冒険者憂さ晴らしの歌今夜はパーティー

■ショートシナリオ


担当:久条巧

対応レベル:11〜lv

難易度:普通

成功報酬:5

参加人数:6人

サポート参加人数:-人

冒険期間:03月22日〜03月27日

リプレイ公開日:2008年03月31日

●オープニング

──事件の冒頭
 とある冒険者酒場『限界バトル亭』。
 アビス外にあるこの酒場には、実に大勢の冒険者が集っている。
「最近、どうも‥‥稼げないのよねぇ‥‥」
 と豊満な体をレザーアーマーに押しこめている『ミリア・イスマイル』。職業はレンジャーで、アビスでは情報屋として常に様々な回廊を走り回っている。
「そりゃあ、あんたは稼げないだろうさ。今稼ぐのなら、フリーでパーティーに参加する方がいいぜ」
 とワイン片手に告げているのは『ジョージィ・フォアマン』。職業は傭兵、ジャイアントにして重装甲・高破壊力を誇る。
「まあまあ、二人とも。そういえば、近々、この酒場のマダムがパーティーをするって云う話を聞いているかい?」
 と二人の喧嘩に割って入ったのは、僕ッ子ウィザードの『ミーア・クライアンス』。賢者候補生で、『第10機関』という組織にいたことがあるらしいがそんなの今は関係無し。
「へぇ。で、それはいつ頃なの?」
 と問い掛けるミリアに、同じく割って入ってくる女性がこう告げる。
「そろそろということしか判っていないわね。みんな、随分と元気そうですね‥‥」
「ミストルディンの姐さん。随分と‥‥」
 と、情報屋のミストルディンが割って入る。
「姐さんはよしてちょうだいねと。まあ、マダムにも話を聞いたんだけれど、今回のパーティーは『冒険者の慰労会』と『情報収集』の二つを同時に行うらしいわよ。『裏稼業』の方からも大勢参加するらしいけれど、当日は全ての装備は外すこと、鎧は禁止でラフなスタイルでだそうよ‥‥」
 と話をする。

 そしてそのまま昔話に花が咲いているようでありますが、まあそれは後日という事で。

●今回の参加者

 ea2454 御堂 鼎(38歳・♀・武道家・人間・ジャパン)
 ea4004 薊 鬼十郎(30歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea4107 ラシュディア・バルトン(31歳・♂・ウィザード・人間・イギリス王国)
 eb6702 アーシャ・イクティノス(24歳・♀・ナイト・ハーフエルフ・イギリス王国)
 eb8121 鳳 双樹(24歳・♀・侍・人間・ジャパン)
 ec0569 ガルシア・マグナス(59歳・♂・テンプルナイト・ジャイアント・ビザンチン帝国)

●リプレイ本文

●冒険者憂さ晴らしの歌今夜はパーティー
──シャルトル・『限界バトル亭』
 大盛況な酒場。
 老若男女冒険者から一般のとっつぁんまで集っての大パーティーの幕が今昇った・・・・。
「さぁて・・・・。まずは飲もうかねぇ・・・・グビグビグビグヒッ」
 と、駆けつけ10杯よろしく御堂鼎(ea2454)が酒を豪快に飲む。

──グビッグビッ
 テーブルに置かれている酒を次々と飲む御堂。
「おう、ねーちゃんいい飲みっぷりだな。どうだい、俺と勝負するかい?」
 と、上半身マッチョなファイターがそう話し掛ける。
「いいねぇ。で、何を賭ける?」
 ニィッと妖艶な笑みを浮かべつつ、そう呟く御堂。
「俺が勝ったら、一晩愉しませてもらうさ」
「なら、あたしが勝ったら、アビスの情報を貰おうかね。最近、アビスにはまっちゃってさ・・・・」
 と、御堂はあえて周囲に聞こえるように呟く。
「いいだろう。その勝負乗った!!」
 という事で、早速始まった飲み比べ。
 はたして勝敗の行方は?


