●リプレイ本文
●黙示録の巨塔
──ノルマン江戸村外・黙示録の塔
大勢の冒険者達が集うノルマン江戸村。
そこにある冒険者酒場『ノルマン亭』は、いつになく大盛況の模様。
それも其の筈、黙示録の塔が姿を現わしてからというもの、江戸村の経済状態は極めて良好であり、大勢の冒険者が頻繁に訪れるようになった。
その結果として村全体が少しずつ潤ってきたのであるから、どんな事が無きっかけになるかまったく判らない状態である。
──黙示録の塔・第一階層
静かな回廊。
その奥では、突入した様々な冒険者達が回廊の魔物と戦いを続けていた。
──ガギィィィィィィィィィィィィィィィィィツ
激しく突きたてた剣の先端が砕け、破片が飛び散る。
「ぐっ‥‥なんだこの装甲、魔法の武具ですから役に立たないのかッ!!」
眼の前に立つ『琥珀獅子』に向かって吐き棄てるように叫ぶガルシア・マグナス(ec0569)。
その真横では、マート・セレスティア(ea3852)が手を叩いて琥珀獅子の気をひこうとしている!!
「こっちこっち、早く来ないと!!」
そう叫ぶマートには目もくれず、琥珀獅子はガルシアに向かって飛び掛かろうと低い体勢を取る!!
「それ以上好き勝手はさせません!!」
楯を構えたままシルヴィア・クロスロード(eb3671)が前に出て、ガルシアのカバーに入る。
「どっせいっっっっっっっっっっっっっ」
そこに飛込んでいきざまに、首の辺りの鎧上の皮膚の継ぎ目を狙う陰守森写歩朗(eb7208)。
──ずばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ
鮮血が吹き出し、琥珀獅子が絶叫を上げる。
だが、陰守もまた素早く後方に下がり、次の相手の出方を伺う。
「まだ油断めさるな‥‥」
「その通りです‥‥精霊よ、彼のものを束縛してください‥‥」
そう呟きつつ、手にしたスクロールを発動させるリアナ・レジーネス(eb1421)。
だが、それには琥珀獅子もレジスト。
「秘剣・鬼霞‥‥」
静かに薊鬼十郎(ea4004)がそう呟き、腰の小太刀の柄に手を添える。
──チン‥‥
小さく音が響く。
その刹那、琥珀獅子の首筋からさらに血が吹き出す。
「ブラインドアタックか‥‥軌跡が全く見えなかったな‥‥」
そう呟きつつ、ガルシアもさらに追撃の手を進める。
満身創痍になりつつも、反撃を開始する琥珀獅子。
──ヒュンッ!!
一瞬琥珀獅子の姿が霞んだかと思った刹那、その口には一本の腕が咥えられていた。
「なんだ‥‥と‥‥」
肩口から血を吹き出し、その場に崩れる陰守。
──グルルルルルルル
そのまま腕を放り投げると、琥珀獅子は低い体勢で一行を睨みつづける。
「さがれ陰守!!」
後方で待機していたセフィード・ウェバー(ec3246)が素早くホーリーフィールドを展開、陰守はその中に飛込んだ。
「みえなかった‥‥不覚っ」
そう吐き棄てる陰守の傷を確認すると、セフィードは一行に向かって叫ぶ。
「腕を接合する。誰か回収を頼む!!」
「了解!!」
シルヴィアが返事をして転がっている腕に向かって走る。
その間にも、他のメンバーは琥珀獅子の気を引こうと叫んだり覇気を飛ばす。
──グル‥‥グルル‥‥
低い体勢のまま、琥珀獅子の全身が琥珀色に輝きはじめた刹那‥‥。
その場の一行は、全身を無数の光の矢によって貫かれる。
それはセフィードのホーリーフィールドを破壊し、中の二人の肉体をも貫いた。
そして貫通した光の矢は壁に直撃し、それらは全て琥珀獅子に向かって反射していった‥‥。
自らの光によって琥珀獅子は絶命。
だが、その場にいたメンバーも、その殆どが瀕死の重傷となっていた‥‥。
──一方・その頃‥‥
(ここが階段の間‥‥)
敵に悟られないように、慎重に回廊を歩いているのはロックハート・トキワ(ea2389)。
目的は一つ、上の階に向かうのであろう階段の間。
同時に突入した大勢の仲間たちが囮のような動きとなっている為、意外にもロックハートはノーマークでここまでやってくる事が出来た。
