世界をブルーゲイルにし〜てしまえっ!
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■ショートシナリオ
担当:マレーア3
対応レベル:8〜14lv
難易度:普通
成功報酬:2 G 98 C
参加人数:7人
サポート参加人数:-人
冒険期間:06月09日〜06月12日
リプレイ公開日:2006年06月15日
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●オープニング
●世界をブルーゲイルにし〜てしまえっ!
それは最初に、あろう事か冒険者ギルドで沸き起こった。
「あれれ!?」
「なんだこの依頼はっ!?」
何人かの冒険者達が、一枚の冒険依頼の前に集まり騒ぎ出したのだ。
何事かと係員が駆け寄ってみたが、最初は何が問題になっているのかさっぱり判らなかった。
「あんた、これを見て何にも判らんのかねっ!?」
真っ赤になって激昂する老人は、杖を振り回しながら目を剥いて吼えた。
「ええかっ!? ごぉれむちゃりおっとれぇすのウィエ分国公爵家の名代であるアクツーク・スピンドル男爵はどこのチームのディレクターじゃ!?」
困惑した顔で、それをじっと見つめる係員の男。
「ブルーゲイルと書いてありますな。これが何か?」
「アホぅっ!!」
ガツン。
鈍い音と共に係員の男は頭を押さえてへたり込む。
「栄えあるブルーゲイルのチームディレクターは、セレ分国が公爵家の名代にして、ワシ等老齢の者の希望!! アレックス・ウッズ男爵様じゃ!! 同じエルフでも、若造のアクツークなど、あ〜あああ‥‥足元にも及ばぬわっ!!」
「へ? はぁ‥‥はあっ!?」
間抜けな顔から目を見開き、ようやく得心がいったらしい係員。
「むわぁ〜ったく、この馬鹿もんがぁっ!!」
「も、申し訳ありません! さ、早速訂正を!」
そう言って、それを剥がして戻る。慌てて書類をひっくり返しながら、書き直そうと依頼書の書類の束をぺらぺらめくり、そこでふと手を止めて眉をひそめた。
「ちっ、写し間違いか‥‥チームFじゃないか! 全く、誰が担当したんだ‥‥?」
ぶつぶつ言いながら、まっさらの羊皮紙に書き直した。
「ぷっ! くくくくく‥‥くははははははははあっ!!!」
翌朝、街のところどころでちょっとした騒ぎが起きていた。そしてそれは、真っ直ぐにある一ヶ所へ。
「あ〜たくしはね、これまでチャリオットのレースなんて、これ〜っぽっちも感心は無かったので、ござぁ〜ますのよ!!! でもね、当家の門にこ〜んな落書きをされる様では、我慢なりませんのでござぁ〜ますわ!!!」
樽の様に太った隣近所の奥方が怒鳴り込んで来て、流石の老紳士、アレックス・ウッズ男爵も心臓がキリキリ痛み出し、よろめく足取りでその様を見に行った。
そして、近所の壁にデカデカと書かれたその文字を見て目を剥いた。
【ブルーゲイル ブルーゲイル ブルーゲイル ブルーゲイル ブルーゲイル‥‥】
巨人の頭程の大きな虹色の文字が、でかでかと記されているでは無いか!?
「ま、まさか、他のチームによる妨害工作!?」
がが〜ん!
