【ふりーあたっく】いつまでもどこまでも

■ショートシナリオ


担当:久条巧

対応レベル:11〜lv

難易度:難しい

成功報酬:5

参加人数:15人

サポート参加人数:3人

冒険期間:06月14日〜06月29日

リプレイ公開日:2009年06月23日

●オープニング

●事件の冒頭
 静かな朝。
 酒場では大勢の冒険者達が酔いつぶれ、豪快にいびきをたてて眠っている。
 冒険者街に近い酒場『マジックドラゴン・パフ亭』には、連日大勢の客で賑わっていた。
 というのも、ここ最近になって、この酒場には謎の占師『アッディーン』が訪れており、彼に占いをしてもらおうと連日大勢の客が足を運んでいた。
「ふむふむ‥‥貴方は何を占ってほしいのですか?」
 と客にたいして親身に相談し、占いの結果、的確なアドバイスを行なっていた。
 見料は5S。それで困りごとが解決するのならばということで、皆集まっているらしい。

 そのテーブルの近くでは、これまた一人の吟遊詩人が静かにリュートを奏でている。

♪〜
精霊は留まることなく、絶えず彷徨う
やがて、疲れた精霊達は癒しを求め
静かなる地にて眠りにつく
眠りをほどくのは、一つの歌、一つの剣、一つの魂
静かに祈りなさい。ほら、聞こえてくるでしょう?
貴方にとって必要な力、精霊達の囁く声が。
彼等にとって必要なもの、精霊達を信じる心。

悪魔たちは、留まることなく、絶えず彷徨う
やがて、心哀しき者のもとへとたどりつき
かれらの耳元でそっと囁く
全てを委ねなさい、欲しいもの、やりたいこと、心の中
そっと手を出してください、ほら、貴方に力を授けましょう。
貴方にとって必要な力、悪魔たちの囁く声。
彼等にとって必要なもの、貴方の純粋なる魂を一つ。

竜たちは、留まることなく、絶えず彷徨う。
やがて、疲れた竜たちは眠りを求め、
遥かなる洞窟で眠りにつく。
眠りをほどくのは、一振りの武器、一つの鎧、一枚の楯
静かに祈りなさい。ほら、聞こえてくるでしょう?
貴方にとって大切な存在、竜たちの加護の輝き。
彼等にとって必要なもの、古き古の盟約。
♪〜

 その歌が何を意味しているのか、それは誰にもわからない。
 その吟遊詩人は、やがて酒場から立ちさって行く。
 そして今宵も、別の酒場で歌を紡ぐ。
 だれにも届かない、古き盟約を告げる歌を。

●今回の参加者

 ea1585 リル・リル(17歳・♀・バード・シフール・ノルマン王国)
 ea1628 三笠 明信(28歳・♂・パラディン・ジャイアント・ジャパン)
 ea1819 シン・ウィンドフェザー(40歳・♂・ファイター・人間・イギリス王国)
 ea4004 薊 鬼十郎(30歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea4107 ラシュディア・バルトン(31歳・♂・ウィザード・人間・イギリス王国)
 ea5298 ルミリア・ザナックス(27歳・♀・パラディン・ジャイアント・フランク王国)
 ea9927 リリー・ストーム(33歳・♀・ナイト・人間・ノルマン王国)
 eb2174 八代 樹(50歳・♀・陰陽師・人間・ジャパン)
 eb8226 レア・クラウス(19歳・♀・ジプシー・エルフ・ノルマン王国)
 ec0170 シェセル・シェヌウ(36歳・♂・レンジャー・人間・エジプト)
 ec0193 エミリア・メルサール(38歳・♀・ビショップ・人間・イギリス王国)
 ec0261 虚 空牙(30歳・♂・武道家・ハーフエルフ・華仙教大国)
 ec0501 フォルテュネ・オレアリス(30歳・♀・僧侶・エルフ・イスパニア王国)
 ec0583 鳳 美夕(30歳・♀・パラディン・人間・ジャパン)
 ec0713 シャロン・オブライエン(23歳・♀・パラディン・ハーフエルフ・イギリス王国)

