【花冠の君へ】 堕ちた伯爵の妄執

■ショートシナリオ


担当:姜飛葉

対応レベル:6〜10lv

難易度:やや難

成功報酬:3 G 80 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:04月30日〜05月05日

リプレイ公開日:2009年05月09日

●オープニング

 鈍錆色に染まった空が広がる‥‥まるで大地に流れた血の上に墨を撒いたような色合いの空は、地獄の門が繋がってから珍しくない色。地の底に満ち満ちた異界の色を映したような‥‥胸が淀み不安になる空の色。その空の下を駆けていく一団がいた。上等な駿馬を繋いだ2頭立ての馬車を中心に、騎馬が10騎という編成で走る。何かに追われているかのように、決して手綱を緩める事無く、馬も人も駆け続けていた。
「イタ」
 耳障りな声が響く。
「イタヨ」
「イタネ」
 囁きあうのは、黒い羽根の悪魔達。
 それが聞こえているのか、それとも本能的なもので駆け続けるのか、一団は走り続ける。
「みぃーつけた‥‥‥‥伯爵の花嫁さん☆」
 可愛らしい女の子の声と共に、空から降ってきたのは天から振るものではありえないもの。
 中空から降ってきた焔の塊に驚き竿立った馬を上手く操った御者の腕は一流のものだろう。けれど、歩みを止めてしまった事は彼らにとって致命的だった。それこそが追っていた者達の目的だったのだから。
 馬車が足を止めたことで、周りを囲んでいた騎馬達も足を止める。
 幾騎かが馬首を巡らせれば、空に舞う黒い影。
 馬車の窓から顔を覗かせようとした人物を、馬上の騎士が留める。
 彼らが走っていた道は、パリへと続く比較的大きな道だった。馬車を走らせるがゆえの選択肢‥‥彼らが足を止めたその場所は、道の周囲も比較的開けた場所。即ち、逃げ込めみ身を隠すような場所もない。
「お婿さんを待たせちゃだめだよね☆」
 黒い尾をゆらし中空に羽ばたく少女は、幾つかの影を従えて無邪気な笑みを浮かべていた。
 影は空にも、大地にも。



 刻は暫し遡り――パリの冒険者ギルドでは、ギルドマスターであるフロランスが、その執務室に突然の訪問者を招いていた。灯りの絞られた部屋の中で、二人の妙齢の美女が向かい合う。
「マスカレードがあんなに警告してたのにバカね。‥‥この時期に動かすなんて」
 さらりと会話の口火を切った美女は、怪盗ファンタスティック・マスカレードの一味の一人‥‥ホリィだった。
 ホリィの言葉のどこかに引っ掛かりを覚えたのか、フロランスが僅かに柳眉を寄せる。
「‥‥誰の思惑であれ、ぼんぼんお坊ちゃま王の真意がどうあれ、私はどうでもいいし、今起きている現状は変わらないの。マスカレードの頼みじゃなければここへだって来なかったわ」
 マント領主である、クラリッサが王の花嫁候補の一人と目されているのは広く知られている。
 その彼女がパリへ呼ばれた――地獄からの侵攻に伴い、元々擁していた騎士の規模も大きくは無いマントは、領内の対応が十分に取れず苦慮していた。領主自身もこの時期に領地から離れる事に難色を示していたのだが、今回のパリへの召喚となったのだという。
 少ないながらも領主に忠誠心厚い優秀な人材がいるから、それだけなら問題は無かった。けれどクラリッサ本人がデビルの標的になっている事が問題なのだ。そして彼女を狙う存在の復活――。
「あの子が伯爵の手に落ちたらデビル達を調子付かせるのは問違いないわ」
 移動のタイミングを狙ってデビルが動き始めたのだという。それを察知したマスカレードの頼みで、ホリィが冒険者ギルドに訪れたのだ。
「猶予は無いわ、急いで冒険者を集めて頂戴、私は早くマスカレードの所へ行かなくちゃ‥‥あとは宜しくね?」

●今回の参加者

 ea1628 三笠 明信(28歳・♂・パラディン・ジャイアント・ジャパン)
 ea2389 ロックハート・トキワ(27歳・♂・レンジャー・人間・フランク王国)
 ea6215 レティシア・シャンテヒルト(24歳・♀・陰陽師・人間・神聖ローマ帝国)
 ea6536 リスター・ストーム(40歳・♂・レンジャー・人間・ノルマン王国)
 eb5363 天津風 美沙樹(38歳・♀・ナイト・人間・ジャパン)
 eb5977 リディエール・アンティロープ(22歳・♂・ウィザード・エルフ・フランク王国)
 ec0132 カサンドラ・スウィフト(35歳・♀・ナイト・人間・イギリス王国)
 ec0290 エルディン・アトワイト(34歳・♂・神聖騎士・エルフ・ノルマン王国)

