マダムは大きなモノがお好き?

■ショートシナリオ


担当:まどか壱

対応レベル:8〜14lv

難易度:普通

成功報酬:3 G 32 C

参加人数:4人

サポート参加人数:-人

冒険期間:01月19日〜01月23日

リプレイ公開日:2009年01月27日

●オープニング

 貴族というのはどうしてか、変わり者が多いように思う。性格もそうだし、身に付けるものや髪型、装飾品の趣味もそう。そして、その嗜好も時として一般人には理解するのが難しいものである場合がある。同時に、その趣味を理解したくないとも。
 蜂蜜色の髪の姉弟冒険者カリンとマノンは今、それを強く痛感させられていた。


 そのご婦人は、自らをマダム・バタフライと名乗った。王都の貴族街に邸を構える四十そこそこの年齢で、未婚。蜘蛛の巣を模した黒いドレスからは、その豊満な肉体が惜しげもなくこぼれている。これを妖艶ととるか品がないととるかは、デリケートかつ微妙なラインだろう。それはまあ、さておき。
「あたくしのペットを捜して欲しいのですわ」
 ジャイアントが楽に横になれそうな大きさのソファに座るマダムは、案内されてきたマノン達に対して開口一番にそう言った。
「ペット、ですか〜」
「ええ。あたくし、色々なペットを飼っているのですけれども、昨日脱走してしまいましたの‥‥あたくし悲しくて、食事も喉を通らない有様でしたわ」
(「そうは見えないよね‥‥」)
(「‥‥お前、余計なこと言うなよ」)
 痩せているとは言えない体を見ての姉を睨む弟。その顔は何となく調子が悪そうで、カリンは瞬きをすると首を傾げた。
(「マノン、具合悪いの?」)
(「別に‥‥ちょっとだるいだけ。こないだの氷の洞窟のせいで、風邪引いたのかもな」)
 氷の、と言われてカリンは「あぅ」と呻いた。置いてけぼりにした当人としては、風邪の責任を感じてしまう。
(「それより、マダムの話ちゃんと聞けよ」)
(「あ、そ、そうだね」)
 慌ててマダムを伺うが、どうやら小声でのやり取りには気付いていないらしい。「あの細い足が」やら「丸い体が」やら「細い手足が」などと、延々とペットのことを語っていた。ほっとしつつ、改めてマダムの話に耳を傾ける。
「町からは出ていないと思いますのよ。王都内にいると思うのですが、何分広いでしょう? ある程度の戦力と人手が必要なものですから、冒険者ギルドへお願いしましたのよ」
「ペット捜しかぁ‥‥トロルや動く石像相手に比べれば、楽勝だよね! うん、お任せだよー」
 ここ最近に受けた依頼での苦労を思い、カリンは気楽に答えた。もっとも、苦労したのはどちらかと言うと弟の方なのだが。ともあれ、カリンの返事にマダムはにっこりと嬉しそうに微笑んだ。
「良かったですわ! では、よろしくお願いしますわ‥‥ああ、くれぐれも傷つけないでくださいましね。あたくしの家族同然なのですから」
 マダムはそう言うと、二人にペットの名前と特徴の書かれたメモを渡した。お気をつけてと見送られ、二人は比較的気楽な気持ちで早速捜索にかかったのだが――


「‥‥あの時、もっと詳しく話を聞いとくべきだったんだ」
「‥‥そうだね〜」
 住宅街の暗い路地。人気のない場所で、マノンとカリンは揃って渋い顔をしていた。
「こんな、さ‥‥『キャンディちゃん、特徴:ピンクのリボン』っていうメモだけで、よく見つけたよ。一匹目」
「そうだね〜。でも、正直見つけたくなかったような気もするよ‥‥」
「‥‥だな」
 揃って溜め息をつく。そんな憂鬱そうな二人の前には、頭部にリボンを付けたジャイアントスパイダの石像が――いや、石化した『キャンディちゃん』の姿があった。

