輝け!第一回ゴーレムチャリオットレースE

■ショートシナリオ


担当:マレーア1

対応レベル:8〜14lv

難易度:普通

成功報酬:4 G 15 C

参加人数:10人

サポート参加人数:2人

冒険期間:03月12日〜03月17日

リプレイ公開日:2006年03月19日

●オープニング

●ゴーレムチャリオットレース第一回ルール
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
          *** 告 ***

 この度、偉大なるウィルの大王、輝ける精霊の護り手にして敬愛する我等の盟主、エーガン・フォロ王陛下の深遠なる配慮により、ウィルの栄えある騎士達のより一層の熟達、士気高揚を目的とした、ゴーレムチャリオットによる一大レースを開催するものである。
 以下は、その基本的なルールである。

1.このレースは、偉大なるウィルの大王、エーガン・フォロ王陛下が開催するものであり、ウィルの栄えある騎士達のゴーレム兵器への熟達と、士気高揚を目的としたものである。故に参加者は、ウィルの鎧騎士であれば誰でも参加する事が出来る。

2.この度の競技は、ゴーレムチャリオットによる『戦線突破』である。
 競技場を一周する間に、如何に速く、如何に多数の敵を撃破するか、という武功を競う。

3.各チーム、チャレンジは2回。その合計得点で優勝を決定する。
 得点は、タイムレコードによるものと、ターゲット撃破数、それぞれに算出する。
 1位は100点、それ以下は10点づつ得点が下がり、最下位はマイナス50点、ブービーは0点とする。
 第一走と第二走、その合計得点で優勝チームを決する(最高得点は400点満点)。
 同点の場合は決勝戦を行う。この搭乗者は次の禁止事項を免除する。

4.乗員は、操手1名、後部座席4名までとする。但し、第一走と第二走における同一人物の搭乗を禁ずる。

5.使用する武器は、天界人が持ち込んだ特殊な物を禁止とし、それ以外の武器であれば何を使用しても構わない。

6.各チームは、メンバーの募集を開催の二週間前より行い、一週間前にはメンバー表を大会運営本部に提出しなければならない。登録可能なメンバーは1チーム、最低6名、最大10名までとする。

7.参加者は、チーム合計で10Gの参加費を支払い、競技当日に所持する物の中から一点、主催者が任意に選択するアイテムを供託しなければならない。

8.優勝チームは偉大なる陛下の名の元に、偉大なる栄誉と、素晴らしい褒賞を手にする事が出来る。又、供託アイテムは返還される。
 尚、最低の記録を残したチームは偉大なる陛下の名の元に、不名誉と、懲罰を公衆の面前で与えられるであろう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●おさるさんチーム(仮)
 集合場所に指定された館へ集う鎧騎士達。その前に、一人の初老のエルフが姿を現した。
「よくぞ、この栄えあるセレ分国公爵チームに参加してくれました。私がチームディレクターを担当するアレックス・ウッズ男爵です」
 穏やかな表情で一同を見渡し、静かに頷く。
「諸君には、陛下の為にも是非優勝を狙って貰いたい。それがひいては諸君の栄誉となります」
 一人一人、簡単な自己紹介を行う。そして一通りそれが終わると、男爵はそれまでのスケジュールを説明した。
「先ずは諸君の技量を見せて貰う事になります。その上、作戦を考えましょう。今回のレースはチームを二つに分けて参加するのはお判りで? チーム編成は各自の得手不得手を生かした物になるでしょう。当日までは互いに技量を高め合い、策を練って貰いたい。それと、チーム名の事ですが、私としては仮の『おさるさん』チームでも構わないのですが、やはり集ったメンバーで考え、より我々のチームらしい名前を考えて貰いたい」
 話が一段落すると、男爵は手を挙げ合図を送る。すると数名の侍女が現れ、皆に杯を配って回った。杯にはワインが。男爵は恭しく杯を掲げた。
「一丸となって優勝しましょう。共に栄誉を」
「「「共に栄誉を!」」」
 男爵はゆっくりと杯を空け、それが空である事を皆に示す。互いに空けた杯を見せ合い、微笑みあった。

