夏の夜にマムシ酒
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■ショートシナリオ
担当:まひるしんや
対応レベル:1〜3lv
難易度:やや難
成功報酬:0 G 78 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:07月03日〜07月08日
リプレイ公開日:2004年07月12日
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●オープニング
毎度恒例、キャメロットの某所。
今宵の舞台は酒樽の並んだ地下室、例によって例の如く、主と執事のやりとりは続いている。
「イギリスの酒も悪くは無いな。ノルマンで飲んだワインも悪くは無かったが」
「どちらも大樽でお飲みになっておいででしたな。わたくしめは、てっきり味を気にしていらっしゃらないかと思っておりましたが」
「何を言う! 俺は酒の味に関してはうるさいんだ!」
「‥‥こちらで先ほどお飲みになられましたのは、気の抜けたエール。ノルマンで特に多量に飲まれておいでだったのは、古ワインだったと記憶しておりますが」
「‥‥ワトソン君、君は余分な事ばかり覚えているようだな」
「私はワトソンでは御座いませんし、御主人様も微妙に何かが間違っているかと思われます」
「‥‥そんな事を冷静に切り返すんじゃない。それよりも、例の酒は届いたのか? ジャパンから取り寄せようとしたアレだ」
「マムシ酒、で御座いますか? 残念ながら今回は手に入らなかったようで御座います。ジャパンの普通の冷酒なら手に入りましたが」
「相変わらず気のきかん奴だな! ジャパンの酒が手に入ったのなら、あとはバイパー(マムシ)を手に入れるだけだろうが!」
「‥‥本気で仰っておいでですか?」
「俺はいつだって本気だ」
「‥‥畏まりました。至急手配いたします」
と言う訳で、冒険者ギルドに新たな依頼が加わったのである。
●リプレイ本文
●バイパー狩り IN湿地
キャメロットに程近い湿原。
ここは多くの生き物が生活の場とする地だ。
先だっての鴨狩りの舞台でもあったこの湿原に、再び冒険者たちがやってきていた。
その目的は、奇特な依頼主の要望である、マムシ狩りである。
「皆様、余り無理をなさらないようお願いいたします。解毒剤はこちらでご用意させていただいておりますが、万が一という事も御座いますので」
そう言って頭を下げるのは、依頼人に仕える初老の執事。
別の依頼の際には(仮名)ウォルターと名乗っていたが、今回もそれを維持する様子。
『ワトスン』よりも響きが気に入っているのだろうか?
それはともかく、今回はターゲットがターゲットだけに、冒険者へのケアも行うつもりの様子。
ちなみに、彼等がいるのは、湿原のなかにあるしかりとした島だ。
互いの状況確認といざという時の治療の為、この場所をベースにバイパー(マムシ)の探索を行うのだ。
「頑張りますね」
「まあ‥‥美食家の考える事は‥‥私にはわかりませんが、依頼は依頼です頑張っていきましょう。私はマムシという蛇を知らないが‥‥とり合えずバイパーで良いのだな?」
ここに詰め、探索メンバーを見送るのは、執事の他にクレリックのサラ・ディアーナ(ea0285)とナイトのソルティナ・スッラ(ea0368)の二人。
白のクレリックであるサラは解毒の魔法を扱えるだけに、いざという時は頼りになる存在だ。
バイパーに噛まれても彼女の元にさえたどり着けば解毒してもらえるだけに、各人の心理的負担はかなり軽減されている。
ソルティナも応急処置などの技術を持っているので、頼りになるだろう。
今は、探索に向かう各人に捕獲したバイパーを入れる籠やズダ袋と、肌の露出を抑える厚手の服をを配っている。
これらはソルティナの要望に応じ、執事が用意したもの。このくらいの装備は確かに必要なところだ。
そして、出発する一同に向け、もう一度頭を下げる執事。
「話しに聞くマムシ酒というのは、マムシを生かしたまま酒につける必要があるとのこと。ですので、皆様方、できうるだけマムシを生かしたまま捕獲していただきますよう、よろしくお願いいたします」
依頼人の要望とあれば仕方ない。
かくして2班(ベース判も含めれば3班)に別れた冒険者たちは、それぞれに探索を開始するのだった。
●それぞれのバイパー探し クリフ、五百蔵、ガフガート班
湿地帯で闇雲に生き物を探したとて、到底見つかるものではない。
湿地というのは本来生き物の宝庫であり、それが故にバイパーなどもエサを見つけうるのだ。
では、狙った獲物を探すにはどうすればいいのか?
