【ふらりアビス】さらなる攻略に向かって

■ショートシナリオ


担当:久条巧

対応レベル:11〜lv

難易度:難しい

成功報酬:5

参加人数:6人

サポート参加人数:3人

冒険期間:04月29日〜05月09日

リプレイ公開日:2008年05月07日

●オープニング

──事件の冒頭
 現在。
 大勢の冒険者が集って、幾度となく突撃を繰り返しているアビス。
 そこには、様々な思惑が集っていた。

 一攫千金を求めるもの
 名声を上げようとがんばっているもの
 集ってくる冒険者相手に商売をしているもの

 そして

 犯罪を犯し、ここに逃げてきたもの・・・・

 そんなものたちが集まり、ここに潜っている理由は様々です。
 さて、貴方はここに、どんな理由で潜るのですか?


●現在までの情報
注)ここに記されている情報は、冒険者ギルドの報告書および第六階層にて得られるものである。
 もし情報を使うのであれば、酒場にて『先人達』に告げてください。
 彼らの努力失くして、これらの情報は得られなかったのですから・・・・


・回廊No1〜12には、それぞれ鍵となる指輪が存在する。
 順に『白羊宮の鍵』『金牛宮の鍵』『双児宮の鍵』『巨蟹宮の鍵』『獅子宮の鍵』『処女宮の鍵』『天秤宮の鍵』『天蝎宮の鍵』『人馬宮の鍵』『磨羯宮の鍵』『宝瓶宮の鍵』『双魚宮の鍵』以上である。

・回廊No13〜16には、それぞれ鍵となる『精霊の彫像』が存在する。
 順に『炎の彫像』『水の彫像』『風の彫像』『大地の彫像』である。

・回廊No17〜19には、それぞれ鍵となる武具が存在する。
 順に『命の剣』『心の楯』『魂の兜』である。

・回廊No20〜24には、それぞれ指輪をあてはめる扉が存在する。
 それらは全て、第一回廊最下層に記されている4枚の『黒曜石の石碑』に記されている謎を解くことで、正しい扉が開かれる。

・全ての回廊は、4つの『試しの扉』が存在する。それらの『試し』をクリアしなければ、扉は開かない。

・いずれの回廊でも、最初の『試しの扉』を通り抜けためには『レンジャー』が必要である。

・第1回廊・『第二番の試しの扉』は、精霊力によって解放されるが、その先の空間は『精霊力遮断空間』になっているらしい。

・第2回廊・『第二の試しの扉』の先は、『完全武具無効化空間』というものが存在する。そこでは、全ての『物理的攻撃』が無効化されるるらしい

・第3回廊の二番目の『試しの扉』は、純粋にトラップと鍵によって閉ざされているが、これは敏腕レンジャーなら解除可能

・第4回廊・二番目の『試しの扉』は、神聖力によって解放されるが、その先の空間は『神霊力遮断空間』になっているらしい

・第5回廊の二番目の『試しの扉』に向かうには、『高さ、幅共に1mの回廊』を突破しなくてはならない。

・第6回廊・『第二の試しの扉』に向かう為には、長い階段を下り、そこから『回廊内を充満する、長さ400mの水路』を越えなくてはならない。その先の水中に、『第二の試しの扉』が存在する

・第7回廊・『第二の試しの扉』を突破する為には、その手前に在る、『果てしなく滑らかな壁を昇り、そこの天井にあるレバーを倒す』必要が有る。そこは精霊力が遮断されているので、自力で昇る必要がある。