●登録審査 某日
 よく晴れた日。
 土が剥き出しの競技場に大勢の鎧騎士が集まっていた。

 派手な土煙を立て、横転するゴーレムチャリオット。
「誰だ、今のは!?」
「急げ!!」
「救護班!!」
 大会運営本部の係員達が次々と飛び出し、横転したゴーレムチャリオットの下から怪我人を引きずり出す。
 待機所では各チームの参加登録待ちの鎧騎士達が、その光景を見てどよめいた。

 競技場のトラック脇では厳しい顔の係員が、某チームディレクターに詰め寄った。
「まともに操縦の出来ない者を、登録するとはどういうお考えですか?」
 提出された競技者のリストから、憮然とした表情でたった今、事故を引き起こした者の名を削除する。羊皮紙に書かれた名前が、みなの見ている前で塗りつぶされるのだ。
「再登録の受付は致しますが、登録料は再度払って戴きます。また、登録試験は再度全員で行います。いいですね。一人も欠けた場合、その方が前回の試験で技量を認められた方でも失格として登録は受付ませんから、その点をご注意願いますよ」
 この登録料も決して安くない。スポンサーである各家から支給されるのだが、仕える身としてはなはだ不名誉な事。再登録するかどうか悩ましいところだ。
 ゴーレム機器を操縦出来ない者が紛れ込んでしまった場合、それだけでチーム全体が不利となる。個々の乗れる、の基準に差異があり過ぎる場合、この様な事になるのであろうか。

 片や、既に試験を終えたチームは、登録手続きをその場で済ませてゆく。
 呼ばれた名前の者は、一歩前に出る。すると、係員が小さな器具を手に前に進み出、パシャリと音を発する。
「ふむ、これは何をなさっておいでなのかな?」
「はい、騎士殿。これは不正防止の為に天界人のアイテムを使わせて戴いております。でじかめ、とか申すもので、姿形を記録する事が出来るのです」
「成る程、念の入った事ですな。感心、感心」
 うむうむと頷く騎士達は胸を張り、次々にこの栄誉を受けた。騎士としてレースに参加するに値する技量有りと認められた訳だ。それだけで、各家にとって誉れ高い事である。

●偉大なるウィルの大王、エーガン・フォロ王陛下
 いよいよレース当日である。
 華やかなオープニングセレモニー。
 チーム名とスポンサーである家の家紋が入ったプラカードを持ち、派手な衣装に身を包んだバニーガール達に先導され、勇敢なるウィルの鎧騎士達が華やかな行進を行う。
 観客席からは花が舞い、貴婦人達は思い思いの騎士へスカーフを渡そうと黄色い歓声をあげて手を振る。
 そして、いよいよ主賓席に偉大なるウィルの大王、エーガン・フォロ王陛下がその高貴な姿を見せると、会場は割れんばかりの歓声と拍手に包まれた。開会の宣言を前に、会場は既に熱気の坩堝と化していた。

「どうなされたのですか?」
 マリーネは問う。
 群衆は歓呼の声を上げてエーガン王を迎えている。
「あの群衆を大別すると3つになる。第一は忠実な余の臣下達だ。第二は、皆がそうするから自分もそうする迎合派だ‥‥」
 エーガンは厳めしい顔で黙り込んだ。
「陛下‥‥。最後のお一つは?」
 マリーネにしか聞こえぬほどの小声ながら、憎しみを込めて王は断じる。
「第三は、如何に表面を取り繕っておろうと、その内実は‥‥紛れもない謀反人。余の命を狙う奴輩だ」
 王は、怜悧な醒めた目で群集を眺め、孤独の寂寥(せきりょう)を寵妃にのみ漏らしたのだ。