 バイブレーションセンサーでメモに一致する大きさの生き物を探していた二人は、この路地の奥にてピンクのリボンを付けたジャイアントスパイダを発見した。驚愕しつつも弓で動きを止めようと思ったマノンだったが、傷つけるなと言われていたことを思い出して一瞬躊躇。そこへ突っ込んできた『キャンディちゃん』から弟を守ろうとしてカリンがストーンを唱え、マノンは無事だったが『キャンディちゃん』が石と化し。
 そうして現在へ至るわけだが。

「石化すれば危険はないけど‥‥どうするんだよ? 解除しないと運べないし、何よりマダムが怒るぞ」
「でも、解除したら襲ってくるよ〜? 傷つけちゃ駄目なんでしょ? 私達、傷つけないで動きを止めるなんて難しいこと出来ないよー」
「しかも、まだ七匹いるんだよな‥‥」
「そうなんだよね‥‥」
「‥‥」
「‥‥」
 メモには、『キャンディちゃん』の他に七匹の名前とリボンの色が記されている。一匹でも対処に困るジャイアントスパイダが七匹。しかも、こんな街中にいる。被害が出る前に捕獲する必要があるが、正直ちょっと手に終えない。
 『キャンディちゃん』を見つめて黙考すること暫し。二人の出した結論は、
「‥‥援軍、呼ぶか」
「‥‥うん、そうだね」
 だった。
 路地の入り口へ「進入禁止」の看板を立てると、二人は協力者を求めて急ぎギルドへ向ったのだった。


【保護対象:ジャイアントスパイダ×七匹】
・キャンディちゃん、特徴:ピンクのリボン(捕獲済み・要石化解除)
・クリームちゃん、特徴:白いリボン
・メロンちゃん、特徴:緑のリボン
・ココアちゃん、特徴:茶色のリボン
・チェリーちゃん、特徴:赤いリボン
・カシスちゃん、特徴:紫のリボン
・オレンジちゃん、特徴:黄色のリボン
・ミントちゃん、特徴:青いリボン

※注意:かすり傷も負わせないこと

●今回の参加者

 eb4333 エリーシャ・メロウ(31歳・♀・鎧騎士・人間・アトランティス)
 eb8490 柴原 歩美(38歳・♀・天界人・人間・天界(地球))
 ec4112 レイン・ヴォルフルーラ(25歳・♀・ウィザード・人間・アトランティス)
 ec4600 ギエーリ・タンデ(31歳・♂・ゴーレムニスト・エルフ・アトランティス)

●リプレイ本文

●まずは情報を
「追加情報、ですの?」
 貴族街にあるマダム・バタフライの邸。今日も零れ落ちそうな肉体を蜘蛛の巣模様のドレスに包んだマダムに対し、ギエーリ・タンデ(ec4600)が笑顔で頷いた。
「ええ、そうです。やはりこれだけの情報で捜すのは中々難しいですので」
 これだけ、とは隣に並ぶマノンが持っているメモのことだ。いくら何でも情報不足に過ぎる。追加情報を得る必要があるということで、エリーシャ・メロウ(eb4333)の指示のもと、ギエーリ達はマダムのもとを再度訪れていた。てきぱきと的確な指示を出すエリーシャは、流石騎士といったところだ。
「そうですわね‥‥チャームポイントはやはり、あの細くしなやかな八本の足ですわ。それから、対照的な丸い体。一人ひとり異なる斑模様は個性の表れで、とってもお洒落さんですわ。それから‥‥」
「いや、あの、出来ればもっと別な情報が欲しいんですけど‥‥」
 マダムのペット自慢を聞きに来たわけではないので、控えめにマノンが遮った。不満そうな表情のマダムに気付き、すかさずギエーリが口を挟んだ。
「奥様の実に奇矯な‥‥あいや独特のご趣味、素晴らしい感性でいらっしゃいますとも! えぇ、ゆっくり奥様のペットちゃんへの愛情をお聞きしたいのは山々ですが、ペットちゃん達は今この時も寒さと飢えに苦しんでいるかもしれません。私達は、この寒空の下から少しでも早く奥様の大事なペットちゃんを救って差し上げたいのですよ! ‥‥というわけで、逃げた状況、普段の餌と好物、餌を与える時の決まり、昼夜どちらに動くか、雌雄、飼育場所の様子などなど、お教えいただけますか?」
「まあ‥‥それ程までにあたくしのペットちゃんのことを思ってくださるのね! 少々お待ちくださいませ、今係のものを呼びますわ」
 マダムは感激してすぐさま呼び鈴を鳴らした。流れるようにすらすらと出て来るお世辞と言葉に、よく回る舌だと感心していると、思い出したようにギエーリが尋ねた。
「時に、こちらのお邸の執事はバトラー・モスキートと仰るのでは‥‥?」
「‥‥はい???」
 心持ワクワクしているように見えるギエーリに、そっちの執事の主はアラクネでしょ、とマノンは心の中で突っ込んだ。


