【転職・実践】訓練所へ行こう!!
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■ショートシナリオ
担当:久条巧
対応レベル:フリーlv
難易度:難しい
成功報酬:5
参加人数:2人
サポート参加人数:1人
冒険期間:06月30日〜07月10日
リプレイ公開日:2009年07月09日
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●オープニング
──事件の冒頭
それはとある日の朝。
冒険者ギルドでは、御存知薄幸の受付嬢が一人の依頼人と話をしていた。
「つまり、冒険者訓練所で転職するための講習会を開くので、参加者を募集するのですね?」
「ええ、それではこれが詳しい書類ですので‥‥よろしく御願いします」
ということで、今回の依頼についてかいつまんで説明しよう。
今回シャルトルの冒険者訓練所にて転職試験が行なわれることとなった。
内容は実技と筆記。
参加希望者はどのクラスに転職したいかを明記のうえ、必要なアイテムが存在するのならばそれらも全て持ってくるようにとのお達しのようです。
また、【騎士系】【僧侶系】【諸外国系(パラディン、テンプルナイト等)】の転職については今回はサポートはなく、ノルマン国内において転職可能なクラスのみということになっているそうです。
そしてこれが口をすっぱくして言いたい事。
必ず転職できるかというとそんなことはないのです。
それでは、諸君の検討を祈ります。
●リプレイ本文
●助言
──シャルトル・ノルマン江戸村
「ほう。魔術師試験を受けるのか‥‥」
そう呟いているのはパリ屈指の賢者・レナード・プロスト。
この度魔術師ギルドの外部顧問としての仕事を始めたばかりらしく、大体の話しは伺っているようである。
「で、もふもふからの紹介状というなら、まあ話を聞いてあげよう」
と、目の前のヴィルジール・オベール(ec2965)に話をしている。
ちなみにヴィルジール、パリの知人から『もふもふ宛』の紹介状を預かっていたのだが、それを『もふもふ』に渡した所、そのままプロスト卿宛の紹介状に変化したらしい。
「そこで、魔術師になる為に必要なアイテムというのは存在するのかのう?」
と問い掛けるヴィルジールに、プロスト卿は一言。
「有るといえばある。が、ないと言えばない‥‥」
と告げる。
「どういうことですか?」
そう問い掛けているのは、横で話を聞いていたシェセル・シェヌウ(ec0170)。
彼もまた、冒険者訓練場で転職試験を受ける予定であった。
「例えば、私の持っているこの『精霊杖』。これらの『精霊に関与するアイテム』には、そのような効果があるものもあります。それらを探してこいという試験でしたら、見つかるまで転職はできないでしょう‥‥」
そう告げると、プロスト卿は一息ついてから、ふたたび話を始めた。
「転職の試験教官がだれかによるのですよ。まあ、『ヴェルデ教官』でしたら、運が悪かったと思って転職自体を諦めてください‥‥」
とニコニコと告げる。
「一つ教えてほしい。当たりの教官は?」
とシェセルが問い掛けると、プロスト卿は一言。
「私か、神田教官ですね。まあ、神田教官の場合は、クエストが難しいですが、なんとかなる場合がありますので‥‥」
●魔術師への道
──シャルトル・冒険者訓練所
そこはパリ屈指の冒険者訓練場。
日々大勢の一般人たちが、冒険者になることを夢見て集まっていた。
ここ数カ月の間は、シャルトルのとある辺境自治区の事件によって、かなりの人々が冒険者となるべく集まっている。
まあ、そのよた話についてはまた後日ということで、今回は集まっている冒険者たちの中でも、さらにスキルアップをめざし、目標の職業に転職する男たちの熱い物語である。
「で、魔術師志願者は『この二人』だけかね‥‥」
フゥ、と溜め息を付きながら、魔術師教官である神田狼(かんだ・うるふ)教官が静かにそう呟いている。
「ああ、どうやらそのようだな‥‥」
と腕を組んでそう呟いているのはシェセル。
その横に座って、じっと神田教官を見ているのはもう一人の転職希望者のヴィルジール。
「で、わしらは何を始めればよいのぢゃ?」
とニコニコと告げるヴィルジールに、神田教官は静かに話を始める。
「ここで貴方たちが学ぶのは精霊魔法の基礎について。最低限必要な知識を身につけていただきます」
そう告げると、シェセルが静かに話を始める。
「知識は魔術師になってから身につけるものではないのか?」
「魔術師になってから身につけるのは専門知識。今貴方たちが身につけるのは、最低限魔術師になる為の基礎知識ですね。これを憶えて頂かないと、魔術師としてやっていけませんよ?」
と告げられる。
「うーむ。一説によると、とあるアイテムを手に入れた時点で転職するとかいう話もあるようぢゃが‥‥」
「まあそんなことも有りますけれど、付け焼き刃で転職されてもこまりますから、じっくりと講習と実践を経験して頂きますので‥‥」
ということで、二人はここからずっと講習漬けの毎日を送るはめになった。
毎日午前中の講習と午後の試験、これがただひたすらに繰り返される。
最終日3日前からは郊外に出ての実習。
まあそれほど難しいことはなく、精霊のことわりと自然の摂理についてのレクチャーを郊外で行なっているだけの話。
賢者であるレナード・プロストに師事しているシェセルでも、まだここまで細かい話しを聞いてはいない。
それだけに、神田教官の話は奥が深い。
ヴィルジールに至っては、全てが初めてのことゆえ、愉しくてしょうがないというかんじである。
「ふむふむ。火の精霊とその対策、生息区域と‥‥」
といた感じで、まさに知識の全てを吸収するようであった。
そして最終日2日前から試験が開始される。
試験内容はというと‥‥。
「この冒険者訓練場から少しはなれた場所に深い森林がありますので。そうですねぇ、そこでエレメンタラーフェアリーを捕まえてきてください。どんな手を使っても構いませんけれど、自分自身の力だけで成し遂げてくださいね‥‥」
ということであった。
「エレメンタルフェアリーというと、このスウトのようなやつでいいのか?」
と、自分の連れている『風精』を指差すシェセル。
「ええ。あの森には、エレメンタルフェアリーがかなり生息しています。それだけ精霊力が強いという事も有りますけれど‥‥まあ、細かい話しはおいておくとして、宜しくお願いしますね」
ということで、二人は早速エレメンタルフェアリーを探しに向かっていった。
●そして
──ノルマン江戸村・プロスト邱
「はっはっはっ。ダメでしたか‥‥」
とにこやかに告げるプロスト卿。
ちなみに、シェセルとヴィルジールの転職試験の結果だが、学科については合格したものの、実技についてはダメであった。
次回は実技から再挑戦が可能であり、今回の失敗や経験をそのまま生かすことができるであろう。
「エレメタンルフェアリーを捕まえてくるといっても‥‥見付けられても、そうそう手懐けられるものではないが」
と告げるシェセル。
ちなみに見つけた数は11とかなり多いが、どうもシェセルの顔を恐がって逃げていってしまうらしい。
「見つかるだけまだいいのう‥‥」
とヴィルジール。
見付けた数は1、それもいいところまで手懐けられたのだが、その時通りかかった猫に驚いてどこかに消えてしまったらしい。
「まあ、次回というか、学科は終っていますから、いつでも試験は受けられますよ。頑張ってください」
と告げられて、其の日は静かに終っていった‥‥。
──Fin