【収穫祭】マッチョにラブソングをををっ
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■ショートシナリオ
担当:久条巧
対応レベル:11〜lv
難易度:普通
成功報酬:5 G 55 C
参加人数:3人
サポート参加人数:-人
冒険期間:10月31日〜11月05日
リプレイ公開日:2009年11月09日
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●オープニング
──事件の冒頭
今年もあつい日がやってくる。
11月。
毎年恒例のブルーオイスター寺院での収穫祭での賛美歌斉唱、それを愉しみとする大勢の市民。
其の日はおごそかに聖歌隊が賛美歌を奏でる。
さて、其の日、冒険者ギルドにやってきたのは、ブルーオイスター寺院の神父。
「11月3日の賛美歌斉唱、その前に来賓を迎える準備をしなくてはならない。来賓をもてなすのは私達神父の仕事ですが、その事前準備をしないといけないのです‥‥」
そう告げて、神父は受付嬢に依頼書を提出した。
「依頼内容は、寺院内大聖堂の大掃除です。というのも、大聖堂の屋根裏に、またしても巨大なネズミが住み着いてしまい、大変困っています。つきましては、そのネズミ達を捕獲し、寺院に戻ってこないよう遠くに逃がしてきてください」
「殺してはいけないのですか?」
「我々としても、あまり殺生は好みませんので‥‥では御願いします」
ということで、ブルーオイスター寺院での大掃除が始まろうとしている。
「ああ、ついでにですが、賛美歌斉唱の合唱隊もお願いします。どうもうちの神父達が流行風邪に次々とやられてしまっていて‥‥」
そっちが本命じゃねーのかという突っ込みはなしで‥‥。
●リプレイ本文
●ネズミにもほどがある!!
──パリ・ブルーオイスター寺院
「それでは、早速ですがよろしくお願いします。ジャイアントラットは屋根裏部屋に住み着いてしまっていまして‥‥」
ブルーオイスター寺院の院長からコルリス・フェネストラ(eb9459)、エルディン・アトワイト(ec0290)、そして桃代龍牙(ec5385)の3名は、まず詳しい説明を受けていた。
ちなみに、ここは女人禁制。
そのためコルリスはエルディンから『禁断の指輪』を借り、男に変身。
そして一通りの説明を受けた後、いよいよ屋根裏部屋ということになったのだが。
「あの。その二人も連れていかれるのですか?」
そう龍牙に問い掛ける院長。
ちなみに二人とは、龍牙のペットのケットシーとエレメンタルフェアリィ。
「ええ。問題が?」
「いえ、食べられないように気を付けてください‥‥では」
ということで、案内のマッチョ神父に連れられて、一行はいよいよ屋根裏部屋へと移動。
(いい‥‥ここは実にいい。最高の筋肉質がいっぱいいるではないか‥‥バルク、ディフィニッション、そしてプロポーション。全てがバランスよく‥‥ミスターユニバースというよりも、月刊ボディビルの世界じゃないですかっ!!)
あああ、いかん、龍牙暴走直前。
そのまま屋根裏部屋へと移動した訳だが、時折すれ違うマッチョ神父を見るたび、小声でボソッと『きれてる!!』と呟く龍牙。
そんなこんなで屋根裏部屋へと続く階段までたどり着いた一行。
「それではよろしくお願いします」
と告げて、案内の神父はその場を後にする。
「それじゃあいきますか‥‥」
とエルディンが告げると、二人は静かに肯く。
そしてコルリスが扉を開き、暗い室内をランタンで確認する。
「これは、予想以上にヒドいですね‥‥」
床が汚物と食べ滓で汚れており、かなりの異臭を発している。
ツンと鼻を付く匂いでときおりむせ返りそうになるものの、とにかく中に入らなくては話しにならない。
「先程聞いた話では、最大のもので1m50cm程度だとか‥‥」
そうコルリスが告げた時、ランタンの明かりで照らされた奥に、話にでて来たジャイアントラットが姿を表わす。
小さいもので1m前後、最大のものは1m50cmを越えるか越えないか。
それが、入り口に立っている3名をじっと睨みつけているのである。
──チチッ‥‥チチッ‥‥チッチッチッチッ‥‥
威嚇音を発しつつ、ジャイアントラットはうろうろと3人を遠目に眺めつつ徘徊している。
「ではいきますか!!」
すかさず印を組み韻を紡ぐエルディン。
視界に入ったジャイアントラットに向かって次々とコアギュレイトを発動、金縛りになったジャイアントラットを次々と縛り上げていく。
その後ろでは、ジャイアントラット達が逃げてしまわないよう、コルリスが『ワイナモイネンの竪琴』を奏でる。
その甘い音楽に、周囲のジャイアントラットはコルリスの調べをじっと聞いている。
そこに龍牙のアイスコフィンも発動。
小2時間ほどで、屋根裏部屋のジャイアントラットは一掃された。
「‥‥まあ、それほど手間は掛からなかったが」
「匂いがきついですね‥‥」
「同感。衣服にまで染み付いてしまっていては‥‥」
ということで、寺院からのご厚意により『沐浴場』が解放された。
まあ、一般の神父もそこを使用しており、ついでにオジャマするということになっただけで。
コルリスは後で人が居なくなってから一人で借りるということにして、エルディンと龍牙の二人は、まさに文字どおり『裸の付き合い』を堪能した。
●賛美歌斉唱
──ブルーオイスター寺院教会
オルガンの音が教会内に響いていく。
収穫祭の感謝の祈りを捧げる賛美歌斉唱がいよいよ始まった。
定番の賛美歌は次々と聖歌隊によって唄われていく。
が、メインを務める神父達が参加できないとあって、やはり韻律に乏しい。
が、それを補う為にコルリスとエルディン、そして龍牙も聖歌隊の衣服を身に纏い、声を上げていた。
聖歌隊の前奏ののち、コルリスが一歩前に出て声を上げた。
♪〜
わが主よ
今宵も御身に栄光あれ
光の豊かな祝福を
どうか我らを守り給え
御身の全能たる至高の光のもとに
祝福満ち溢れる我らが主のもとに感謝を捧げます
どうか世の人々に
私達の身に
安らかな安息がもたらせますよう
どうかその光の祝福がありますように
♪〜
続いてエルディンがコルリスと入れ違いにまえに出て、人々の心まで響くような澄み切った声をあげた。
♪〜
この日新たに 恵みを受け
道行く時も 歌い続けん
母なる神セーラに 栄えあれと
♪〜
静かに響く声。
そしてトリを預かる龍牙が舞え煮でると、力強いハーモニーを奏でる。
♪〜
遍く照らす愛に満ちた我等が慈母よ
今ここにたたえます
大きな愛、穏やかな光、やすらぎの歌、
我等は広げ満たすでしょう、
愛は偉大で、無力で、
とても力強い、
愛を行う力となる、
我等がかいなに力となる、
我等は聖母の漢達、
手を差し伸べ、力となる、
貴方の教えを説く為に、
人と歩むその為に
♪〜
そして聖歌隊が合掌を行う。
やがて歌声は静かになり、そして次の曲へと繋げられる。
その日。
ブルーオイスター寺院に久しぶりに天使の歌声が響いていた。
──Fin