ノルマン江戸村大作戦〜ノルマン神社編〜
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■ショートシナリオ
担当:久条巧
対応レベル:2〜6lv
難易度:普通
成功報酬:2 G 21 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:09月11日〜09月19日
リプレイ公開日:2004年09月15日
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●オープニング
──事件の冒頭
そこはいつもの冒険者ギルド。
依頼を受けて戻ってきたもの、これから冒険にいくものなど、様々な冒険者で賑わっている。
受付では、大勢の冒険者達が様々な手続きを行なっている模様。そんな中、一番外れのカウンターでは、ちょっと困った依頼人が訪ねてきているようである。
「豚の顔した‥‥ああ、オークですね?」
そう説明しているのは、御存知『薄幸の受付嬢』。彼女の前には、異国の服をきた男女が立っていた。
「そうそう、それや。そのオークっちうのが、うようよしておってな。はっきりいって邪魔なんや」
簡単に説明しよう。
この男性、ジャパン人の商人らしい。
一攫千金を手にするためにこのノルマンにやってきて、交易などである程度の財を築き上げた。
その財産全てを叩いて、このノルマンに故郷であるジャパンの街並みをつくろうというのが、今回の狙いらしい。
望郷の念に囚われた冒険者はきっと移住すると考え、『ノルマン江戸村』なるものを建設しようと計画。
既に土地については目処がついたのだが、どうもそこにオークの集落があったようである。
「私はその土地に、まずは土地を守る神を奉るための神社を作ろうと考えています。どうか、そのオーク達を追い出し、神社造りに協力していただける冒険者さんを雇いたいのです」
一風変わった巫女服を身につけた女性が、静かにそう告げる。
「判りました。それでは依頼を受けさせていただきます」
そう告げると、受付嬢は依頼を纏め上げると、掲示板に張付けた。
「オーク退治+神社の建築作業ねぇ‥‥戦士向きかな?」
●リプレイ本文
まずは手始めに〜出発前〜
──商人ギルド
「‥‥成る程」
出発前に、今回の依頼人である商人の元を訪れた岬芳紀(ea2022)とルリ・テランセラ(ea5013)の二人は、今回建設される神社の図面を見せてもらっていた。
「商人さんは、今、宮大工さんと打ちあわせをしているので。とりあえずこれが図面で、こっちが見取り図だそうです」
そう話しながら、もう一人の依頼人である巫女の『徳河 葵』が、奥の部屋から大量の羊皮紙を持ってきていた。
「あと、建立する神社の大きさや様式は,如何様に成っている?」
岬が葵にそう問い掛ける。
「それはこちらの図面ですね‥‥と」
手渡された図面に目を通す岬。
「あの。今回の依頼が終ったあとでも、何か私に手伝えることはありませんか?」
クリクリッとした大きな瞳で、ルリが葵にそう話し掛けた。
「そうねぇ。神社が出来たとして。その後も次々と家とか御店の建設もあるから‥‥と。神社の巫女がまだ私一人なで。臨時巫女として御手伝いがあるかもしれませんね?」
それはまた別の話。
「設計図がジャパン語とノルマン語の2種類用意してあるのはいいな。あと、地鎮祭はどうなっている?」
「草原の一番手前、ちょうど村の入り口にあたる場所での儀礼は全て終えています。そのあとで、オークの集落が奥にある事に気付きまして」
あ、成る程。
「あ、あの‥‥」
ルリはその会話が終った後、葵にそう話し掛ける。
と、葵はにっこりと笑いながら、ルリを連れて奥の部屋へと向かっていく。
──しばし待つ
ガチャッと扉が開く。
と、葵に連れられてルリも姿を現わした。
しかも巫女装束を身につけて。
「ずっとこの衣裳が気になってたみたいね。どうかしら?」
その葵の言葉に、ルリは感激で言葉を失っている模様。
「ふむ。馬子にも衣装か‥‥」
あ、岬、それは禁句。
まあ、その後どうなったかは諸君の想像に任せるとして。
●ということで〜まずはオーク退治〜
──現地
吹きすさぶ風が心地好い草原。
この奥に、オークの集落があるという。
移動途中、キャル・パル(ea1560)がオークに付いてのレクチャーを一行に行なっていた。
