【ふらり賞金首】狩られてみよう

■ショートシナリオ


担当:久条巧

対応レベル:11〜lv

難易度:やや難

成功報酬:5

参加人数:8人

サポート参加人数:2人

冒険期間:02月10日〜02月20日

リプレイ公開日:2008年02月19日

●オープニング

──事件の冒頭
 とある酒場・その奥の専用室。
 そこには、ノルマンの裏社会の重鎮やとある犯罪者ギルドなどの責任者が集っていた。
「今回、新たに『賞金首』としてリストに入れられたのは全部で12名。皆も、この手配書の顔と特徴を覚えておくように‥‥」
 一人の老人が、完成したばかりの手配書を配布しつつ、そう全員に告げた。
 そして受け取ったものもまた、そこに記されている『罪状』『条件』『報酬』を見て、溜め息を付いたりニヤニヤと笑っていたりする。
「このナイトの罪状だが‥‥ここは表現をすこし軟らかくしたほうが」
「この魔法使いも随分と酷いなぁ‥‥」
「おいおい、ペタムネは罪状じゃないだろう?」
 などとまあ、兎に角真剣に審議を続けていた。
 そして一通りの審議が終ると、再びいつもの風景に溶けこんでいった。


──その翌日・深夜
「‥‥悪くおもわないでくださいね‥‥」
 とある路地裏。
 そこで、一人の冒険者が殺されていた。
 冒険者の前に立っている人間は、黒いローブを身に纏っている女性。
 手には、刃の部分が黒く塗られたナイフを持っている。
 どうやらその女性は、『賞金首の冒険者』を狩る『バウンティハンター』をしているらしい。
 その路地裏の所で、今回のターゲットだったのであろう冒険者は死んでいる。
 なに一つ証拠は残さず、そして冒険者の身分を保証するもののみが盗まれた。
「あなた一人に1200G。いい仕事でしたよ‥‥」
 そう告げて、『バウンティハンター』は静かに冒険者の首を切断すると、そのまま皮袋に放り込んでその場を後にした‥‥。


●事件が大きくなる
──さらに翌日・自警団詰め所
「これで6件だ‥‥このパリで冒険者が殺され、首を切断されている。その犯人の特徴も、殺し方も全てばらばら‥‥早くなんとかしてほしいと、市民からの通報や苦情が盛沢山だっ!!」
 パリ商業区・第8自警団詰め所責任者であるオットー隊長が皆に激を飛ばしている。
「とはいいますが、一体どこの誰が狙われているのか、全く見当がつきませんて‥‥」
「まあ、殺されているのが冒険者だけですから、『市民の皆さんは安全です』とでも伝えるしかありませんよ‥‥」
 ああ、嘆かわしい第8自警団詰め所。
「と、とにかく、警備と巡回の強化を‥‥以上だ‥‥」
 ということで、その日からさらに警備の強化が行なわれたのだが‥‥さて、どうなることやら。

●今回の参加者

 ea2454 御堂 鼎(38歳・♀・武道家・人間・ジャパン)
 ea6536 リスター・ストーム(40歳・♂・レンジャー・人間・ノルマン王国)
 ea7191 エグゼ・クエーサー(36歳・♂・ファイター・人間・フランク王国)
 ea7871 バーク・ダンロック(51歳・♂・パラディン・ジャイアント・ビザンチン帝国)
 eb0206 ラーバルト・バトルハンマー(21歳・♂・ファイター・ドワーフ・ノルマン王国)
 ec0261 虚 空牙(30歳・♂・武道家・ハーフエルフ・華仙教大国)
 ec0501 フォルテュネ・オレアリス(30歳・♀・僧侶・エルフ・イスパニア王国)
 ec0569 ガルシア・マグナス(59歳・♂・テンプルナイト・ジャイアント・ビザンチン帝国)

