【ウィザード・李】深淵なるものたち

■ショートシナリオ


担当:久条巧

対応レベル:11〜lv

難易度:難しい

成功報酬:5

参加人数:6人

サポート参加人数:2人

冒険期間:09月17日〜09月27日

リプレイ公開日:2008年09月25日

●オープニング

──事件の冒頭
 いつもより騒がしい『限界バトル亭』。
 そこには大勢の冒険者達があつまり、色々と情報交換をしている所であった。
 以下は、それらの冒険者達から得られる情報を纏めたものである。


・第1回廊:他パーティー(PT)突破済:オーガ種の巣窟あり、デストラップあり、幻覚罠あり、精霊魔法不可
・第3回廊:他PT未突破:オールトラップのみ、モンスターなし、達人級レンジャーでも五分五分
・第4回廊:他PT突破済:アンデットの巣窟あり、神聖魔法不可、トラップなし
・第5回廊:他PT未突破:小型の迷宮、シフールでなんとかサイズ、インセクトの巣窟あり、トラップなし
・第6回廊:他PT突破済:水没した回廊、トラップあり、水系モンスターあり
・第7回廊:他PT未突破:雑多なモンスターあり、トラップあり、謎解きあり、ただひたすら昇る壁あり
・第8回廊:他PT未突破:最初の試しの扉をくぐった瞬間、持っているおよび装備している武器・防具(リングなど含む)は全て破壊される為、一般の服のみで突入すること。モンスターなし、トラップあり
・第10回廊:他PT未突破:歌と踊りの好きな守護者が第二の扉を守護している為、そこで気に入られなければ突破不能。トラップのみあり
・第13回廊:他PT突破済:2400G分の重りさえっもていけば突破は容易い。雑多なモンスターあり、トラップなし
・第14回廊:他PT突破済:この回廊のみ、『攻勢防壁』なし、モンスター回廊あり、トラップなし、最下層までただひたすら戦闘。
・第16回廊:他PT突破済:3人PTでのみ突破可能、トラップあり、精霊あり、激レア宝箱あり
・第17回廊:他PT突破済:キーステーションのみ。現在はトラップなしモンスターなし
・第20回廊以降を突破したPTはセフィロト突撃部隊のみ。但し、未帰還・・・・。


●現在までの情報
注)ここに記されている情報は、冒険者ギルドの報告書および第六階層にて得られるものである。
 もし情報を使うのであれば、酒場にて『先人達』に告げてください。


・回廊No1〜12には、それぞれ鍵となる指輪が存在する。
 順に『白羊宮の鍵』『金牛宮の鍵』『双児宮の鍵』『巨蟹宮の鍵』『獅子宮の鍵』『処女宮の鍵』『天秤宮の鍵』『天蝎宮の鍵』『人馬宮の鍵』『磨羯宮の鍵』『宝瓶宮の鍵』『双魚宮の鍵』以上である。

・回廊No13〜16には、それぞれ鍵となる『精霊の彫像』が存在する。
 順に『炎の彫像』『水の彫像』『風の彫像』『大地の彫像』である。

・回廊No17〜19には、それぞれ鍵となる武具が存在する。
 順に『命の剣』『心の楯』『魂の兜』である。

・回廊No20〜24には、それぞれ指輪をあてはめる扉が存在する。
 それらは全て、第一回廊最下層に記されている4枚の『黒曜石の石碑』の謎を解くことで、正しい扉が開かれる。

・全ての回廊は、4つの『試しの扉』が存在する。それらの『試し』をクリアしなければ、扉は開かない。

・いずれの回廊でも、最初の『試しの扉』を通り抜けるためには『レンジャー』が必要である。

・第1回廊・『第二番の試しの扉』は、精霊力によって解放されるが、その先の空間は『精霊力遮断空間』になっているらしい。

・第2回廊・『第二の試しの扉』の先は、『完全武具無効化空間』というものが存在する。そこでは、全ての『物理的攻撃』が無効化されるるらしい。
*ちなみに現在、冒険者達の手によって第2回廊は攻略完了。

・第3回廊の二番目の『試しの扉』は、純粋にトラップと鍵によって閉ざされているが、これは敏腕レンジャーなら解除可能。

・第4回廊・二番目の『試しの扉』は、神聖力によって解放されるが、その先の空間は『神霊力遮断空間』になっているらしい。

・第5回廊の二番目の『試しの扉』に向かうには、『高さ、幅共に1mの回廊』を突破しなくてはならない。

・第6回廊・『第二の試しの扉』に向かう為には、長い階段を下り、そこから『回廊内を充満する、長さ400mの水路』を越えなくてはならない。その先の水中に、『第二の試しの扉』が存在する