愕然とする男爵。
数時間後、家の門を閉ざし、ぐったりとうなだれたアレックス男爵はやおら書斎に向かい、一枚の羊皮紙にペンを走らせた。
ウィルの市街にどこからともなく嘲笑が響く。
「ぷっ! くくくくく‥‥くははははははははあっ!!! ブルーゲイル、イズ、ナンバーワーン!!!! くは〜っはっはっはっはっはっはあっ!!!」
●リプレイ本文
●実際に見てみると‥‥
ウィルの貴族街を、今回の依頼に参加した7人がゆっくりと歩いていた。
「きっと犯人はブルーゲイル・チームのファンだろうから、なるべく穏便に済ませたいよね」
アレックス・ウッズ男爵の館に向かう道、高村綺羅(ea5694)が軽いステップを踏みながらくるりと振り向くと、レッドスフィンクスのメンバー、リューズ・ザジ(eb4197)眉間をピクリとさせた。真っ赤なロングのストレートヘアーが印象的な、高潔な鎧騎士だ。
「犯人は少なくともセトタ語の読み書きが出来る層ではあろうな。よもや妨害工作が事実なれば、騎士の戦いを汚したも同然。厳罰に処すべきだ」
「全く、塗料もタダじゃないでしょうにね」
むっと表情を曇らせ、ブルーゲイルのメンバー、リーン・エグザンティア(eb4501)も、その豊満な胸元を強調するかにクッと腕を組む。
「まぁともかく、さっさと捕まえて、何考えてやったのか聞かせてもらおう」
何となく穏便に済ませる事は無理そうな気配に、綺羅は表情を硬直させくるっと前を向いた。そんな様に、リューズとリーンは厳しい表情をふと微笑ませた。
「無論、事を大きくする前にアレックス卿にどうされるかは、一任するがな」
「そうですね」
リューズに同意をリーンの言葉に、ホッと胸を撫で下ろす綺羅。
そんな様を最後尾から眺め、王蓮華(eb5364)は艶やかな孔雀の羽の扇をゆっくりと扇いだ。
「皆さん、逞しいですね。心強い限りです。ほっほっほ‥‥あら?」
のどぼとけのある細い咽を、ごくりと鳴らし、真っ青なチャイナドレスで色っぽく決めた蓮華は、その通りの街路樹に隠れた壁に早速『ブルーゲイル』の文字を見つけた。
「わぁ〜、虹色だ!!」
続いてセーラ・ティアンズ(eb4726)が目を大きくさせる。
「すっごいきれ〜☆」
ぱぱぱっと近付いて、その鮮やかな色彩に感動する。
「はぁ〜‥‥これがそうか‥‥」
疲れた顔の褐色の肌をした青年、験持鋼斗(eb4368)がため息をつく様にそれを眺めた。
「ふぅ〜‥‥これはペンキじゃないな‥‥スプレー缶だな」
「スプレー缶?」
一斉に、地球出身者以外の者達が聞き返す。
「ああ、スプレー缶ってのは、地球じゃポピュラーなアイテムだ。一見魔法に見えなくも無いが、これはマジックアイテムじゃない」
その場に座り込んで、触ってみた。
でこぼこのある石組みの壁に、一様に鮮やかな虹色の大きな文字。
「ふん。いっぺんに7色出せるのか?」
「ふ〜ん」
メレディス・イスファハーン(eb4863)少年は、さらさらな銀の前髪を払い、鋼斗の背に手を置いて覗き込んだ。
「日曜大工とかで使う奴ですか?」
「ふぅ〜‥‥そうだな」
「私にも調べさせて欲しい」
そう言ってから、リューズはそっとその落書きに手を触れた。そして指先に何の塗料も付いて来ない事を確認すると、手近に転がっている石でガツンと叩いてみた。
飛び散る石片に目を細めながら、叩いた所を触って見る。
「成る程‥‥塗ったのでは無いな‥‥何だこれは?」
鋼斗が顎をさすりながら、低く唸った。
「こいつはラッカー系かエナメル系か‥‥どっちだ? 大体、有機溶剤なんてこっちにあるのか?」
「じゃあ、名前が書き換えられたという事も?」
「それはちょっと判らねぇな」
メレディスの問いに、鋼斗は疲れた顔で頷き、立ち上がった。
「はぁ〜‥‥ただの落書きだと思ったんだがな〜。ギルドへの依頼内容を考えないといけないぜ‥‥」
●アレックス男爵の館で
アレックス男爵に会うと、この件に関しては当人も判っている様子だ。
