ぶらりフォレストラビッツ、セレ訪問
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■ショートシナリオ
担当:マレーア3
対応レベル:8〜14lv
難易度:易しい
成功報酬:4 G 15 C
参加人数:6人
サポート参加人数:-人
冒険期間:08月13日〜08月18日
リプレイ公開日:2006年08月20日
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●オープニング
●レッドインパルス号でGO!
この日も、数騎のゴーレムグライダーがウィルの王宮を訪れ、エーガン王への謁見を求めた。
それはセレ分国とトルク分国の特使。
先日の競技会、第4回GCRに優秀な成績を残した、トルク分国公爵家チームである優勝チーム【ゴートメンバーズ】、セレ分国からは準優勝チーム【ブルーゲイル】とあの【レッドスフィンクス】と同率3位の成績を収めた【フォレストラビッツ】の2チーム、それらを一時国元へ迎え宴を催したいとの事。
これに対し、エーガン王は威厳に満ちた声で、応えたという。
「ならば、その通行を許そう」と‥‥
一隻のフロートシップがトルク領からフォロ領との国境たる大河へと進入したのは、夜明けも近く、空が虹色に染まりつつある頃。
真紅の船体、正にその名を冠するが如く、『レッドインパルス』号はトルクのセクテ領を抜け、水面に船体を映し出す様に低空を進む。随伴するゴーレムグライダーは赤い吹流しと共に、大きくトルク家の旗を掲げていた。
見る者を魅了せんが如き、赤の行進。
粛々と行く様は、川筋に生きる者へ新たな時代の到来を、その胸へと明確に焼き付ける瞬間であった。
「副長、副長。前方に機影三。前方に機影三」
「機影確認急がせろ。速度そのまま! 風信器感度無いか!? 信号灯用意!」
「機影確認急げ! 繰り返す! 機影確認急げ!」
「風信機感度良好! 精霊力安定しています! 信号はありません!」
「信号灯用意! 繰り返す! 信号灯用意! 指示あるまで待機!」
ブリッジ要員は次々と伝声管へ指示を出す。
そこへ背後の扉が開き、一人の騎士らしき男がこの艦橋へと足を踏み入れた。
「副長」
「はっ!」
それまで指示を出していた男が、敬礼して男を出迎えた。
「報告致します。物見が前方に三機の機影を確認。所属は未だ確認出来ず。進入角からしてフォロ城からのものと推測されます」
「うむ。確認を急がせろ。第3種戦闘配備を継続! 現速度を維持しつつ前進!」
「はっ!」
「信号班に指示! 『我トルク分国所属レッドインパルス号。フォロ領への侵入許されたし』」
この指示に従い、艦橋の一画より、光の明滅が放たれる。
それは海で古くから使われる信号。光の明滅の組み合わせにより意を伝えた。が、陸の騎士、空の騎士がそれを知るかは別の話。
数刻後、出迎えの三機のゴーレムグライダーに先導され、艦は一路フォロ城へと進んだ。
そこはマーカスランドのサロン。
二階にある一室にて、打ち合わせが進んでいた。
「それでは大まかにはこの様に‥‥」
三人のチームディレクターは、旅の運行予定表を印した書簡を取り交わした。
「先ずはセレに寄り、我等のチームを降ろし、それから船はトルクへと帰還する」
「そこでうちのチームを降ろし、船はセレへ取って返す」
「セレでこちらのチームを拾い、それからトルクへ」
「トルクでうちのチームを拾い、それからここへ」
「もう少しゆっくりとしても構わないのでしょうが‥‥」