●リプレイ本文

●馬車の往き路
 雨の気配は無い、この季節にしては乾いた風が吹く。馬車が通り過ぎた後に舞うのは砂塵のような土埃。けぶる跡を引きながら走る馬車を牽くのは鍛えられた体躯を持つ黒い馬体の二頭。見た目にそぐわぬ荒々しい蹄の音と共に車輪が大地を転がる音を聞きながら、リスター・ストーム(ea6536)は馬車の中で転がっていた。
「‥‥おい」
「いや、体力温存を図ってるだけだってば」
 必要な時に動けるように休んでおく依頼に向かう姿勢はロックハート・トキワ(ea2389)も同様だったが、リスターの抜き方は御者を請け負い馬を駆るエルディン・アトワイト(ec0290)には見せられない。
 馬車の手配に少し手間取ったため先行して空から向かう仲間達より少し遅れての出発となったが、馬の手配が不要であった点が救いだった。少しでも時間を詰めるべく、馬車が傷まぬ程度に道行を飛ばしている中では言う程休めるわけでもない。耳を澄まし気配を尖らせるリスターを見て、ロックハートは手持ちの保存食の幾つかを三笠明信(ea1628)へ放った。
「ありがとうございます」
 馬車の手配に終始し念頭から消えてしまったのだろう、糧食を持たなかった明信の分は多く用意していた仲間で補った。先を急くがゆえの先行組で足りない分はそちらでどうにかしているだろうと片付ける。明らかに厳しい戦いがあるとわかっているのに飲まず食わずで駆けつけることはできない。食事は馬を休ませる合間に摂る事になるだろうが‥‥と、流れていく外の景色を眺めながらロックハートが呟くと、リスターが訝しげな表情を浮かべた。
「何がだ?」
「いや、本当にあの王が呼んだんだろうかね‥‥と思ってな」
 ホリィの指摘に、ギルドマスターであるフロランスがいぶかしんだ何よりの点。だがそれもこれから向かう先にいるはずのマント領主に直接訊ねれば済む事だ。
 馬車を飛ばすエルディンの目算では、あちらもパリに向けて移動している最中なのだから普通にマントへ向かうよりも早く合流できるはず。
 ‥‥何も無ければ。
 デビルが、カルロスが狙っている事が判っている今、それは甘い願望に過ぎない事を彼らは知っていた。