「愉快犯であれども、妨害工作などとお考えなされますな。我々はウィルの騎士としてレースに臨むのです。卑怯な手で相手を蹴落とし勝利を勝ち得たとして如何にして胸を張って誇れましょうか」
胸を張って思う事を語るリューズ。
「うむ。リューズ卿の丁寧な口上、痛み入る。例の事件はウィルの市内だけに留まらず、日々増えている様だ。これ以上【ブルーゲイル】の名でウィルの人々に迷惑をかける事は許されない。事を荒立てる気はないが、奇声を耳にしたとか、真っ青なマントの怪人を冒険者街で見かけたとか、これはヴルーロウ卿の事だと思うのだが、色々な話が私の耳にも入って来ている。聞けば天界では、フーリガンなる熱狂的ファンが、何かの試合の度に暴れ、興奮が過ぎると街に火を放つ者も居ると言うではないか。あのレースが原因で、ましてや我れらのチームが原因で死傷者が出る様な事は、絶対にあってはならないと私は想うのだよ」
アレックス男爵は少し青ざめた面差しで、声も彼の人物を知る者にとって、それは力の無いものだった。
綺羅、リューズ、鋼斗、リーン、セーラ、メレディス、蓮華の7人の冒険者は、7種7様の表情でこの話に耳を傾け、徐にセーラが前に進み出た。
「男爵様。情報を集める為に人手が要るわ。だから、男爵様の配下を貸してよ」
「うむ。それ故に冒険者ギルドから来て貰った訳だ」
パンパンと手を叩くと、アレックス男爵と同じくらいに老けたエルフの執事が1名顔を出した。
「アルタールよ。家人で手の空いている者を集め、彼等に手を貸してやってくれ」
「判りました‥‥」
アルタールと呼ばれたエルフの老執事は恭しくお辞儀した。
老執事が下がり、セーラが納得した様子を見計らい、メレディスは静かに手を挙げた。
「何かね?」
「はい。お訪ねしたいのは、個人的な恨みを買う様な事や、なにか視線を感じたりだとか、この数日、気になる事はありませんでしたか? あったら教えてもらいたいな」
穏やかなそれでいて品の良い少年。そう言った感じだろうか。メレディスはそれでいて、何か人との交わりを拒絶する様な、そんな鋭利な空気を身にまとっていた。
アレックスは目を伏せ、首を横に振った。
「いや。特に個人的には。強いてあげるなら、ブルーゲイルが優勝した事ぐらいか」
「そうですか‥‥」
そうこうしていると、老執事のドアをノックする音が室内に響いた。
●陽光に吼えろ!
エルフのうら若いメイド、リーネとアイル、そしてテレーズの三名を従え、老エルフのアルタールが加わった所で、聞き込み調査をする為と作戦行動を起こす為に、合計十一名はウィルの街へと散った。
冒険者街で元わるしふ団のメンツに話を聞くセーラ。
「そう‥‥変な格好をする奴が多過ぎるみたいだね。この辺りは‥‥」
聞いてみると、髑髏や竜の被り物をした自称刑事の巨人やら、全身青一色にした吟遊詩人、まるごとメリーさんを身に纏った女性、まるごとばがんのお兄さん、まるごとなーがのお姉さん、フンドシと言う下着を見せたがる立派な騎士、顔を真っ黒に塗ったお姉さん、ウィルの基準では変わった人に事欠かない。それを数え上げると切りがない。例示の人物は、事件を解決しているからこそ公認もされ尊敬も受けている。
「あははは☆ またどっかの奇妙奇天烈な天界人とかがやったんじゃないの〜♪」
「そうそう」
「う〜ん、やっぱりこの界隈じゃ『変』が多過ぎるか‥‥」
セーラは眉間に皺を寄せ、オヤジの様に唸った。
「夜はすぐ寝ちまうからなぁ〜‥‥」
「そう、夜は物騒だからね‥‥」
街の人を前に、リーンは腕を組んで考え込む。これで二十人くらいに尋ねただろうか。書き込みは夜中に行われているらしく、朝になると書かれていたというパターンだ。
「なぁあんた。何者なんだい? 冒険者ギルドの人かい?」
「え? 私? 私はただの偽善者よ」
にっこりと艶やかな微笑み。
「じゃあね、ぼうや」
リーンは甘い香りを残して、そこから立ち去った。
「まったく、ご主人様と大奥様がかんかんで困ったものですよ。えらいとばっちりでさぁ〜」
「さ、左様でございますか‥‥」
樽の様に太ったメイドを前に、アルタールは汗をふきふき。