目のまえには巨大な扉、そしてそれを開くための鍵はロックハートが所有している。
「さてと‥‥なにもでなさるな‥‥」
扉や鍵穴に仕掛けられているトラップを調査しつつ、それらがなにもないと判断すると、ゆっくりと鍵を鍵穴に差し込み、そして捻る。
──カキィィィィィィィィィィィィィィィィン
回廊全域に響く音。
(いゃ、ちょっとっまって‥‥っておい)
そして扉がフッと来え、大きな部屋が目の前に広がった。
そこには、全身が銀色の鎧に身を包んだような獅子が徘徊している。
その奥には、上へと続く階段が見えている。
そして白銀獅子は、ゆっくりと扉の方を振り向く。
──ヒュンッ!!
その動きに合わせて、ロックハートも素早く物陰に隠れる。
(い、いや‥‥無理‥‥死ぬって‥‥)
その強さを本能で察知するロックハート。
不意打ちにせよなににせよ、戦った場合はほぼ確実に死亡する。
そして白銀獅子は扉から回廊に出てくると、ふたたび室内に戻っていった。
(とりあえず、仲間にこの事を伝えた方がいいか‥‥)
そう考えたロックハートは、ここに至る道の分起点まで戻ると、そこで静かに身を隠した。
●調査はつづいていくますが
──黙示録の塔1F、どこかの回廊
「この塔は、外から見たのと内部では広さが全く違うな‥‥」
静かにそう呟きつつ、手にした地図に現在の場所をを書き込んでいくマナウス・ドラッケン(ea0021)。
「そのようで。それに、内部がこれだけ迷宮のようになっているって言うのも、色々と考えないといけないわ‥‥」
ヘルヴォール・ルディア(ea0828)がそう告げると、一行は静かに肯く。
「まあ、ここまで何も出なかったというのはありがたい。悪魔の姿も気配も確認できていないしな」
尾花満(ea5322)が『石の中の蝶』を確認しつつ、そう一行に告げる。
「まあ、それでも周囲には気を配らないとな‥‥」
フレイア・ヴォルフ(ea6557)が一行に告げる。
ちなみにフレイア、この塔に入る前に参加した冒険者全てを集め、塔の壁の構成についていろいろと実験してみた。
手近に落ちている石をひょいと広い、塔の壁に向かって投げ付ける。
これにより、幾つかの法則がある程度判明した。
まず、石を何も考えず、ただ軽く投げてみた場合。
この場合は石は軽く跳ね返ってきただけ。
次に、石を攻撃の意志を持って軽く投げてみた場合。
この場合は、自分の力がさらに増幅されて帰ってきたような感じになった。
建物の内部で転んだ場合などはまったく反応がなく、行った行動に対して『敵対心があるかないか』を塔自体が感じ取っているようにも感じられた。
これにより、簡単な動作などは普通に行なえる事も立証された。
「この壁の向うに呼吸が8つ‥‥こっちの回廊の先に2つ、後ろから1つ接近していますね‥‥」
ブレスセンサーによって仲間たちの動向を確認しているシェリル・シンクレア(ea7263)。
「2つと1つは敵だろう? 後ろからということは追撃の可能性もあるな‥‥」
「なら、ここで排除しておかないと」
「危険ですね‥‥」
そう呟きつつ、後方にむかって 戦闘態勢を取る壬護蒼樹(ea8341)とレイア・アローネ(eb8106)、サクラ・フリューゲル(eb8317)の3名。
中でもサクラは、いつでも詠唱が出来るように印を組みこむ準備をしていた。
──スッ
と、突然闇の中から琥珀獅子が1頭姿を現わした。
──グルル‥‥グルルルル‥‥
そう低く咆哮を上げる琥珀獅子。
「独特の動き。パラディン候補生の皆さんのおっしゃっていたとおりですわ」
レイアもまた抜刀し、静かに相手の出方を見る。
「先制いきます!!」
すかさず印を組み韻を紡ぐサクラ。
──キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイン
「セーラよ、かのものを束縛せよ!!」
サクラのコアギュレイトが発動。
一瞬のうちに琥珀獅子はその身が拘束されてしまった!!