●今回の参加者

 ea4944 ラックス・キール(39歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 eb4041 エンヴィ・バライエント(34歳・♂・鎧騎士・人間・アトランティス)
 eb4205 鈴見 円(37歳・♀・天界人・人間・天界(地球))
 eb4209 ディーナ・ヘイワード(25歳・♀・鎧騎士・エルフ・アトランティス)
 eb4368 験持 鋼斗(26歳・♂・天界人・人間・天界(地球))
 eb4392 リュード・フロウ(37歳・♂・鎧騎士・人間・アトランティス)
 eb4395 エルシード・カペアドール(34歳・♀・鎧騎士・人間・アトランティス)
 eb4501 リーン・エグザンティア(34歳・♀・鎧騎士・人間・アトランティス)
 eb4532 フラガ・ラック(38歳・♂・鎧騎士・人間・アトランティス)
 eb4703 アリア・レイアロー(27歳・♀・天界人・人間・天界(地球))

●サポート参加者

セーツィナ・サラソォーンジュ(ea0105)/ エルミーシャ・メリル(ea5998

●リプレイ本文

●四走目
「さあ、第三走【月下の黒猫】の好走に盛り上がって参りました! 第四走はセレ分国公爵チーム【ブルーゲイル】! 第一操者はエルフの鎧騎士ディーナ・ヘイワード(eb4209)卿です! 朗らかな笑顔です! 今、大きく手を振って、操手席へ着きました! さて、右前方を担当しますのは、地球からの天界人、鈴見円(eb4205)卿です! 彼女の得物もダーツです! 先程、フェリーナ卿と唐沢卿が見せたパフォーマンスにどれだけ対抗出来るでありましょうか!? 左前方に着くのは鎧騎士のフラガ・ラック(eb4532)卿です! スピアを片手に乗り込みます! 次に右後方へ乗り込むのは地球からの鎧騎士アリア・レイアロー(eb4703)卿です! ミドルボウを持つという事は、右は飛び道具で統一してインコース狙いという事でしょうか!? 左後方に立つ鎧騎士エルシード・カペアドール(eb4395)卿もロングスピアです! これはもう間違い無いでしょう! 応えています! この大声援にそれぞれの得物を手に、大きく応えています!」
「セレ分国はエルフの国と聞いておりましたが、意外と人間の方も多い様ですね」
「必ずしもエルフ族だけが領主領民である訳では無いので御座る。中には巨人族やナーガ族の村もあるで御座る。また気質にもよるで御座ろう。この様な華やかな場で技量を競おうと望む者が、人族には多いとも考えられるで御座る」
「ディアーナ様のように、人前で演奏される事が楽しいという方も、大勢いらっしゃる訳ですな」
「まあ。セレモニーや応援をされている方々も、ご自分を表現される事に長けてらっしゃるのですね。私などには、とてもあの様な‥‥際どい衣装を着る自身がありません‥‥」
「きっとお似合いで御座るよ。あの様な手足を剥き出しの衣装には訳があるで御座る。それは‥‥」
「おおっと! いよいよです! ブルーゲイル! 今、恭しく偉大なるウィルの大王、エーガン・フォロ王陛下に一礼します! そして、貴賓席よりセレ分国公爵名代でもあるアレックス・ウッズ男爵です! 手を挙げて応えております! 注目が集まる中、さぁスタートです! ゆっくりとスタートしました! やはりインコース! 左右にあるターゲットを、円卿がダーツを投げる! 当ったぁっ! お見事です! そしてすれ違いにフラガ卿も一閃です! 声援が沸き起こります! ディーナ卿が何やら叫んでいる! さて、コーナーに差し掛かりました! 安定した走行です! インを行きます! 右コーナー沿いのターゲットを、円卿が狙ったぁ! 当った! そして、左にあるターゲットを、フラガ卿一閃! あっと! 右奥のターゲットに、今回初めて当った! 当りました! マリア卿が一矢当てた〜っ!」
