アキテの巫女〜スライムの群れ
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■ショートシナリオ
担当:マレーア4
対応レベル:8〜14lv
難易度:易しい
成功報酬:2 G 49 C
参加人数:13人
サポート参加人数:-人
冒険期間:10月24日〜10月27日
リプレイ公開日:2006年11月03日
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●オープニング
ウィルの近く。其処には精霊に守られた領地があるという。
その領地の名はアキテ子爵領。当主は代々女性という事で有名である。
しかし、その土地の精霊信仰は物凄いものがあった。
人より精霊を優遇するというのだ。
「巫女様!」
「ん? カミーユ。どうしたの?」
「これより祈祷の時間でございます。どうか祭壇へお急ぎくださいませ」
キルティングアーマーにチェインメイル。白百合の花を抱く女騎士は、そう言うと頭を垂れた。
巫女と呼ばれる女性は、其れを聞くと小さく溜息をつくのだった。
「もうそんな時刻なのね。何だか時間が早く感じるわ」
「仕方ありません。巫女様は色々とご趣味を御持ちなのですから、時間もお忘れになりましょう」
「それもそうね。それでは行きましょう。カミーユ、跡は頼んだわ」
「はい、巫女様」
そう言うと、巫女は祭壇と向かう為部屋を出た。
それと入れ違いに一人の女性騎士が慌てて入ってきた。
「どうした、騒々しい」
「カミーユ様、聖地の付近に魔物が‥‥!」
「何‥‥!? これから祈祷のお時間、我々は護衛に行かねばならないのだぞ!?」
ここ、アキテでは精霊の加護により守られている事を感謝する為、一日二回。巫女による祈祷が必須となっているのだ。
祭壇は森の中にある為、カミーユが隊長を務める白百合騎士団は祈祷の間、巫女を護衛しなければならないのだ。
しかし、タイミングが悪い事に祈祷の時間に魔物が出現したというのだ。
流石に祈祷の間、巫女の近くを離れるわけにはいかない。
「如何なさいましょう、カミーユ様!?」
「魔物の数は?」
「ビリジアンスライムが3匹、ブラックスライムが頭を務めているようです」
「スライムどもか‥‥困ったな‥‥手間取るに決まっている‥‥。仕方ない、王都から冒険者を呼んでくれ。対処してもらう!」
カミーユがそう言うと、女騎士は急ぎ伝書鳩を王都のギルドへと飛ばしたのである。
「今回はアキテ子爵領の白百合騎士団からの依頼です」
「アキテ子爵領?」
「そうです。精霊の聖地を持つと言われている土地です。スライムの群れを何とか撃破して欲しいとのコトです」
「騎士団は‥‥?」
「巫女様の護衛がある為、離れられないそうです。あ、それと‥‥」
「?」
「ペットのフェアリー、精霊獣を連れていく場合‥‥優遇されるのはペットなので注意してくださいね? 飼い主がペットの食べ残しを食べることになると思いますよ」
何せ、其処は精霊崇拝の地だから‥‥。
●リプレイ本文
●アキテ領
アキテ領は王都ウィルの北に位置する子爵領。精霊の加護豊かで一種独特の土地柄である。フオロに属するものの、精霊信仰の聖地として独自の立場を貫いている。
その第一は女系相続。代々の子爵は長女、あるいは長男の嫁を以て継承され、男子が襲ぐことは無い。フオロ家の為に精霊に仕えることがその役目である。
アキテは精霊に仕える巫女である女性の騎士団がある。尤も個人の武勇は別にすれば規模が小さすぎて外征に任ずるような戦力は無い。しかし精霊信仰篤いウィルでは、聖地である彼の地を突っ切って王都に進軍することは慣習上難しい。また、地形や生息するモンスターのため、アキテを抜けるよりは迂回した方が楽に王都に到達できる。かつまた少数ながらウィザードも擁するため、アキテはそこにあるだけで防壁の役割を為していた。