そういうときは魔法を使うのがセオリーである。
「さてさて、今回はマムシの生け捕りですか、また随分とあれな依頼ですね。まぁお金のためですし、あ〜だこ〜だ言うつもりは毛頭ありませんけどね」
気晴らしに呟きながらクリフ・バーンスレイ(ea0418)使うのは、ブレスセンサー。実に半径100m以内の『呼吸する者』の数、おおよその大きさ、距離などを探知する魔法だ。
効果は10秒ほどしか持たないが、こういうときには頼りになる魔法だといえる。
今も次々とバイパーと思しき反応を確認し、その居場所をチェックしている。
場所がわかったら、今度は罠だ。
クリフは続いて概ね判別したバイパーの居場所の近くに、猟師の知識を生かして次々と罠を仕掛けてゆく。
生かして捕まえる必要があるため、ロープなどを使った殺傷力の低いものが主だ。
クリフ以外はというと、わなの設置の手伝いと同時に、直接バイパーを捕まえる事にしたらしい。
ジャパンからやってきた志士、五百蔵蛍夜(ea3799)は事前に準備しておいた小型のさすまたを用意し、手短にいたバイパーを捕らえている。
飛び掛られる前に棒きれで首根っこを抑え、首元を抑え口をあけさせ、中に手拭いなりを突っ込んで引っ張り牙をへし折るその手際は中々に見事。
その調子で次々と捕まえている。
それに対して、ドワーフのファイター、ガフガート・スペラニアス(ea1254)は大胆だ。
なんと捕獲は素手、それも捕まえたバイパーは脇に挟んで持っていこうとするという剛毅ぶり。
さすがに脇に挟んで持ち歩くのは周囲に止められたが、それでもファイターの腕前に自信があるのか、素手での捕獲は続けている。
「出来ればミルクが欲しいのぅ。」
かまれたときのことも一応考えているようだが、なんとも大胆だ。
こんな調子で、捕獲は順調に進むのだった。
●それぞれのバイパー探し ニルナ、夜桜、エヴィン班
一方その頃、もう一つの班では‥‥
「‥‥デティクトライフフォースは案外範囲が狭いな」
幾分苦戦の色が見えた。
理由は簡単、探知の魔法の範囲に幅がある所為である。
神聖騎士であるエヴィン・アグリッド(ea3647)の使う探査魔法はデティクトライフフォース。
この周囲の生体反応を調べる魔法は、効果範囲が15mとブレスセンサーよりも狭い。
そのため、どうしても探査能力が落ちてしまうのだ。
その分こちらの班では目や耳、殺気の感知や狩りの知識などに比重が置かれて居る様子。
もっとも、余り深刻そうな様子はない。
「マムシさん、どんな蛇なんでしょうね‥‥ちょっとワクワクします」
微妙に楽しげなニルナ・ヒュッケバイン(ea0907)や
(「取れすぎたら食料にしようかな」)
などと考えている夜桜翠漣(ea1749)、
「せいぜい毒らないように頑張りたいものだ‥‥」
エヴィンも救護班がバックに居る為いい具合にリラックスしているように見える。
こんな調子のこちらの班のメインの捕獲方法はやはり罠。
魔法に頼りきらず、えさを使った罠をバイパーの通り道等を探しその周辺に仕掛けておく。
それまとめているのは、夜桜だ。やはり猟師の知識は伊達ではない。
沼のふちなどを調べ、今もバイパーの巣穴探しに余念が無い。
「噛まれると痛いんでしょうね、注意しなくてはなりません」
ニルナは、今まさに飛びかかってこようとしたバイパーを、コアギュレイトで次々呪縛し自由を奪っていく。
コレならば生かしたまま用意に捕獲できる。いい作戦だ。
そのいっぽう、エヴィンは妙に生きのよいバイパーの頭を小突いておとなしくさせていた。
夜桜の言うマムシを大人しくさせる方法らしい。
そんな調子で、こちらの班の成果も上々。
つつがなくバイパーの捕獲は続けられるのだった。
●そしてマムシ酒作り
夕刻、辺りが暗くなる前に、一同は合流し成果を確かめ合った。
探しにでたそれぞれ班で10匹以上バイパーを捕まえ、待機していた班も手短に居た数匹を捕らえている。
上々の成果といえた。
(仮名)ウォルターもその結果に満足したのか、それぞれに報酬を上乗せを約束、一同はキャメロットへの帰路につくことになる。
そして‥‥
「何!? マムシ酒が出来上がるのに、数ヶ月かかる?」
キャメロットの某所、件の主人は素っ頓狂な声を上げていた。
「作法で御座いまして、まず生きたマムシを水につけて、腹部の中身を全て出させる必要が御座います。この作業はつけた水を好感する際透明になるまで続けるわけで、その後にようやく酒につけるわけですな。その後、マムシの成分が酒に染み出す事を考えますと、その程度の時間を診ていただく必要が御座います」
(「となると、大人しく次の月道の開くのを待ち、本場のものを輸入した方が早かったのではないか?」)
さすがのこの大雑把な主人もそう思い至ったらしい。
なんとも微妙な表情で黙りこくる。
その様子を、執事はその様子を見つめると、額を抑え主人に恵まれぬ境遇を(こっそりと)嘆くのだった。