●サポート参加者

エメラルド・シルフィユ(eb7983)/ レイア・アローネ(eb8106)/ エリーゼ・ロータス(eb8396

●リプレイ本文

●螺旋回廊
──パリ・冒険者酒場マスカレード
「そうだねぇ‥‥ここ最近は静かなものだね‥‥」
 カウンターの中でそう愉しそうに告げるのは酒場のマスターであるミストルディン。
 その正面では、ラシュディア・バルトン(ea4107)がやれやれという表情でミストルディンを見ていた。
「きな臭い話はなしか‥‥」
「ええ。ちゃくちゃくと基盤を固めているヨハネス卿のことぐらいだね」
「それは?」
「ヨハネス領の城塞の強化、ここ最近になって、彼の城砦にかなり大勢の旅人が集まっているということ、それも主に神聖ローマのほうから来たひとばかり‥‥」
 そう告げられると、ラシュディアは視線をカウンターに向けたまま一言。
「そっち方面の情報を集められるだけあつめて欲しい‥‥格安で」
「格安は御免だけれど、依頼ならばよろこんで‥‥」
 と笑いつつ告げるミストルディン。
「支払いはツケで頼む」
「ああ。踏み倒したら、吟遊詩人ギルドに売り飛ばすからね。あたしは『まじかる☆らしゅ』のマネージャーでもするからさ」
 とほほほほ、と、大粒の涙を流しつつラシュディアはその場から立ちさって行った。


●願い
──シャルトル・プロスト領・ミハイル研究室
「えーーーーー?」
「ミハイル教授は留守か。」
 素っ頓狂な声を上げているのは御存知御騒がせシフシフのリル・リル(ea1585)とラシュディアの二人。
 今回ミハイル研究所にやってきた理由は、竜の住まう地からの武具回収、それらを預かって貰う為であったのだが‥‥。
 ラシュディアもリルと共にやってきて、そうミハイル教授に御願いしようと考えていたらしい。
「はい。ミハイル教授でしたら留守ですけれど?」
 にこやかにそう告げる助手のシャーリィ・テンプル女史。
「そうですか。じっちゃん何時戻りますか?」
「えぇっと。早ければ今月末迄には」
「どこかの遺跡ですか?」
「そうなのですよ。アメンホテプの遺跡発掘とかで、エジプトに向かっているのですよ」
 と説明を受けてから、リルはとりあえずシャーリィ女史にアイテムの保管を御願いすると、1度仲間たちの元へと戻っていった。
「それにしても‥‥エジプトは遠いよじっちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 夜空に(まだ昼間だが)リルの絶叫が響きわたる初夏のころであったとさ。


●この青空に約束を
──パリ郊外・阿修羅寺院
「ふむ。加護を失いつつあると?」
 静かな瞑想の間。
 そこでルミリア・ザナックス(ea5298)は、天位のフィームに相談を行なっていた。
 その内容は、『阿修羅神の加護を失いつつある』という事。
 それについて、何か心当りはないか、ルミリアに問い掛けるフィーム。
「うむ。我に心当りもなく、どうしてよいものか‥‥」
 と告げると、ルミリアはいままでの自身の体験した事全てを説明し始める。
 冒険者としての自分の行動、依頼の内容など、それらを全て照らし合わせたうえで、どうしてよいかとフィームの言葉をじっと待つ。
「成る程。なんとなく理解できましたね‥‥」
「ということは、我はやはりどこかで過ちを?」
 そのルミリアの言葉に、フィームはコクリと肯く。
 パラディンには、破ってはならない戒律が存在する。

我、殺生をなさざる戒をたもつ
我、盗みを働かざる戒をたもつ
我、邪淫を行わざる戒をたもつ
我、虚言をはかざる戒をたもつ
我、飲酒し、放逸に流れざる戒をたもつ

 これら5つの戒律を破ることはすなわち、阿修羅からの加護を受けられなくなる。
 また、パラディンは『政治的な干渉』がともなわれるような事には絶対に助力はしないという大前提も存在する。
 それゆえ、普通の依頼であったにも関らず、結果として『政治的な干渉』となってしまった場合も存在する。
 それらについては、阿修羅がその行ないを見て判断し、結論を阿修羅僧もしくは『星見の僧』や『八部衆』へと伝えられる。
 そして今回のルミリアのケースは‥‥。