「本当に道らしい道は無いんだな」
アレス・メルリード(ea0454)がぼやく。少なくとももっとまともな道が有って然るべきだ。なのに、馬車も通れぬ獣道。灌木や茂みや小川を避け、羊腸の道が続く。
「気を着けて。ここからこの小川の中を進むと書いてます」
トリア・サテッレウス(ea1716)が渡されたメモを読みながら注意を促す。
「なんでこんな風にしてるんだろう?」
女性の集団からの依頼と聞いて、二つ返事で引き受けたリオン・ラーディナス(ea1458)はため息を吐いた。
整備されたウィンターフォルセの道とは大違いだ。例外は北部諸侯領地群に至る街道だが、そことて迷わぬ程度の道の体裁。アキテ領に来る途中も、何度も深い水たまりや飛び石や丸木橋しかない川を超えただろう。
幸い今は乾いていたが、くっきりと人馬の足跡が残る道は、雨が降れば忽ち立ち往生するような泥濘になる。さらさらと流れる川は、増水すると馬車を立ち往生させるだろうし、渇水期に枯れると天然の塹壕になる。少なくとも、産業の発展のために道を創ると言う発想はアキテにはない。
「アキテが精霊信仰が篤いためと、王都の防衛上の都合だそうですよ。王家の森が手つかずなのもそのためとか」
ギルス・シャハウ(ea5876)はギルドで受けた説明を繰り返す。道は敵に対しても有利働くのだ。また、アキテの住民特有の信仰心もある。可能な限り自然を弄らず、人が自然に合わせる生き方は、不便を甘受してこそ初めて成る。
「でも、スライムと戦うのは初めてだ。誰かご存じですか?」
アレスの問いに、ギルスとピノ・ノワール(ea9244)が説明する。
「ビリジアンスライムは深緑の粘液のような生物で、Gパニッシャーが効果的でした。ブラックスライムは水に塗れた黒曜石のような丸い物体で、体当たりの他に酸を飛ばしてきました」
ギルスは今までの経験を語り、ピノは書物で読んだ知識を語る。
「そろそろだね。オレは前方の警戒をする。もし手の空いている人がいたら、側方の警戒もお願いしたい。ビノさん、デティクトライフフォースはまだ温存しておいて欲しい」
リオンは前に進み、警戒を開始。ビノは以前倒したパラサイトを思い出しながら、
「近づいたら教えて欲しい。屋外では不意に襲われそうな場所は一目で判る」
と、言葉少なげに答えた。
●スライム出現
「今回はお兄ちゃんがいっぱいなのにゃ〜♪ 両手どころか周りに花がいっぱいにゃ♪」
なんて言いながら歩いているチカ・ニシムラ(ea1128)の回りだけ、空気の色が違って見える。なんてったって平均年齢23歳のお兄ちゃんが11人もいる中で、チカは紅一点の15歳。
「ピクニックと勘違いされては困る」
と、眼帯のお兄ちゃん、ユパウル・ランスロット(ea1389)がぼそっと一言。
で、やっと辿り着いた森の中。
「ここが聖地の森です」
「祭壇はどこだ?」
「一本道の突き当たりらしいです」
テッサはメモを頼りに歩き続ける。
「一本道って‥‥おい。俺達、迷ってないか?」
周囲をきょろきょろ見回すアレス。歩いてきた一本道は所構わずくねくねと曲がり、いつの間にか獣道に変わっているような。
「道標くらい立てときゃいいのに」
「いや、そこは聖地。俗人が容易く足を踏み入れぬよう、あえて道筋を分かり難くしているのだろう」
そう見立てた一文字羅猛(ea0643)には、今いる場所がジャパンの霊場と似通って感じられもする。
「しかし困った。早く白百合騎士団の方々より、スライムの居場所を聞き出さねば‥‥」
不意に途切れる言葉。羅猛は近づいて来る怪しい物音に気付いたのだ。
「気をつけろ、何かが来るぞ」
いきなりそいつはチカの目の前に飛び出した。黒っぽくて丸い塊。しかも、どでかい。
「出たにゃぁ! スライムだにゃぁ!」
「ぬああああーっ!!」
横合いから羅猛の金棒「針千本」、チカに襲いかからんとしたブラックスライムをぶちのめし!