●サポート参加者

シクル・ザーン(ea2350)/ 小 丹(eb2235

●リプレイ本文

●呪い解除!!
──冒険者街・薬師ラビィの店
「よぅ、婆っちゃん!生きてるか? 俺か? 俺はなんか命を狙われてるみたいでな〜」
「まあ、随分と久しぶりですねぇ‥‥で、いきなり命を狙われているのですか‥‥」
 そう呟きつつ、久しぶりの来客であるリスター・ストーム(ea6536)にハーブティーを差し出すのは薬師ラビィ。
「ああ、ばーさんも相変わらず元気だな」
「若さの秘訣かい?」
「いや、それは危険だからいい。でだ。そろそろ本題に入りたいんだが‥‥解毒剤と麻痺剤、そして強力な媚薬が欲しいんだが‥‥」
 と呟くリスターに、ラビィはやれやれという表情。
「解毒剤はエチゴヤに納品したから今はないねぇ。麻痺剤は在庫切れ、で、媚薬かい‥‥確かリスター、貴方には奥さんがいるんじゃなかったのかい?」
 と告げつつ、ハーブティーのおかわりを別のポットから注ぐ。
「んー。まあ、男の浪漫って奴だな。ほら、吟遊詩人の『ザンク!!』も歌っていただろう。浪漫ちっくがとまらないってな‥‥」
 それ違う人だから!!
「ふぅ。まあ、奥さんを余り泣かせないでおくれよ‥‥ほれ」
 と、小さな包みを一つ渡す。
「たった一つかよ‥‥」
「今はそれしかないんだよ。生薬だから、7日以内に使っておくれ」
「って、7日かよ!!」
 と叫んで、そのままリスターは建物の外に走り出した!!
 なお、この直後、とある宿でナンパした女性を相手に、一時的な不能状態に陥り、精神的劣勢となったことはいうまでもない‥‥。
「な‥‥なんで勃たないんだよっ!!」
「まあ、たまにはいい薬でしょう‥‥」
 とほくそえむラビィがいたとかいないとか。


──場所は変わって
 いつもの冒険者酒場マスカレード。
 そこの店主代行であるミストルディンが、カウンターでエグゼ・クエーサー(ea7191)と虚空牙(ec0261)の二人と静かに情報交換をしている最中であった。
 話の切り口は、空牙のこの一言であった。
「冒険者に賞金を掛けて楽しんでいる連中がいるという噂を聞いたんだが、そいつらのアジト判らないか?」
 さらにエグゼも同じ噂を聞き、それらの事例について秘密裏に調査を進めてきたらしい。
「アジトまでは判らないわねぇ。まあ、賞金首については、そういう組織があるのよ‥‥」
「そうか。さっきここに来る途中で自警団詰め所にいってきたんだが、ここ最近はかなり活発的に動いているらしいな‥‥冒険者の被害者がかなり出ているっというじゃないか」
 と告げるエグゼ。
「冒険者が多くてね。実力があって人望もあるような冒険者が多いと、裏で活動している人たちにとっては厄介でしかないわ。だからこそ、冒険者に賞金を賭けて、数を減らしているんじゃないかしら?」
 と告げて、一枚の羊皮紙をカウンターに置く。
 そこにはエグゼの似顔絵と特徴が、こと細かに記されている。
 そして最後に記された賞金は、ざっと3200G。
「‥‥で、賞金を賭けてきた奴はいった‥‥い?」
 エグゼに賞金を賭けている奴の名は『銀鷹至高厨師連』。
「ま、まだなにかしているのかあいつら‥‥ミストルディン、この賞金を掛けている組織というのについて、何か情報はないか?」
「残念だけれど。情報屋のツテでその賞金リストはまわしてもらっただけ。まだ何枚かはあるけれど‥‥」
 とまあ、様々な手配書に目を通す二人。
「あの‥‥ここに情報やさんがいらっしゃると聞いてきたのですが‥‥」
 とやってきたのはフォルテュネ・オレアリス(ec0501)。
「あら、いらっしゃい。情報屋は開店休業状態よ。なにか聞きたい事でもあったのかしら?」
 と告げるメストルディンに、フォルテュネは静かに訪ねる。
「このノルマンで魔法の勉強をしたいのですが、どなたか高名な賢者さんか魔法研究家さんはいらっしゃらないでしょうか?」
 と、にこやかに問い掛ける。
「高名な賢者ではプロスト辺境伯かな。まあ、今は留守なので、他の魔法使いさん‥‥うーーん。冒険者ギルドで有名なのは、『お茶会のアデラ』さん。商人でウィザードの『エリス・カーゴ』、あとは‥‥ちょっとツテがないのできついけれど、素敵仮面の仲間の『ホリィ』さん‥‥っていうところかなぁ」
 おいおい、随分とマニアックな品揃えだな。
「精霊から学ぶというのは‥‥」
「精霊の住まう地としてはプロスト城地下。あそこには一通りの精霊が住んでいる迷宮があるけれど、やっぱり立ち入り禁止区域。古き民の中には、精霊と共に生きていた『精霊の民』かな‥‥」
 それもまたマニアック。
「それじゃあ、俺はこれで‥‥」
 と告げて、空牙は静かに酒場を後にする。
 そののち、エグゼは友達や悪友、ツテのある鍛冶屋などの殆どが賞金首となっているのに驚いていたそうで。


