Ｗカップチームフォロ（ＶＳササン）
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■ショートシナリオ担当：マレーア１ 対応レベル：フリーｌｖ 難易度：易しい 成功報酬：5 参加人数：10人 サポート参加人数：-人 冒険期間：11月17日〜11月21日 リプレイ公開日：2006年11月24日 |
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●オープニング
●予選最終戦「各地の収穫祭も終わりようやく終わりましてウィルカップも再開できます」
スタジアムを埋める人が集まらねば、出場する選手の士気に関わる。自分の領地に戻っていた領主たちも収穫祭を終えたことで観戦のためにウィルに来ることができる。その状態になるまで試合はできなかった。それ以外にも、主催者の中で重要な位置にあるロッド・グロウリングがある密命を受けて自分の領地の収穫祭はもちろん、首都ウィルにもいられなかったこともある。
「主催者がこういうことを言うのもなんだが」
エーロン王子が口を開いた。
「チームフォロが決勝トーナメントに行けるかどうかですか？」
ロッド・グロウリングが、エーロン王子の心情を察して口に出す。
「まぁ」
「チームセクテがチームリグに勝ち、チームフォロがチームササンに勝てば」
選手の成長と作戦次第では試合は分からない。あながち無理というわけではない。特に冒険者が依頼を受けなければ、本国から不慣れな鎧騎士が呼び寄せられる。サッカーの動きを実際に試合でやったことがない者が相手なら、苦戦はしても勝てる可能性は高い。
「チームが不名誉な行為を行ってしまえば、決勝進出はできませんから」
これは今まで表に出ることのなかったジャッジの頭（審判長）ウィリー卿が発言した。もちろん、試合に関する行為に限られる。試合外において試合に関係しないことなら影響しない。
第三戦の次の日程で行うことが決まった。Ｂリーグの試合順位を入れ換えることになった。
Ａリーグ
第５試合フォロＶＳササン １１／１７−１１／２０
第６試合リグＶＳセクテ １１／２７−１１／３０
Ｂリーグ
第５試合セレＶＳウィエ １１／２２−１１／２５
第６試合トルクＶＳイムン １２／２−１２／５
「そういえば前回の件ですが」
「チーム兼務のことか。なんら問題ない。多くの試合に出れば、それだけ試合も高度になる。観客も楽しめる。もちろん、チーム内で受けいれるかどうかは、チームの問題だ」
●チームフォロ
「１敗１分」
完全にチームフォロは崖っぷちにあった。得失点差までみれば最下位。
「チームフォロに参加する冒険者たちが、やる気を無くさねば良いが」
幸か不幸か、チームセクテがＡリーグ独走しているために、残り３つのチームとも決勝トーナメントに進むチャンスがある。
「カーロン王子、スタジアムにお越しください」
トルク家からフロートシップが到着した。
「空手形と噂されないように決勝トーナメント進出チームに提供されるゴーレムはこのように」
スタジアムには今まで２チーム分のゴーレムを保管整備する施設しかなかったが。そこに４チーム分の施設が追加されている。収穫祭の期間を利用して、急いで造成したようだ。最終的には８チーム分になる予定らしい。
「８チーム全部がここにゴーレムを保管するとなると」
４８体のゴーレムがスタジアムに配置されることになる。戦闘用の武器こそないが、本体だけでも十分な戦力になる。それ以前に奪われたりすれば大変なことだ。
「当面警備はトルク家と王家たるフォロ家で行うことになりますが、決勝トーナメント進出チームに提供された後は、そのチームで行っていただくことになります」
もらったらもらったで管理が増えることになるが、その分練習も気兼ねなくできる。