・第7回廊・『第二の試しの扉』を突破する為には、その手前に在る、『果てしなく滑らかな壁を昇り、そこの天井にあるレバーを倒す』必要が有る。そこは精霊力が遮断されているので、自力で昇る必要がある。

・第8回廊第二の試しの扉には『全ての武器・防具を棄てよ』と記されている。ここでそれに従わなければ、そこから先に進んだとしても待っているものは破滅らしい。

・第9回廊・『第一の試しの扉』を越えた先は『絶対無音空間』となっている。この空間で物音を立てた場合、何処かに強制転移させられる。
*ちなみに現在、冒険者達の手によって第9回廊は攻略完了。

・第10回廊・『第二の試しの扉』は、バードとジプシー二人の歌と踊りが必要である。

・第11回廊は、最初の試しの扉を突破した先から『完全魔法無効化空間』によって形成されている。
 守護者は『アクエリアス』、彼を倒す事で『宝瓶宮の鍵』を入手。
*ちなみに現在、冒険者達の手によって第11回廊は攻略完了。試しの扉は全て『魔法の鍵』によって解除可能。

・第13回廊・第3の『試しの扉』の正面には台座があり、『2400Gと等しい重さの物質』を載せる事で開くらしい。

・第14回廊・『第一の試しの扉』の手前には『レンジャー殺し』と呼ばれる石化トラップが仕組まれている。

・第16回廊は『第二の試しの扉』以後、3人で一つのパーティーでしか通れない。

・第17回廊には『キーステーション』と呼ばれるショートカット用の部屋が存在。

・第18回廊の奥の小部屋に、第一回廊第三の『試しの扉』の鍵が存在する。
*ちなみに現在、冒険者達の手によって第18回廊は攻略完了。

・第19回廊は、『第一の試しの扉』までは無限に出現するアンデッドとの戦いが続く。
*ちなみに現在、冒険者達の手によって第19回廊は攻略完了。

・第20〜24回廊は、入り口が巨大な石壁によって閉ざされている。その壁には『24の指輪』を填める穴が存在している。

・第一の黒曜石の碑文
 第21回廊最初の扉の解除方法
『対となるものが指輪を填めよ、そして扉に順に手をかざせ・・・・』


*現在までに攻略された回廊(コンプリートエリア)
・第02回廊:『金牛宮の指輪』『金色の鍵』を2本、『白金の鍵』を2本、『鋼の鍵』を2本回収
・第09回廊:キーステーションの解読石碑
・第11回廊:『宝瓶宮の指輪』
・第18回廊:『心の楯』、『白銀色の魔法の鍵』を3本、『8本の魔法の鍵束』回収
・第19回廊:『魂の兜』、『金色の魔法の鍵』を9本回収。

*キーステーションの解読石碑
・鍵を開きなさい。青銅は何処かの1を、鉄は何処かの2を。銀は何処かの3、そして金は何処かの4を示します。
・扉にある鍵穴は全部バラバラ。一つ穴のものは何処かの扉へ。二つ穴は何処かの回廊へ。3つ穴は扉と回廊を示します。
・この回廊の鍵は、一つ穴ならどれでも可能だが、どれでもダメ。二つ穴なら、一つ目の鍵穴はまわさない。次の穴には金を二つと青銅を一つ。
・三つ穴なら‥‥・・穴には・・・・を一つ。二つめの穴には何もささない、そして三つめの・・・・。
・4つ穴、そしてそれ以上の穴は奇跡の鍵。それを用いで目指したい扉をイメージし・・・・。

●今回の参加者

 ea1628 三笠 明信(28歳・♂・パラディン・ジャイアント・ジャパン)
 ea5298 ルミリア・ザナックス(27歳・♀・パラディン・ジャイアント・フランク王国)
 ec0234 ディアーナ・ユーリウス(29歳・♀・ビショップ・人間・神聖ローマ帝国)
 ec0261 虚 空牙(30歳・♂・武道家・ハーフエルフ・華仙教大国)
 ec0501 フォルテュネ・オレアリス(30歳・♀・僧侶・エルフ・イスパニア王国)
 ec0569 ガルシア・マグナス(59歳・♂・テンプルナイト・ジャイアント・ビザンチン帝国)

●サポート参加者

風雲寺 雷音丸(eb0921)/ 狩野 幽路(ec4309

●リプレイ本文

●それさえもおそらくは日常
──シャルトル・アビス外限界バトル亭
「ああ、第12回廊ねぇ‥‥」
 静かに酒を飲みつつ、そのテーブルの冒険者達はそう一言呟くと、溜め息をついて沈黙する。
「他の回廊についてはいろいろと情報があるのに、どうしてそこだけがないのでしょうか? 何処かのパーティーがクリアしたとかですか?」
 そう問いかけているのは三笠明信(ea1628)。
「いや、そういう事じゃないんだ‥‥まあ、行ってみれば判る。そう、入り口までいってみればな」
 そう告げると、冒険者達は再び酒を飲みはじめる。
「行ってみれば‥‥ですか。ありがとうございました」
 そう告げて、三笠は別のパーティーの元に走っていった。