●空からの道
 パリから地方へ続く大きな道‥‥マント方面へ繋がる道の1つを辿り、先を急ぐ空を翔る影は4つ。乗る者の魔力を糧に空を行く箒に乗ったカサンドラ・スウィフト(ec0132)は、足元を流れていく景色を見遣る。眼下に広がる街道筋の1つは、ホリィが置いていった情報をもとに、リディエール・アンティロープ(eb5977)の手繰ったペンデュラムが示した方向とロックハートが見当を付けた場所が重なった事で決まった。気持ちは急くが、ずっと飛び続けるわけにも行かず最低限の休憩を挟み向かう先‥‥淀み暗く濁った赤い空を翔る天馬・ミューゼルに跨ったレティシア・シャンテヒルト(ea6215)は、大きく瞳を見開いた。
「‥‥いた‥‥!」
 目の良いレティシアの告げた先に上がる炎は――馬車か。翔けゆく合間にリディエールの視界にも捉えられた炎は大きく、炎の回りに人影と‥‥。
「オーガ、ですか」
「‥‥わからない、でも」
 炎を囲むデビル以外の影は、デビルに従う敵影に違いない。眉根を寄せ先へ目を凝らしていたレティシアは不意に上がりかけた悲鳴を飲み込む。急に天馬が高度を変えたのだ。空を叩くように羽根を滑らせたミューゼルの軌跡を示すようにレティシアが纏う世界樹の外套が翻る先で炎が爆ぜた。
 空を飛ぶ自分達の姿が目立つ事は承知の上で急ぐ事を選んだ彼らの前には黒い薄い羽根を羽ばたかせる炎を纏うデビルの姿。耳障りな声を上げて哂う姿に、リディエールが従えるグリフォンが鋭い嘴を向ける。リディエールの一瞥に頷いて天津風美沙樹(eb5363)はカサンドラと視線を交す。
 再び纏う炎と同じ暗い焔を向けようとするデビルに対し、真逆の凍て氷る暴風が放たれる。聞き苦しいデビルの悲鳴を見つめる瞳は氷の飛礫よりも冷ややかな青二対。
「本当に、カルロス伯の執念は凄まじいものがありますね。これが愛ゆえであったならまだ理解も出来ようものを‥‥」
「‥‥カルロスはエスコートの作法も知らないようね。減点よ」
 黒い翼に氷の欠片をこびり付かせたネルガルは、声にならない呻きを零す。歯噛みするかのような音を掻き消す様にグランテが口を開く。炎を上げる馬車の果ての周りを囲む影は多い。いつまでもネルガルになど構ってはいられないと法王の杖を構えるレティシアの背の向こうで箒に跨ったカサンドラは、地上を目指し空を一気に滑り降りていく。その背を追って緩く波打つ黒髪が風に煽られるままに、美沙樹も下降する。大地に触れる間際に滑るように低空を翔け、燃える馬車の近くへ走るように飛ぶ。箒から降りねばカサンドラと美沙樹は戦う事が出来ない。ならば取るべき選択肢は決まっている。何より、この場へは彼女を守るためにきたのだから。
 一人の騎士が、火柱を上げる炎の固まりと化した馬車の傍らに在る人物を守るように戦っていた。10騎はいたはずの騎士達は、既に地に落ち動かぬ騎士や倒れた馬の数の方が多い。血を流し倒れた騎士の一人を庇うように抱き支えた女性の髪は生来の色も相まって炎にさらされ燃えるよう。その頬や胸には熱に焙られ乾いた朱色が刷かれ、血色に染まった女性こそ、冒険者らが庇護に向かったマント領主・クラリッサ・ノイエン(ez0083)だった。オークを退けながら、炎を落すデビルの存在が減った事に騎士が顔を上げる。
「‥‥ホリィは間に合ったようだね」
 騎士の一人が囁く言葉にクラリッサは顔を上げ、見知った顔を見つけて瞳を輝やかせた。けれどクラリッサを守るように戦っていた騎士は一人二人と欠け続け、まともに戦う事の出来る騎士とて満身創痍の有様だった。既に空でも氷風が吹き荒れ、炎が飛び交い、空舞う聖獣がデビルを爪牙に捕らえようと新たな戦場が形成されていた。
 リディエールより譲ってもらった魔法の実で移動に消耗した魔力を補ったカサンドラは、地へ降りるとそのままその身にオーラを纏う。美沙樹がクラリッサの側へと駆け寄るのを目端に捉えた彼女は、そのままウェルキンゲトリクスの剣をありったけの魔力を込めて振り抜いた。
 生みだされた衝撃波がオーク達の背後に舞っていたリリスへと一直線に飛んだ。‥‥が、鈍声を上げて血を飛沫いたのは小鬼達。使い捨ての消耗品のように盾とし、あるいは剣とし、カサンドラ達に構わず、目的を果たすために馬車へ馬車へと小鬼達はじりじりと包囲網を狭めていく。