ぶにゅあっ!! 名状し難き音を上げ、スライムは森の木々の後ろへ逆戻り。
「あんなに近くで見ると、ド迫力だにゃ」
体長2mのブラックスライム。飛びかかられたら小柄なチカなどは丸飲みにされてしまう。
「ヤツはどこに消えた!?」
目を凝らして森の奥を見やるユパウルだが、下草や藪や立ち木に阻まれて見通しが悪い。
「もはや近くにはいないようです」
と、デティクトライフフォースの魔法で探りを入れたピノが言うが、さらに続きがあった。
「ですが、ビリジアンスライムが3匹、反対側に隠れているようです」
「何!?」
冒険者達が森の反対側に目を転じれば、下草がもぞもぞと奇妙な揺れ方をしている。
「あそこか!」
ユパウルが近づこうとした途端、ブラックスライムが戻って来た。
「うわっ!」
咄嗟に足位置をずらして回避。
「なんて素早いヤツだ!」
冒険者達は戦闘になだれ込む。しかも、見通しが悪く障害物の多い森の中で、態勢を整える暇もなく。
●黒いヤツ
ブラックスライムの動きは呆れる程速い。
「スライムのくせして!」
迷路のような森の中をジグザグに動き回るから始末が悪い。苦もなく追いつけたのは、身軽に動き回れるシフールのギルスのみ。高速詠唱でコアギュレイトをぶちかますと、ようやくスライムの動きが止まる。
「早く! 早く!」
ギルスに急かされ、長渡泰斗(ea1984)とピノが追い付いた。先ず泰斗が太刀「三条宗近」を叩き込み、さらにピノが神聖魔法で攻撃。
「聖なる光が裁いてくれます。滅せよ!」
放たれた黒い光がスライムに吸い込まれる。スライムはそのまま動かず。
「トドメを刺せたでしょうか?」
まだ分からない。かなり遅れて羅猛が追い付いた。
「ふう、やっと追いつけた」
金棒「針千本」を振り上げる羅猛。途端、スライムはごろりと動き出す。
「あっ!」
邪悪とは言い切れない存在は、魔法抵抗でブラックホーリーを無効化することもある。またもスライムは転がるように動き出した。
「魔法が解けた〜!」
ギルスが叫ぶ。しかし、既に陸奥勇人(ea3329)が先回り。
「こいつで勝負だ、吹っ飛べ!」
両手に構えたインセクトスレイヤー、その重量を最大限に生かし、スライムに叩きつける。
ぶじゅあっ!!!!
スライムは破裂。死骸の欠片がド派手に飛び散る。
●緑のヤツ
「さあ、どんどん行くにゃ〜♪ 雷よ、その力で我が前の敵を撃てっ! ライトニングサンダーボルトっ!」
密生する草の陰でずるずる這い回るビリジアンスライムを相手に奮闘するチカ。しかし視界が悪くて狙いを定めにくく、放たれた稲妻はすぐ地面に吸い込まれる。
「ならば、これだにゃ! ウインドスラッシュ!」
真空刃が飛んだ。ちぎれた草の切れ端が舞い、木の枝が切り裂かれる。しかし見た目が派手な割には、敵へのダメージが今ひとつ。
「危ないっ!」
草に隠れて酸を飛ばそうとしたスライムをユパウルが発見。チカの体に酸がかかる前に、自らのサーコートで防ぐ。
「あ、ありがとにゃ」
「よしっ! 俺が囮になる!」
リオンが飛び出し、トリアも続く。
「メイスで叩き潰してくれましょう」
さらにケンイチ・ヤマモト(ea0760)が魔法で援護射撃。
「リオンさんに一番近いスライムに! ムーンアロー!」
対象を指定するだけで飛んで行く光の矢が、草の陰に吸い込まれる。
「そこか!」
矢の消えた位置に、渾身の力を込めてインセクトスレイヤーを叩きつけるリオン。一撃、二撃、三撃‥‥。動く気配が消える。スライムはぐちゃぐちゃに潰れて死んでいた。
またも光の矢が飛び、スライムに命中。
「其は猛き竜の吐息、疾し鋭刃。集いて我が敵を散らせ!」
ムーンアローとタイミングを合わせて放たれたゼタル・マグスレード(ea1798)のウィンドスラッシュが、スライムを切り裂く。トドメを決めたのはトリアのメイス。
「さて、残る1匹は‥‥」
いた! ゼダルの後方からじわりじわりと接近中!