──そのころのミストルディン一派
「おや、ミスト、その子達は?」
 カウンターで愉しそうに話をしていたマダムが、ミストルディンにそう問い掛ける。
「この子たちは、『マスカレードの常連さん』よ」
 と告げて、その場に居合わせた冒険者達を紹介する。
「は、はじめまして。薊鬼十郎と申します」
 丁寧にそう告げると、薊鬼十郎(ea4004)は静かに頭を下げる。
「ラシュディア・バルトンだ。よろしく頼む」
 静かに呟くラシュディア・バルトン(ea4107)
「アーシャ・ペンドラゴンです。よろしく御願いします」
 にこやかに告げるアーシャ・ペンドラゴン(eb6702)。
「はじめまして!ジャパンから来ました鳳・双樹と言います。どうぞ宜しくお願いいたします!」
 鳳双樹(eb8121)も丁寧に頭を下げる。
「ああ、みなさんよろしくね。で、今日はなんでマスカレードの冒険者を?」
「この子たちはアビスについての情報を探しています。それでここに連れてきたのですが」
 と告げるミストルディンに、マダムも静かに肯く。
「なら、色々な人と交流してみることだね。何かあったら私の名前『カーマイン』をだすといいさ。この酒場ではみんな静かになる筈だからね・・・・」
 と告げられて、とりあえず全員が安堵の表情。
 ということで、早速一行はそれぞれが情報収集に向かっていった。


──その頃のガルシア
「ええ。私がミリア・イスマイルです。よろしく、冒険者さん」
 丁寧にそう告げるミリアに、ガルシア・マグナス(ec0569)も挨拶を返す。
「自分はテンプルナイトのガルシアだ。ヨロシク頼む」
 と告げると、ガルシアはミリアと握手を交わす。
「貴殿が優秀な情報屋ということで頼みがあるのだが・・・・」
 と告げると、 ガルシアは静かに話を始める。
「自分達は、アビスの情報を色々な方面で集めている。そこで、情報が1度整理できたら、アビスに潜ってみたいと思う。その際に、情報屋として依頼同行していただけるか?」
 ということである。
「別に構いませんよ。同行依頼料として50G。それが最低条件ですけれどね」
 とニコリと微笑みつつ呟くミリア。
「問題ない。優秀なレンジャーは必要だからな・・・・」
 と告げると、ガルシアはそのまましばし歓談を愉しむこととなった。


──その頃の鬼十郎
「ふぅん。オーガのギュンター君ねぇ・・・・」
「はい。闇オークションに出品されてしまって・・・・どうしてもあの子を取り戻したいんです・・・・」
 と、鬼十郎はマダム・カーマインに力説する。
「ちょっと待ってて・・・・と」
 告げると、マダムがなにやら写本を持ってくる。
「人語を解する・・・・ああ、あったわ。落札者なしで、次回の闇オークションに出品。最低落札価格は500Gからだね」
 と告げる。
「う・・・・500Gですか・・・・」
 と金額を聞いてから、鬼十郎は自分の懐の巾着を取り出し、中の金貨を数える。
(22G・・・・約480枚足りない・・・・)
 ドヨーンとした表情で下を向く鬼十郎。
「マダムさん。その写本は?」
 そう問い掛けるアーシャに、マダムが一言。
「次回と次次回の出品カタログだね。関係者には無料で配布されている代物で、ミストルディンでもこれは持っていないからね」
 と告げる。
「へぇ。すごいですね・・・・」
 とアーシャが驚いている所で、カウンターに一人の騎士がやってくる。
「マダムぅ。カリバーンの武具、次に出るのはいつ?」
「ああ、誰かと思ったらコナタか。久しぶりだねぇ」
 となにやら世間話に花が咲き乱れ始めた。
 しばし、鬼十郎とアーシャはその世間話をじっと聞いている。
 どうやらアビスについての話よりも、『李興隆』について、カリバーンの7武具についての情報を探しているらしい。
「あの。もし宜しかったら、私も話に加わっても宜しいですか?」
 とアーシャが意を決して話に突撃。
「うん。かまわないよ。はじめまして、あたしはコナタ・ラッキースター。ヨハネス領セフィロト騎士団長を務めています」
「わっ・・・・わたしは・・・・」
 と、突然でてきた大物に動揺するアーシャ。
 それでも落ち着いて自己紹介をすると、そのまま話に加わっていった。

──その頃の御堂
「今日のお酒がのめるのはぁ♪〜 ウィリアム三世のおかげです!! そーれイッキ、イッキ、イッキ、イッキ」
『イッキ、イッキ、イッキ、イッキ!!』
 酒場奥での『一気飲みコール』が炸裂中。
 その中心では、すでに3人を飲みつぶして4人目の挑戦者に突入した御堂が一気に酒を飲み干している。