●かくして集いし冒険の民
「お姫様、正義の味方が助けに来ましたよ」
 戦場に躊躇う事無く駆けて来た1台の馬車から降りてきた青年は聖職者に相応しい笑みを浮かべたからかに宣言した。
 狭められていく包囲網を突き崩す一角となったのは、戦場に臆する事無い戦闘馬が牽く馬車。
 美沙樹の傍らにいたクラリッサの下へ迷わず駆けつけたリスターは、小鬼が降らせる矢を鞭で弾き落としながら笑い掛けた。
「俺様がクラリッサちゃんを見間違う筈がないだろ?」
「‥‥ありがとうございます」
 頼もしい言葉に微笑んだ顔が、けれど驚きに変わる。
「香に混じるこの芳しい汗のかほり‥‥そしてこの体のサイズ‥‥間違い無い!」
 年頃にしては控えめな己の胸を指差され、勢いに押されるようにクラリッサは瞳を瞬かせた。
「女性に失礼ですわよ」
 窘める美沙樹も、頼もしい味方の到着に小さく微笑み、寄せられる馬車の方へとクラリッサを促した。
「優しく叩いて‥‥、なるべくなら女の子に‥‥。や、変な想像しないでください! 力の弱いほうが痛くないから、そういうことです!」
「判ったから、早く行って」
 こつんと小突くように魔力の杖でレティシアに叩かれてエルディンはこほんと咳払いをする。
 聖女の祈りで支えられた聖なる結界に囲まれた馬車を背に分厚い革張りの書物を開く。
「さて、デビルの皆さん、朗読の時間です」
 朗々と読み上げられる魔導の言の葉は、祭礼の響きを伴い神の騎士の周りに祝福を齎す。神の祝福――即ちデビルへは戒めとなる言葉の鎖。
 戦う神父の謳う声に少しだけ表情を緩めたレティシアは闇を作る魔法を唱えた。次いである魔法を試すべく機を窺う。
 暗闇が生み出され、飲み込まれたオーク達はかなりの数。凍て付いた道の上を滑るように駆けるロックハートはブリット・スピアを繰り出して煙を立ち上らせる炎の下へと道を開く。長けた手綱捌きで馬車をクラリッサらの間近へ寄せた明信は、接近するゴブリンを蹄で蹴り飛ばす千代姫をこのまま馬車に繋いでおくべきか迷った。離してしまえば馬車として用を成さないが、走らせられなければ馬達にとっては枷となる。
「囲まれましたね」
「なに、全て倒せば良いだけの話だ」
 判りやすいロックハートの言に成る程と頷いて、明信は逡巡を振り切って鋭い連撃でオーガの1匹を大地に沈める。右手の聖剣が横薙ぎに平らげる間に鋭い切れ味を誇る波打つ刃が確実に屠る。巨躯に似合わぬ磨かれた闘技の術は、王国最強のパラディンゆえ。幾つ屍を築こうとも、炎に群がる羽虫のように馬車へと集るオーク達を切り伏せる。
「パラディンとして、デビルの野望を打ち砕くのが私の役目‥‥!」
 明信が纏う魔力を帯びた法衣を翻し、獅子の刻まれたその名を冠する直刀を振るう背後には彼らがこの場へ駆けつけた馬車。
 馬車を包み込むは不可視の結界――神の加護に守られた空間で、己が髪色に負けぬ程の赤に塗れたマント領の領主はマスカレードと冒険者達の戦いを祈るように見つめていた。ホーリーフィールド内に及ぼうとする敵影をヘンリーホイップで弾きながら、リスターは笑い掛けた。
「大丈夫、心配ご無用‥‥大船に乗ってな」
「いざとなったら、身を盾にしても守りぬきますわ」
 『微塵』の銘持つ小太刀でデビルに従うオークを切り裂きながら微笑む美沙樹に笑みを返そうとしたクラリッサの口元が微かに震えた。接近戦にこそ真価を発揮する小太刀は回避の術に長けた美沙樹だからこそ扱える。しかし、空にデビル。地には小鬼達に囲まれて、力に勝る冒険者達が少しずつ屍を築き上げていこうとも敵の数と厭らしいデビルの攻撃はじりじりと彼らの包囲網を狭めていっていた。
「冒険者が邪魔〜」
 魔力を込めた悪焔を落としながら、花嫁に迫れないリリスは黒い尾を揺らしながら唇を尖らせた。
「それはこちらの台詞だ。‥‥今は目の前から消えてくれるだけで良いんだよ」
 可愛らしい見目に決して惑わされず冷徹に振り下ろされるナイフに、リリスはオーク達を盾にするようにけし掛けた。退くしかないかと眉根を寄せたロックハートを味方するように氷雪が吹き抜ける。明信から借り受けた魔力の杖を手に微笑むリディエールの傍らには、グリフォン。空のデビルを片付けた今、リリスを倒せばオークは指示系統を失う事を理解している彼らが逃す訳は無かった。数の上で優位に立っていたデビルと少数でも国有数の精鋭で攻勢された冒険者達との天秤が傾きつつあった。


●白に圧されて黒は退く、闇篭めた器まで
「騎馬‥‥何騎だ?」
 戦場に駆ける音‥‥既にこの場に駆ける事の出来る騎馬など高が知れている。戦場へ新たに伝わる響きにリスターが振り仰いだのはパリの方角‥‥シュバルツ城からでもおかしくない。土埃を上げて駆けて来る馬影は――。鷹の目以上の瞳を持つレティシアが眇め見れば、土埃を上げ駆けて来るのは白い騎士。
「ブランシュ騎士団‥‥赤分隊よ」
 1つに束ねた濃い金の髪を靡かせたままの勢いで先頭をきって駆けてくる騎士は、レティシアが見て取った分隊の長。
「‥‥緑分隊ではないんだな」
「援護が間に合って良かったとしましょう」
 ロックハートがブリット・スピアで貫いたオークをリディエールが水球で押し潰しながら微笑んだ。マスカレードが冒険者を頼んだ理由は機動性。王宮の騎士は迅速性を臨もうとも組織ゆえの詰めきれぬ時間がある。冒険者達で無ければ間に合わなかった。
 新たな手勢に形勢不利とみたリリスはふわりと背を向けた。追いつき討つには邪魔な羽虫と地を這う小鬼。
 既に冒険者達の勝利は決まっていたが、レティシアが天馬を向かわせる。
 美沙樹達から譲り受けたポーションで倒れた騎士達‥‥まだ息のある者を助ける手伝いをしていたクラリッサが小さく息をつき‥‥血に汚れた両の手のひらに視線を落とした。クラリッサの身を汚す血は、彼女のものではなく護り庇った騎士達のものの方が多い。
 傷つき流れた存在がいる事にクラリッサは翳のある微笑を浮かべる。そんなクラリッサへレディシアは微笑みかけた。
「‥‥素敵なバックルのお礼」
 不器用な笑みに言葉少なに安心させるように微笑む少女に釣られるように、小さく微笑んだ。
「いいえ、私こそ‥‥本当にいつも、ありがとう」