「チームフォロに参加する選手たち。これが最後の試合になるか、決勝トーナメントに出場できるか。最後まで諦めずに全力を尽くしてほしい」
●今回の参加者
eb4077 伊藤 登志樹（32歳・♂・天界人・人間・天界（地球））eb4139 セオドラフ・ラングルス（33歳・♂・鎧騎士・エルフ・アトランティス）
eb4273 リーナ・カーテローゼ（31歳・♀・天界人・人間・天界（地球））
eb4291 黒畑 緑郎（39歳・♂・天界人・人間・天界（地球））
eb4312 シド・レイズ（38歳・♂・鎧騎士・人間・アトランティス）
eb4322 グレナム・ファルゲン（36歳・♂・鎧騎士・人間・アトランティス）
eb4340 サトル・アルバ（39歳・♂・鎧騎士・パラ・アトランティス）
eb4395 エルシード・カペアドール（34歳・♀・鎧騎士・人間・アトランティス）
eb4854 セナ・ヒューマッハ（46歳・♂・鎧騎士・エルフ・アトランティス）
eb7689 リュドミラ・エルフェンバイン（35歳・♀・鎧騎士・人間・アトランティス）
●リプレイ本文
●戦力集う「伊藤殿と共々、チームイムンから助っ人でござる！」
問答無用の最速の男セナ・ヒューマッハ（eb4854）は伊藤登志樹（eb4077）ととにもチームイムンからチームフオロに手伝いにきた。他にも数カ月なりをひそめていたシド・レイズ（eb4312）や天界からきて初めて依頼を受けるリーナ・カーテローゼ（eb4273）といった者たちを入れて定員上限の１０名を確保した。ルール上は４人いれば試合はできるが、試合中の体力消耗を考えると６名でもつらい。
「人数が少ないのはそれだけで不利」
チームイムンからの二人はそんな戦いを強いられる立場にあった。それでもＢリーグではトルクと並んでトップを占めている。サッカーを実際に見聞、実践している天界人の割合が高いことがこれまでの戦績につながっていたが、そのアドヴァンテージもそろそろなくなる。
「選手が他のチームにでるのも、ウィルカップ全体の技術向上という点から見れば良い事だ」
グレナム・ファルゲン（eb4322）はそう言った。
前回チームリグに参加したエルシード・カペアドール（eb4395）は、クライフターンの練習をしていたから、こちらのチームに伝えることもできる。試合で幾度か見た技よりも、実際に使える人から教えてもらった方が技は会得しやすい。
「カーロン王子！」
カーロン・フオロが姿を現した。
「全員集まっているね。今回勝って、セクテも勝ってくれれば決勝トーナメントが見えてくる」
第一戦からのメンバーはサトル・アルバ（eb4340）とセオドラフ・ラングルス（eb4139）しか参加していない。依頼が重なったのか、それとも見捨てられたのか。
「私の軽率な発言により、殿下にあらぬ嫌疑がかかったこと、深く、深くお詫び申し上げます」
セオドラフが謝罪を口にした。
「必要以上に気にすることはない。気にするよりも試合に集中してくれ。試合で公明正大であれば誰も文句は言えないはずだ。相手チームは応援団を結成しているらしい。応援の有無で試合は大きく影響するようだから」
「それはまずいですね。そうでなくとも」
今回チーム監督に抜擢されたリーナ・カーテローゼは、メンタル的な部分が影響することを知っていた。そしてこのチームで一番問題になりそうなのは連携だと考えていたのに。
「だったらこちらでも応援団を作ればいいだけだ」
黒畑緑郎（eb4291）は言うだけ言ってみた。
「練習を公開して、サポーターを募るというのはどうでしょう」
リュドミラ・エルフェンバイン（eb7689）が提案した。サトル・アルバが依頼で行った先でウィルカップの参加者だと聞いて歓迎された話をしていた。
「秘密作戦に当たり障りのない練習であれば、適度な緊張感もありますから」
ウィルの空き地を使用しての練習時間が取られた。
「クライフターンはこうやって」
エルシードも前回、覚えたばかりのもの、教えることで自分への理解力を高める。