──場所はさらに変わって
 パリ下町、フィームの住まう宿にやってきているのはバーク・ダンロック(ea7871)。
「まあ、別に構いませんけれど‥‥ここを訪ねてみてください」
 と、フィームは一枚の地図をバークに手渡す。
 そこは『剣士の居留地』。
 バークはマスター・オズの元を訪れて、色々と指南を受けるつもりらしい。
「では、これにて失礼する。フィーム殿、ここ最近は『賞金稼ぎ』が冒険者等を襲っている故、くれぐれも気を付けて‥‥」
「ええ。貴方もね‥‥」
 と言うことで、パークは一路『剣士の居留地』へと向かっていった。



●風にのって
──ノルマン江戸村
 ゴォォォォン‥‥ゴォォォォォン
 静かに鐘が鳴り響く。
「よーし。そう。その上の所にぶら下げておくれ‥‥」
 江戸村酒造(と名前が新たに命名された)の南部老人が、通りすがりの冒険者・御堂鼎(ea2454)にそう告げている。
 その御堂鼎(ea2454)はというと、梯子に上り、倉の正面の軒下に、なにやら奇妙な物体を吊るしている所であった。
「ああ、ここでいいのかい?」
「うむうむ。十分じゃ。そこなら、江戸村の何処からも良く見えるだろう」
 そう満足そうに呟く南部老人。
 御堂に吊るしてもらったのは『杉玉』といい、ジャパンでは酒蔵で『新酒』が出来上がると、その完成を告げる為にぶら下げる。
 参考までに、この緑色の杉玉が褐色に変化する頃は、十分に熟成が出来た美味い酒に変わる。
 自然というのは、実に興味深い。
──ギィィィィィィィッ
 と、倉の扉が開かれ、奥から小さな樽が4つ出てきた。
 それぞれの樽には『月読』『濁酒・親ころし』『銘酒・中途半端レンジャー』『大吟醸・飛天抜刀』と書かれた紙が張付けられている。
「ふぅん。これで全部かい?」
「いや。あと5品目はまだ熟成中。とりあえず仕事を手伝ってくれたので、飲むとしよう」
 と告げつつ、南部老人は一つ一つの樽から酒を汲み出すと、一升升ふたつにそれを入れる。
「では‥‥」
「いただきます!!」
──グビッグビッグビッグビッ
「ぷはーーーーーーーーーー。これは効くねぇぇぇぇ」
 と、愉しそうに叫ぶ御堂に、南部老人も静かに肯く。
 で、なんで貴方たちはこんな昼間から酒を飲んでいるのだね?
 