「五戒を破ったことはないと。では、政治的な干渉については??」
 その言葉に、ルミリアは少し言葉を詰まらせる。
 以前、遥か精霊の地アトランティスにて、自らの立場を商人と偽ったということがある。
 依頼人からの『商人一行の振りを頼む』という言葉に、ルミリアは従った。
 その依頼において、依頼人は精霊との約束を果たす事になったが、そののち依頼人は国家レベルの事変に干渉していることがあきらかになりつつある。
 このケースにおいては、ルミリアの非は『自らを虚偽の身分として説明する』という部分と、『政治的干渉につながる行為』の二つが阿修羅神の怒りに抵触した可能性が有る。
 どちらも、ルミリアの心構えと洞察力を鍛える事により回避はできる。
 それらを惰ったという事でのパニッシュメントなのであろう。
「そうか。それは計算外だった‥‥フィーム殿、我には阿修羅の力が戻って来るのだろうか?」
 そう問い掛けるルミリアに、フィームは一言。
「その為の瞑想の間だ。パラディンとなると、瑣末なことにも囚われやすくなる。また、その力を悪用せんが為、虚偽を用いて我等を引き込む者もある。それらは全て『過失』として一時的な力の剥奪として処理される。何処が悪かったのか、その非を悔い改めるのなら、今ここで心を開き、阿修羅神の言葉を受け入れろ‥‥」
 その言葉に、ルミリアに同行していた三笠明信(ea1628)と鳳美夕(ec0583)、シャロン・オブライエン(ec0713)も静かにその場にて結跏趺坐を行う。
 のち、全員が瞳を閉じ、ゆっくりと瞑想を開始した‥‥。


●TO HEART
──剣士の居留地
 霧の中。
 静かにたたずむ。
 心を鏡の如く磨く。
 手に握られた紋章剣。
 そこから感じられるオーラの鼓動。
 自らの体内を駆け巡るオーラの息吹。
 それらを自らの意思で循環し、圧縮し、解放する。
 一点に集中し、全身に分散する。
 オーラの完全なるコントロール。
 それらを、意識することなく、自然に行う。

 シン・ウィンドフェザー(ea1819)は、剣士の居留地にて最後の試練を受ていた。
 紋章剣の師であるマスター・オズの元にやってくると、静かに挨拶を行ない、全ての事情を説明した。
 ここでの最終試練、それが終ると、自分はアトランティスへと旅立つ。
 その事にたいして、マスター・オズは快く背中を押した。
「どこにいても、オーラは常に貴殿の中に。オーラとともにあらんことを‥‥」
 そう告げて、マスター・オズは、シンに最後の試練を与えた。
 霧の試練。
 そこにいる『何か』を探すこと。
 そう告げられて、試練の沼地に足を踏みいれてから、すでに2日。
 シンは今だに、『何か』見付けられていなかった。
「急がず。慌てず。焦らず。ゆっくりと時間を掛けて‥‥」
 紋章剣を握り締め、オーラを感じる。
 だが、シンの周囲にはなにも存在しない。
 何かいる気配はまったく感じられない。
(おかしい‥‥まったくなにもないだと?)
 オーラ魔法を使えないシンは、周囲のオーラを魔力的に捉える事は出来ない。
 その為、紋章剣をブースターとして使用し、周囲のオーラを感知しようとする。
 紋章剣使いならば、この程度は簡単に行うことができる。
 だが、それでもなお、何も感じない。
 その場で呼吸を整え、再び意識を集中する。
──ピーーーン‥‥
 と、何かが心のオーラに一瞬だけ触れた。
(これか? 一体なんだ?)
 そのオーラのあった場所を再び探す。
──ピーーーン‥‥
 再びそれは触れる。
(これだ‥‥だれだ?)
 それが誰かのオーラと理解できる。
 だが、触れるとそれは静かに溶けていく。
──ピーーーーーン
 それを何度も繰り返し、シンはそれが誰なのか理解した。
 それは自分の持つ紋章剣。
 そこに宿る力の片鱗。
 握っているそこから発せられている紋章剣の意識。
 それがシンに別れを告げている。
 それは、シンとここで別れる事を『理解』していた。
「済まない‥‥お前は連れていけない‥‥」
 そう告げると、紋章剣が一瞬だけ震えた。
 そしてオーラは閉ざされてしまった。

──そして

「最終試験は合格じゃが‥‥それを認定する紋章剣はここにはない。アトランティスにして、再び紋章剣を取りなさい。その時が、紋章剣士シンの生まれるときぢゃな。死ぬなよ」
 マスター・オズはそう笑いつつ告げていた。
「‥‥死にに戻る訳じゃない。俺にはあの世界で戦いを終わらせ、次代の紋章剣士を育てる役目が残ってる‥‥必ず、勝って生き残る!」
「うむ。では行くがよい。オーラと共にあらんことを」
「ああ。オーラと共にあらんことを‥‥」
 そう告げて、シンはパリへと向かっていった。
 月道を越えて、自分のあるべき場所へと帰る為に。