──一方その頃
「さて。問題の碑文の写しがこれで‥‥」
 ミーア・クライアンスがそう呟きつつ、床に羊皮紙を広げる。
 そこには、例のキーステーションに関係する碑文が記されている。

・鍵を開きなさい。青銅は何処かの1を、鉄は何処かの2を。銀は何処かの3、そして金は何処かの4を示します。
・扉にある鍵穴は全部バラバラ。一つ穴のものは何処かの扉へ。二つ穴は何処かの回廊へ。三つ穴は扉と回廊を示します。
・この回廊の鍵は、一つ穴ならどれでも可能だが、どれでもダメ。二つ穴なら、一つ目の鍵穴はまわさない。次の穴には金を二つと青銅を一つ。
・三つ穴なら‥‥・・穴には・・・・を一つ。二つめの穴には何もささない、そして三つめの・・・・。
・四つ穴、そしてそれ以上の穴は奇跡の鍵。それを用いて目指したい扉をイメージし・・・・。

「これって、つまりこういう事ですよね?」
 そう呟くと、フォルテュネ・オレアリス(ec0501)が鍵を袋から取り出す。
「青銅の鍵は1を、鉄は2を、そして白銀は3、金は4を表わしています。残りの鋼鉄と白金については不明ということで‥‥」
 と説明すると、今までじっと聞いていたミリア・イスマイルにも語りかける。
「1つ穴っていうのは、そのまま鍵に当てられた数字が行ける回廊の扉に繋がる気がします」
「ふむふむ‥‥」
「そして2つ穴ですけれど、一つ目の穴が10の位で二つ目の穴が1の位で、鍵を幾つか差し込むことで足し算で求めることが可能かと」
 そう自分の推理を告げていくフォルテュネ。
「それで3つ穴ですけれど。二つ目が10の位三つ目が1の位で、一つ目の穴の数字と掛け合わせるのではないのでしょうか? 例えば第9回廊だと白銀(3)×二つ目なし・三つ目白銀(3)=9みたいな感じでしょうか?」
 そうミーアとミリアに問い掛けるフォルテュネ。
「三つ穴についてはそんな感じかしらね。一つと二つに付いてもそれで問題はないと思うわ」
「同意。ミーアの言うとおりね。とりあえずその方向で動いてみましょう。で、鍵はあるのね?」
 そうフォルテュネに問い掛けるミーア。
「鍵‥‥ですか?」
 と告げると、フォルテュネは懐から白銀色の魔法の鍵を一本とりだす。
「あたしはこれだけですね。他の方は色々と持っていますけれど‥‥」
 ということで、とりあえずメンバーが揃ってから攻略を開始することとなったそうで。


●第17回廊攻防戦
──第17回廊・第21階層の分岐点
 広い空間。
 大量の扉が連なり、そして大量の扉が連なる場所。
 ここまでは以前にも到達できたため、それほど難しいことはなかった。
 ただ、分岐点の網一つの回廊に向かった場合、水中を歩かなくてはならないという事態が待っているが。
 まずは鍵の解析が終ったらしく、その実践の為に一行はやってきていた。
「では、さっそく鍵を広げてみましょう」
 というフォルテュネの言葉で、一行は自分達の管理している鍵を取り出す。

・三笠明信
『金色の魔法の鍵』×3
『白金の鍵(他者から預かり)』

・ルミリア・ザナックス
『金色の魔法の鍵』

・ディアーナ・ユーリウス
『白金の鍵』

・虚空牙
『鋼の鍵』
『白銀色の魔法の鍵』

・フォルテュネ・オレアリス
『白銀色の魔法の鍵』

・ガルシア・マグナス
『鋼の鍵』

「えっーと。『金色の魔法の鍵』が2本、『白金の鍵』が1本、『白銀色の魔法の鍵』が2本、そして『銅の鍵』が2本ですね‥‥。そうなると」
 と、フォルテュネが先程の自分の理論に鍵をあてはめていく。
「青銅と鉄、銀の鍵がないと無理のようですね‥‥」
 とボソリと呟く。
「それなら、当初の目的通りに地底湖の水路を通り抜けるしかないか‥‥」
 と虚空牙(ec0261)が告げると、ルミリア・ザナックス(ea5298)とガルシア・マグナス(ec0569)の二人も肯く。
「まあ、鍵については他の回廊を攻略していくうちになんとかなる。今はまず、残りの命の剣を回収するのが先決だろう」
 ガルシアがそう告げると、一行は静かに重い腰を持ち上げていった。