注)なお、この記録を見ている冒険者の皆さんは、一気飲みなんていう危険な事はしないでね。
 記録係からの御願いでした。

「ぷはーーーーーーっ!!」
 と心地好い酔いに満足している御堂。
 その正面では、『いままさに、かのじょのしょうめんでよいつぶれてしまったのです』という感じて酔いつぶれていった男性が一人。
「良し、これでアビスの情報4つ目ゲット!! 次の挑戦者はだれだい?」
 とまあ、ご機嫌な御堂でありまして。



●場面は変わって
──その頃のラシュタン
「その呼び方は止めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
 という魂の絶叫は無視して、ラシュディアは現在、他のパーティーの見付けてきた『碑文の写し』を解読していた。
「この碑文は何処で?」
「第1回廊最下層の『黒曜石の碑文』です・・・・」
 そう告げられて、ラシュディアはがぜんやる気がでてきた!!
「・・・・必要なのは6つの指輪・・・・と・・・・」
 一つ一つの単語を解読すると、ラシュディアはふと、いくつかの疑問にぶつかった。
 今解読している黒曜の石碑に記されているのは第21の回廊の最初の扉の解除方法。
 必要な人材は6名であるが、問題は必要な指輪。
『対となるものが指輪を填めよ、そして扉に順に手をかざせ・・・・』
 と解読できてしまう。
 だが、ここから先はラシュディア一人ではどうしようもない。そもそも、『対となる』の意味が判らん。
「助かりました。では、うまく先に進めるようにがんばってみます」
 と告げるパーティー。
 まあラシュディアも『第一の黒曜石の碑文』を解読できたのでよしというところであろう。


──そして集った一行
「ふぅ・・・・さすがのあたいもかなりきているさね・・・・」
 フラフラとした足取りでやってきた御堂。
 そして一人、また一人と集ってきた冒険者達は、それまで得られた情報を一つ一つまとめていくことにした。

・御堂の得た情報
『月は星をあらわす』
『目上のものは、目下のものを押さえる』
『頭で考えるな、体で考えろ』
『目に見えるものは信用してはいけない』


・鬼十郎の得た情報(あちこちで友達になった冒険者のみなさんより)
 最深部に到達する回廊は第24回廊。
 第二の黒曜石の碑文は、セフィロト騎士団の奴が写しを持っているらしい
 第10回廊第二の試しの扉の手前には、舞台があるらしい。歌と踊りがキーワードだそうだ。


・ラシュディアの得た情報
『第一の黒曜石の碑文について』
『第20〜24回廊』は、現在なおも突破者0。
『どこかの回廊は『ジャパンの人間のみ』しか通ることは出来ない』
『何処かの扉には『神珠』と呼ばれる石が必要』


・アーシャの得た情報(コナタより)
 ヨハネス領南部は、現在オーガの軍勢と交戦中
 ヨハネス卿の娘が、プロスト辺境伯領の監督官として派遣される事が確定
 李興隆の首には、裏ギルドより莫大な賞金が賭けられているらしい
 アサシンガールの墓が次々と荒らされ、死体の一部が失われているらしい


・鳳の得た情報(傭兵ジョージィより)
 真アビスは、全体的に『アンデッド』『オーガ種』の遭遇頻度が高い。
 さらに、噂ではあるが『一部の犯罪者達』もここにやってきて、李興隆の配下として暗躍しているものがいるらしい。
 李興隆の配下には、二人の剣士が付いている。一人は紋章剣使い、もう一人は仮面の剣士。


・ガルシアの得た情報(あちこちの冒険者より)
 第12回廊・『第二の試しの扉』は、魔法の鍵が必要。それは第15回廊・『第一の試しの扉』のさきにある。
 第15回廊・『第二の試しの扉』は、『命の剣』『心の楯』『魂の兜』を装備したものしか開くことは出来ない。
 どこの回廊かは知らないが、『シルバーホーク卿の亡霊』が彷徨っているらしい
 どこの回廊かは知らないが、かなり高位の悪魔が徘徊しているらしい
 

 ということで。
「・・・・以上、ここまでの全てをこのスクロールに纏めた。必要ならば、各自写して持っていって欲しい」
 と、ラシュディアがテーブルの上のスクロールを指差す。
「いつかは必要になるかもしれないですから、全員がそれぞれ写しを所持していくようにすればいいのでは?」
 と鬼十郎が告げる。
 そして全員がそれらの写しを終えると、再びあちこちに情報収集に向かった・・・・。

 そして期日まで、一行は可能な限りの情報をゲット。
 第三の試しの扉までたどり着いたパーティーが殆ど皆無であり、また、たどり着いたパーティーは別の回廊で行方不明となっているものが多いらしく、さらなる情報は自身の手で得る必要があった。