──その頃の
 ガギィィィィン‥‥ガギィィィィィィン
 鉄を鍛える音が響いているのは『トールギス鍛冶工房』。
 そこでラーバルト・バトルハンマー(eb0206)は工房長であるクリエムに、色々と教えてもらっている所であるが。
「鍛造はこの程度で大丈夫ですね。では今一度おさらいを‥‥」
 と、クリエムが横に座って『日本刀』の打ち方を学んでいるラーバルトに説明を行う。
「ええっと‥‥手順はと‥‥和鋼(わこう)を熱し、『水減し』を行う。これを繰り返して一つの塊を作り出す‥‥その次が『鍛練』、そして『素延べ』の過程を経て、『焼き入れ』の段階まで進める‥‥と、ここまでは大丈夫か?」
 と問い掛けるラーバルトに、クリエムが静かに肯く。
「では、早速そこまでの過程を実験してみましょう」
 と言うことで、ラーバルトはここで急遽、『日本刀製造』の実践に入ることとなった。



●失われた記憶
──パリ・フィーム宅
「ほう‥‥アカスティアの葉か‥‥」
 一枚の葉を眺めつつ、そうフィームが呟いている。
 その目の前には、フォルテュネと旅人のクロムウェルの二人が、静かに座っている。
「判りますか。この子、クロちゃんの持ち物らしいのですが‥‥」
 と、フォルテュネがフィームに告げる。
 ここに来た目的は、クロムウェルの記憶の手掛りを取り戻す為。
 アカスティア写本などを頼りに、ひょっとしたらフィームにも何か解らないかという望みでやってきたのだが‥‥。
「クロムウェルといったな。この写本はいつから?」
「気がつくと持っていました。部分的に読める部分が出たり消えたりしています」
 とつげるクロムウェルに、フィームは右手で顎を撫でつつ肯いている。
「あの‥‥何か判りましたか?」
「ああ、フォルテュネにはこれは読めないか。これはインドゥーラの『アカスティアの村』にある『アカスティアの樹』に記されている『運命全て』が記されている書物だ。これには、およそこの世界の全ての事柄、運命というものが記されていて、さらにそこに記されている限り、変える事は出来ないというものだな‥‥」
 その言葉に、フォルテュネはゴクリと息を呑む。
「何故、クロムウェルがこれを、しかも写本という形で持っているのか‥‥原書は門外不出で、しかも巫女にしか解読する事の出来ないものだ‥‥」
 と告げると、フィームはクロムウェルに静かに話し掛ける。
「もし今の持主が君ならば、これは大切に、決して盗まれないようにしなくてはならない。それが出来ないのであれば、私がインドゥーラに帰還するときに大寺院に持って帰る。どうする? これは原書ではないため、取り上げるような事はしない。ただ、君はこれを読めるのだな」
 と告げられ、クロムウェルは静かにフィームに返答を返す。
「これには私の記憶が記されています。この書を便りに、私は自身を探さなくてはなりません‥‥」
 その言葉で十分である。
「成る程。ならば、絶対に人に取られないように‥‥フォルテュネといったな。済まないが、クロムウェルがもし助力を扇ぐような事が会ったら、力を貸してあげて欲しい」
 そのフィームの言葉に、フォルテュネは静かに肯いていた。


