【どこかでみた】前略いんどぅーらより‥‥

■ショートシナリオ


担当:久条巧

対応レベル:11〜lv

難易度:やや難

成功報酬:5

参加人数:3人

サポート参加人数:-人

冒険期間:09月22日〜10月02日

リプレイ公開日:2009年09月30日

●オープニング

──現在の情況
 静かな風が草原を吹きぬける‥‥。
 シャルトル地方に続く街道。
 その一角にある旧ヨハネス自治区では、現在復興の為の準備が行なわれていた。
 長期のインドゥーラ駐在任務を終えたアーメット卿が、この旧ヨハネス自治区の復興担当官を命ぜられたのはつい最近の事。
 ヨハネス卿の重圧から逃れた『南方未探査地域』に潜むオーガの軍勢が再びシャルトル侵攻を開始したのはつい最近‥‥。
 今は、自警団によって南方制圧が開始されているらしい‥‥。

「うぁ、ありしあ、とつげきだめ!!」
 ギュンター君の絶叫が森林地域に響く。
「ギュンター君、そんなこといっても、敵はもう目の前にまで迫っているのですよ!!」
「だいじょぶ。いさなのえーでるわいすがはんげきにでる!!」
 そんな叫びの中、エーデルワイスと呼ばれた新兵器が敵オーガの軍勢へと突入を開始した‥‥。


──ということで
 まあ、そんな話しはさておいて。
「‥‥この街のどこにいるというのだ?」
「藩王様、申し訳ありません。このノルマンに向かったという情報はあるのですが、それ以上のことはまだ‥‥」
「ええい。とっとと探してこい!! あいつは、予の妻となるべき存在。それがあの忌々しい駐在員によって攫われたのだ!! 早く助けなくてはならぬ」
「了解しました。では再びいって参ります‥‥」
 そう深々と頭を下げて、インドゥーラから来た戦士は藩王の元を離れていった。
 そして藩王はというと‥‥。
「ふう。それにしても腹が減ったな‥‥よし、このしなびた宿を我の当面の城としよう。おい、そこのものは店主か? この店はいまより我が買い受けた。まずは食事と冷たい飲み物を用意しろ!!」
 そう告げつつ、藩王は『冒険者酒場マスカレード』へとはいっていった。

 あー、なにがなんだかややこしい。

●今回の参加者

 ea2499 ケイ・ロードライト(37歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea4004 薊 鬼十郎(30歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ec0261 虚 空牙(30歳・♂・武道家・ハーフエルフ・華仙教大国)

●リプレイ本文

●最果てからやってきたものたち
──パリ・冒険者酒場マスカレード
「ほほう。なるほどねぇ‥‥」
 静かに奥の席で話を聞いていたのはケイ・ロードライト(ea2499)。
 久しぶりにやってきたマスカレード。
 そこでインドゥーラからやってきたという藩王の話を聞いていたらしい。
 その内容というのも、藩王の住まう地区に、パリの外交官を名乗る男が赴任してきたのはいまから数年前。
 たいした仕事もなく、インドゥーラの月道管理局でただ輸出入のチェックをしていたのがアーメット外交官。
 藩王の地元で、大勢の小間使いを雇い贅沢の限りを尽くした生活を送っていたらしい。
 だが、そんなアーメット外交官も、藩王の宮殿を出入りしていたときに偶然見掛けた藩王の妃候補にホレてしまったらしい。
 だが、身分の違いから、妃候補はアーメット外交官の求婚の申し出を断わってきた。
 その話が藩王の耳に届き、アーメット外交官はインドゥーラより退去命令が出されたらしい。
 そして月道を通ってパリに戻るとき、人知れず攫ってきた妃候補を積み荷に紛れ込ませてパリに連れてきてしまったらしい。
 その事実を知った藩王が、パリにやってきたというのが、現在の情況。
「本来ならば、ここの国王に謁見を求め、正式な手続きを持って妻を取り戻すというのが礼儀であろう。だが、アーメット外交官に対しては、本国より正式に『決闘状』が発行されている。我が決闘により勝利し、妻を取り戻すのがインドゥーラとしてのならわし。で、貴殿はアーメットなる人物がどこにいるのか知って居るのか?」
 そう藩王はケイに問い掛ける。
「さて。情報については私よりもここの酒場のマスターの方が詳しいかと‥‥ミストルディンさん、いかがなものですか?」
 そうカウンターの中に立っているストルディンに問い掛ける。
「アーメット元外交官ね。元々はシャルトルのヨハネス自治区の人だから、そっちに向かった方がいいんじゃないかしら?」
 と告げるミストルディン。
「成る程。では案内を頼みたい‥‥」
 そう藩王はケイに告げる。
「まあ、いいでしょう。乗りかかった船ですから、一緒に向かいましょう‥‥」
 という事で、ケイは藩王と共にシャルトルへと向かっていった。