「これでよし」
グレナム・ファルゲンはチーム全員の健康面でのことを考えていた。第一戦はチームフオロの方がチームリグよりも有利だったが、暑さに負けた。試合までそして試合中の健康を管理できないと試合での実力を発揮できない。グレナム自身もトルクではキーパーだったが、今回はフォワード。キーパーの感覚でボールを手で奪ったりしてしまうとまずい。
公開練習中に、応援団を結成させるべく行動を始める。
健全な娯楽の少ないウィルでは、ウィルカップの人気は高い。チームフオロをエーガン王自らが率いたならば、誰も応じなかったかも知れなかったが、カーロン王子はその点、庶民にも人気があった。
もっとも、今までどちらかを応援していたものをより一方に傾いただけ。天界の過激なサポーターを知っているだけに天界人たちが別の意味で安心した。
「あの様子なら破壊活動までは発展しないだろう」
サッカーに熱が入り過ぎたあまり、暴動に発展するような事態になっては大変なことになる。火種はあちこちにあるのだから。
●前半戦
「スタジアム中が敵に回った感じがする」
緑郎は、観客席の熱狂を苦々しく感じた。選手入場はフオロの方が先だったが、後から入場してきたチームササンを迎える観客席の一部から、手拍子と足拍子が始まり、それがスタジアム全体に広がっていった。
「確かにな」
登志樹もこのロック調の音楽は、アトランティスにはないものだと思った。こっちには金管楽器すらない。初期的な木管楽器と弦楽器ぐらいだ。そんな世界にロックがあるわけがない。チームササンに参加している天界人の入れ知恵だろう。
「クイーンの『We Will Rock you』だ」
リーナは曲名を言った。そのとおりの曲を歌いながらチームササンご一行様が入場してきた。
「実力で覆してやればいい。観客なんて強い方に味方するものだ」
セナは自慢の速度で、観客を味方にできると確信していた。
「先に得点すれば」
「キーパーはまかせる！」
グレナムはチームトルクではキーパーとして名を馳せているが、今回の試合は登志樹に任せてフォワードに入る。ストーンに搭乗した登志樹はゴール前で頷く。練習の時に登志樹には前回チームトルクでやった敵のシュートの狙いを狭くする守備を伝授した。
「心理的なことだが、有効なはずだ」
「タイミングが重要だな」
登志樹も即座に意味するところを理解した。
「シュートする寸前だ。僅かに前なら逆を取られる」
「遅すぎれば、意味はない」
天界人同士理解できる。
その上でグレナムは前にでる。初めてのフォワード。練習は十分に積んだつもりだが、不安は残る。サトルもアイアンでフォワード。こちらは前半で体力を使い切るつもりで張り切っている。チームリグやチームセクテで経験を積んだエルシードとともにフォワード３人体制。ディフェンスにはバガン搭乗の緑郎とウッドのセオドラフが控えている。セオドラフは前回の失策を挽回したいところ。相手のフォワードを完全にマークできるかが勝負だろう。
「今回は相手のチームササンも、本来のチームメンバー以外が多い」
混成チームの特殊性か、ある意味オールスターのような気もする。
「動きの良いウッドがいるな」
試合が始まれば、動きの違いは分かる。セオドラフは徹底したマークに入る。
ササン側はディフェンスに３体を回して防御。、しかもフォワードの１体は自陣よりにいて、場合によってはディフェンスの応援に回りそうな感じだ。
「前半でガンガン行こう」
リーナが声をかける。防御に回って勝てるはずはない。点を取らなければ勝てないのだから。
「サッカーを熟知している天界人とアトランティス人の差はかなり埋まっているはず」
熟練度の高い鎧騎士なら、多少の技術の差はスピードで補えるはず。後半の交代要員がいるなら思い切った攻めもできる。