「コーナーで安定しているで御座る!」
「ここまでパーフェクトですね!」
「さて、第二コーナーは左に二体、右奥に二体と点在しているぞ! おっと、フラガ卿が一体撃破! 円卿も〜当てた〜っ! さて、続けてマリア卿も射ったぁっ! フラガ卿が更にもう一体を! パーフェクトです! ここまでは! さあ! 直線に抜けるぞ! あっと!? 速度が落ちた! 直線で速度が落ちた!」
「体力の問題で御座る! パワーが持続しないのは体力が無いからで御座るよ!」
「さぁ、直線の最初に待ち受けているのは、右手のチャージポイントだ! 10体がずらっと並んでいるぞ! 右手に奥には2体が点在している! あっと! 捨てた! 捨てるしかない! 騎士のランスチャージの為の直線を、まだどのチームも成功させて無いぞ! 円卿! マリア卿! 共に一体づつだ! 残念! 配置を間違えたか!? 直線も半分! 速度が乗らない! 速度が乗らない! 左手に1体! その向こうには左右に三体づつ横一列だ! そして高台には、カーブの中心には4体が固まっているぞ! どうするディーナ卿! インだ! 左狙いだ! フラガ卿! 手前の一体を撃破! あっと、円卿! 落とした! ダーツを落とした〜っ! それでもマリア卿が射る! 射った! フラガ卿! エルシード卿! 構える! あっといっぺんに二体だ! 二人して一体づつ撃破だ! そして、第三カーブに差し掛かるぞ〜っ!」
「魔の第三カーブですね!?」
「そうで御座る! ここから第四カーブへ無事に抜けられるかが注目で御座る!」
「人形の配置も第三第四と左右対称のカーブ、入り口と出口に左へ一体づつ! そして右には間隔を置いてそれぞれ三体が設置されている! さあ! インだ! やはりインだ! コーナーリングは、滑らかだ! 滑る様に突入だ! フラガ卿が一閃! お見事! そして、円卿が投げた! 当った! マリア卿も弓を引き絞り〜っ放ったぁ〜っ! 外さない! 外さない! そしてこれまた見事なコーナーリングだ! カーブの魔術使だ! カーブの魔術師がここにいるぞ! 円卿が投げた! 当った! そしてマリア卿も〜外さない〜っ! カーブ出口でフラガ卿も確実! 当ててゆく〜! さぁ直線だ! 直線に抜けるぞ! ディーナ卿は速度が落ちない! 最後の直線、速度が落ちない! 目前に最後の防御壁が迫るぞ! 5掛ける2! 5掛ける2体の防御壁だ! どうする!? さあどうする!? 蹂躙だ! やはり中央突破だ! 突破した〜っ!! 一体残さず叩き伏せた! 全員で叩き伏せた〜!! そのままゴール!! ゴールです!! ブルーゲイル!! 見事な機体コントロール!! カーブの魔術使です!! カーブの魔術使が現れました〜っ!!」
「カーブの魔術使ディーナ卿ですね!?」
「最後の直線を除き、直線の伸びが悪かったのが惜しかったで御座る! が、それにも増して見事な機体コントロールで御座った!」
「ランスチャージを誰もしないのは作戦なんですね!?」
「拍手と歓声が五人を迎え入れます! ものすごい拍手です! 誉れ高きウィルの騎士達です!!」