・第8回廊第二の試しの扉には『全ての武器・防具を棄てよ』と記されている。ここでそれに従わなければ、そこから先に進んだとしてもまっているものは破滅らしい

・第9回廊・『第一の試しの扉』を越えた先は『絶対無音空間』となっている。この空間で物音を立てた場合、何処かに強制転移させられる。

・第10回廊・『第二の試しの扉』は、バードとジプシー二人の歌と踊りが必要である。

・第11回廊は、最初の試しの扉を突破した先から『完全魔法無効化空間』によって形成されている。

・第13回廊・第3の『試しの扉』の正面には台座があり、『2400Gと等しい重さの物質』を載せる事で開くらしい。

・第14回廊・『第一の試しの扉』の手前には『レンジャー殺し』と呼ばれる石化トラップが仕組まれている。

・第16回廊は『第二の試しの扉』以後、3人で一つのパーティーでしか通れない

・第18回廊の奥の小部屋に、第一回廊第三の『試しの扉』の鍵が存在する
 ちなみに現在、冒険者達の手によって途中までの攻略は完了。

・第20〜24回廊は、入り口が巨大な石壁によって閉ざされている。そのカベには『24の指輪』を填める穴が存在してい。

・第一の黒曜石の碑文
 第21回廊最初の扉の解除方法
『対となるものが指輪を填めよ、そして扉に順に手をかざせ・・・・』

●現在までに攻略された回廊
・第19回廊(途中にて『魂の兜』、最下層にて『金色の魔法の鍵×3』を拾得)

 以上、健闘を祈る‥‥。

●今回の参加者

 ea2454 御堂 鼎(38歳・♀・武道家・人間・ジャパン)
 ec0261 虚 空牙(30歳・♂・武道家・ハーフエルフ・華仙教大国)
 ec0501 フォルテュネ・オレアリス(30歳・♀・僧侶・エルフ・イスパニア王国)
 ec0569 ガルシア・マグナス(59歳・♂・テンプルナイト・ジャイアント・ビザンチン帝国)
 ec1942 ミケヌ(31歳・♂・カムイラメトク・パラ・蝦夷)
 ec3793 オグマ・リゴネメティス(32歳・♀・レンジャー・ハーフエルフ・イギリス王国)

●サポート参加者

朧 虚焔(eb2927)/ シグマリル(eb5073)/ 木下 茜(eb5817

●リプレイ本文

●ということで必勝のシフト
──アビス外・限界バトル亭
「‥‥随分と激しい戦いになっているねぇ‥‥」
 驚いた口調でそう呟いているのは御堂鼎(ea2454)。
 その目の前では、華仙教大国よりやってきたクラーン・ラール・ロイシィが座って、困り果てた表情で話をしていた。
 話の内容はというと、現在の華仙教大国の情勢。
 現在、『曹操孟徳の英霊布』を持つ男が華仙教大国統一という旗を掲げ、海陵王率いる軍勢と交戦状態に突入。
 そこに北方から『孫策伯符の英霊布を持つ男』が海陵王の軍に合流、情勢を一変しようという状態なのだが、そこに南方蛮族による昇竜進軍が開始、昇竜が南蛮により落城。情勢は均衡したままとなってしまっていたらしい。
「まあ、私はこのノルマンに『李興隆』の足取りを追ってくるように告げられたまででして‥‥」
 と告げるクラーン。
「その興隆はこのアビスの地下深くだぁね。あたし達もそれを追って、ここに来ているって言うことだ‥‥グビッグビッグビッ‥‥」
 と、こちらの情勢を告げつつ、御堂は静かに酒を煽る。
「では、李興隆を発見次第、こちらに報告を御願いします‥‥」
 と一枚の羊皮紙を手わたし、クラーンは静かに席を立つ。
「そんな情勢とは‥‥クラーン殿、俺達も華国に戻ったほうがいいのか?」
 と告げる虚空牙(ec0261)に、クラーンは静かに頭を左右に振る。
「わざわざ動乱に赴く必要はないでしょう‥‥」
 とだけ告げると、そのまま手元の木簡を広げて、じっと読みはじめていた。


──ということで
「この中に、神を示す単語があるのだが、それはどれか判るか?」
 空牙は、第六階層安全地帯にいる冒険者達に、羊皮紙に記された名前を見せつつそう問い掛けていた。
 大勢の冒険者からならば、必ず答えが見つかるだろうということだろう。
 そうしている打ちに、幾つかの解答を引出すことができた。

・平和を紡ぐもの‥‥阿修羅?
・解脱した存在‥‥‥仏陀
・唯一の存在者‥‥‥アッラー? ジーザス?
・聖なる母‥‥‥‥‥セーラ
・嘆きの川の主‥‥‥?????
・大いなる父‥‥‥‥タロン