サトルが最初から全力で攻め上がる。アイアンの能力を生かして、ササンのディフェンスを切り崩しにかかる。それでもディフェンスに阻まれると、無理をせずにエルシードにパスを回す。エルシードが聞いてきたマルセイユルーレットという技は、天界ではジダンとかいう名選手の技らしい。成功すれば見栄えも良くドリブル速度も落ちずに突破できるようだが、試合で成功させるにはまだまだ練習不足。試みて失敗して奪われるのは目に見えている。それよりは連携で乗り切る方が良い。
エルシードは前回の試合でレオンに教わったクライフターンはどうにかできるようになっていた。ササン側も前回対リグ戦で経験しているため、心構えはある程度できていた。ただし、エルシードのスピードがササンのディフェンスを上回ったためどうにかディフェンスが一人なら突破できたが、二人となると。
「グレナム！」
無理はせずにパスを出す。
ディフェンスが突破されそうと見るとササン側はフォワードを１体下げて、４体防御体制に移行する。突破して僅かに進んでも、その先で再びゴーレムが立ち塞がる。ドリブルで上がっていくよりも、何も無い方が早い。
「もっとボールを回せ！」
キーパーの登志樹から声が飛ぶ。
ディフェンスは余裕がありすぎるほど。しかし、ディフェンスまであがれば１体残っているササンのフォワードがフオロのゴールに襲いかかるだろう。１体でもその影響は大きい。
速攻で攻め込むが、防御が厚い。肩同士がぶつかる。ボールを同時に蹴る。ぶつかって転倒する。徐々にあたりが強くなってくる。
「ヒートアップするな」
グレナムが、フォワード全員に声をかける。反則などとられるわけにはいかない。
「そろそろ時間か？」
登志樹の策で、前半と後半の終了間際の５分にある作戦を仕掛ける予定であった。
ボールをキープしたグレナムが、サトルを見る。センターフォワードのサトルは、ペナルティエリアの外に位置している。相手ディフェンスはペナルティエリアを完全にガード。ゴーレムの体格では、この空間はせまく感じる。天界では１１人で行うサッカーもアトランティスでは６体のゴーレム。しかし、ゴーレムそのものが大きいから、１１体ならボールを蹴る前に相手のゴーレムを蹴っているところだろう。
エルシードも、サトルの方を見る。
グレナムがサトルにパスを出す。しかし、それを読んでいたようにサトルについていたササンのアイアンがパスをカット。
そのままドリブルで上がる。ディフェンスのセオドラフは、相手のウッドのフォワードをマークしている。攻撃一方で暇を持て余して緑郎が張り切って向かっていく。
「このまま終わったらいいところなしだ」
ディフェンスやキーパーが暇な方がチームにとっては良いはずだが、見せ場がないのでは。まずは足止め、味方のフォワードの駿足なら、こちらが足止めしている間に回り込めるはずだ。
「逆にカウンターをしかけてやる」
前半終了間際とあって、ササンのフォワードの全力で突っ込んでくる。
「セオドラフ、そっちのウッドは任せる」
セオドラフが完全にマークしていれば、敵が戦術を展開する幅は狭まる。緑郎が接触する直前にボールが一瞬消えた。
「？」
その間にアイアンは、緑郎のバガンを通り過ぎる。
「ヒールリフトか」
緑郎が慌てておいかける。
「相手は天界人か」
味方のフォワードに守備位置を指示する。セオドラフも相手のマークからゴールの守備に回る。
「あの後方からくるウッドは加藤？ 誰かマークしろ」
登志樹が指示を出す。オーバーヘッドシュートを警戒する。
どうにか。サトルが相手のアイアンにおいついた。
「あの位置からパスか、シュートか」
ペナルティエリアの外。しかしアイアンのシュート力なら十分な威力をもったまま、飛んでくる。
２体のウッドも合わせるように、上がってくる。
「とれればカウンターだ」
「クリアを優先して。時間がない」
リーナの声が聞こえる。
確かに時間はない。しかしエルシードとグレナムは、まだ攻撃可能位置にいる。
「シュートか。こいつアリルか」