●ペットちゃん捜索スタート
 住宅街の暗い路地、「進入禁止」の看板の更に奥にて。
「変わった生物を飼う事については、冒険者も同様ではありますが‥‥大蜘蛛のように懐く知恵も持たぬ上に危険なモノを街中で飼育の上、管理までも甘いとは‥‥」
 石化した『キャンディちゃん』を眺めながら頭痛を堪えるようにこめかみを押さえるエリーシャに、カリンは彼女が連れて来たペットをちらりと見て「そうだね」と相槌を打った。
「地球にも蜘蛛やら蛇やらのゲテモノ系飼いは居たけど、此処にも居るんだねェ」
 獣医師という職業柄か、柴原歩美(eb8490)はキャンディちゃんを見てもそれ程怖がったり嫌がったりする様子はない。かと言って、その存在に慣れたわけでもないのだが。
「そういう連中ァ妙に偏執的だったりするモンだけど、ご多聞に漏れなさそうだ‥‥おっとこりゃ失礼だね。ま、虫愛でる姫君ならぬ奥方ってェ事にしとこうか」
 依頼人がいないからいいものの――とは言え、歩美の台詞はそのままみんなの一致した心境だろう。
「大きなカラスさんとか、蛇さんとはお会いした事あるのですけれど‥‥蜘蛛さんは‥‥出来れば一生お会いしたくなかったかもです、ね‥‥」
 憂鬱そうにこぼしたのはレイン・ヴォルフルーラ(ec4112)だ。一人キャンディちゃんから距離を置き、出来る限り視界に入れないようにしている彼女。実は蜘蛛が苦手なのだった。それでも参加した理由は、大蜘蛛を放置して街の人達に被害が出るのを食い止めたい、との健気な心からである。
「そうだね‥‥普通は、街中にいるとは思わないよね‥‥」
「はい‥‥でも、街の人達の被害は未然に防がないと、です! 頑張ります!」
「ウィルの民に危険が及ばぬうちに、早く捕まえてしまわねばなりません。私達で出来る限り捕獲を進め、ギエーリ殿達が戻り次第一気に進めましょう」
 顔を見合わせて頷き合い、そして思い出したようにエリーシャはキャンディちゃんを振り返り――
「その‥‥キャンディちゃん(?)は、全て捕獲するまでそのままに」
 これにも、それぞれ複雑な表情で頷き合った。