──第17回廊第21階層・地底湖前
 いくつものトラップをくぐりぬけ、一行は地下へと進んでいく。
 やがて巨大な洞窟にたどり着くと、その手前で一行はまず一服。
「それじゃあ、我が先にいってくるとしよう」
 ルミリアがそう告げて着替えると、ゆっくりと湖底に向かって潜っていく。
 やがて水の吹き出している通路にたどり着くと、ルミリアは全力で流れてくる水に逆らって泳ぎはじめる。
(こ、これは思ったよりもキツいな‥‥)
 そう呟きつつも、取っ掛かりを気にしつつ、なんとか無事に水路を抜ける事に成功。
「地底湖を挟んだ先には、ふたたび回廊が続いているようだ‥‥」
「ふぅ、参ったな‥‥我はなんとか突破できたからいいものの、あのメンツでは、半分こられればいいほうか」
 と呟くと、ルミリアは周囲を見渡してから、再び地底湖を通って一行前に帰還、
「どうでしたか?」
 ディアーナがそう問い掛けると、ルミリアは頭を左右に振る。
「水の流れが急激すぎる。あそこを満足に通れそうなのは‥‥殆どいないだろう」
 と告げる。
「それじゃあ、こちらに待機するチームと遠征チームに別れるとしましょう」
 そうディアーナが告げたおかげで、男性陣+ルミリアは水路に、残りは待機となった。

──地底湖の先
 そこは回廊を抜けた先。
 装飾の施された扉が一枚あった。
「で、どうする?」
 服の裾を絞りつつ、そう問い掛ける空牙。
「いくしかあるまい。けれど、どれだけ対抗できるか‥‥」
 装備も殆どなく、もし敵が出現した場合は無手の空牙しか戦うことは出来ない。
 さらに扉に仕掛けが施されていた場合もアウト。
「そのまま二人は扉に近付くと、まずは視認で扉を確認する。
「特に怪しい所はないか‥‥」
「なら、進むしかないだろう」
 ということで、空牙が勢いよく扉を開く。
 そしてすぐさま身構えるが、敵らしき存在は姿を表わさない。
 内部には台座が一つ。そしてそれに突き刺さるように剣が一本だけ。
「これを引き抜けばいいのか‥‥」 
 と告げて。ルミリアが剣に手をかける。
「大丈夫なのか?」
「うむ。あとは力一杯引き抜くのみ」

──ズズズズズズズズズズズズスズっ
 剣が引き抜かれる。
 そして何も怒らない事を確認すると、二人は再び湖底に向かって泳ぎ、そして外で待機している一行の元に戻っていった。



●第一回廊の悪夢
──第一回廊
 先日、無事に第21回廊から『命の剣』をゲット、そして一日のインターバルを置いて、いよいよ第一回廊に向かうこととなった。
 順当に出現するオーガを次々と撃破し、第二の試しの扉も『精霊力の付与』によって解放。
 そこからは『魔法使い殺し』のトラップの空間に突入することとなった。
 そして幻覚の発生するトラップなども、ガルシアの雇ったミリア&ミーアの二人によって排し、一行はいつもよりハイペースで最下層にたどり着く事になった。

──第一回廊・第27階層
 最後の扉をくぐったとき。
 そこには様々な装飾品や財宝がひしめいていた。
 そしてそれらの手前に立つ女性が一人。
「はじめまして。この『白羊宮』の守護者です‥‥」
 そう告げると、女性は近くにある椅子に座ると、周囲を見渡した。
「君達で、ここの鍵をとりに来れたのは4組目だな。で、どうする? 必要なら持っていって構わないが‥‥」
 そう告げると、女性なにやら作業を始めている。
「ひとつ質問していいか? 貴方はここで何をしているのですか?」
 そう問い掛けるディアーナに、女性は一言。
「私は、このアビスの修復を行なっている。心無い冒険者によって破壊されたり、略奪の限りが尽くされたあとでも、私はアビスを修復しているのだが‥‥」
「貴殿は、善なのか? それとも悪なのか?」
 そう問い掛けるルミリア。
「私は中立、それゆえにどちらとも手を組まず‥‥鍵を手にしたのならば、そのままここから出て行きたまえ」
 そう告げられて、取り敢えず一行は必要な鍵を手に取ると、地上へと帰還する魔法陣にのって移動を開始した。



●結末
 第01回廊を攻略し、一行は『白羊宮の鍵』をゲット。 第21回廊では『魂の剣』の回収も無事に終了。
 いよいよラストスパートのようですが、果たしてどうなることか‥‥。

──Fin