フオロゴール前の攻防がすべてチームイムンの３人。
「こい、銀眼。お前のシュートを見切ってやる」
登志樹が前に飛び出す。アイアンがシュートを放った。ボールは登志樹の頭上を越える。登志樹はストーンでジャンプ。かろうじて手先が当たって軌道を変える。
そこにマークをはずれたウッドが突っ込んでくる。セオドラフがクリアに走る。ウッドはノントラップで逆サイドに蹴りだす。
緑郎がおいつく直前に、加藤のウッドが飛び上がってヘディングシュート。
登志樹が飛び込んでゴール前を身体で防御するが。僅かにとどかない。
「ゴール！」
●後半
インターバルで十分ブドウ糖を頭に補給した。スタジアムではササン側の応援が続いている。
リーナがサトルに代わって後半アイアンでフォワード。実際にゴーレムに乗った経験こそ浅いが、サッカーの実戦は長いはずだ。シドがセオドラフに代わる。リュドミラが緑郎に代わる。セナがグレナムに代わる。
「まだまだ１点差。後半は相手を引きずり出して防御を薄くさせよう」
シドが声をかける。
「こっちの方が速い。相手の防御を前に出してしまえば、おいつけないはずだ」
一旦ドリブルのスピードに乗ってしまえば。
後半はセンターライン上の攻防となった。互いのチームのフォワードとディフェンスまでも入り乱れての乱戦模様となる。フェイントで突破するたびに、スタジアム全体から両チームに対して歓声が巻き起こる。
「このまま時間を無駄にはできない」
リュドミラがパスカットしたボールで、セナが強引に突破を図る。
「最速伝説を作ってやる！」
ドリブルで駆け上がる。リーナの指導を受けて前回よりもドリブル技術は上がっている。蹴る間隔を延ばしてボールにかろうじて追いつける速度にまで加速。
「あまり先に蹴るな」
登志樹が怒鳴る。ササンのディフェンスにボールをカットされる。
「クリアされる前に奪い返せば良い」
リーナのアイアンがスラタデングタックルでボールを奪え返し、そのままロングシュート。
しかし、ササンのキーパーに阻まれる。逆にキーパーからのキックでボールはセンターラインを越えてフオロ側に。
ササンのフォワードがウッドの駿足で、フオロのゴールに迫る。同じウッドのシドがインターセプト。
「ティラ卿、簡単には通さない」
ゴーレム自体の技能はほぼ同じでも、サッカーの経験の差は大きい。
「何？」
ウッドは無理せずにパスを回す、アイアンがパスを受け取って別のウッドにボールを回す。
シドは、そのままティラ卿のウッドをマークし続ける。
しかし、もう一方のウッドからのパスは再びゴール前に走り込んだアイアンに。そして低弾道のシュート。
「正面からだと。なめるな」
登志樹が正面からボールを受ける。しかし、勢いを殺せずにボールを弾いた。
シドのマークを振り払うようにして、ウッドが突進してくる。
リュドミラのウッドもカヴァーにはいる。３体のゴーレムでゴール前で激突。反則は取られない。ボールはまだ生きている。登志樹も飛び出してセービングしようとしたところに、もう１体のウッドが飛び込んでくる。フォワードのセナもゴールの危機に戻ってきてフオロゴール前での混戦。
「登志樹、ゴールに戻れ、こぼれ球がゴールに入る危険もある」
リーナがアイアンを戻しながら、叫ぶ。
しかし、混戦状態から転がり出たボールが惰性でフオロゴールの方に転がっていく。
「登志樹、急げ！」
「言われないでも！ うわっ！」
しかしその背後から混戦から抜け出たササンのアイアンが登志樹がセーブする寸前にボールをゴールに、自分の身体ごと登志樹のストーンもろともに、ゴールに押し込む。２体のゴーレムがゴールネットに引っかかって弱々しくもがく。
そしてゲーム終了。
「良くやった。来年頑張ればいい。他のチームとして他の試合に出る者たちも頑張ってほしい」
カーロン王子が、全員を励ますようにいった。チームはともかく、選手にはまだ決勝に出るチャンスがある。