「今です!!」
そのサクラの言葉に繋がるように、蒼樹とレイアがすかさず武器を手に突撃を開始。
ほんのわずかの間に、琥珀獅子を撃退していた。
「‥‥しかし、こんなにうまくいくとはな‥‥」
そう告げる蒼樹。
と、レイアは再び武器を構え、今琥珀獅子が姿を現わした場所に向かって身構えた。
「まだくるわね‥‥サクラさん、宜しく!!」
「了解です‥‥セーラよ、彼のものを束縛せよ!!」
回廊の向うから姿を現わした琥珀獅子に向かって、サクラが再びコアギュレイトを発動。
しかし、今度の敵はそれをレジスト、素早く間合を詰めてきた!!
「後衛さん、そっちは任せていいかしら?」
前方からヘルヴォールの声がする。
「そちらはどうです?」
と、サクラが問い返したとき、すでにマナウスや尾花、フレイアは前方からやってきた琥珀獅子2体と交戦状態になっていた‥‥。
──その頃
「この壁の向うが外になるのか‥‥」
「ということは、ここから先は行き止まりということですか?」
壁の向うに意識を集中しているのはアハメス・パミ(ea3641)。
その後ろで巨大な地図を広げ、ファイゼル・ヴァッファー(ea2554)がそう問い掛ける。
「そのようね‥‥しかし、この迷宮、いったいどういう仕掛けなのかしら?」
ぐるりと周囲を見渡しつつ、シャクリローゼ・ライラ(ea2762)がそう呟く。
リヴィールマジックを発動し、壁全体を見渡しているシャクリローゼ。
これでどのような魔法が付与されているかが判るはずなのだが、それが『判別できない』のである。
「どういうことだ?」
そう円巴(ea3738)が問い掛けると、シャクリローゼがゆっくりと話を始める。
「私の魔法では、大体どの系統かまでは判別できる筈なのよ。にも関らず判別不能ということは、私の知らない系統もしくは、『デビル魔法』とかじゃないかしら」
その言葉に、静かに肯く巴。
「で、ここの壁なんだが、どうする?」
そう呟いているのはシルバー・ストーム(ea3651)。
行き止まりで外に繋がっている筈の壁。
その壁の下、高さにして約30cmの位置に刻まれている精霊碑を見ながら、横で頭を抱えて悩んでいるシェセル・シェヌウ(ec0170)に問い掛ける。
「古代魔法語なら判るのだが、精霊碑となると‥‥」
と告げるシェセル。
「刻まれているのは太陽の守護印ですか。それを囲むように月の精霊が配置、これは‥‥どういうことでしょうか?」
エミリア・メルサール(ec0193)がそうシルバーに問い掛ける。
「これはですね‥‥」
そう呟くと、シルバーが何かを呟く。
──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
突然右側の壁がスライドし、さらに未探査の回廊が姿を現わした。
「ということなのですが」
そう呟くシルバー。
開いた回廊の奥からは、無数の蝙蝠が飛来してくる。
「いやいや、こうなると調べるしかないでしょう」
そうにこやかに告げると、マッパー担当の狩野幽路(ec4309)がさらなる道を地図に書き記していく。
「今までの部分と重ねてみると、この回廊、単体で存在しているかのようにも見受けられますね‥‥」
推測を交えつつ、 幽路がそう呟く。
「どれ‥‥」
ということで、全員がここまでの行程の記された地図を見る。
確かに、今までのどことも繋がらない未知のエリアに進んでいる。
「どうしますか? 順当に壁づたいの調査を続けますか? それともいきます?」