●今回の収穫は以下の通り
◆人脈
・コナタ・ラキスタ(特にアーシャは親密度高し)
・ミリア・イスマイル(特にガルシアは親密度高し)
・ジョージィ・フォアマン(特に鳳は一目惚れされている模様)
・ミーア・クライアンス(御堂は飲み友達として絆を深めた模様)
・マダム・カーマイン(今回参加した全員が親密度高し)
・アビスの常連冒険者の皆さん(今回参加した全員とは顔馴染となった模様。何かあったらいつでも言ってくれとの事)


◆アビスに関する情報
・回廊No1〜12には、それぞれ鍵となる指輪が存在する。
 順に『白羊宮の鍵』『金牛宮の鍵』『双児宮の鍵』『巨蟹宮の鍵』『獅子宮の鍵』『処女宮の鍵』『天秤宮の鍵』『天蝎宮の鍵』『人馬宮の鍵』『磨羯宮の鍵』『宝瓶宮の鍵』『双魚宮の鍵』以上である。

・回廊No13〜16には、それぞれ鍵となる『精霊の彫像』が存在する。
 順に『炎の彫像』『水の彫像』『風の彫像』『大地の彫像』である。

・回廊No17〜19には、それぞれ鍵となる武具が存在する。
 順に『命の剣』『心の楯』『魂の兜』である。

・回廊No20〜24には、それぞれ指輪をあてはめる扉が存在する。
 それらは全て、第一回廊最下層に記されている4枚の『黒曜石の石碑』に記されている謎を解くことで、正しい扉が開かれる。

・全ての回廊は、4つの『試しの扉』が存在する。それらの『試し』をクリアしなければ、扉は開かない。

・いずれの回廊でも、最初の『試しの扉』を通り抜けるためには『レンジャー』が必要である。

・第1回廊・『第二番の試しの扉』は、精霊力によって解放されるが、その先の空間は『精霊力遮断空間』になっているらしい。

・第2回廊・『第二の試しの扉』の先は、『完全武具無効化空間』というものが存在する。そこでは、全ての『物理的攻撃』が無効化されるるらしい

・第3回廊の二番目の『試しの扉』は、純粋にトラップと鍵によって閉ざされているが、これは敏腕レンジャーなら解除可能

・第4回廊・二番目の『試しの扉』は、神聖力によって解放されるが、その先の空間は『神霊力遮断空間』になっているらしい

・第5回廊の二番目の『試しの扉』に向かうには、『高さ、幅共に1mの回廊』を突破しなくてはならない。

・第6回廊・『第二の試しの扉』に向かう為には、長い階段を下り、そこから『回廊内を充満する、長さ400mの水路』を越えなくてはならない。その先の水中に、『第二の試しの扉』が存在する

・第7回廊・『第二の試しの扉』を突破する為には、その手前に在る、『果てしなく滑らかな壁を昇り、そこの天井にあるレバーを倒す』必要が有る。そこは精霊力が遮断されているので、自力で昇る必要がある。

・第8回廊第二の試しの扉には『全ての武器・防具を棄てよ』と記されている。ここでそれに従わなければ、そこから先に進んだとしてもまっているものは破滅らしい

・第9回廊・『第一の試しの扉』を越えた先は『絶対無音空間』となっている。この空間で物音を立てた場合、何処かに強制転移させられる。

・第10回廊・『第二の試しの扉』は、バードとジプシー二人の歌と踊りが必要である。

・第11回廊は、最初の試しの扉を突破した先から『完全魔法無効化空間』によって形成されている。

・第13回廊・第3の『試しの扉』の正面には台座があり、『2400Gと等しい重さの物質』を載せる事で開くらしい。

・第14回廊・『第一の試しの扉』の手前には『レンジャー殺し』と呼ばれる石化トラップが仕組まれている。

・第16回廊は『第二の試しの扉』以後、3人で一つのパーティーでしか通れない

・第18回廊の奥の小部屋に、第一回廊第三の『試しの扉』の鍵が存在する

・第19回廊は、『第一の試しの扉』までは無限に出現するアンデッドとの戦いが続く。

・第20〜24回廊は、入り口が巨大な石壁にょって閉ざされている。その壁には『24の指輪』を填める穴が存在してい。

・第一の黒曜石の碑文
 第21回廊最初の扉の解除方法
『対となるものが指輪を填めよ、そして扉に順に手をかざせ・・・・』

──Fin