●久遠の絆
──地下へといく前に
 巨大な洞窟。
 その入り口に在る小さな祭壇。
 そこに竜の彫像を一つずつ置いていく。
「あと二つ‥‥」
 そう告げつつ、紋章剣士のモンタが袋から竜の彫像を取出し、それを静かに安置する。
「モンタくん、大丈夫?」
 そう問い掛ける鬼十郎に、モンタはニィツと笑う。
「ええ。大丈夫です」
 そう告げつつ、モンタは次々と竜の彫像を安置していく。

──カチッ

 そして最後の一つを安置すると、入り口を覆っていた結界が解除された。
「あとは内部を徘徊する守護者だけです‥‥」
 そうモンタが告げると同時に、虚空牙(ec0261)と八代樹(eb2174)の二人が武器を構えた。
「アンデットの群れですね‥‥」
 スッと腰を下げつつ、薊鬼十郎(ea4004)が抜刀。
「ラシュとリルはバックアップを頼む」
 そう告げて、空牙は前方に走り出す。
 その動きと同時に、モンタと鬼十郎もダッシュ!!
 八代は詠唱を開始した。

──キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン

 静かにサンレーザーを詠唱。
 それが発動する前に前方では乱戦状態に突入。
「‥‥なんとかなるのか?」
 そう八代に問い掛けるラシュ。
「ええ‥‥」
 と告げると、ターゲットに向かって一直線にサンレーザーを発動する八代。
 その攻撃でアンデットの一部が焼け落ちる。
 が、それでもまだ数は尋常ではない。
──ドゴゴゴゴゴコゴゴゴゴゴゴゴッ
 真っ先に突入し、アンデットの中心で戦闘を開始する空牙と、後方を護りつつまえに進み、次々と切り捨てていく鬼十郎、
 その二人を眺めつつ、ついていってそこそこに戦うモンタと、中々にいいパーティではある。
 やがて入り口付近のアンデットを殲滅すると、一行はモンタの導くままに地下最下層へと向かっていく。
 そして内部に突入して2日後。
 無事に最下層へとたどり着く。
 そしてモンタの指示のままに武具を回収すると、一行はそのままミハイル研究所に向かい、一通りの装備を預けていった。


●闇の魔かの光
──ノルマン江戸村
「ほうほう。ラシュディアの紹介か。それは歓迎しますよ」
 とにこやかに挨拶されて、レア・クラウス(eb8226)とリリー・ストーム(ea9927)は応接間に通された。
 そこでプロスト卿に招待状を手渡すと、プロスト卿はすぐさま封書を開き内容を確認する。
「ふむふむ。いいでしょう。できる範囲での協力はしましょう。手始めに何をして欲しいですか?」
 そう告げられて、リリーとレアの二人はお互いの目を見る。
(出来る範囲って‥‥当面の軍資金1000Gとか)
(それはまずいでしょう? 私とダーリンの甘いスイートハウスの建設費用‥‥)
(それはあんたたちでかってにして頂戴!!)
(じ、冗談に決まっているでしょう? それよりも本当にどうするのよ?)
(まさか、こんなにあっさりと援助が受けられると思っていなかったから、なにも考えていなかったわよっ)
(それじゃあいま考えるわっ)
 以上、二人だけのアイコンタクトでした。
「当面の、私達の活動をサポートして頂きたいのです。食費や移動、その他に掛かる資金面での援助を御願いします」
 凛とした表情でそう告げるリリー。
 公式の場という事で、清楚なドレス姿に身を包んでいる。
「それぐらいでしたら。まあ、突然軍資金1000Gか、私達の愛の巣とか言われたらどうしようかと思っていましたよ」
──ドッキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン
「そ、そんなこと思っていませんでしたよ」
「ええ、そうですわ。そんな利己的な事‥‥オホホホホホ」
 全身から汗をふき出しつつ、そう笑いつづける二人であった。