●中間報告
タイム順位
1位 70.0秒 レッドスフィンクス
2位 77.4秒 月下の黒猫
3位 80.6秒 ブルーゲイル
4位 84.3秒 ゴートメンバーズ
5位 100.8秒 チームF
6位 103.2秒 フォレストラビット

撃破数順(50体中)
1位 43体 チームF
2位 38体 レッドスフィンクス
3位 32体 フォレストラビット
4位 31体 ブルーゲイル
5位 29体 月下の黒猫
6位 11体 ゴートメンバーズ

●第十走
「さあ、いよいよ【ブルーゲイル】の第二走目です! 現在、総合1位の【レッドスフィンクス】を追い越すチャンスはまだまだあります! タイムで2位、得点で1位を狙えば優勝はまだ充分にその圏内にあるブルーゲイル! いま、第二操者が姿を現しました! お聞き下さいこの声援! 鎧騎士のエンヴィ・バライエント(eb4041)卿です! 大手を振っての搭乗です! 続いて右前方に立つ鎧騎士、リュード・フロウ(eb4392)卿の搭乗です! 得物はご覧の通り、ロングスピアです! 今度はチャージングが見れるでしょうか!? さあ! 左前方に立つのは同じくロングスピアを持つ鎧騎士のリーン・エグザンティア(eb4501)卿です! 安定した配置です! 前方には接近戦、後方にはその支援を行える飛び道具や魔術! そう! 右後方にはロングボウを持つ天界よりの勇者! ラックス・キール(ea4944)卿の搭乗です! 既にオーラエリヴェイションにより、ほのかに闘気が立ち昇るかの様です! さあ最後に、地球からの天界人! 験持鋼斗(eb4368)卿が姿を現しました! 目標は36体撃破! 使うはライトニングサンダーボルトです! 危険です! 場合によっては観客席まで貫通する場合があります!」
「特に高い位置に配置されたターゲットは、そのまま貫通すれば貴賓席を直撃する危険性があるで御座る。まぁ、陛下に向けて攻撃魔術を飛ばす者は、この国には居らぬで御座るがあえて断っておくで御座るよ」
「係りの方は大丈夫なのでしょうか? それを考えて剣持様は内側に着かれたのでしょうが、樽や木の柵では防ぐ事が出来ない筈です! Y卿、Z卿、係りの方を石や盛り土の影に隠れる様にお伝え下さいまし!」
「お聞きの通りで御座る! 樽や木の柵では意味が無いで御座る! 係りの者は、石や盛り土の影に隠れるで御座るよ! いやぁ、ディアーナ様がいらして本当に助かったで御座る。危うく怪我人を大勢出すところで御座った」
「矢なら文字通り弓なりに落下するターゲットも、貫通する攻撃魔法ではより気を遣わねばならないという事です! さあ、鋼斗卿! その辺りの心がまえは大丈夫か!? 貴賓席の高貴なる身分の方々も、この走行ばかりは念の為に石の影にお隠れ下さいませ!」
「この競技場は、競技者には、コーナーの反対側が判り難い様に、内側に盛り土がしてあるで御座る。これは咄嗟の判断力を試す為でもあるので御座るが、周囲の貴賓席や観客席からは良く見える様に建造されているで御座る」