「この位が丁度良いでしょう。逗留期間は2日程ですが、その方がまた拝謁する時への励みになるでしょう」
三人は頷き、席を立つ。
「それでは‥‥」
「ええ‥‥」
「レッドインパルス号で‥‥」
『レッドインパルス号で』。それがまるで合言葉であるかの様に。
●リプレイ本文
●出発
フォロ城付近へと降着させた船体を前に、各チームのメンバーはそれぞれ整列していた。当然、チームディレクターもそのお供の方々も。そして宴に出るからには、その奥方と、置いてはいけぬとお子様達も‥‥という訳でハトゥーム家の方々はかなりの大所帯。
バガンすら乗り入れ出来る程の底部ハッチが開かれ、一行はそこから現れた人物と対峙していた。
「皆様、初めまして。わたくしがこの艦の艦長を務めさせて戴きます、ウォーリー・ハイと申します。これからの数日間、度々ご一緒させて戴く事となりました」
ウォーリー卿は育ちの良さそうな笑顔で一礼。フォロ城に集まった一同を出迎えたのは、意外に若い艦長だった。
やや面長の風貌。長身で物腰の柔らかな雰囲気。二十代前半だろうか。身なりも良い。天界グッズの丸い黒ぶち眼鏡を身に付けているのも洒落ている。
「レースで優秀な成績を収めました皆様を、この艦にお招き出来る栄誉を誇らしく想います。当艦は軍船故、大したお持て成しは出来ませんが、乗船の後はゆるりとおくつろぎ下さい」
「ありがとうございます。トルク王陛下のご厚意に甘えさせて戴きます」
セレ分国を代表して、ベルゲリオン子爵が礼を示す。
「では、皆様、ご搭乗下さい。係りの者が部屋を案内致しますので、それに従って下さい」
かくして、いよいよ搭乗である。
「は、ははは、こりゃいいや☆」
にこにこしながら手頃なメイドを物色するルヴィア・レヴィア(eb4263)。
「エルフのメイドさんばっかりだな〜。さて、どうしよっかなぁ〜☆」
●空行かば
フォロ城を発った真紅のフロートシップは、数刻も経てば森の上へと出る。
その頃にはようやく高度をとれる。
眼下に広がるは、どこの勢力にも組み込まれない未開の地。森や荒地、礫の原など、人の住めぬ地域、他の種族が住まう地域。そうでなければ、あれやこれやと問題になる。
ディーナやリールが、格納庫でこの艦のゴーレムニスト達と何かしている頃、各ディレクター達は食堂で一同に会していた。
そこへ金のプレートを手にぶらり現れた門見雨霧(eb4637)。相変わらずの猫背。挨拶すると、それをベルゲリオン子爵に見せた。
「これ、新しいチャリに張りたいんですが」
「何だねそれは?」
「これまでフォレストラビッツに参加した19名のネームを刻んだんだ。後々残る様にってね‥‥」
それを手にし、子爵は変な顔をする。
「これは天界の文字かね?」
「あっ!? しまった〜っ!!」
日本語で彫り、頭を抱える雨霧。
「ほお、これはこれは!」
「面白いですな‥‥」
ところがアレックス男爵やボルゲル男爵が面白がって覗き込む。
そこへエルシードやアルフォンス等も加わった。
「アレックス男爵様、我等のチームにもこの様な物を‥‥」
「悪くはないでござろう?」
そんな話から話題はセレ国の話へと移っていった。
「では、特に無くて困る様な物はないのですね?」
エルシードの問い掛けに先ずは子爵が話をする事となった。