──そして
 リリーは1度実家に戻った。
 そして全てを告げたうえで、実家に援助を頼み込む。
 それは快く引き受けてくれて、パリ市内及びノルマン郊外での活動に付いての資金面の援助を得る事が出来た。
 そして実家にて、リリーはふと気になる事があり、調べものをしていた。
 ストーム家は代々家名や血筋を遺す風習がある。
 それゆえ、家に残されている資料や石碑などから、家が風に関係しているのではないかと調べてみたらしい。
 そして予感は的中した。
 ストーム家は元々はある一つの家系が源流。
 そこから派生した4つの家系であり、ストーム家柄が司るのは『西風のゼピュロス』。
 その神を護る家として、ストーム家は存在していた。
 そしてその家の男である兄、彼にはゼピュロスの加護があるということも母から教えられた。
「母上、ゼピュロスとはどのような精霊なのですか?」
 そう問い掛けるリリー。
「ゼピュロスは春の訪れを告げる豊穣の風精霊。そして多くの女性を愛した精霊でもあるのよ」
 ふぅん。
 多くの女性をねぇ‥‥。
 その刹那、リリーの脳裏には『兄のハーレム』が映り、そして消えていった。
「そ、それでは失礼します‥‥」
 ぎくしゃくとしつつ、リリーは急いでこの場を離れようと思った。


──闇オークション会場
 ざわざわと大勢の人で賑わう闇オークション会場。
 すでにいくつもの出品物がオークションに駆けられ、次々と落札されている。
 だが、リリーとレアの目的はただ一つ。
「次がエントリーNo21、『精霊の卵』ですね」
「話では、導きの精霊とも伝えられている『精霊の作り出したアーティファクト』、それは精霊の封印されし場所を記すとも伝えられているって‥‥」
 そうレアの言葉にリリーが繋げる。
 そののちレアがこっそりとリリーに耳打ちを開始。
「最初は4人で競り合う。やがて3人になり、そして二人の勝負になるけれど、この二人はグルで、直に片方が降りるわよ。そこから155Gまでは相手が払えるけれど、160Gには誰も手を出してこないからそこで落としてね」
 そう連続フォーノリッジでみた映像を説明するレアと、+色仕掛けで勝負に出るリリー。
 そしてレアの告げるままに、相手の動きにさらに演技力で勝負をはかけると、リリーが落札価格1580Gで『精霊の卵』をゲットした。
 後日、それもミハイル研究室へと運びこまれることとなった。



●Fate
──ノルマン江戸村・プロスト邱
 ミハイル教授の元で紹介状を甲斐棄て貰おうとしていたシェセル・シェヌウ(ec0170)だが。
 当のミハイル教授が『エジプト遺跡めぐりツアー』に出ているときいてショックを隠せない。
 だが、それでも助手であるシャーリィ女史から紹介状を書いてもらい、その足でノルマン江戸村へとやってきていた。
 その目的は『プロスト卿に弟子入りするため』である。
 刻同じくして、賢者の道を進むフォルテュネ・オレアリス(ec0501)もまたプロスト卿の元を訪れていた。
 そのまま二人は応接間へと通されると、さっそくプロスト卿に弟子入りを御願いしている。
「よろしくおねがいします、俺を弟子にしてくれ」
「賢者となるために修行してきました。私を弟子にしてください」
 熱い思い出そう告げる二人。
「ふむ。まあ、弟子といいましても‥‥私には弟子と呼べるものは数人いまして、それ以上は今の所必要ないのですが‥‥」
 と告げると、しばし考える。
「一つ聞かせてください。何故私の所にゃってきたのですか?」
 その言葉に、シェセルは静かに口を開く。
「俺はレンジャーをしている。レンジャーとしては実践的な経験や知識を得ることは出来るが、理解力・判断力等の向上は図れないことから、それを可能とする体系付けられた思考方法を身につけることが目的だ。そしてウィザードになりたい」
 そう熱く告げるシェセル。
「ふむ。で、君は?」
「はい。賢者への道を進みたいのです」
 あらあっさり。
 まあ、その二人の熱い想いをじっと聞いていたプロスト卿だが。
「いいでしょう。当面はここに通ってください。まずシェセル君にはウィザードとしての基礎知識を学んでもらいます。精霊のことわり、魔術のことわりなどをね。フォルテュネ君も賢者としての道ならばさらに神々の基礎知識と信仰について、しばらく学んで頂きます‥‥二人に部屋を」
 と室内の次官に告げる。
「ありがとうございます」
「それではよろしくおねがいします。で、いつからですか?」
 そう告げるフォルテュネに、プロスト卿は静かに一言。
「今から‥‥ですね。書庫に案内します。随時課題を出しますので、それの答えを導き、提出してください。当分はそれを繰り返しますので‥‥」
 と告げられて、二人は残りの期間中、ずっと屋敷で修行となってしまったとさ‥‥。