「さあ、これぞルークの真骨頂‥‥退かぬ戦い、お見せつかまつる!」
言い終わるや、電撃がスライムを焼く。ゼタルが咄嗟に張ったライトニングトラップに、スライムは引っかかった。間髪を置かず、ゼダルがトドメの一撃。スライムは死んだ。
戦果にトリアは大満足。
「スライム退治だって、アトランティスじゃあイチバンですよ♪」
●戦いの後で
「みんなも武器防具の手入れはしておいた方がいいぞ」
インセクトスレイヤーを丁寧に拭い、油を塗る勇人。敵を倒したのはいいが、スライムの酸で愛用の武具がボロボロというのでは笑い話にもならない。戦闘中に捨て置いた傷を癒して回るギルスに、チカはどんな応急手当をしたかを説明する。
「にしても、見事な治療だなぁ。傷も残らないんじゃない? 惚れ惚れするよ」
「そうかにゃ?」
褒められて嬉しげな彼女。どうやら皆、五体満足で帰れそうだ。ゼダルなどは、いっそ傷でも負っていれば、暫く留まって見聞を広める事も出来たろうに、と悔しがっているのだが。
勇人に向かってふらふらと妖精が飛んで来たのは、そんな最中。すぐに彼の妖精、紅だと気が付いた。どうやら、預けておいた荷物に紛れ込んでいたらしい。彼の肩に着陸すると、ぽってりと膨らんだお腹を抱えてゲップをひとつ。大変な持て成しをされていた様だが、精霊様、精霊様、と呼ぶ声を聞くと、紅は勇人の衣の中に潜り込んでしまった。
「はは、歓待され過ぎて逆に居辛いか?」
話しているところに、巫女見習の少女達がやって来た。
「まあ、何ですか、その様に精霊様と馴れ馴れしげに‥‥無礼でありましょう」
「紅は俺の、言わば家族みたいなもんだ。なぁ、紅」
なー♪ と答える紅に、少女達は驚き困惑しながらヒソヒソと話し合う。
「なるほど、そなたが精霊様の重く用いる下僕というなら致し方ありません。大変な幸運なのですから、くれぐれも粗相の無い様にするのですよ」
でも、男などに精霊様の下僕が務まるのかしら、などと真剣に心配する様子を見ると、さしもの勇人もどう対応して良いものやら、少々困ってしまう。
「色々な流儀があるものです」
ポロンポロンとリュートを爪弾きながら、興味深げに語るケンイチ。勇人は「そうだな」と苦笑するしかない。そうこうする内、何やら彼女達が慌て出し、すっと両脇に退いて膝を付いた。
「皆さん、ご苦労様でした」
現れたのは、巫女の長たるアキテ子爵と護衛の騎士達。
「おかげで儀式は何の滞りもなく果たされました。感謝しています」
無事、仕事は果たせた様だ。一同、胸を撫で下ろす。が。
恋の亡ぶるそれ迄は、進めーや進めッ諸共に♪
「何だこの妙な歌は‥‥」
カミーユがすかさず巫女を庇ったのは、さすが日々の鍛錬の賜物というべきか。しかしこの『刺客』の狙いは、まさにそのカミーユなのである。冒険者学校の制服に身を包んだリオンは、滑る様に彼女の目前に跪き、悩ましげに悶えながら愛の言葉を紡ぎ出す。