「いいかね、エルシード卿。国という物は、大概、そこで必要な食料などはほぼ生産出来ているものなのだよ。そうでなければ領地経営という物は成り立たなくなる。漁港や鉱山街等の特殊な場合は、そこで採れた他で必要な物を代価に、小麦や酒と言った、日々必要な物から嗜好品にかけて手に入れる事になる。セレの国は、そう言った意味では全体的には前者の方になる。森の恵を受け、森に住まう者と共に我等エルフは生きている。故に森を荒らすオーグラ等の者を追い払い、ドラゴンに代表される森と共にある者と共にある。そういった意味で人は、オーグラに近い者が多いが、中には森の中で生きる者も居る。故にセレはフォロやトルクと言った国々と、共に歩む事で人の生き方を尊重し、我等の生き方もまた尊重されているのだよ。それなくしては、人とエルフは、森の木々を巡る争いを無くす事は出来なかったのでは無いかな?」
それ故に今の国境が存在する。
尤も、人界の森林はそのほとんどが空白地帯。
そこでアレックス男爵が子爵に一礼し語り始めた。
「セレから出る木工品等は、人間達の様にただ木を切り殺し森を食い潰している訳では無いのだよ。エルフは森と共に生き、その中でどうしても斬らなければ他の木共々枯れてしまう者を間引いたり、倒れた木に、第2の生を与えている。ある者はそのまま森に還り、新たな生命の苗床になる者も居る。また姿形を変え、共に歩む者も居る。我等は森を愛し、森と共に生きる。判るかね? アルフォンス卿。それが決定的な違いであり、人とエルフが踏み越える事の出来ない境界なのだよ。踏み越えた結果、交じり合った者は、その境にあり、どちらにも属する事が出来ずに彷徨う、忌まわしき存在になる」
アルフォンスの表情は、深編み笠に隠れて読めぬ。
その様を、何時の間にやら部屋の片隅にあったエデン・アフナ・ワルヤ(eb4375)は、静かに眺めていた。首に巻いた緑色のスカーフを摘む。胸に刺さった小さな刺が抜けるのではと夢想し。
地球において、文明とは森を食い潰して発展する。そして、森が消えた時点で衰退の道を歩む。それは短い生を歩む者には、気付きようの無い理。そして、礫の原にその痕跡を残すのみ。
「さあさあ、お手伝いしましょうね〜」
「宜しいのですか?」
「は、ははは〜いいのいいの♪」
厩に集うハトゥーム家の12人の子供達。そして侍女のメロディとメイド服に身を包んだルディがにこやかに飼葉桶を手にしていた。
「あっ、タマだよ!」
「タマタマ!」
パタパタと駆け寄る子供達。
ぶるると鼻息も荒く、馬の姿をしたヒポカンプスのティロータマが、一瞬怯えて嘶くも、見知った顔と判ると大人しくなり、差し出される小さな手に鼻面を撫でさせるにまかせた。
「あっれ〜、エデン卿の馬とあんたら知り合い!?」
素っ頓狂な声のルディに、一斉に子供達はうんと答えた。
「ふぅ〜ん、そうなんだ」
「皆さん、そんな風にしては、お馬さんが怯えてしまいますよ」
にこやかに子供達へ歩み寄るメロディ。
ルディも慌てて駆け寄ろうとした時、背後に人の気配。
「おや? 坊や達は確かハトゥーム家の‥‥」
余りの賑やかさにひょいと顔を出したのは金欠エルフのフレッド卿であった。
「おお、馬の世話ですか。感心感心」
「おまえは確かゴートメンバーズの‥‥」
「あれ? どっかで見た顔だな?」
ルディを見て妙な顔をするフレッド。
「は〜い♪おぼっちゃま達のお世話をさせて戴いておりますのよ、おほほほ☆」
ぺろりと舌を出しくるり振り向き、子供達の中に飛び込むルディ。フレッドは変な顔をしたまま、自分の二頭の馬に歩み寄り、その首を撫でてやった。
そこでガタンと手桶を置き、子供の一人が小さな空気取り窓から外を指差した。
「あ!? 見て見て!」
「グライダーだ!」
一人が気付くと、小窓に一斉に駆け寄った。
パラパラと側舷から放出された4機のゴーレムグライダーは、赤い船体を上下から挟み込む様に二騎ずつに別れた。
