【シチュエーション】よいゴブリン退治

■ショートシナリオ


担当:久条巧

対応レベル:1〜5lv

難易度:易しい

成功報酬:0 G 52 C

参加人数:6人

サポート参加人数:-人

冒険期間:10月13日〜10月18日

リプレイ公開日:2008年10月21日

●オープニング

●事件の冒頭
「いやーーー、まいっただよ。またうちの畑が荒らされちまっただよ」
「おや、おめさのとこもか、おらのとこもごっそりとやられただよ」
「うちなんざ、鶏小屋の鶏が4羽もだよ!! あの奥の奴等にきまっているさね」
「ああ、まいっただよ。このままじゃ、あいつらに村の蓄えがもっていかれちまうだよ」
「蓄えだけならまだええ、もうすぐ収穫が始まる葡萄や作物まで被害にあっちまうだよ」
「なら、どうすればいいだ?」
「うーーーん」
「よし、戦うだよ。みんなで武器さもって、あの憎たらしいゴブリン達を退治するだ!!」
 ということで、トアール村を襲ったゴブリン達の被害は、ついに村人に戦う気力を生み出したのだが‥‥。

 中略‥‥


「ああー、まいっただよ」
「どうすっべ。このままじゃまたやられちまうだよ」
「村一番の力持ちのステフェンですら、ゴブリンには太刀打ちできねってことは、もうおら達は諦めるしかねってことか‥‥」
「それしかあんめ。このまま戦っても、収穫の時の手が足りなくなるだけだベ‥‥このまま被害が最小限ですむのを祈るしかねえべ‥‥」

 とまあ、戦ったものの負けてしまった村人達は、ついに諦めの境地に至ってしまったのだが‥‥。
 そんな集会場で、長老の一言が、村人達に生きる気力を与えてくれた。

「止むをえん。冒険者を雇うだよ」
「村長、そっただ金、おらたちには用意できねっぺ 
「んだんだ。そんな金っこ、もっていねっぺ」
「蓄えがあるだ。ここは村長のおらが、自腹をきるだよ‥‥」

 ということで、村長は自ら冒険者ギルドに出向き、近くの森で集落を形成しているゴブリンの退治を頼みにいったとさ。

 めでたしめでたし。

●今回の参加者

 eb5588 カミーユ・ウルフィラス(25歳・♂・クレリック・ハーフエルフ・ロシア王国)
 ec2048 彩月 しずく(30歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ec2195 本多 文那(24歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ec2494 マアヤ・エンリケ(26歳・♀・ウィザード・人間・イスパニア王国)
 ec5199 重井 智親(30歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ec5356 シャルロット・フランソワーズ(31歳・♀・ナイト・人間・ノルマン王国)

●リプレイ本文

●実にオーソドックスな物語ですねぇ
──トアール村
「いやーー、よく来てくれただな。早速だけれど、よろしくたのむでよ!!」
 パリを出発し、のんびりとやってきたこのトアール村。
 一行を出迎えてくれたのは、異様なまでに能天気な村長と、大勢の村の人々であった。
「はじめまして。僕の名前はカミーユ・ウルフィラス。今回のゴブリン退治依頼を受けてやって参りました」
 丁寧に挨拶をすると、カミーユ・ウルフィラス(eb5588)は自己紹介を行う。
 その後、メンバーの一人一人が挨拶を兼ねての自己紹介を行なっていた。
「忍びの彩月・しずくよ、よろしくね」
 ニコリと微笑みつつそう告げる彩月しずく(ec2048)。
 いや、ちょっとまった、忍者が正体名乗っちゃダメでしょー。
「僕は本多文那。宜しく頼むね」
「えっとぉ。あたしはぁマアヤ。宜しくおねがいしますっていうかんじぃ♪〜」
 と、真面目に挨拶している本多文那(ec2195)に続いて、マアヤ・エンリケ(ec2494)がだるそうに挨拶。
「私は重井智親と申します。若輩者ですが今回の依頼、しっかりと務めさせて頂きます」
「私はシャルロット・フランソワーズという。重井殿と同じく若輩ゆえ、未熟な点も多々あるかと思うが、よろしく頼む」
 最後に重井智親(ec5199)とシャルロット・フランソワーズ(ec5356)の二人が挨拶を終えた時点で、村長はウンウンと肯きながら一行を家に案内した。
 そして一つの部屋があてがわれると、そこでいろいろ判っている限りの情報を説明しはじめた。
 地図を広げて、その一ヶ所に印を付けると、ゆっくりと話を始める村長や村人達。

「この場所にゴブリン達は集落を作っていますだ」
「奴等は群れで襲ってくるから、気を付けた方がいいだよ」
「大体二人一組で襲いかかってくるから、気をつけるだ」
「一人が攻撃したときはもう一人が身構えて待機、そして入れ代わりだよ」
「魔法とかは使わなかったな」
「獲物はダガーやナイフばかりだったから、冒険者のみなさんではそれほど脅威じゃないだよ」
「早くなんとかしてくんねと、収穫祭にまにあわせれねど」
 
 とまあ、実に協力的でいらっしゃって。
 一通りの説明を聞くと、一行はとりあえず出発の準備を開始。
「一気にカタを付けられればいいのですけれど」
 と心配そうに告げるカミーユにたいして、そこそこに冒険歴を持つマアヤが一言。
「そんなに楽だったらぁ、あたしの出番必要ないしぃ。っていうか、あんまり動きたくないってかんじ?」
 そうはいうものの、実際にはバックアップとしての準備は万端のマアヤ。
「まあ、あとは言ってみてからですね。現地での情況も色々と調べてみないと」
 という本多の意見で話は終り、いよいよ村を出て森へと向かっていった。


