水不足の村を救え

■ショートシナリオ


担当:まひるしんや

対応レベル:1〜3lv

難易度:やや難

成功報酬:0 G 78 C

参加人数:10人

サポート参加人数:-人

冒険期間:07月31日〜08月07日

リプレイ公開日:2004年08月05日

●オープニング

 ある村で水不足が深刻な事態になっているらしい。
 もともと近くに水源が無く、生活水を井戸水に頼ってきたその村だったのだが、最近天候が不順であった為緯度の水位が下がり始めている様子。
 現状水を節約して何とかしのいでいるものの、これを放置しておくことはできない。
 そこで冒険者諸君には、この村へ送り届ける水の護衛に当たってもらいたい。
 水は数台の馬車に一杯に積まれた樽で運搬される。
 注意すべきは天候不順で水場が心もとない為、モンスターや野生の獣が水を求め襲ってくる可能性が有ることだ。
 さらには、隊商を襲う山賊も近くに現れるという話もある。
 道中は山道もあり路面が不安定な為、水をこぼさないように留意する必要もある。
 ただ水を運ぶだけだが、そこに立ちふさがる困難は思ったよりも多いのだ。
 しかし‥‥
「こまってる村人を助けるのも冒険者の務めってやつだ。やる事はただの護衛だが、人の命もかかってるんだ。気を抜かないでくれよ?」
 とのギルドの親父の言葉も、もっともなもの。
 かくして、冒険者たちは水不足の村への救い主となることを決意するのだった。

●今回の参加者

 ea0292 カナデ・クオン(54歳・♂・レンジャー・人間・ノルマン王国)
 ea0333 フォーリス・スタング(26歳・♂・ウィザード・人間・イギリス王国)
 ea0439 アリオス・エルスリード(35歳・♂・レンジャー・人間・ノルマン王国)
 ea0453 シーヴァス・ラーン(31歳・♂・神聖騎士・人間・イギリス王国)
 ea0749 ルーシェ・アトレリア(27歳・♀・バード・人間・イギリス王国)
 ea1180 クラリッサ・シュフィール(33歳・♀・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea2023 不破 真人(28歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea2698 ラディス・レイオール(25歳・♂・ウィザード・エルフ・イギリス王国)
 ea3117 九重 玉藻(36歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea4449 ロイ・シュナイダー(31歳・♂・ファイター・人間・イギリス王国)

●リプレイ本文

●出かける前に‥‥
 暑い夏の光が照りつけるキャメロットの停車場。
 馬車に乗せられた大量の樽を眺めながら、
「困っている村の方々を助けるのが騎士の務めです。水がないなんてさぞお困りでしょう。がんばらないと‥‥」
 クラリッサ・シュフィール(ea1180)は、向かう先の村人を案じ、意気込んでいた。
 今回の依頼の目的は、水不足になった村へ水を届ける事。
 ナイトのクラリッサとしては、困っている人々を放ってはおけないのだろう。

 今も準備に余念が無い。
「水不足、か。死活問題であるが‥‥日照りになったわけでもないのにそんなことになる場所に住んでいるのはそれなりの理由があるのだろうな」
 同様に樽を見つつ、アリオス・エルスリード(ea0439)はつぶやいた。
 深刻な事態なのは理解できるが、そんな直ぐに水不足になる土地に住み続けることに、少々疑問を感じている様子である。
 だが、多少の問題があるといっても、人は長年住み慣れた土地から離れる事は中々出来ないもの。
 アリオスが思うほどに深い理由は無いのだろう。
 馬車の上では、カナデ・クオン(ea0292)が樽と樽の間に藁を詰め込み、旅の準備に余念が無い。
 道中には山道など険しい道や、路面の悪い箇所があるという情報をえている。

 水の入った樽は蓋付きで、多少のゆれには十分対応できるのだが、念には念を入れるべきだろう。
 フォーリス・スタング(ea0333)も、それを手伝っていた。
 フォーリスの場合は、当初所持する寝袋を樽の間に詰めようとしていたのだが、藁が大量に用意されていた為、そこまでする必要はなかったようだ。
 依頼の後、寝袋を干そうと考えていたが、その必要はなくなった様子。
「自然の脅威とは恐ろしいものですねぇ」
 同様に毛布を詰めようとしていたジャパン出身の忍者、不破真人(ea2023)は、その必要がなくなったため、今は斥候として動く為道中の情報をまとめている。
「えへへっ、自分達のやったことが救いになるならうれしいですね」
 思うのは、水を届けた際の村人の姿。さぞ喜んでくれる事だろう。
 そんな調子で準備を整えながら、冒険者たちは出発の時を待った。

●旅行く道のりは平穏に
 「水はなくなると植物や動物などの生けし生きるものは生きてはいけません、動物やモンスターは水を嗅ぎ付けば文字どおり死に物狂いで来るでしょう。なら、水場を作ってあげますか」
 キャメロットをでて数日。
 旅路はこともなく平穏に進んでいた。
 それは誰あろう、ラディス・レイオール(ea2698)の力によるものが大きかった。
 ラディスは水の精霊魔法を扱うウィザード。そしてその身につけた中には、水を作り出すクリエイトウォーターの魔法もあったのである。
 斥候の一人として馬車から先行したラディスはそのあちこちでクリエイトウォーターをつかい、臨時の水場を作り出していたのだ。
 そのおかげだろう、当初懸念されていた野生動物やモンスターの襲撃は全く行われなかった。
 一応、襲撃が行われてもいいように、シーヴァス・ラーン(ea0453)主導の下、警戒は常に行われていたのだが、いい意味で杞憂となっているようである。