「ということでね、オークっていうのはすごく攻撃的なんだよ。でも憶病でもあるんだよ‥‥恐いのは馬鹿力だったかな」
とまあ、的確にオークについての説明を行なっていたため、オーク退治についてはある程度の自信があった模様。
現地に到着した一行は、大工や鍛冶屋など、今回の神社建築に携わる人たちと共にベースキャンプを設営。
そこを中心として、このノルマン江戸村を作りあげていくらしい。
あとは冒険者達が無事にオークの一団を追い払ってくれれば、すぐにでも建設作業が開始される。
「ふんっ!!」
素早く印を組み韻を紡ぐ以心伝助(ea4744)。
そして術が完成すると、すぐに鼻をヒクヒクさせた。
「風上から、変な匂いが流れてくるでやんすねぇ‥‥」
素早く術を解くと、そのまま風上の方をじっと見る。
丁度そちらにはキャルが偵察に飛んでいったらしく、伝助はキャルの姿をキョロキョロと捜した。
──ガサッ
と、伝助の足元の方からキャルの声がする。
「集落あったよ!! かなりのオークがうようよしていたよ」
あ、低空飛行での偵察だったらしいです。
そしてその報告を聞いたバニス・グレイ(ea4815)がさらに詳細を得るために忍び足で再度偵察。
10分後には、敵オーク達の詳細を調べて戻ってくる。
「確認できるだけでもオークは8体。小屋を作って生活しているようだ。武装している奴も数体。ちょっと数が多いな」
流石バニス。
「とりあえず向かうとしましょう。敵は殲滅しないと」
ノリアのその言葉で、一行はオークの集落へと向かっていった。
──そして集落
確かに大量のオークが生活している。
あちこちに小さい藁葺の小屋を建てて、そこに居住している模様。
そして冒険者一行の姿を見ると、オーク達は武器を手に構えはじめた。
「先手必勝!! 我らはAnareta、殺戮の星より生まれし死の獣、我等が牙で汝の罪を断罪せん!」
最初に突撃したのはニルナ・ヒュッケバイン(ea0907)とバニス。素早く走り出すと、オーク達のどまん前で印を組み韻を紡ぐ。
「我等って‥‥あたしは違うんだけれどね‥‥殴りクレリック・鉄拳ノリア只今参上!!」
そう呟きながらも、ノリア・カサンドラ(ea1558)も接敵。ニルナとバニスの詠唱完了までのガード。
「全く、血の気の多い御仁が‥‥」
岬も冷静な状態を保ちつつ、抜刀して接敵。同じく二人のガード。
「それでは行きましょうね」
「はい」
デルテ・フェザーク(ea3412)が必殺のグラビティキャノン詠唱開始。
それに続き、ルリもウォーターボムの詠唱開始。
「まあ、出来るだけ殺さないようにと‥‥」
ナックルとナイフ片手に伝助も走り出した!!
「オグオグオグーーッ!!」
と、突然目の前のオークが武器を振回して、何かを叫んでいる。
まあ、オークの言葉なんて誰にも判らないだろう。
という事で戦闘突入!!
オークの戦鎚がノリアに向かって振りおろされる。
──ガシィィッ
だが、その柄の部分をノリアは素手で受止める。
「痛っ‥‥思ったよりも強いね」
まあ、オークですから。
さらに別の一体が岬に向かって横水平にハンマーアターーック!!
──キィィィィン
その一撃はあっさりと受止める。
だが、困ったことにさらに1体、岬に向かって特攻!!
──キィィィン
あら、また受け止めるし。
──ドッゴォォォォォォォン
激しく一撃を叩き込まれたのは伝助。
そのまま遥か彼方に飛んでいきそうなぐらいのパワー。オークのダウンスイングが伝助の顎に直撃!!
「ぐっはぁぁぁぁぁっ。メタルバンドが無かったら即死でやんすよ!!」
いや、顎は守られてないが。
さらに集落奥から4体出現。
これでバニスの報告にあった8体確認。
残りの姿が見えないことから、どうやら戦えるオークはここまでの模様。
ニルナの魔法が完成。
全身が淡く白く輝く。
そして光が消えたとき、ニルナは抜刀!!
「ホーリィフィールド展開!! 貴方たちに死を伝える鳥を見せてあげましょう!!」
その横、バニスも魔法完成。
その姿が黒く淡い光に包まれる。
そして光が消えた直後、バニスは叫んだ!!
「黒き父の御名の元に、貴様ら討ち果たさん」
デス発動!!
でも、オークは死なない。
もう少し精進しましょう。
そして前方では、伝助がダブルアタックで交戦中。
──ドシュッ!!
「命が惜しかったらとっとと逃げるでやんす」
さっきの仕返しとばかりに、伝助全開!!