●残り七匹
「えっと‥‥そこを曲がって二つ目の路地の奥!」
 バイブレーションセンサーでジャイアントスパイダーを捜すカリンが、進行方向を指差した。
「牽制します。歩美殿、レイン殿、無力化をお願いします。リル、お前は入り口に立って、蜘蛛の逃亡阻止と一般人の進入禁止を任せます」
「護って貰って悪いねぇエリーシャさん」
「はい!」
 ミドルシールドを携えたエリーシャが指示を残して、まず最初に路地を曲がる。続く三人の更に後ろには、見上げる程の巨大な壁が付いて来ている。エリーシャのペットの塗り壁、リルである。連れて来たエリーシャも、まさか塗り壁を役立てる日が来るとは夢にも思わなかったのだが、進入禁止の看板以上の効果があるのは間違いない。
「! いました」
 先行するエリーシャが足を止めて、盾を構える。その先には、丸い体に黄色と黒の斑模様、細い手足を持った何とも不気味な大蜘蛛の姿がある。その頭部に巻かれているのは緑のリボン。
「緑は何ちゃんだったかねェ?」
「ええっと、‥‥『メロンちゃん』、かな?」
「‥‥お名前だけ聞くと、可愛らしいのに‥‥」
 名前は可愛いメロンちゃんは不穏な気配を察知したのか、細長い足に力を込めると彼女達の方へ突進を開始した。噛み砕こうと向けられる牙を盾で堪えて、エリーシャはいまだと仲間へ目配せした。
「ここは、私が‥‥!」
 ぎりぎり15mの射程を置いて、出来るだけメロンちゃんを見ないようにしつつレインがアイスコフィンを唱えた。ガツガツと盾に牙を立てていたメロンちゃんの体はその瞬間一斉に凍りつき始め、暴れる間も逃げる間も――気付く間も与えない内に、あっという間に凍りついて動かなくなった。
「ふぅ、‥‥成功です。あとは、先にお邸に運んで暖めて‥‥ですね」
 解凍するには時間がかかるので、凍らせたペットちゃん達は先に邸に運んで解凍しておこうということにしていた。必要な運搬具、及びマダムには内緒で暖かい部屋を借りられるよう取り付けてくるのも、今はいない二人の役目だ。
「さて、ギエーリさん達はまだかね?」
 歩美が呟いた所で、何とも丁度良いことにリルの向こうからマノンの声が聞こえた。


●残り六匹
「いやいや、お待たせ致しました〜。ペットちゃん達の詳細、暖かい部屋の確保と、檻を借りて参りましたよ」
 ギエーリの愛馬が引いてきた荷車にはそりと、縦横1.5m程の大きさの木製の檻が積まれていた。ただし、その数は何故か五つ。
「残りの三つは罠を仕掛けてきたんだよ。好物はマダムから貰って」
「お世話係の方とマダムの曰く、彼女達‥‥全て雌だそうですが、食べることが大好きで、特に大好物には目がないそうです。ですので、檻の中に餌を仕掛けて簡単な罠にしてきました」
「ということは、残りはあと三匹ですね」
 ジャイアントスパイダーの知能はそれ程高くないので簡単な罠でも引っかかってくれるだろう、とは世話係の言。
「で、そりも借りてきたけど、引くのは?」
「フウとスカイで犬ぞりとか‥‥無理‥‥かな?」
 レインが連れて来た二匹を見ると、「大丈夫」と言いたげにフウとスカイは主を見上げていた。
「よーし、どんどん行こう〜!」
 氷漬けのメロンちゃんを檻に入れてそりにのせると、一息つく間もなく彼らは次のペットちゃん捜索に取り掛かった。


●残り三匹
 赤いリボンを付けた蜘蛛が、その場に伏せて眠っている。この子は、ええと――『チェリーちゃん』だ。
「暴れる子の診察用に覚えた魔法だけど、こんな風にも使えるたァ思わなかったよ。で、動かないうちに檻か網の中と」
 スリープが効いたのを確かめて、歩美が檻を振り向いた。力仕事が苦手な者が多いので、檻には皆で協力して運ばなければならなかった――故に。
「レインさん、大丈夫?」
「は、はいっ‥‥頑張ります‥‥けどっ‥‥」
 寝ているからと言って蜘蛛であることに変わりはなく。苦手なレインは蜘蛛を視界に入れることにも抵抗があるのだから、触れるなどともっての外だろう。それでも我慢して手を伸ばす姿に、気の毒になってマノンは声をかけた。
「あの‥‥無理しなくていいからな? レインさんは、捕まえる方で頑張ってくれてるし」
「えと、あの‥‥すみません‥‥」
 確保で貢献出来ているから大丈夫、と言う言葉に申し訳なさそうに身を縮ませつつ、ここはお言葉に甘えるレインだった。