眼前に広がるは、見渡すばかりの緑深き森。
セレだ。
エルフの領域に踏み込んだのだ。
●宴
恐ろしく巨大な樹木の狭間に落ち込んだかの様に真紅の船体があった。
大地に降下する事無く、巨大な精霊力で浮遊する船体から渡り板が延び、樹上都市セレの外郭に降り立った一行は、大勢のエルフ達に囲まれていた。
出迎えた饗応役のエルフに連れられ、一行は歌声の中、木々に渡された橋を渡り、次第に都市の中央へと進んで行く。
木々と一体化した建物群。そしてそれらを幾重にも繋ぐ空中回廊。
次第に、その建物の造りが重々しく、時代を感じさせる趣とスケールを兼ね備えて来る。
そこである館へと入り休憩となり、その数刻後、一行はセレの王城へと入城していた。
大広間へと通され、その一歩前の部屋へ。そこでひとしきり楽の音が鳴り響いた。
「アレックス・ウッズ男爵! チーム・ブルーゲイル!」
その呼び声に、整然と立ち並び、ブルーゲイルのメンバーは一足先にエルフの貴族達が居並ぶ大広間へと。
そして少しの間を置いて。
「ベルゲリオン・ア・ハトゥーム子爵! チーム・フォレストラビッツ!」
その声に子爵と共に進み出た。
大広間の天蓋は広く高く、柔らかな光が天窓から幾条も伸びていた。
木の柱には豪奢なタペストリーが掛けられ、セレの伝承をそこで物語っている。
その下を、堂々とした足取りで進み行き、ブルーゲイルの数歩後ろに立ち並び、そこで跪いた。
そこで、眼前の玉座に座るセレ王、コハク・セレがこの宴の主役の到着に、楽の音を止めさせた。
「皆、長旅ご苦労であった。セレの栄誉の為に力を尽くし、それを護った者達よ、皆に表を見せその栄誉ある名を知らしめよ」
「はは〜っ!」
ブルーゲイルの各人が名乗りを挙げた後、フォレストラビッツの番となった。
「うひゃぁ〜、緊張した〜☆」
にっかり笑うルディがパタパタと着替えに駆け戻る。
大広間では楽の音に合わせ踊るエルフ達。
その中に礼服に身を包んだライナス・フェンラン(eb4213)の姿。
「まぁ、お上手です事」
「若いものには負けん」
そう言って、くるくると回って見せるライナス。その向こうエンヴィとディーナも舞う。
既に、パティがばくばくと料理に喰らい付き、何人かは壁の花。
「これはどこのワインかな?」
「知るかよっ! 話し掛けんなバカ! それより肉は無ぇのか肉は!?」
くいっと空けた杯を手に、肩をすくめるオラース。
「やれやれ‥‥実に鮮烈な酸味だ‥‥深い風味があらぁ‥‥」
「それは、この辺りで採れる山葡萄を醗酵させた物ですわ」
「これはこれは公爵夫人‥‥」
「夫人は余計ですわよ。宜しければ一曲、お相手願えますか?」
「喜んで、と言いたい所ですが、踊りは苦手で」
「やはり苦手ですわ‥‥」
一曲踊って逃げて来たイフェリア・エルトランス(ea5592)は、はにかみながらエデンの横にちょこんと立った。
「そうですか」
純白のドレスに真珠をちりばめたティアラと、かなり気合が入っている様子。
上気した様子で、ほうとため息をつきながら、手にした杯に少し口を付けた。
「何の。お上手でしたよ」
「忍び歩きの応用だわ」
苦笑するイフェリアに、エデンは手にした杯を軽く差し出し、カチンと合わせた。
その傍らではレイ・リアンドラ(eb4326)が妻のアンを伴に、饗応役の貴族達と話しこんでいる。
「例の件では、姫様共々大変お世話になりました。まさか、この様な形で再会出来るとは、夢にも思ってはおりませんでした。この次は是非にフォロへ」
「ありがとうございます。時間があれば是非一度。しかし、まさかレイ殿にこれ程にお美しい奥方がいらっしゃるとは、この度の一番の驚きです」