「そうか‥‥特に染料や顔料を大量に求める様な客は特に居なかったか」
「ああ、そうだな。しかし、ありゃ〜いい宣伝になるなぁ〜。どうせなら、他のチームの名前も描いてくれりゃいいんだが。まぁ、優勝したばかりだから、うちとしちゃぁ暫くあのままでもかまわねぇな」
塗料を扱ってそうな商会を数件巡り、更にマーカス商会を訪ねたら、マーカスランドに居ると聞かされ、チャリオットレース専用の競技場までやって来たリューズだったが、当のマーカス・テクシは別に困っている様子も無い。
競技場の正面に人間大の文字で、でかでかと【ブルーゲイル】と躍っている。
「これを一晩に?」
「ああ、夜中も誰かが遊びに来ているからな。そして明け方にはこのあり様だ。びっくりしたが、もう街の噂で聞いていたからな。この文字は書いたもんじゃねぇ。魔法で何かしやがったんだな。うちで雇いてぇくらいだぜ。くか〜っかっかっかっかっ!!」
「いえ、これは魔法じゃないらしいんだが‥‥」
「いやぁ、偽の依頼書なんてとんでもない!」
首をなかなか縦に振ろうとしない冒険者ギルドの係員を前に、綺羅は悪戦苦闘。
その横で鋼斗も、申込書を手にため息。
「はぁ〜‥‥今日中に10名は人手が欲しいんだ‥‥」
「いえね。今、冒険者はルーケイでの依頼にかなり出かけていて、人手不足なんですよ。あと一日二日もすれば、他の依頼を終えた方が帰って来ると思われますから、依頼の張り出し期間を5日間ほど設けて、最大人数を10名、最少人数を4名で、手数料と併せて報酬はトータルで24Gですか。簡単な依頼という事で拘束期間を3日間という事になりますが、それで宜しいでしょうか?」
「はぁ〜‥‥ああ‥‥」
疲労感にがっくり肩を落とし、鋼斗は大きく頷いた。
方やのらりくらり言葉を弄する係員に、綺羅はドドンとテーブルを叩いた。
「冒険者ギルドの信用問題って、ギルドに張り出した依頼を書き換えられた段階で、充分ギルドの信用は傷付いているのよ! それをも何とかしようとしているんだし、元々ここのギルドを通しての依頼でしょう!? ギルドが協力するのが筋ってもんじゃないのかな!?」
こちらは逆に係員をノックアウト。綺羅は意気揚揚、その上司らしい男と張り出しの交渉を始めた。
「ふぅ〜ん。書き換えられた文字は、確かに黒かったんだね?」
メレディスの問いに『蛙の異常発生調査依頼』の担当者は困った顔でう〜んと唸る。
「書き換えられていたかは‥‥確かに言われてみれば、文体が変だった気もしないでもないが、気のせいかと‥‥黒かったのは確かですよ」
「その羊皮紙は?」
「表面を薄く削って再利用しています。このどこかにあるか、もう他の依頼に使ってしまったか‥‥」
ぽんと傍らに積まれた十数枚の羊皮紙を叩いた。
「あははは‥‥リサイクルですか。それはどの世界でも変わらないんですね」
苦笑するメレディスに、係員は申し訳なさそうに頭を下げた。
「ほ〜れほれほれ、美味しいよ〜」
保存食の中から干し肉を取り出し、木の上の灰色の猫に呼び掛ける蓮華。
(「おいでおいで〜」)
テレパシーで呼びかけると、にゃぁ〜と鳴いて寄って来る。
(「ねぇねぇ聞きたい事があるんだけど?」)
すると猫の脳裏から疑問のイメージが帰って来た。
(「この文字を書いた人を知らない?」)
すると猫の脳裏から理解出来ないというイメージが帰って来た。
「そうね‥‥文字も、書くも、猫の世界じゃ存在しない概念でしょう。ごめんなさい」
頭を優しく撫でてあげると、にゃぁ〜と鳴き蓮華の差し出した干し肉をカツカツと食べ始めた。
そんな蓮華と灰猫の様を横目で眺めながら、リューズは植え込みの陰からある物を見守っていた。
それは『絶対勝利!レッドスフィンクス』と書いた看板。
今日もそれなりに人の集まっているマーカスランド。その人ごみに不審者を求めるが、今の所そんな人物は現れていない。皆、この鮮やかな虹色の前回優勝チームの文字に目を輝かせている。
「確かにあれだけの大きさになると壮観だ‥‥」
●張り込み。そして確保〜っ!