●残り二匹
 ガァンッと盾が大きな音を立てる。エリーシャは盾越しに伝わる衝撃に堪えながら、その場に踏み止まる。更にもう一度、と細い足に力を込めるのは茶色のリボンの『ココアちゃん』。それを阻もうと、マノンがココアちゃんの目の前へ矢を放って動きを牽制する。
「アイスコフィン!」
 青い光を纏うレインが唱えれば、ココアちゃんはあっという間に氷漬けになった。ふう、と息をつく間もなくテレパシー越しに歩美から連絡が入る。
『こっちにも一匹いたよ。青いリボンの子だね』
「歩美殿が青いリボンの大蜘蛛を見つけたそうです」
「青いリボン‥‥ええと、ミントちゃん、でしたっけ‥‥?」
「ああ、正解」
『スリープかけといたよ。どっちから運ぶ?』
 凍っている方は直ぐには溶けたりしないだろうが、眠っている方はいつ起きるとも知れない。ミントちゃんを先に確保しようということになり、進入防止にリルを残してエリーシャ達は二つ向こうの通りへ向った。
「これで、おしまいですね」
 心身ともに疲れただろうレインが大きく息をつく横で、マノンも疲れた様に溜め息をついていた。その顔は具合が悪そうにも見えて、エリーシャは眉を寄せた。
「そう言えば‥‥洞窟の時から、マノン殿は調子が悪いのですか」
「え? ああ、だるいだけだよ。多分風邪だと思うけど」
 大したことはないだろう、とマノンは肩を竦めた。本人が言うのだから大丈夫なのだろうけれど――
(「カオスの魔物には黒猫の姿をしたモノが居り、また犠牲者に癒せず見えぬ傷を負わせる術を使うとか。もしや、あの時の喋る猫が‥‥?」)
 エリーシャは一人引っ掛かりを覚えて、あの氷の洞窟にいた猫のことを思い出していた。


●ペットちゃんの帰還
「まああ! あたくしの可愛いペットちゃん達! 皆無事で何よりですわ!」
 レインの持って来たコカトリスの瞳を使って石化を解除されたキャンディちゃんを含めた8匹の愛しいペットちゃんを前に、マダムは感激して檻に抱きついた。スリープの効果でうとうとしていたものも、その衝撃に驚いて動き出している。凍っていたメロンちゃんとココアちゃんは少し動きが鈍いのだが、幸いにもマダムは全く気付いていなかった。
「ご苦労様でしたわ。どの子も怪我をしていないようですし、報酬はきっちりお支払い致しますわね」
「ありがとうございます。‥‥しかし、奥様。愛しいお気持ちは十分に伝わりますけれど、このように大型で危険なペットは自領か郊外の別邸で飼育して頂けないでしょうか? 今回のように逃げた場合、大変な事態を招きかねませんゆえ」
「そうですの? ‥‥まあ、考えておきますわ」
 今はペットちゃん達が帰って来たことでマダムは頭が一杯らしい。やれやれ、と思いながら彼女達はマダムの部屋を辞した。歩美の提案でペットちゃん達がいた場所を隈なく探し、卵などが産み付けられていないことは確認したし、被害が出ていないことも確認した。それは何よりだったのだけれども。

 飼い主には危険な生き物を飼っているという自覚が欲しいものだ――と、マダムに対して思わずにはいられない冒険者達であった。