さらに横では、ノリアのナックルスパート。
──ドゴドゴッ
「とっとと何処かに行きなさ〜いっ」
激しくタコ殴りされるオーク。
──ドッゴォォォォン
そして止めのデルテのグラビティーキャノン発動。
ノリアの前のオークはすでにボロボロ。
「邪魔させないよっ!!」
後方から走ってくるオーク達に向かって、ルリのアイスブリザード発動。
──ゴォォォォォォッ
4体が寒さに震えはじめる。
さらにニルナとバニスも武器を構えて突撃する。
戦闘は完全に乱戦模様。
──そして
「とりゃぁぁぁぁっ」
ノリアがオークの後方に回りこみ、その腰に両腕を絡める。
グッと腰を落とすと、そのまま大木を引き抜くかのようにオークを持ち上げる。
そして綺麗に弧を描くようなブリッジ。
オークを後方に叩きつける。
「必殺!! ノリアスープレックス・神々の慈悲っっ」
まあ略して『ノリアボンバー』とでも命名しておこう。
そして最後の一匹が始末されると、冒険者達は集落に残っていたオーク達を追い立てるようにその場から追い出した。
●さて、始めようか〜源さんの苦悩〜
──神社建設予定地
さて、無事にオークの一団を追い出した冒険者一行。
一休みしてから集落の撤収作業、そして神社建設の準備とまだまだ慌ただしい。
「で、手伝いしてくれる奴はどいつだ?」
宮大工の橘源一郎、通称『宮大工の源さん』が、作業を終えて建築現場にやってきた棒剣士や達に向かってそう問い掛けた。
「私は木工部分を手伝えます」
ニルナが挙手。
「同じく。実家が神社なので、多少は役にたつと思う」
岬も挙手。
「設計部分で御手伝いさせて戴きますわ」
デルテも挙手。
「石工なら。土台建築の手伝いをさせて貰う」
バニスも挙手。
「多少は設計を‥‥」
ルリも挙手。
これで手伝いは全員。
「なるほど。設計が二人か。なら、石工のバニスはここの場所に、木工のニルナはここに向かってくれ。設計の二人は、木工と石工の出来る奴と組んで、そうだな。デルテとバニスと岬、ルリとニルナって所か」
という事で、チームに分かれて作業開始。
「で、残った御前さん達は?」
宮大工の源さんが、その場に残っているノリア、キャル、伝助にそう問い掛ける。
「あたしは、こっちの手伝いで」
ノリアが力こぶをみせながらそう返答。
しかし、うら若き『セーラの乙女』が、オークにはスープレックスかますわ、建築作業では力仕事担当とは。シスターが聞いたら卒倒ものである。
「あたしは、図面を持って、空から歪みがないのか確認しますね」
お、キャルも正当な作業に従事。
「ふむ。なら、クレリックの嬢ちゃんはルリちゃんチームに。シフールの嬢ちゃんはデルテの方に回ってくれ。で?」
最後に残った伝助に、源さんが問い掛けた。
「あたいでやんすか? あたいは力仕事に回るでやんす」
その言葉に、源さんはジーッと伝助を見る。
そして。
「ちょっと、クレリックの嬢ちゃん、この伝助って奴と腕相撲してくれないか?」
その言葉の真意は何か?
「いくぞ、せーのっ!!」
──ドッゴォォン
瞬殺される伝助。
「ち、ちょっとまつでやんす。今のはノリアが女性だから手加減して‥‥もう一度でやんす」
そのまま再戦。
そして
──どっごぉぉぉん
またしても伝助の負け。
「そうだな。伝助は俺の横で手伝いというところだな」
あら、源さんのサポートの模様。
かくして一行は、そのまま建築作業を開始した。
夜には見回りを立てて、オーク達が再び襲撃してこないか警戒。
そしてその夜、伝助は見てはいけないものを見てしまった。
──深夜
ガサガサッと草が揺れる。
伝助はその音を敏感に察知すると、静かに印を組み韻を紡ぐ。
そしてクンクンと再び匂いを嗅ぐ。
(あっちゃあ。一匹きちまったでやんすか。まあ、一匹ぐらいなら、あっしで十分でやんすね?)
そのまま小柄を逆手に構えると、伝助はターゲットの一匹に忍び寄る。
流石は忍者、このような隠密行動には一日の長があった模様。
──シュッ
素早くオークの背後に回りこむと、その首筋に小柄を当てる。
だが、その大きさに、伝助は驚いた。
「こ、子供のオークでやんすか?」
昼間に殲滅したオークの戦士たち。
どうやら、この子供オークの親が、その中にいた模様。
子供オークは震えながらもナイフを構える。
「もういいでやんす。これ以上、ここに来ると、今度はオマエも殺されるでやんす」
そう呟くと、伝助は心を鬼にしてオークを殴り飛ばす。
──ドサッ!!
そして素早く小柄を構えてオークに切りかかる。
当然当てることはない。
が、それだけてオークは逃げさって行った。
「‥‥これじゃ、どちらが鬼かわからないっすね‥‥」
そして再び襲撃が来ないことを確認すると、伝助はキャンプへと戻っていった。
そして数日の作業の後、一行はパリへと帰還する。
ただ一人、伝助だけが浮かない顔をしていたのは、気のせいであろうか。
〜To be continue