 という解答が圧倒多数。
「ミーアの話だと、平和の‥‥は阿修羅じゃないかって。ただ、嘆きの川の‥‥は判らないらしいね」
 と告げる御堂にたいして、フォルテュネ・オレアリス(ec0501)は手にした手紙をじっと見てから静かに口を開いた。
「フィームさんからの手紙では『平和を紡ぐもの』は多分阿修羅。その指名で動いているのがパラディンであるからだそうね。で、嘆きの川の主については、ノートルダム大聖堂の司祭さんからお手紙が届いていますね‥‥」
 と告げて、フォルテュネは静かにそれを読む。
「で、どうなんだ?」
 ガルシア・マグナス(ec0569)がそう問い掛けると、フォルテュネは満足そうな笑みで話を始める。
「嘆きの川の主は神ではなく悪魔‥‥デビルだそうです‥‥それもかなり、最上位クラスですね‥‥」
 と告げるフォルテュネ。
 これで例の扉の向うに進むことができる。
 あとは、残った扉などの攻略戦のみ‥‥。


●という事で突撃一番
──アビス第18回廊
 第六階層より向いし先は、先日のリベンジでもある第18回廊。
 最初はただの細い回廊によって構成されているこの回廊。。
 その先で行き止まりとなり、そこにあった扉を開いた瞬間から、一行の試練は始まる。
 メンバーは先日とほぼ同じ。
 扉の向こうには10m×10mの小部屋、そこの中央には台座が有り、そして小さな水晶球が安置されている。
 部屋の6方向全てに扉があり、様々な図柄が刻まれている。
「そ、それじゃあ‥‥」
 ということで、まずは前回に引き続きミケヌ(ec1942)。
 またしても恥ずかしい質問。
 それを難無くクリアーすると、次の小部屋へと向かう。
 
 そして第二の小部屋にやってくる一行。
 ここも前回と同じく空牙が水晶に触れ、そして難無くクリアー。
 
──そして迎えた第三の小部屋
 静かな小部屋。
 先日と同じ、全ての扉に文字配列。
「なら、自分が‥‥」 
 ということで、今回はガルシアが触れる。
 そして聞こえてくる言葉は、先日と同じく『神ならざるものの名を示せ』であった。
「解答は一つ‥‥フォルテュネ、『嘆きの川の主』の記されているものはどこだ?」
 そう問い掛けられて、フォルテュネは周囲を見渡す。
「ここの文字配列がそれを示していますわ」
 と告げる。
「なら、そこでいくしかないな‥‥」
 と呟くと、ガルシアは扉をミケヌとオグマ・リゴネメティス(ec3793)に調べてもらい、安全を確認した後にゆっくりと開く。

 目の前には回廊。
 そしてその先には、『第一の試しの扉』があった。
 そこまでやってくると、ミケヌが扉のチェック、そして何もないのを確認すると、ゆっくりと扉を開いていった。



●第二の扉まで‥‥
──第18回廊、第11階層
 第一の試しの扉を越えると、そこは完全な迷宮になっていた。
 様々なデストラップ、回廊を徘徊する奇妙なゼラチン質の魔物、そして銀や赤の鎧を着た魔物など‥‥。
 それらのどれもが強者で、激しい戦いを掻い潜りつつも一行は迷宮の奥にある『第二の試しの扉』までたどり着く。
「ハアハアハアハア‥‥サ、さすがに息が切れたね」
「御堂さんのは息が切れているのではなくお酒では?」
 オグマのにこやかなつっこみに『あはは、そりゃそうだ』と笑いつつ酒を煽る御堂。
「さてと。『第二の試しの扉』ですが‥‥」
 困った顔でそう呟くフォルテュネ。
「何かあったのか?」
 と空牙が問い掛けると、フォルテュネが静かに口を開く。
「『もてる限りの最高の力を、この扉に示せ‥‥』だそうです」
 そう告げられると、一行は少し思考。

 意外と簡単そうで、じつは難しい。
 最高の力というのが、何を意味しているのか?
 単純に考えればいいのか?
 それとも、なにか引っ掛けでもあるのか?
 
「とりあえず、やるしかないか‥‥最高の力だな?」
 と告げると、空牙が拳をグッとにぎる。
「単純な力では、扉は開かないぞ?」
 と告げるガルシアだが、御堂が背後から一言。
「ああ、大丈夫だぁね。軍神の力を解放するんだろう?」
 とヘラヘラと笑いつつ呟く。
「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアっ」
 深い深呼吸の後、空牙が拳を扉に当てる。

──破っ!!
 