「ああ、オレの心は今日、キミという牢獄の虜となってしまったんだ! キミの全てが鎖となって、ボクを雁字搦めに縛ってしまう。無期懲役、永遠の牢獄で叫び続けるオレの魂を哀れと思うなら、熱いキミの唇で──」
カミーユの剣の切っ先1mm程が、リオンの首筋にめり込んでいた。やれやれ、と首を振った羅猛、題目を唱え出す。
「安心しろ、貴様の葬儀は拙僧が立派に挙げてやる」
「そこな異教の祭司よ、呪文を唱えるのは止めよ。そしてお前! お前はその破廉恥な言葉を垂れ流すのを止めろ!」
「キレイなコをキレイとも言えないこんな世の中じゃ‥‥。ただオレは、正直者になりたいだけなんだ、オレの首を切り裂いても、この気持ちの純粋さだけは疑わないでくれよな。なあミコ様、ミコ様も恋愛くらいするだろ? 結婚とかさぁ、全然考えたことないの?」
「ば、馬鹿者! 巫女とは精霊と契りを結ぶ存在、人間との恋愛など、それを冒涜し裏切る行為に他ならないのだ、ましてや結婚など‥‥」
カンカンに怒るカミーユと、可笑しげに笑う巫女。
「許されるのは、騎士が領主の奥方に仕えるような、清い関係だけなの。次の巫女が跡を継ぎ、自分が巫女の座を降りれば結婚は許さるけれど‥‥。でも、結婚せず、一生独身を貫く巫女も珍しくはないわ」
長の下に連なる巫女達は、そこまでの戒律に縛られてはいない。だが、そのあり方を最も尊いとするのは自然な事だ。
「それって‥‥」
神奈薫(eb8335)は疑問を口にしかけたが、結局は飲み込んで胸の内に収めておいた。それぞれの土地には、それぞれの慣わし、風習があるものだ。許してあげなさい、と巫女様のお言葉があって、ようやくリオンは解放された。
「無礼の段、お詫び申し上げる」
泰斗もこの流れで頼みごとはし難かったが、意を決して口にする。
「ここは精霊に縁深き地。そこで、いささか相談に乗っていただきたき儀が‥‥」
泰斗は遺跡での出来事を掻い摘んで話し、今もその力は己が身に宿っているのだろうか、と問うた。巫女は彼を暫しの間、じっと見詰める。なるほど、調べてみましょう、と呟いた彼女の体が、金色の淡い光に包まれた。
「まるで魔力を秘めた魔器のよう。あなたの身には、今も水の力が宿っている様です」
しかし、それ以上の事は分からぬ様子。泰斗は深く頭を垂れ、礼を述べた。
「巫女様、そろそろお戻りになりませんと」
冷静さを取り戻したカミーユが、巫女を促す。また何かあった時には頼みます、と微笑んだ巫女に、いけません巫女様、あの様な者達は‥‥と取り巻き達。皆から少し距離を置き、一部始終を眺めていたギルスは、ふう、とひとつ、溜息をついた。
「本当にここは、ジーザス教とはまるで違う摂理で動いているんだね」
無闇に宗論を戦わせなくて本当によかったよ、と自分を褒める。
「まあ、自然に振舞っておくしか無いのかな」
多分、相手も自分達をどう扱っていいものか、困っているのだろうから。少女と目が合った彼は、ただ、にっこりと微笑んでおいた。少女は戸惑って立ち尽くしていたが、小さく手を振って、巫女の一行を追いかけて行った。