「さあ、各ポジションからOKのサインが上がった! いよいよ競技が再開されます! 今、恭しく偉大なるウィルの大王、エーガン・フォロ王陛下に一礼します! そして、貴賓席よりセレ分国公爵名代でもあるアレックス・ウッズ男爵です! 注目が集まる中、さぁスタートです! スタートしましたエンヴィ卿! 立ち上がりは良いぞ! 立ち上がりの加速は充分だ! するすると最初のターゲットの横を! リーン卿、撃破! スピア一閃です! さあ、そして右のターゲットも〜っラックス卿が射抜く〜っ! そしてカーブに差し掛かるぞ! エンヴィ卿の掛け声に機体が傾く! 傾いた上で、ラックス卿が正面を、射抜いた〜! ゆっくりだ! ゆっくりだ! エンヴィ卿はゆっくりカーブを行く! 左のカーブ沿いの人形を〜、突いた! リーン卿が突いた! さあ、そして! 出たぁ〜っ!! 電光が! 鋼斗卿の放つ電光が、観客席下にあるターゲットを貫通! 土に当って掻き消える〜っ! 何て派手なんだ! 凄い音と光だ! 観客は総立ちだ! 観客は総立ちだ! ラックス卿は安定した速度! 左のコーナー沿い間隔を置いた2体! 右奥、観客席下の間隔を置いた2体! どっちも狙えるぞ! ラックス卿が射った! リーン卿が突くぞ! そして鋼斗卿が、また放ったぁ〜っ!!! 電光です! 電光です! リーン卿が更にもう一体撃破〜っ! さあ直線だ! さあ直線だ! 右にチャージングゾーン! 十体がずらっと並ぶ! 左手の中腹には間隔を置いて二体! アウトに膨らむ! エンヴィ卿、やはりここはああっと!? チャージはしないぞ! チャージはしないぞ! リュード卿が大きく振りかぶり! おおっとここでラックス卿が! まさか! まさか! 出た〜っ!! 三本同時だ! 三本同時に射ったぞ! ここにも居た! ここにも弓の名手が居たぞ! リュード卿、一閃! 鋼斗卿、振り向いて放ったぁ〜っ! あああっと!!? リュード卿、槍を誤った! 槍を誤って自分を打った! ファンブルか!? ファンブルか!? リーン卿と鋼斗卿が助け起こす! 助け起こす! さあ直線も半ば! リュード卿も構え治す! コースの真ん中を行くぞ! コースの真ん中を行くぞ! 先ずはリーン卿が一閃だ! 左の一体を撃破だ! これは狙っているぞ! これは左右全部落とすぞ! 左右三体ずつ横並びだ! 期待通りか!? 期待通りだ! ラックス卿が構えるぞ! 放った! 放った! 三本いっぺんに放った! 命中だ! 命中だ! そして、すれ違い様に〜っ! 放った! 電光だ! 三体いっぺん電光で串刺しだぁ〜っ!」
「上手いです! 鋼斗卿は高速詠唱をなさってますわ!」
「エンヴィ卿はカーブに入る時に掛け声を掛けて御座るな。だが、地上での車体の操作に苦労されているで御座るよ!」
「さあカーブに入った! 速度ががくんと下がるぞ! リーン卿、一閃だ! リュード卿の穂先は届かないぞ! さぁ! 鋼斗卿がかがむぞ! その頭の上を、ラックス卿が狙っている! カーブの中心を狙っているぞ! 射った! 射った! 三本だ! 三体撃破だ! うわっ!? 電光だ! 鋼斗卿の電光に歓声が止んだ! ぴたりと止んだ! どうした!? ラックスがまた狙うぞ! 残った一体を、射った〜! うわわわっ!? 即座にまた電光だ! 迫力です! リーン卿も一体撃破〜っ! さぁ、直線だ! 最後の直線だ! エンヴィ卿の気合が響くぞ! 速度が伸びない! 最後に速度が伸びない! だが、そのまま突っ込む! 5掛ける2の! 5掛ける2の! 合計10体の防御壁に! 突っ込んだ〜!! そのままゴールです!! 蹂躙です!! 蹂躙です!! 突きぬけ様に、残りをラックス卿と鋼斗卿が撃破だ!! 鋼斗卿!! なかなか撃てない!! 木の柵や樽、扉!! 人形の後ろにそれがあると、なかなか撃てないか!!?」
「天晴れで御座る!! 天晴れで御座るよ!!」
「ですが、これなら撃破数では1位ですよ! タイムは微妙ですが、撃破数ならトップに立ちますわ!」

●結果発表
「さあっ! 結果発表です!!」
「今回は、タイムで同率3位が2チーム発生したで御座る。故に、3位と4位のポイントを分割したで御座るよ」
「決勝戦をするかどうか、皆様で少しもめたのですが、賢明なる陛下が単独の3位と同率の3位を同じく扱うべきでないとのお言葉です」
「よって、優勝は!」
「レッドスフィンクスで決定で御座る! しかし、賢明なる陛下はこの度だけ準優勝であるブルーゲイルにも栄誉を授けよとのお言葉で御座る! よって供託品は返還されるので御座る!」

合計タイム
1位 149.3秒 レッドスフィンクス
2位 159.8秒 チームF
3位 167.7秒 月下の黒猫
3位 167.7秒 ブルーゲイル
5位 169.3秒 ゴートメンバーズ
6位 206.5秒 フォレストラビット

合計撃破数
1位 70体 ブルーゲイル
2位 66体 フォレストラビット
3位 64体 レッドスフィンクス
4位 56体 月下の黒猫
5位 49体 チームF
6位 30体 ゴートメンバーズ

総合
1位 180点 レッドスフィンクス(優勝)
2位 175点 ブルーゲイル(準優勝)
3位 145点 月下の黒猫
4位  90点 チームF
5位  40点 フォレストラビット
6位 −50点 ゴートメンバーズ