そう問い掛ける幽路。
「まずは他の部分を全て書きおえてから、それからの調査という事にしよう」
とまあ、慎重に進む調査班であったとさ。
●大バトルのさ中
──どこかの回廊
「どっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ」
ドッゴォォォォォォォォォォォ。
激しく叩き込まれた一撃。
目の前の琥珀獅子に向かって振り落とされた一撃は、その首を綺麗に分断している。
その傷口から吹き出した返り血を浴びつつ、セイル・ファースト(eb8642)はさらなる敵をさがす。
「こっちにもいるわよっ!!」
素早く攻撃してくる琥珀獅子。
その攻撃を『肉体』で受け止めつつ、そうセイルに向かって叫ぶリリー・ストーム(ea9927)。
「なら、そいつはこっちで片付けるっ!!」
「ここはあたしたちに任せてください!!」
そう叫んでいるのはシャロン・オブライエン(ec0713)と鳳美夕(ec0583)の二人。
彼女達の目の前には、巨大な黒曜石の碑が立っており、その手前の空間がゆがんでいた。
「つまり、こいつをどうにかして止めればいいんだろうが‥‥」
石碑に刻まれている文字を素早く解読するラシュディア・バルトン(ea4107)。
だが、その最中にも、空間から新たなる琥珀獅子が生み出されてくる。
「あーーーっ、めんどうくさい。そいつは破壊できないのかよ‥‥」
後方待機し、更なる援軍に対しての警戒をしてるゴールド・ストーム(ea3785)がそうラシュディア・バルトン(ea4107)達に叫ぶ。
「これが破壊できれば苦労はないっ」
シャロンのその叫びに、ゴールドは肩をすくめて再び敵の警戒を強める。
「どうでもいいけれど、早い所なんとかしてくださらない?」
「いくら俺達でも、いつまでもこいつらを相手にはできないぜっ!!」
リリー&セイルがそう叫ぶが、ラシュディアは頭を左右に振る。
「解読は完了したが‥‥黒曜石の杖という鍵があるなぁ‥‥それをここに差し込めば、この石碑は停止するっていうところか‥‥」
そう解読を終えたラシュディアが呟く。
「その杖は一体何処にあるのですか? 石碑には記されていないのですか?」
セイルに向かってリカバーを唱えつつ、リスティア・バルテス(ec1713)がそう問い掛ける。
「あーー、ここには書いてねーな。これは参った‥‥」
そんな事を呟いているさなかにも、空間がさらなる歪みを生じさせた。
「くるぜ‥‥今までよりも大きな奴がよ」
そう呟くシャロン。
そして空間から、今までの2倍以上の体躯を持つ琥珀獅子が飛びだしてきた‥‥。
●守護者との戦い
──階段の間
巨大な白銀獅子。
それを目の前にして、一行はどう手を打つか悩んでいた。
右腕をかみ砕かれたアシュレー・ウォルサム(ea0244)は後方に待機、それを護るようにデニム・シュタインバーグ(eb0346)とディアーナ・ユーリウス(ec0234)が立ちはだかる。
そして最前線では、デュランダル・アウローラ(ea8820)と虚空牙(ec0261)の二人が、ゆっくりと目の前で低い体勢を取る白銀獅子の動きを見る。
「まだか‥‥まだですかっ!!」
傷の手当を受けているアシュレーが、ディアーナにそう問い掛ける。
「砕けているのです。そう直には無理です!!」
リカバーによる治療を行ないつつも、ディアーナがそう告げる。
「くるぞッ!!」
そう空牙が叫んだ刹那、白銀獅子の姿が消えた。
──ドサッ