●インファイト
──ゴブリンの集落付近
 静かな森。
 木洩れ日が差す温かい大地
 小鳥の鳴き声が時折日々き、風のささやくような音が耳に届く。
──ウガガガッ!
 そんな中、森の奥から聞こえる『人間ではない声』。
「あの声は?」
「ゴブリンの鳴き声みたいね。この先、草むらを越えて200mっていう所かしら?」
 重井の呟きに彩月がそう告げる。
「そうですね。ここに奴等の足跡やいたという痕跡があります。あまり専門ではないのでなんとも言えませんが、人間と比較してそこそこに大きな体躯の奴がいるようですね」
 カミーユがそう告げると、本多が印を組み韻を紡ぐ。
──キィィィィィィィィィィィィィィィン
「大地の精霊よ、かのものの発する振動を、我に伝えたまえ‥‥」
 本多のバイブレーションセンサーが発動する。
 今の所、怪しい振動は感じられない。
「範囲内では、敵らしい感覚は感じられませんね」
 その本多の言葉に、とりあえず警戒をゆるめる一行。
「では、作戦通りに‥‥」
 そう呟くと、重井は村から借りてきた狩猟用トラップを手に、先程の音がした方に向かっていく。
 そのまま偵察も兼ねてトラップを仕掛けに向かうと、1刻ほどで再び皆の所に帰還。
「ゴブリンの数は10。報告の数より2少ないです。多分偵察か狩りに出ている最中かと思われます」
 その重井の報告を受けて、一行は最終打ち合わせを開始。
 そしていよいよ戦闘が開始された!!

──ガササササッ
 重井の仕掛けたトラップを挟んだような状態の位置に、一行は姿を現わした。
 その姿を見て、ゴブリン達は各々が臨戦体勢を取る。
 ナイフを構えて一気に間合を詰めるように走ってくるもの、そのまま集落の守りにまわる者など、ゴブリン達はおおよそ想像通りの動きを見せてくれる。
 と、そのまま牽制を続けると、一行は少しだけ後退。
 その後ろからゴブリン達は追撃を開始するが‥‥。
──バシィィィィィィッ
 重井の仕掛けたトラップに脚が挟まれ、身動きが取れない状態の奴が2匹。
「こ、これが実戦!!」
 そう叫びつつ、まわりこんでくるゴブリン達に向かって、いよいよ戦闘開始。

──ガギィィィン
 激しくダガーで付いてくるゴブリンの一撃を、彩月は手にした水吟刀で受け流す。
「そんな攻撃、止まっているように見えますわよ!!」
──ズバァァァァッ
 お返しとばかりに、彩月の一撃がゴブリンの肉体を切り裂く。
 レザーアーマーがばっくりと裂け、鮮血が吹き出す。
「ウガガガガガガガァァァ」 
 ナイフをブゥンブゥンと振回しつつ、彩月に向かって間合を詰めてくるゴブリン。
 だが、正気を失い勝機を失ったゴブリンの末路は既に見えていた‥‥。

──一方その頃
 ヒュヒュヒュンッ
 次々と集落に向かって弓を射るのは本多。
「この距離なら、そうそうは外すことはありませんね‥‥」
 そう呟きつつ、本多は集落に向かって弓を射る。
 その攻撃はゴブリンに向かって命中することはなかったが、敵をここに引き付けるという準備はできていた。
 そのまま弓を置き、印を組み韻を紡ぐ本多。
「ウゴウガガガガガウガウガウガウウゥゥゥ」
 ゴブリン達は何をいっているのか全く判らない情況。
 武器を構えて、素早く本多に向かって間合を詰めてくるのだが、それを阻む敵が姿を現わした。
「誰が敵ですか?」
 いや、気にしないで。
 そのまま本多に向かって襲いかかるゴブリンの頭部に、さらにシャルロットの放った矢が命中。
 その場は惨劇となりはじめた。

──その頃
 カキィィィィィィィィン
 重井とゴブリンの一騎打ち。
 さすがにゴブリンの方が分が悪すぎる。
 次々刻まれていくゴブリン、やがて生き残ったゴブリン達は、武器も全て棄ててその場所から撤退していった。
「まったく、余計な事をしないで欲しかった‥‥」
 と呟きつつも、さらに別方向からやってくるゴブリン達を牽制。
──ゴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ
 そのやってくるゴブリンに対しては、マアヤのアイスブリザードが直撃していった。
 だんだんと数が減っていくゴブリン達。
 冒険者達には叶わないと判断した者たちは武器を棄てて逃亡、残った者たちも最後の抵抗を開始したのだが‥‥。



●戦い終って
──トアール村
 生き残ったゴブリン達は全部で撤退。
 さすがに攻守がしっかりとしている冒険者達。
 奴等の住んでいた集落は完全に放棄されたようである。
「これで村に平和が訪れましただ。これは約束のお代でございますだ」
 と報酬が差し出される。
 ちなみに、カミーユ達は最後に調査の為にゴブリンの集落跡地を調べてみたのだが、金目のものはゲットできずであった。
「あーあ。これで仕事も終わりだしぃ。今はゆっくりと家に戻って、ふかふかのベットで横になりたいっていうか、そんな感傷に浸っている場合でいいのかなぁ」
 と告げるカミーユですが、これで依頼は無事に閉幕となりました。
 そして一行は、無事にパリへと帰還していった。

──Fin