 また、九重玉藻(ea3117)の作った仕掛け(周辺に鈴をつけた糸を張り巡らし、敵が近付いたら糸の鈴が鳴って敵の接近を報せるもの)等があり、冒険者にもやや余裕が出てきた様子。
 夜営の際に談笑したり、シーヴァスが自慢の喉を披露したり、ルーシェ・アトレリア(ea0749)がクラリッサに
「好きな人はいないんですか?」
 と尋ねたり。
 緊張を無理維持するよりも、多少は余裕があった方がいい方向に向かうだろう。
 そういった意味でも、冒険者たちの旅路は順調だった。

 道のりは順調に進み、冒険者一行は村まで残り一日といったところまで進んでいた。
 街道は丁度山地の一番険しい箇所に差し掛かっている。
 流石に山道は路面が不安定であり、積荷の樽も時折大きく揺れる。
 緩衝材として詰め物をしておかなければ、幾つかの樽は破損していたかもしれない。
 事前の準備が上手く行っているようだ。
 ちなみに、今はロイ・シュナイダー(ea4449)が馬車より先行して斥候を勤めている。
 その山地の知識で、そういった箇所に現れるモンスターや山賊などに警戒をしているのだ。
 そして、その知識は一行を見事に助ける事となる。
 そう、山賊が現れたのだ。

●山賊襲撃
 丁度谷あいの道を進んでいる途中、付近の林からそいつらは突然現れた。
「お前たちが運んでる水、こっちに貰おうか」
 そう言いながら、下ひた笑みを浮かべる頭らしき男と、その左右で武器を構えるもの立ち、およそ10人ほど。
 だが、その声を受けても、冒険者たちはたじろがない。
 何故なら、斥候に出ていた者達、特にロイから、身を潜めて襲撃を伺う者たちが居るとの情報を得ていたのだ。
 既に、迎え撃つ準備は万全だ。
「何してやがる、さっさと‥‥」
 苛立ったように再度脅しをかけようとする山賊の頭。
 だが、それを遮って
「はははっ! おいで、エリザベス!」
 高笑いが響くと、突如巨大なかえるが姿を現した。九重の大ガマの術だ。九重はエリザベスと呼んでいるらしい。どうでもいいのだが、微妙なネーミングだ。

 とにかく、その異様さに驚きうろたえる山賊たち。
 さらに上空で巻き起こる爆発。
 フォーリスの威嚇射撃だった。
「済みませんが‥‥この水はある村に届けるものなのです。渡すわけにはいきません」
 だが、山賊もこれが生業(?)だ。そうそう逃げ帰るわけにも行かない。
 恐らく、奪った水を付近の村に高値で売りつけえようという魂胆なのだろう。

 奇声を上げつつ襲い掛かる山賊たち。
 だが、冒険者たち(&エリザベス)は慌てずに対処する。
 シーヴァスとロイが馬車に向かおうとする者を切り倒すと、アリオスの正確な射撃が山賊を貫く。
 ラディスのアイスチャクラムが煌めけば、
「てぇーい! 来るなぁ、来るなぁ」
 不破が不注意な山賊を気絶させる。
 反撃で、山賊も応戦するのだが、カナデに向かった山賊の攻撃はことごとく空を切り、ルーシェに向かった者は眠らされたり、動きを止められたりと散々だ。

 矢を打ちかけてくる山賊も居るのだが、クラリッサが盾と技で受けて見せ、エリザベスと共に襲い掛かった九重は微塵隠れで数人をまとめて吹き飛ばす。
 これでは、ただの山賊に出来ることなどたかが知れている。
 結局、チリヂリになって逃げ出す山賊たち。
 冒険者たちはコレを追わず、旅を再び再開するのだった。
 
●水を届けて、そして‥‥
 村にたどり着いた一行を、村人は大喜びで迎え入れた。
 この村は付近川などがなく、またやや土地が高い為乾燥する傾向にあったのだ。
 その為井戸の水は生命線。その水位が下がって危機感を抱いていたために、冒険者たちが届けた水は大きな助けとなるはずである。
 さらに、クリエイトウォーターを使えるラディスの存在が大きな助けとなっていた。
 村に滞在中水を作り続けた彼。
 おかげでより水不足は解消され、村人から更なる感謝を受けることになる。
 かくして、水不足の村を救った冒険者達。
 その感謝の声を背に、帰路につく足取りはなんとも軽やか。
「うんうん、よかったよかった。あとは雨が降るのを祈るばかりです」
 その声は誰のものだったろう?
 ともかく、その声に応じたのか、
「あ」
 ポツリ、何時しか曇っていた空から雨の雫が落ちてくる。
 この雲行きだと、久々にまとまった雨が降るかもしれない。
 そしてその予想は的中し、まとまった雨が数日続き‥‥村の水不足は見事に解消されたそうである。