「まぁ、お上手ですこと。子爵様」
口元を扇で隠し、ころころと笑うアン夫人。
レイもホッと胸を撫で下ろし、この会話を油断無く楽しんだ。子供のロイは、ハトゥーム家の侍女が他の子供達と一緒に面倒を見てくれている。こうして、妻と二人きりで和やかな時間を過ごすのは久しく、新鮮さを覚えるレイであった。
その日、怪しげな人間のメイドが出没し、貴族相手にちょっとした悪戯をして回ったのは言うまでもない。
●剣打ち式
それはアレックス男爵を立会人に行われた。
「汝、エルシード・カペアドールよ。我が権限により、汝を我が騎士の一人とする」
コハク王は、その剣を持ちエルシードの肩を剣の平で軽く打つ。
「立つが良い」
「はい」
それは一人の騎士が自ら望み、主君を得た瞬間であった。
●試合
翌日、セレのあちこちを散策する両チームのメンバーが見受けられた。
中には派手に立ち回る者も。
ゴーレム兵器の整備場近くの広場。二騎のウッドゴーレムを使った模擬戦が、エルシードとリーン、セレの騎士との間で行われると、周囲には多くのエルフが集っていた。
立ち上がるゴーレムは、バガンに比べればシルエットが細く、その駆動する感じは僅かに軽やか。
「いいなぁ〜、俺も頼めば良かったかな?」
雨霧は送り出された整備場から眺めた。
この工房は、地球のそれに比べればお粗末な物だ。
制御胞から姿を見せる美しい女騎士は、試すかの様に四肢を動かす。
「エルシード! 意地をお見せ!」
「判ってるわ! そこで見てなさい!」
バタンと閉まる制御胞の扉。
「ゴーレム頼みの鎧騎士なんて呼ばせない 」
呟くエルシード。睨む様に、全面に映し出された光景を見入った。
「はっ、おっかねぇ〜」
「何よ?」
まるでつまらない物を見る様に、軽口を叩く雨霧をリーンは睨んだ。
ライナスは土産物を物色して回る。
「まぁ森の中だからな」
そして木彫りの熊を前に、ため息を漏らした。
震える手でそれに触れる。素晴らしいと‥‥
別の広場ではオラースとパラのリィムが対峙していた。
「最も自由な豪剣士! 元より叶わぬのは承知してますが‥‥一度は挑みたいと常々思ってました!」
「良いだろう。来な」
迷わず突っかかるリィムの小さな身体。それをオラースは余裕でいなす。
「まだまだぁっ!」
キュインッ!!
「ああ‥‥とても観てられませんわ、貴方」
その光景を掌で覆い隠すアン。レイはその細く震える両肩を覆う様に手を置き、耳元にそっと語りかけた。
「行こう」
「え〜?」
口を尖らせる息子のロイに、レイは小さく首を左右に振った。
「母様の気分が優れないのだ。気の休まる所に連れて行ってあげなくてはな」
「ごめんなさいね、ロイ‥‥」
「はい‥‥父様。母様、大丈夫?」
きゅっと口をすぼませ、ちらと試合を盗み観たロイに、レイは穏やかな笑みを浮かべ、そっとその頭を撫でてやった。
●森行かば
「本当にその弓の名手っているのかしら?」
「多分もうちょっとですよ」
清々しい森の間を抜け、エデンとイフェリアの二人は深緑に包まれた世界を愛馬と共に進んだ。
柔らかな木漏れ日が、しっとりとした風と共に頬を触れて行く。
遠くに鳥の鳴き声と羽ばたき。
そして、ちょろちょろと流れる清水の音。
朝露に濡れる草の香を、肺一杯に吸い込む。
「来て良かったですね」
「古い森‥‥流石エルフの森ね」
エデンの微笑みに、イフェリアは苦笑を浮かべた。それは余りに、相手の微笑みに陰りが無くて、自分がここにおいても生き死にに身を置いている事に、あまりの差異を感じてしまい‥‥。