●古の技
──シャルトル・剣士の居留地
「フィーム殿の紹介で、ここにやってきた。お初にお目にかかる。俺はバーク・ダンロック。守りの剛剣術を修行中のパラディンだ。少し、ここで修行させてもらいたい」
「同じく。修行と、ここにいたギュンター君というものについて、少々教えて欲しい」
「フィームの紹介とは。まあ随分とあの嬢は老人に無茶をさせよるな‥‥」
 と笑いつつ、眼の前に座っているバークとガルシア・マグナス(ec0569)に告げているのはマスター・オズ。
「まあ、パラディンならば、紋章剣士としての道を進むことはあるまいて。で、ここで何を鍛える?」
 と告げるマスター・オズに、バークは一言。
「剛剣術を‥‥」
「ふぅん。とりあえず、基礎がどこまで出来ているか型をなぞってもらおうかのう‥‥」
 と告げると、バークはアジーナ大寺院で鍛え学んだ型をなぞる。
 その静かな動きを見て、マスター・オズは、バークに新しい型をゆっくりと見せる。
「力は体内から湧き出す。オーラの高まりが、体内に循環するのと同じく。オーラは力。そして心。それらを体内に集め、より安定した循環を志しなさい‥‥」
 その言葉に、バークは静かに肯くと、そのまま方の修練に入った。
「さて。ではそなたの番ぢゃな‥‥」
「では。ここで修行していたギュンター君というオーガについて。彼の性格や人柄を教えて頂きたいのですが」
「ほう? それはまた異な事を。して、その理由は?」
 そう問われ、ガルシアは静かに話を始める。
「ここに来る前に。自分はノートルダム大聖堂の聖ヨハン大司教に話を伺ってきました。それによると、ギュンター君というオーガは、禁忌なる存在であるにも関らず、セーラの加護を受けているという。立場上、正式には洗礼を受けられないものの、あの聖ヨハン大司教がギュンター君の存在自体を認めているというので‥‥」
 テンプルナイトであるガルシアにとっては、オーガであるギュンター君の存在自体は悪である。
 にもかかわらず、大勢の者たちがそれを認め、セーラ神の代行である聖ヨハン大司教にも存在を許されているという。
 それらの言葉を聞き、ガルシアの心の中の問題が揺れる。

『故郷では、魂を真に裁けるのは主のみ、故に犯した罪状のみで判断する以上、ギュンターは認めるべき者だが、この国では如何なのだろうか』

 その答えは、ゆっくりと見えてきていた。
 ギュンター君のいない空間。それを認めない者たちがいる。
 そして彼を仲間と認めてくれる冒険者がいる。
 だからこそ、ガルシアはこの地を訪れていた。
「あの子は純粋なんぢゃよ。似た境遇の『もんた』と友に、お互いを切磋琢磨して生きてきた。だからこそ、あの子は優しく、大勢の冒険者に感謝して生きていた。今はまだ魂が肉体に戻ってはいないが、いつかまた、あの子の笑顔が見える日が来ると、信じている‥‥」
 その言葉で、ガルシアの心の靄が晴れた。
「では、私も修行を‥‥」
 
 ということで、ガルシアもまた、バークに付いて型をなぞりはじめた。

──その頃・パリ・とある酒場
 空牙のやってきた古い酒場。
 淫媚で麻薬の香りを感じる、裏の世界の住人達の為の酒場。
 そこにやってきて、空牙はカウンターで静かにマスターに話し掛けていた。
「虚空牙って野郎を賞金首にしてやりてえぜ」
 そんな話を振って様子を伺う。
「ああ、もしあんたが本気でそう思うんなら、近いうちに声がかかるとおもうよ‥‥」
 と静かに告げるマスター。
「知っているのか?」
 と、空牙も問い掛けるが、マスターは静かにこう告げる。
「そういう噂だよ。噂‥‥」
 それ以上の話は成立せず、空牙は静かに酒場で飲んでいた。

──後日
 時は過ぎていき、空牙とエグゼの元には一枚の手紙がシフール便で送られてきた。
 それには『組織についてこれ以上詮索するな』という脅し文句と、空牙、そしてエグゼの似顔絵が送られてきた。
 その似顔絵だが、空牙には1800G、そしてエグゼには4200Gの賞金が掛けられていた。

 まだ組織は動いていない。
 けれど、確実に、冒険者達の命を狙っている。
 いつか、表に出ることはあるだろうが、それまで、こころ休まるときはない‥‥。

──Fin