冒険者ギルドとマーカスランドの看板の二箇所に分散して張り込みをする冒険者達。
ギルドには綺羅を中心に、鋼斗、メレディス、セーラの4人が。看板にはリューズを中心に蓮華とリーン、そしてアルタール、リーネ、アイル、テレ−ズが交互に見張りに付く事となった。何しろ後者の4人はギルドではかなり浮いてしまう上に戦闘力は皆無だ。
交代で見張り、この日は何事も無かったかと、ギルドが閉まる間際に囮の依頼書を確認しに四人が集まると‥‥
「う〜ん‥‥」
何時の間にか、全ての依頼書のチーム名がブルーゲイルに! とはなってなかった。
がっかりする綺羅に、セーラは背伸びして依頼書の束を覗き込む。
「現れなかった‥‥の?」
「あまり人が来ませんでしたからね。それに調べたところ、ここでの犯行は最初の1回だけで、後は夜に街中ですから」
メレディス達が集めた情報によるとそう言う事だ。
「ふぃ〜‥‥となると、リューズの方だな‥‥」
鋼斗は疲れた顔で、どっこらしょと椅子に腰掛けた。
それは日が暮れて、街の門が閉まってからの出来事。
マーカスランドに残って遊ぶ者達の姿も流石に疎らだが、そこかしこに魔法の光が灯され幻想的な風景となる。そこを浴衣姿で夜風を浴びながら散歩を楽しむ者、サロンで天界のカードゲームを楽しむ者、夜しか現れない大道芸人の芸を楽しむ者、様々な姿があった。
突然、看板の周りで騒ぎが起きる。
ほのかな灯りにライトアップされた看板が、見る間に虹色の文字に! その手前に、奇妙奇天烈な器具を持った男が、腰をふりふり何かを手にカシャカシャプシューっと吹きかけている!
「ブルーゲイル、イズ、ナンバーワーン!! イェイ!! ブルーゲイル、イズ、ナンバーワーン!! ヤハッ!!」
「くっ!」
「あれねっ!?」
「行くぞ!」
妖しげな腰の振り。くっちゃくっちゃ口を鳴らしながら、ノリノリで看板に『ブルーゲイル』と上書きして行く。
「確保〜っ!」
3人は一斉に走り出す。メレディスは内股走りでかなり遅い。
真っ先に見事なタックルを決めたリューズ。転倒しそうになる男は、とっさにこらえようと身体が泳ぐ。そこへリーンがナイスバディでドスン!
カラカラカラ〜ンと缶カラの乾いた音が鳴り響き、男は甲高い悲鳴を上げた。
「ノ〜ッ!!」
二人にもみくちゃにされながらも男はぎょっと目を見開き、結構な腕力で半身起き上がる。
「オウ!!? ユーはブルーゲイルのミス・リーン!! ワタシ、アナタの大ファンで〜ス!! ム〜ちゅっ☆」
「きゃ、きゃぁぁぁぁぁぁっ!!」
「アイムハッピー!!」
ゴスン☆
後の取調べで、この男は熱狂的なファンである事が判明した。