人に、リョウが静かに答える。
「ああ。外見ではなく、内面にもある程度作用する。‥‥俺は1日で効果が途切れたが、あいつはまだあのままだ‥‥」
そう告げて、椅子に座ってメソメソしているラシュディアを指差す。
「しくしくしくしく。らしゅ☆、はやく元にもどりたいのですぅ‥‥こんなのいやいやなのですぅ‥‥」
って、ラシュディア、完全に少女化しているし。
それを見て和やかな状態に陥っているジョセフと、今の『らしゅ☆』に似合う服を速攻で縫いはじめているカンターもいるし。
「はっはっはっ。まあ、水についてはこちらでも色々と調べてみましょう。では、ご苦労様です‥‥」
そう告げて、依頼人はその場を後にした。
がたごとがたごと
荷馬車が走っていきます。
後ろには奇跡の水の詰まった樽と、依頼人。
シャルトルの空に向かって、がたんごとんと走っていきます。
また何処かで会う事でしょう。
それまでみなさんさようなら。
「あうあう。らしゅ☆、早くもとにもどりたいのですぅ」
そんなラシュディアが元に戻れたのは、さらに3日後のことであった。
ジョセフに連れられて、メイド服のまま市場に買い物にでた先で‥‥。
まあ、合掌ということで。
「ちょ、合掌じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。責任者だせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
知らんがな、らしゅ☆。
〜Fin