 瞬時に全身の筋肉が硬直し、そして弛緩する。
──ギィィィィィィィッ
 ゆっくりと扉が開く。
 そして再び、長い回廊が姿を現わした。
「最高の力って‥‥一体どんな力なんだ?」
 と問い掛けるミケヌに、空牙が扉を指差す。
 その裏側に、完全なる波状亀裂が走っていた。
「成功率はほとんど0。朧拳最源流技の技の一つだけど‥‥よく成功したものだな‥‥」
 と告げつつ、クスリを飲みまくる空牙。
 そりゃそうだ。
 ここの扉も攻勢防壁、最高の力が空牙の全身にも戻ってきているのだから、死なないのが奇跡。
 そして、再びやってきた謎の大迷宮。 
 ただひたすらに、迷宮の主との戦い。
 オーガや上級オーガやオーグラの群れやミノタウロスやミノタウロス、そしてみのさんまで多種様々な迷宮の主との連戦連勝。
 その中でミケヌとオグマは様々なトラップを解除し、様々な宝箱を解除、アイテムを回収しまくっていった‥‥。
 ただ、何故か皆が急いでいることがある。
 それは、通過した回廊は、ある程度の時間で次々と底が抜け、奈落へと落ちていっていた。
 そして最後の扉を突破すると、床の抜けるトラップも終了。
 目の前には『第三の試しの扉』があった。


●第三の試しの扉
──第18回廊第31階層
 何も記されていない扉が一つ。
 それが第三の試しの扉と同じデザインである事から、最後の難関である事を理解した一行。
「‥‥ちょっと一休みして、色々と調べたいんだけれど」
 バックバックから溢れそうなアイテムの山をどうにかしたいらしいミケヌ。
「そうですね。では、一休みしましょう」
 というフォルテュネの提案で、一行はひとまず休息。
 その間に、迷宮で見つけた様々な物品の鑑定を続けると、ふとおもしろいことに気が付いたミケヌとオグマ。
「えーっと、これとこれはヒーリングポーションで‥‥」
「こっちがリカバーホーションですね‥‥これは解毒剤」
「これは保存食と、こっちは油の壷と‥‥」
「これもポーションですね‥‥」
 と分類していく。
 やがて、それらの分類で判った事が一つ。
「こっちが御堂さんの分、これはガルシアさんの分‥‥」
 丁寧に、今まで消費した分を補充していくと、ちょうど全てが補填されてしまう。
 使った分補充するという、じつにとんでもない情況である。
「この鍵束は?」
「さて‥‥なんでしょうねぇ‥‥」
 と、ジャラッと鍵が10本ついている鍵束を取り出すミケヌ。
「フォルテュネさん、この文字判りますか?」
 とオグマが問い掛ける。
「ええっと、精霊碑ですね‥‥。これとこれで始まりの回廊を意味する紋章に仕上がって‥‥あ、これが噂の『第一回廊第三の『試しの扉』』の鍵束ですよ」
 おおっと、クリアー。
「グビッグビッ‥‥ぷはーーー。なら、あとはこの最後の扉をくりあすればいいんじゃねーの?」
 と告げる御堂。
「なら、ちょっと調べてみるね‥‥」
 と、ミケヌが扉を調べはじめたとき。

──キィィィィィィィィィィィィィィィン

 と、鍵束が共鳴を開始。
 そして鍵の一本が消滅すると、扉が静かに開いていった‥‥。
「‥‥どういうこと?」
 ミケヌが頭を捻ると、オグマが一言。
「この鍵は魔法の鍵で、試しの扉を自動解除するんじゃないですか?」
 おお、一同納得。
 ということで、いよいよ第三の試しの扉を突破した一行。
 最後もやはり大迷宮モードだが、この程度を突破できなくでは冒険者の名が廃る。
 先程と同じ方法で『第4の試しの扉』も突破。
 いよいよ最下層へと向かう事となった。


●結末
 第18回廊チーム、無事に帰還に成功。
 最下層にて安置されていた『心の楯』の守護者たるゴーレムを撃破。それはミケヌが責任をもって保管。
 さらにその奥で『白銀色の魔法の鍵』を3本ゲット。空牙とオグマ、フォルテュネがそれぞれが一本ずつ責任をもって保管することとなった。
 さらにミケヌは『8本の魔法の鍵束』も管理。
 そして全員が戻ると、『限界バトル亭』で祝宴。
 とにもかくにも突破に成功した一行。
 次はどこを攻略するのか‥‥。

 第18回廊‥‥コンプリート!!

──Fin