●もしも明日が晴れならば
──パリ郊外・とあるタロン寺院
 エミリア・メルサール(ec0193)は静かにタロンに祈りを捧げる。
「ようこそわが子エミリア。本日はどのようなご用件でしょうか?」
 そう告げるのは、寺院の院長を務めるナッシーダ司祭長。
「以前、ここにエナッツ神父という素晴らしいエクソシストがいらっしゃったと伺っています。詳しい御話を聞きたいのですが‥‥」
「よろしい。ではこちらへ‥‥」
 と言うことで、エミリアはそのまま院長室へと通される。
「エミリア。貴方はタロンの忠実なる使徒でまちがいはないですね?」
 室内に入ってから、院長がまずエミリアにそう問い掛けた。
「いいえ‥‥私は敬虔なるセーラの使徒です」
「そうですか。では、ここで貴方に教える事はありません‥‥」
 そう告げると、院長は静かに外を見る。
「どうしてですか? 私は悪魔と戦う為の情報を得たくてここにやってきました。タロンは悪魔と戦う為のエキスパート、伝説のエナッツ神父の御話しだけでも聞かせていただけないでしょうか?」
 そう告げられると、院長はフゥ、と溜め息を一つつく。
「貴方は間違っています。私達タロンの使徒は、悪魔と戦うエキスパートという事ではありません‥‥それに貴方はセーラからも異端として扱われている筈」
「そうですが‥‥しかし‥‥」
 言葉に詰まるエミリア。
「まあ、確かにタロンの洞門からも、我々は武闘派とも言われていますが、私達はタロンより授かった力を無駄なく有意義に使っているだけにすぎません‥‥」
 そう告げた後、エミリアは静かに話しを始めた。
「エナッツ神父の強さを教えて頂きたいのです」
「彼は神に愛されていました。その愛に答えようとする信仰心、それが彼を強くしたのです。また彼は独自に悪魔を研究していました。それらの記録を書物にし、それを武器にしていたのも事実です」
 そう告げられると、エミリアはひざまついた。
「院長。その書物を私に見せて頂きたいのです」
 だが、ナッシーダ院長は頭を左右に振る。
「タロンの使徒でない貴方に、それを見せることはできません‥‥」
 と告げた。
「では、エナッツ神父以外のエクソシストを教えてください。もしも今だ現役でしたら、ぜひ紹介して欲しいのです‥‥」
 その言葉にしばし考え込む院長。
「それも教える訳にはいきません。彼等の活動に影響がでてしまうと問題がありますので‥‥」
 ということで、止むを得ずエミリアはタロン寺院をあとにすることとなった‥‥。



●戦女神
──パリ郊外・阿修羅寺院
「魔剣か‥‥そのような話しは聞いた事がない‥‥」
 三笠は先日、自分が体験し見てきた『魔剣』について、フィームに問い掛けていた。
「そうですか、では、試練というものがどんなものなのか見当も付かないですね」
「ああ。だが、話しに出てきた『白銀の獅子』というのは、混沌神の申し子と一致化する部分がある。心して向かったほうがいい‥‥」
 そう告げられて、三笠は今一度身を引き締めた。

──その頃
 静かに意識を集中する。
 やがてルミリアの体がフワリと浮かび上がる。
 阿修羅の加護が戻ったルミリア。
 そのままフライを発動すると、しばしその身を空に走らせた。
 瞑想を続けている間に、ルミリアには阿修羅神よりさらなる枷が付けられた。

『洞察力を身につけよ‥‥もっと経験を積みなさい』

 阿修羅の声により、ルミリアは自身が試されているということも理解した。
 そしてさらなる力を身につける為に、三笠と共にマスター・オズの元へと向かい、そこで剛剣術の修行を開始していた。


──そして
「ふむ。いい感じに仕上がっている。が‥‥」
 シャロンと美夕の二人の適正を調べているフィーム。
 もし可能であれば、最終試験を受けたいとフィームに申し立てていた。
「まだ若干の未熟な部分があるが、それを補う為の努力を惰ってはいないようだな。パラディン候補生シャロン・オブライエンおよび鳳美夕に告げる。後日、パラディン適性試験を行う。それをクリアーした後、阿修羅神に認められれば、貴殿ら2名をパラディンとして迎え入れよう。日程については後日改めて通達する。以上だ!!」
 予想外の言葉。
 そのまま頭を下げると、二人は静かにその場から立ち去った。

 ようやく、刻が動き出した。

──Fin