●脅威の戦力
──シャルトル・旧ヨハネス領南方・未探査地域
 そこは血と腐臭の入り交じった匂いの充満している区域。
 その中で、ギュンター君は自分の部下であるオーガ達と、薊鬼十郎(ea4004)と共にたたずんでいた。
「うあ、たいちょ、このさき、あくりょうのぬま」
「たいちょ、ここからきけん、たましいくわれる」
 部下のオーガ達が脅えている雰囲気を察して、鬼十郎は静かに口を開く。
「ギュンター君、悪霊の沼ってなぁに?」
「ぬまのなかから、あくりょうでてくるばしょ。きけんだからさきにすすめない。けど、やつらのあじと、そのさき‥‥」
 困った表情で呟くギュンター君だったが。
「匂いから察するに毒ガスだな。臭気がこのエリアを包んでいる。あまり長時間ここにいると危険だ‥‥とりあえずベースキャンプに戻ろう」
 と虚空牙(ec0261)が提案。
「そうね。戦力の立て直しとか、やらないといけないことが多すぎるわね‥‥」
 ということで、鬼十郎と空牙の二人は、一旦撤退し、ベースキャンプへと戻っていった。


●人として
──シャルトル・ヨハネス領南方のベースキャンプ
 オーガの軍勢の追跡に失敗した鬼十郎達が、1度ベースキャンプへと戻った。
「おかえりなさい。首尾はいかがでしたか?」
 そう言いつつ一行を迎えいれたのはアーメット卿。
「かなり奥まで侵入したのですが‥‥申し訳ありません」
 と平に謝る鬼十郎。
「いえいえ、それもまた天災です。今日の所はゆっくりと休んでください」
 その言葉に、一行は通された客間で一息入れることにした。
 そして身体が休まると、空牙がアーメット卿のもとに向かう。
「すいません。大変遅くなりました」
 そう告げつつ、身につけていた武具を取り外す鬼十郎。
「そういえば、アーメット卿はインドゥーラ駐在だったろう? ならパラディンについても詳しいか?」
「ああ、そういう質問でしたか。確かに私は駐在員としてインドゥーラにいました。けれど、そのパラディンとかいうのについてはさっぱり判りません‥‥興味もありませんでしたから」
 ときっぱりと告げる。
 その日は、それ以上の情報を得ることもなく一日が過ぎ去っていった。
 そして翌日、ケイ達がベースキャンプに到着したとき、事態は急変した‥‥。


●古式決闘
──シャルトル・ヨハネス領南方のベースキャンプ
「おまえさんの国では一夫多妻が認められているのだろう? だから、俺も現地でいろいと好きな事をしていた。妃候補だって、まだ正式に貴様の妻となった訳ではない。なら、俺が娶っても問題はないだろう?」
 そうすずしげに告げるアーメット卿。
「ウ、ウーーーン。お二人の話を聞いている限りですと、アーメット卿が人として間違っているということが判りました」
「ああ、全くだ。力ずくというのはちょっと問題がある‥‥で、どうするんだ?」
 そう告げつつ筋力トレーニングを続ける二人。
「では、こうしましょう。インドゥーラに古くから伝えられている決闘で、勝負を決しましょう」
 ケイがそう告げると、藩王が静かに懐から紙を取り出し、それを見せる。
「ははあ成る程。でも、どこでどうやって?」
 そう問い掛ける鬼十郎に、藩王が一式の武具を見せてくれた。
「われとしても申し分ない。いつ執り行う?」
「いつでも。なんでしたらすぐにでも構いません。ですが、私は武芸については素人でして、正式に代理人を起用してかまいませんね? 藩王殿」
 そう告げるアーメット。そしてすぐさまアーメットは空牙を指差す。
「私の代理人は彼で」
「はあ? 俺かよ‥‥まったくめんどうくさいな」
 と告げつつも、空牙もやる気十分。
「では、我も。そこの女性サムライ殿、頼めますか?」
 そう藩王に告げられる鬼十郎。
「は、はぁ‥‥いいですよ‥‥」
 という事で、藩王とアーメット卿の確執は、ついに代理人抗争にまで発展していった‥‥。



●そして結末
 代理人同士の戦いは、圧倒的戦力で空牙の勝利となった。
 だが、インドゥーラの寺院より預かってきた書面を読み上げると、血統の勝敗に関係なく妃候補は藩王の元へと戻すように書き込まれている。
 アーメット卿がこの地まで妻を連れてきたという誘拐罪が、さきほどの決闘によって無罪となってしまっていた。
 そして藩王と妃候補はインドゥーラへと戻っていく。
 シャルトル南方のオーガ軍勢の指揮権はそのままアーメット卿が引き受け、尽力を尽くすという事になったらしい。
 そして一行はパリへと戻っていく。
 ラブラブ状態の鬼十郎はふたたびパリへと戻っていった。
 

──Fin