そして再び姿を表わしたとき、その口には誰かの腕が咥えられている。
「‥‥誰ダッ!!」
デュランダルがそう叫ぶと、その真横の空牙が左肩口を押さえている。
一瞬の隙に、白銀獅子は空牙の左肩を食いちぎったのであろう。
「見、見えなかった‥‥そんな馬鹿な」
そう呟くデュランダル。
だが、空牙は再び右腕を構えると、ゆっくりと敵に向かって近づいていく。
「目で捉えない事だ‥‥」
その空牙の言葉の直後、デュランダルは腰に剣を戻し、別で腰に下げられている紋章剣をゆっくりと手に取る。
「オーラと共にあらんことを‥‥」
──ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ
柄の部分からオーラによって形成された刀身が生み出される。
それを見て、白銀獅子が一瞬後方に下がる。
「ディアーナ、奴を束縛できるか?」
そう問い掛けるデュランダル。
「やって見ます‥‥」
「頼む。こっちは体で相手の動きを止める。デュランダル、あとは任せた!!」
そう呟いて、空牙が前方の白銀獅子にむかって走り出す。
──ヒュンッ!!
再び姿が来える白銀獅子。
だが、今度は突然その姿が見えた。
空牙がその身を呈して白銀獅子の首に向かってしがみついたのである。
さらに全身に力を循環させ、白銀獅子をその場に停止させた!!
「セーラよ、彼のものを束縛してください!!」
そしてディアーナのコアギュレイトが発動。
それはレジストされたものの、空牙が押さえてくれているだけでもかなり違う!!
──ズバァァァァァァァァァァァァァァッ
オーラによって生み出された刀身。
それが白銀獅子の首に突き刺さると。そのまま一気に下に向かって振りぬかれる。
その一撃で、白銀獅子は絶命し、その場に崩れ落ちていった‥‥。
「ふう‥‥とりあえず先に進むのか?」
ちぎられた腕を拾いつつ、空牙がそう問い掛ける。
「いや、1度他のメンバーと合流したほうがいい‥‥」
というデュランダルの言葉により、一同は一旦塔から脱出した。
●インターミッション
外に戻ってきた一行。
各チームのマッパーから受け取った地図を一つに繋ぎ、第一回廊の地図を完成させる。
だが、その地図の中心部分には、まだ道の空間が存在している。
そしてそこに繋がっている回廊は、シルバー達の見付け出した秘密の通路である。
「さあさあ、みなさんお疲れ様ですよー。食事の準備も出来ています。どうぞ♪〜」
塔に挑戦した仲間たちに炊き出しを行なっているのはソムグル・レイツェーン(eb1035)。
さらに作られている救護テントでは、腕や肩を切断された仲間たちの再生処置も始まっていた。
「で、この先なんだが、階段を昇ると真っ直ぐな回廊が伸びている。ただし、その回廊の壁自体が燃えていて、回廊がかなり熱くなっている。第2回廊はその殆どが『燃え盛る壁』によって形成されていると見て間違いないだろう」
一行が戻ってくるのと入れ違いに強行偵察を行なってきたロックハートが、無事な仲間たちに向かってそう告げる。
「で、敵は?」
そう問い掛けるファイゼルに、静かにロックハートが言葉を発する。
「確認できたのは人型だった。赤銅の皮膚の人間、青銅の皮膚の人間、そして黒鉄の皮膚の人間までは確認できた。鎧はきていない、で、様々な武器を手にしている‥‥琥珀獅子の姿は確認できていない」
その言葉に、さらなる対策が必要だと一行は感じていた。
第一回廊、未調査エリアを除きコンプリート。
──Fin